というわけで、バケツをひっくり返したようなスコールが!

慌ててオガサワラビロウの下に逃げ込みます。
これ、傘として大変優秀な植物です。

待つこと10分、ようやく通り過ぎました。

朝、スーパーで調達しておいたお弁当を頂きます。

もうちょっとで食べ終わるというところで冷たい風が吹き始め、嫌な予感がした直後にスコール第2段がやってきてしまったので、濡れながら必死に腹に放り込み、カッパを着てない私とガイドさんの二人は女性が持ってきてくれたレジャーシートを上に掲げて雨宿りです。
スコールの時は風も吹くので大変なんですよ、これが。

風上の空を見上げて、「こりゃ、しばらく晴れそうもないし今日はダメですね」という話になり、早々にハートロックを出発することに。

ハートロック上部は粘土層に覆われているので、靴の泥が雪だるま式に増えてスゴイことになります。
ついでに先ほどの急坂手前で凄まじいスコールにやられ、道は川のようになってるしビロウをもってしても雨が防ぎきれずに上着のかなりの部分が濡れてしまい、加えて風も冷たくて10分経っても止みそうにないので、内心「こりゃぁ、ちょっとマズイな」と思ったところで、ガイドさんがついに自分自身もカッパを着つつ、私にも予備で持ってきていたらしいカッパを貸してくれました。
たぶんトレッキングは自己責任ということを伝えるために普段はカッパを安易に貸したりはしないんでしょう。
というのも、今回参加していた女の子の一人が靴のソールが剥がれて酷いことになってましたが、「紐で縛るといいよ、自己責任でね」と、アドバイスだけしていましたから。
私の登山道具の中にはこんな時のための予備の紐や針金、結束ロックのいずれかが入っているのですが、この時はもちろん持ってなかったので助けてあげられずに黙って見ているだけでした。
いずれにしろ、カッパを借りるなんて山に登る人間としては恥ずかしいことでした。。。
とほほ。。。

帰りは行きとは違う道を進んでいきます。(雨の中を黙々と歩いていたので、いつ分岐を曲がったのか気が付きませんでした)

ここはかつて人が住んでいた場所で、ガジュマル(外来種)を植えて防風壁にしていたんだそうな。

予想通りというか何というか、スタート地点に戻ってきたところで晴れてきました。
まぁ、世の中こんなもんです。(16:00)
大きな地図で見る
本日のコースはこんな感じです。
一番南端がハートロックです。
宿まで送迎してもらい、再びスクーターに乗って出かけます。

やって来ましたウェザーステーション。
これが父島最後の夕日なわけですが、、、、

あ〜、本日は完璧に雲の中コースです。

観光客から餌をもらうことを覚えたオガサワラヒヨドリ。

この日は空を見上げて諦めた人が多かったのか、ウェザーステーションの人出もまばらでした。

父島最後の夕食は島寿司で。
サワラの醤油漬けがとても美味しかったです。
さて、楽しみにしていたナイトシーカヤックなのですが、、、、
残念ながら風が強いということで中止になってしまいました。
15年前に参加したんですが、水平線と星空と夜光虫のトリオ、最高だったんですよね〜。
(ナイトをやってるショップはひとつしかないのですが、島に暮らす皆さん(宿の女将さんとか別のシーカヤックサービスのガイドさん)も存在を知らないみたいでした)
さて、突然夜の予定が空いてしまいました。
そういえばと思い出してペンタックスK5用に1年以上前に購入してから一度も使ったことの無かった「とある装置」を取り付けてスクーターでウェザーステーションに向かいます。

というわけで、チャレンジしてみましたアストロトレーサーによる星空撮影。
(帯は撮影中に流れていった雲だと思います)
K5に付いてるシェイクリダクション(手ブレ防止装置)を使って、外付けのGPSと重力センサー、方位磁石で現在値と方角をカメラに教え込み、星の動きをCMOSセンサーが自動で追いかけるという画期的な装置です。
写真では2分間露光しているのですが、星がほぼ点で写ってます。

逆に地面がブレるのは赤道儀によるオートドライブと一緒ですね。
この日は薄雲が多くて、天体観測としてそれほどコンディションが良かったわけではないので、今回使い方も覚えましたし、冬にでも本格的に星空撮影にチャレンジしてみたいです。
(最近小さなブームになりつつある簡易赤道儀でも買ったほうが正確に追いかけられるのでしょうが)
星の撮影が終わった後は島の南部にスクーターを走らせます。

やって来ました、オガサワラオオコウモリポイント。
昨日は逃しちゃマズイということで近づくことすら出来なかったのですが、今晩は21時半も回っていて各ショップの見学ツアーも終わっただろうということで、遠慮なく近寄らせてもらいました。

糞や落とした果実目当てのコックローチ君も。
(さすが南の島、羽が生える前の幼虫ですがけっこう大きいです)

翼の横幅60〜90cm、立派なサイズですが可愛らしい顔のオオコウモリなのでした。
(この木に少なくとも10匹以上は居着いていました)
そんなこんなで22時を回ったので再び宿に戻ります。
最後の夜も本を読みつつ、23時頃就寝しました。
最後まで(有料の)クーラーを使わなかったのですが、この日の夜は少し肌寒いぐらいでした。
8月18日(土)
いよいよ最終日です。

朝焼けが少し見えたな〜と思った次の瞬間にスコールが降ってきたので、恒例の旭平展望台ツーリングは中止にしました。

電子レンジで作れる「どん兵衛」(焼き鳥の缶詰入り)ですが、、、
う〜む、すっかりインスタントラーメンの類を受け付けない体になってしまいました。
(たぶん大学生の時とここ最近の登山で食べ過ぎたんだと思います。特に長期縦走時に毎朝食べてうんざりしたのが大きいです)

最終パッキングなんかをしているうちに空に晴れ間が少し見えてきました。
今日は南島のツアーも予定されているのでほっと一安心です。
ダイビングサービスのバンに乗って港に向かい、いつもの通りすぐに船に乗り込みます。
出港してすぐにイルカの親子に遭遇。
3点セットを付けてすぐに海に飛び込みます。

お〜、親子のイルカですね〜。
ドルフィンスイムのサービスに参加するとこれだけでお金を取られますが、ダイビングツアーだと「おまけ」なのでちょっとお得だったりします(笑)

慣れてる人は、すぐに潜れるんですよね。
好奇心旺盛で遊んでくれるイルカだったら私も行こうと思ってたんですが、この写真を撮った後に、そのまま泳いで視界の彼方に行ってしまいました。
さて、南島ツアーの前にまずはダイビングです。

ポイント名は北の一つ岩。

父島周りのまったりポイントかと思ったのですが、案外流れがあるポイントでした。

ここで目立ったのがアジアコショウダイ。
大きさが50cmぐらいある魚で数匹が固まって群れるので大好きな魚の一つなのですが、

目の前まで近寄っても逃げないんですよね〜、彼ら。
潮通しの良い閉鎖的な場所に居るんですが、目の前10cmぐらいのところにカメラをにゅっと出しても少し下がるぐらいで逃げて行きません。
一昨日のダイビングでもこんな感じで撮影していたら、突然私の方に逃げてきたので何事かと思ったら、彼らの背後にメーターサイズのロウニンアジが一匹居ました。(ムービーにもそのシーンが入ってます)
つまり、彼らにとってダイバーは怖くもなんともないみたいです。

こちらもあちらこちらでよく群れているアカヒメジ。

あ、こちらを覗いてるアジアコショウダイ!(かわいすぎます(笑))

迷惑にならない程度に寄りますよ〜。

最新鋭のハイビジョンテレビ(売りだした当時)のサンプル映像なんかによく使われていたヨスジフエダイの群れ。
青い海に黄色い魚の群れが絵になるんでしょうね。
(バビっとライトの光を当てると、さらに色鮮やかになるんですが)

このポイント、何がすごいって延々と続くかのようなノコギリダイの幼魚の群れです。

ノコギリダイは南の島に行けばどこにでも群れてるんですが、この規模の群れは初めて見ました。
さすが小笠原です。
そして、なんとなくなんですが、ショップさんが私の要望を聞いてポイントを選んでくれているような気がしてきました。ちなみに初日に私が出した要望は「マグロが1匹じゃなくてたくさん居るマグロ穴」「ケーのホウセキキントキ(これは記憶違い、後で15年前のダイブログを読み返したら、ホウセキキントキはケータではなく父島のポイントで見てました)」「ギンガメアジ(一応居るんです)」「あとはなんでもいいから群れ!」でした。
実際、ケータのホウセキキントキポイントも、ここのノコギリダイポイントも群れ好きにはたまらないポイントでした。
(大物狙いの人には物足りないでしょうね〜)

さて、後はドリフトしながらエクジットです。(潮に流されてリーフの縁まできたところです)

見てください、この透明度。
深さ30mぐらいの底から水面まで綺麗に見えていて、まさに空を飛んでる気分です。
これぞ南国ダイビング!
というわけで、大満足の最終ダイビングが終わりました。
後はこれまた楽しみにしていた南島ツアーです。

有名な岩のトンネルのところまでやってきたのですが、ここでガイドさんからお知らせが、、、
「今日は波が高いので中止にします」
あっちゃ〜、そうでしたか!
まぁ、南島上陸用の小型船じゃないのであのトンネルはくぐれないですし、泳いでいくと波にまかれて危険だというのはわかるので、これは仕方がないですね。
ただ、不思議な事にこの時はそれほど残念な気分にはなってませんでした。
理由としては、小笠原は案外気軽に来れる場所だと再認識したことと、この日の天気は晴れ間が無いわけじゃやないにせよそれほど快晴でもなかったからです。
南島の景色はNEOCAさんのヘッダー写真をどうぞ。
あと、読み応え満点の小笠原レポートもありますよ。
そして、南島ツアーの代わりにダイビングをもう一本潜るという話になったところで「シメタ!」と思いました。
過去の例から言って、こういう予期せぬシチュエーションでは私は「当たり」を引くことが多いのです。

期待し過ぎないように潜るポイントや見られる魚などをガイドさんに質問せずにポイント到着を待ちます。
(写真には南島の絶壁に巣を作るカツオドリの白い雛が写ってます)
そして、ポイント名が発表されました。
「本日2本目は閂ロックです」
お〜、そこ知ってる!(前回訪問時は潜ってません)
「見られる魚は、ギンガメアジ、もしかしたらウシバナトビエイ(本来は9月から10月)、あとピグミーシーホースとか、、、」
お〜、ギンガメアジ!
ようやく皆さんにギンガメアジを紹介する日が来ましたよ!(すでに見られることになってます)
あと、コスタリカほどではないにせよ、ウシバナトビエイも群れるんだそうです。(私がコスタリカではウシバナトビエイどころか何も見てないのは御存知の通り、リベンジの時が来ました!)
ガイドさんいわく、気の早いのがそろそろ1匹2匹来てるんじゃないかなぁとのこと。
では、行ってみましょう!

ここは大物狙い系の潮通しの良いポイントで、それなりに流れもあります。
そして、間違いなく今回一番の透明度!40〜50mぐらい抜けてるんじゃないでしょうか。
そして、私が誰よりも(ガイドさんよりも)先に、ギンガメアジの群れを発見しました。
(はなっから探してましたし)
しかし、他に気づいた人が猛然と私を追い越して群れに近づき散らしてしまったので、ムービーでは録画しましたが写真には撮っておりません。
まぁ、こういうことはよくあるので仕方がないですね。

その後、ガイドさんがピグミーシーホースを見つけて紹介し、割りとマクロ好きな方が多いのか大人気になってました。
(私はピグミーシーホースは見に行きませんでした。もちろん八丈島とかで見たことはありますよ)
そして、一団から流れの下手(ドリフトの進行方向側)30mほど先に一人で岩につかまって待機して(アシスタントガイドがグループと私の中間位置に入って私がはぐれないように見張ってくれていました)、一人でその先の光景を眺めていました。

というのも、さらにその先20mぐらいのところにギンガメアジの群れが居たんですよね〜。
(左手前に写ってるのも群れからはぐれて出てきたギンガメアジです)

ピグミーシーホースの撮影大会がようやく終わり、ようやく一団が流れに乗って前に進み始めました。
(遠くの底で寝ているのはホワイトチップシャーク。和名はネムリブカ)

さて、ここから一人でダッシュすれば前方に居る群れに近づけるのですが、それをやるわけには行かないので、皆が追いついてくるのを待ちます。
って、また猛然とダッシュする方が2名ほど。
そして逃げていくギンガメアジの群れ(笑)
またか〜と、思っていたら、今回は運良く突っ込んだ人を巻くようにしてから群れがこちらに戻ってきたのでよかったです。
ギンガメアジの群れのサイズとしては小さなものなのですが、まさか小笠原で見られるとは思ってなかったので嬉しかったです。
日本だと沖縄の粟国島とか鹿児島(特にトカラ)がギンガメアジポイントとして有名で(両方まだ行ったことが無いのですが)、私はダイビング初めた年にフィリピンに行ってギンガメアジの群れに出会って超感動し、翌年タイのリチュリューロックで「いつまでも終わらないギンガメアジの群れ」というのに出会って以来、一番のお気に入りの魚になっているというのがハンドルネームの由来なわけです。どうでもいいことですが普段メインで使ってるメアドも群れる魚シリーズになってます(笑)
リチュリューのギンガメはその後漁で獲られてしまったのか、数年後に再訪した時にはほとんど居なくなってしまったのが本当に残念です。
話を元に戻します。

あとエントリーしてすぐと、エクジットの時に早く来すぎたウシバナトビエイ君にも出会えました。
これでコスタリカのリベンジです。(期待してなければ私もこんなもんですよ、ふふふ)
ギンガメアジの(小さな)群れも入ってる本日の映像です。
ダイビングが終わると一度宿に戻って体とギアを軽く洗って(タイミング悪くスコールが来たのでギアを乾かせませんでしたが)荷物をパッキングし、スクーターを返してからダイビングショップで精算を済ませました。
スクーターはガソリンを3.2リットル使用し、単価186円で600円弱って感じでした。
出港まで時間がないので慌てて寿司屋に入り(昨晩とは違う店です)島寿司をいただきました。

再び宿に戻り女将さんに港まで送ってもらいました。

あ〜、もう帰るのか〜、、、、あっという間だったなぁ。
そういえば、今回綺麗なビーチには行かずじまいでしたが、いろいろあるんですよ、小笠原には。

さよーなら〜!
(帰りの便はほぼ満席だったので、最後に乗るという技は使用しませんでした。というか、小笠原慣れている人が多いのか、いかにも常連っぽい人が数十人乗らずに残っていたので、こりゃ意味ないやと諦めたというところです)

というわけで護送船団が見送ってくれます。(小笠原名物ですね)
何気に写真奥では消防車が放水なんかもしてるのが微笑ましかったです。

私が使ったダイビングショップのアシスタントガイドさん(学校卒業したてのピチピチガイド)はバク転で飛び込んでおりました。
さすがでございます。
長い長い船旅、帰りもソファーで「覇者の驕り(下)」を読みながら時間を潰します。

本日の夕日は食堂の小さな窓から眺めてました。
(この時のBGMはエンドレスでオフコースでした。「♪さよなら、さよなら、さよならぁぁああぁ」の歌が妙に染み入ったのですが、やはり趣味で失恋ソングを選ぶのは止めていただきたいところです)
夜は宿で仲良くなった大家族のお父さんに梅酒をごちそうになったりしつつ、消灯とほぼ同時に就寝しました。(22:00)
8月19日(日)
早く寝たお陰でちゃんと4時半頃目が覚めました。

この旅最後の朝日です。

いつも美しい朝日をありがとう!
一日として同じ表情の朝日、夕日はありませんでした。

いや〜、しっかし竹芝桟橋は遠いですね〜。

本日のお昼はピザ。ちゃんと船内で焼いてくれます。(なので、注文から10分ぐらい待たされます)

あぁぁぁ、ドドメ色の海へと帰ってきてしまいました・・・

うっげーーーー、あっちーーーーーー!
(小笠原の最高気温30度ぐらい、東京の最高気温34度)

田舎から大都会にやって来たお上りさん感覚に陥りつつ、死ぬほど重たいダイビングギアを抱えて帰宅しました。
以上です!