南アルプス全山縦走記録

2011年8月8日〜18日まで11日間かけて池口登山口(�@)から夜叉神峠(�K)まで、南アルプスのほぼすべての主稜線を歩いて来ました。
少しでも荷物を軽くするために、ザックはウルトラライトウェイト仕様の400gのものに変更し、テント(1.5kg)はツェルト(0.5kg)に変更、シュラフも無し、その他不必要なものは持たないようにして軽量化に努めました。
そして11日間分の食料を担いで上がったわけですが、食料自体の重さと体調の悪さでのっけからひと気の無い山の中で歩けなくなり、水無しのまま激しい雷雨の夜をビバークして過ごすスタートとなりました。(逆に雷雨のお陰で水を得られました)

光岳(てかりだけ)に取り付いてからは、体調が徐々に持ち直し、写真のような天気が終始続いたので、とても気分良く歩くことが出来ました。
11日間分のコースの断面図です。(右にひたすら続きます)

南アルプスの稜線はとにかくアップダウンがキツく、せっかく3000mまで上がってもすぐに2500m以下に降りることが多く、「気分良く」とは言っても、終始「シャリバテ」(空腹)との戦いを強いられました。
11日間の総移動距離は140km、累計標高差 16500m (登りも下りもほぼ同じ)でした。
以下、写真集です。

ガスを纏い始めた稜線

広河内岳付近の景色。左奥は南アルプス最南端の3000m峰、聖岳(ひじりだけ)。

百間平(ひゃっけんだいら)。
正面に赤石岳が見えるはずですが、ガスに包まれていました。
(ちょっとカメラのレンズが曇っています)

早朝に荒川岳(悪沢岳)の山頂から眺めた後光。
空全体を覆い尽くすスケールでした。
右に小さく写っているのが富士山。

その富士山をアップで撮影。

荒川三山の稜線歩き。

3000m級の稜線歩きよりも、こういった樹林帯を歩く時間のほうが遙かに長かったです。
ですが、苔に覆われたシラビソ等の原生林はとても美しく、標高が下がっても太陽光線も遮ってくれるので、展望の効く森林限界上の稜線歩きが好きな私でも案外気分良く歩くことが出来ました。

三伏峠付近から眺めた塩見岳。
天気が一瞬だけ好転すると踏んでコースタイム5時間のところを3時間ちょいで登りました。
(実際、私が山頂に居た前後1時間ぐらいの時間だけ晴れていました)

西農鳥岳から中央アルプス方面を眺めた所。

同じ場所から見た日本第四位の高さの間ノ岳(あいのだけ)と、右奥が日本第二位の高さを誇る北岳(3193m)。
現在立っている農鳥岳と含めて白根三山と呼ばれています。

さすが人気の白根三山。次々と登山者が登ってきます。

湧き上がるガスに囲まれた間ノ岳の山頂。

北岳山荘から見た夕日。

その夕日の反対側。
ちょうど満月が昇り始め、空には虹色の帯が伸びていました。
こんな現象、生まれて初めて見ました。

すばらしい夕焼けショーでした。

翌朝、中白根山から見たガスのカーテン。

薄いガスに包まれ光り輝く北岳。
こんな景色に出会えるので、登山はやめられません。

太陽と濃紺の空。(間ノ岳山頂)

間ノ岳山頂から見下ろした景色。

そして間近に眺める富士山。

仙丈ヶ岳(最奥の高い山)へと続く仙塩尾根。
登山者達からは「バカ尾根」と呼ばれているのですが、実際に歩いてみてその意味がよくわかりました。
3000mから一度2300mまで下って再び3000mまで登り返すという南アルプス恒例の標高差もさることながら、視界は効かない中で延々続く細かいアップダウンに倒木のオンパレード、最後はハイマツに行く手を遮られながらのキツイ行程でした。

早朝の仙丈ヶ岳で朝日を待つひととき。
ズボンのポケットに穴が開いていることに山頂のお地蔵さんの目の前で財布を落とした事で気が付き、持っていた小銭を全てお地蔵さんの前に置いてきました。

北岳(左)と間ノ岳(右)。

太陽光を浴びる小仙丈。

反対側、大仙丈。

朝日を浴びる登山者達。

仙丈ヶ岳を少し下ってから振り返ったところ。
ちょうど山頂の真上に月がありました。
今回の行程はこの月齢の関係でなかなか夜が暗くならず、テン場から天の川を眺めることができませんでした。

甲斐駒摩利支天から見下ろした下界の風景。
空を飛んでいる感覚になります。

同じく摩利支天から見た甲斐駒ケ岳。

早川尾根から南アルプス林道を見下ろしたところ。
いつかここをドライブするのが夢です。
(基本マイカー通行止めですが、チャンスがまったく無いわけではないです)

鳳凰三山、地蔵ヶ岳のオベリスク。

早朝に観音岳から見た富士山と薬師岳(右手前)。

逆方向、朝日を浴びる甲斐駒ケ岳。

南アルプス上空を吹く強風によって作られた雲。
以上です!