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先ほどの落葉した木の所で月と一緒に写真を撮っていたら、



「僕もこの景色が好きなんだよね」



と、ラファエルさんが声をかけてきます。


騒々しい若い子達も視界から消えていなくなり、二人っきりになったので、先程解説してもらったことなどをいろいろ質問させてもらって盛り上がりました。


ここパロベルデは雨季の景色も素晴らしいらしいので、いつかタイミングを合わせてまた来てみたいと思いました。


後は飛行機のトランジット場所の話とか(行きのトランジット場所(マスタングを運転したダラス)の名前をなぜか忘れていて思い出せませんでした)、日本での仕事の話、東京の混雑の話なんかをしました。逆にこちらからラファエルさんがここで何年ガイドをやっているのか尋ねてみたら、意外なことにまだ3年目とのこと。


その前はトゥルトゥゲーロでガイドをやっていたとのことで、ガイド歴自体は長いということで納得しました。


「そういえばトゥルトゥゲーロ手前の■▲■にエスカラバホ(カブトムシ)を捕まえに行ったんですよ」


と、旅の思い出話をしたら、


「お〜そうか!■▲■、もちろん知ってるよ。 じゃぁ、宿に戻ったらホワイトボードの蛍光灯とブラックライトを点けておいてあげるから、2時間後に見に来てよ。カブトムシが来るかもね」


と、予想外の返事が返ってきました。

ラ・セルバにも同じものがあったので、すぐに何のことかわかったので、


「ありがとうございます。何が見られるか楽しみにしてます」


と、答えました。






すっかり暗くなった道をラファエルさんと楽しく話しながら歩き、施設に戻ってきました。
(17:50)


その間も暗がりの中を走り去る兎をいち早く見つけてくれたりして、ガイドとしての目の良さはさすがなぁと感心しました。



敷地内のホワイトボードの蛍光灯とブラックライトを点けてもらったあと、



「ぎんがめさんにうちのデータベースを見てもらいたいんだ」



というので、PCか紙の資料でデータをいろいろ見せてくれるのかとおもいきや、入った建物のドアを開けた先には、、、







サーバーマシンやらルーターがラックに組み付けられて、そのまま並んでました。


つい、


「私の日本の職場みたい」


って、素直な感想を答えた所、


「あ! ごめん! そんなつもりじゃなかったんだよ!!」


と、ラファエルさんが大慌てで謝るので、「いやいや、全然良いんですよ」と答えながら、ラファエルさんの慌てぶりが可笑しくて大笑いしてしまいました。


結局のところ、私にサーバーマシンを見てもらいたかったようで、この件はこれで終わったのですが、冷静に考えてみるとあんな街から離れたところにある施設なのに立派なマシンを入れてるんだなぁと感心しました。(研究者用だと思いますが)




最後、別れ際に、


「ところで、日本語でミスター、ミセスって何て言うの?」


と、質問されました。


「男女ともに「サン」で大丈夫ですよ」


「さん、、、、ぎんがめサン」


「そう、ぎんがめサンであってます」


「じゃぁ、グッドナイトは?」


「おやすみなさい、です」


「オヤスミナサイ、、、僕は日本のことも日本人のことも本当に尊敬してるんだよ。今日はパロベルデに来てくれて本当にありがとう。オヤスミナサイ、ぎんがめさん」


と、グッと来てしまうような台詞を言いつつ、どこで覚えたのか合唱のポーズで手をあわせて頭を下げたので、つい私も合唱のポーズで頭を下げつつ、


「こちらこそ、本当に楽しい一日をありがとうございました。おやすみなさい、ラファエルさん。また明日」


と、言って、嬉しいのとおかしいのが混ざった不思議な気分を感じながらラファエルさんと別れました。




さて、飯でも食いますか!






空いてる机に場所を確保してから、トレイを持って順番に食べるものを皿に移していると、私と同じ歳ぐらいの白人の男性とすれ違うときに、


「ドウゾ」


と、言いながら道を譲られたので、


「日本語を話せるんですか?」


と、即座に質問すると、


「えぇ、少しだけ。11歳の時に2週間ほど四日市にホームステイしてまして」と、英語で答えられました。その時に覚えた数少ない日本語のうちの一つが、「ドウゾ」だったそうな。


確かに日本の実生活ではたくさん使いそうですし、アメリカ人の彼には不思議な言葉だったのでしょうね。



「私はコロラド大学でarchitecture(建築学)を教えてるんですよ。今日は学生たちとsustainability(持続可能性)のクラスでこちらに滞在しているんです」


「あぁ〜、そうだったんですか」


なるほど! 

そりゃぁ建築学を専攻している学生にいくら単位が必要だからといって植物の話を聞かせても退屈なだけだよなぁ、と、今日のガイドツアーのことについてすべて納得しました。


しっかし、サスティナビリティ学ぶのにわざわざ海外まで来て、この後はモンテベルデも見学すると言うんだから、すごい高価な授業ですね。
(私も専攻は生物だったので山とか海とかすごいところに泊まりこみで研究実習や授業を受けた経験はありますが、使ったのは廃校になった田舎の小学校とか普通の山小屋でしたし、海外まで出かけるってのはさすがになかったですから。ちなみに地学の学科は男鹿半島に行っていたので、その時に男鹿半島の名前だけは覚えました。当時の彼女が地学科だったこともありまして(笑))



この教授、ジョッシュさんという方で非常に気さくな感じで、いろいろ話をさせてもらいました。


四日市での話や(四日市は私の実家の近くなので地名話で盛り上がりました)、コロラドはアメリカの中心部にあって、ロッキー山脈の近くにあって標高も高いんだとか、そんな話をしていたところ、


「ところで、君は一人(アローン)で旅してるの?」


と、久しぶりにアローン?質問が来たので、


「えぇ、一人ですよ」


と、(どうせ私は)一人ですよ!という風にはならないように答えたつもりだったのですが、


「あぁ! でも、一人旅っていいよね!気楽だし! 僕も本当は一人旅がしたいよ!」


と、即座に気を遣われてフォローされてしまいました。


いいんです、私は好きでやってるんです、一人旅。


「ところで、ぎんがめさんって名前が長くて覚えにくいんだけど、ニックネームとか名前を短くする言い方って無いの?」


と、人生初の質問が来たので、


「えーっと、じゃぁ、ぎんちゃんでよろしくおねがいします」


「オッケー、ぎんちゃん、よろしく」


と、言いながら手を差し出されたので


「ジョッシュさん、こちらこそよろしくおねがいします」


と、言いながら握手しました。


「ジョッシュさんたちも明日はボートツアーに参加するんですか?」


と、質問すると、


「僕は参加しないんだけどね、学生たちは参加するよ」


とのこと。

これで確実に最低催行人数割れはなくなりましたが、賑やかな船旅になりそうです。









さて、ではカサードを頂きますか!



と、いうところで、最初私一人で座っていたテーブルにどんどん学生さん達が集まってきて、気がついたら学生10名弱に私一人みたいな配置になっていたので、ここは私が気を遣って席を立ち、家族連れが食べているテーブルに移動して相席させてもらいました。



いや、しっかし、相変わらずコスタ・リカ料理は口にあいますね〜、本当に旨いです。魚フライもうまいし、野菜もうまい!


トマトはちょっと野性味あふれる感じで酸味が強くて硬かったですが、毎回豆料理をたくさん食べているので、旅をしながら健康になっていくような気がして幸せです。









調子に乗っておかわり。
(勢いでカステラ風のスポンジケーキも)



ごちそうさまでした!




出入り口のところにラファエルさんも混じったスタッフさん達が食事をしていて、


「明日のボート、6名以上参加だから大丈夫だよ」


と、随分前に参加人数の質問をしたことを覚えていてくれて教えてくれました。先程ジョッシュさんに学生さん達が参加することを聞いていたので、もちろん知っていましたが、こういう対応に嬉しくなります。


続けてラファエルさんが、


「アリガト」


と、日本語で再びお礼を言ったので、こちらも半分つられて


「アリガト、アスタマニアーナ(明日会いましょう)」


と、カタコト風の日本語と、知っている数少ないカタコトスペイン語で答えたら、


ラファエルさんは笑顔で答えてくれ、横に座っていた年配のスタッフさんが、「お〜、いいねぇ、アスタマニアーナ」と、返してくれました。









大きな地図で見る
その後、部屋に戻って今日の振り返りをしたり、明日以降の調べ物をしつつ、だいたい2時間ぐらい経ったところでホワイトボードを観に行くことにしました。










さて、どんなもんでしょう?(20:00)









ちょっと大きめの昆虫はツユムシの仲間ですかね。

(こんなところで再びカマドウマの夜を思い出してしまいました)


足元含めていろいろ探してみましたが、残念ながらカブトムシなどの大物は来てないようでした。






ハナジロハナグマ君はあいかわらず出没しています。









なんと、こんな時間なのに授業やってるんですね。

偉い、偉い。




空気が乾燥しているからか、風が涼しく感じます。


部屋の窓に網戸は無いので基本は閉めっぱなしにしているのですが、外に比べるとやはり中は少し暑いです。

窓を開けて部屋に吊るしてあった蚊帳を使わないとダメなんですかね?


一応、少し窓を開けて蚊取り線香で凌ぐことにします。








21時に再度チェック。


変化なし。









シャワーを浴びます。


だいたい、どこもこんな感じの電動シャワーで、先日ケツァール目的で泊まったサべグレロッジクラスにならないと、湯量たっぷりのホットシャワーなんて望めません。



というかここ一帯は乾季に水が不足気味になるはずだったので、ささっと済ませます。









23時に本日最後のチェック。









小さいのはいろいろ集まってきているんですけどね〜。








建物の壁にへばりついたヤモリを観察してから部屋に戻りました。



今日も楽しい一日でした。



では、そろそろ寝ますか。




お休みなさい。






1月5日(木)







5時半に起きるとすぐにホワイトボードチェックに出かけます。







ん? 何か動物が居ますね。

ハナジロハナグマでしょうか?




さて、ホワイトボードに何か来てないかなぁ〜、



って、



おお! なんかでかいのが来てる!









うわ〜、すっげーーーーー!







この写真では何がすごいのか全然わからないと思うので、大きさ比較のために手を横に置いてみましょう。








このサイズです。(Tropidacris cristata


英名も和名もつけられていない(海外の旅行ブログなんかだとGiant Grasshopperって呼ばれていることが多いみたいですが)、このカタハダバッタ科(Lubber Grasshopper)のバッタは、最大16cmにもなるバッタでみたいです。(このホワイトボードに来ていたのも実際にそれに近いサイズでした)




ラファエルさん、ありがとう! 楽しみましたよ。




というわけで、ライトのスイッチを切っておきました。




つづく