その2
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そんなこんなでかれこれ30分ほど遅れて家を出発。
後は自分のこれまでの準備が完璧だったことを祈りつつ雨降るなか傘をさして駅に急ぎます。
カタール航空に移ったことで出発時間が夜間にずれ込んだのは良かったのですが、
夜になると成田空港駅行きの
列車がぐっと減るというのは想定してませんでした。
シャトルバスはそれなりにたくさん出ているのですが、事故渋滞なんかによる遅延が怖いのでこんな時はなおさら選べません。
なので、2時間前に到着するつもりが1時
間
45分前に成田空港に到着する京成スカイアクセス(夕方以降はイブニングライナーという名前になります)で行くことになってしまいました。
1時間45分前と言っても、成田空港駅
のプラットフォームから飛行機のチックインカウンターまで歩いて10分はかかりますから、もうギリギリです。万が一これに乗り遅れるととんでもないことにな
りそうなのが妙なプレッシャーになります。
なので、最初から1本でも前の列車に乗ろうと駅まで可能な限り早足で歩いたのですが、すんでのところで電車が行っ
てしまって激しく落胆。
とてつもなく長く感じた5分後にやってきた電車に乗り込みます。
一応これでもネットで調べた乗り換え案内の指示よりも1本前の列車で、日暮里駅でのイブニ
ングライナーへの乗り換えに10分の余裕残しということになりまし
た。
後はノートラブルのまま日暮里駅まで行ってくれればOKです。
その後、しばらく走った所で列車が強めのブレーキをかけはじめ、駅じゃないところで停車したので、こういうことはよくあるものの、緊張しながら車内アナウンスが流れてくるのを待ちます。
もし、止まった原因がこの路線内での人身事故だったら完璧にアウトです。
「いつもご利用いただき誠にありがとうございます。現在本列車は赤信号により停車しております。○○駅にて非常停止ボタンが押されたとの連絡が入っており、現在安全確認を行なっているとのことです。お急ぎのところ誠に申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください」
う〜む、微妙なところです。とにかく1分でも早く確認を終えて出発して欲しいところです。
そして、続いて流れてきたアナウンスで、前を走る列車に飛び乗ろうとした客が傘だけ先に挟んだものの傘が挟まった状態のままドアが閉まってし
まったため緊急停止ボタンが押されたと知らされ、心のなかで「かんべんしてくれ!」と叫びます。
(こういう迷惑行為があったことを他の乗客に知らしめるために
わざと詳細にアナウンスしたんだと思います)
とりあえず最悪の事態ではなかった分だけマシというところでしょうか。
ここから残りの駅数
を数え、何度も時計を確認してイブニングライナーの乗り換え時間に何分の余裕が有るかカウントダウンし続けます。
乗り換え余裕時間が5分を切った所で「もう間もなく安全確認が終了し、信号が青に変わり次第発車いたしま
す」というアナウンスが入って喜んだものの、すぐには列車は出発せず、乗り換え余裕時間が3分を切ったか切らないかの所でようやく列車が動き始めました。
万が一イブニングライナーに間に合わなかった時に備えて京成電鉄以外の手段で成田空港に行けないかスマホで調べ始めたのですが、皆が携帯を使いまくってい
てネットが混雑しているのと、焦っていて頭が回らない
のと、そもそも成田にこの時間に行く列車の本数の少なさから、「これは!」という有効な代替手段が見つからないまま時間だけは過ぎていきます。
途中の駅に着く度に「乗り降りする人はもう居ないから早くドアを閉めて今すぐに発車してくれ!」と切実に祈り続けます。
あと2駅、、、
あと1駅、、、
なんとか3分ぐらいの余裕を残したまま日暮里駅に到着!
えーっと、京成の乗り換え口は・・・・
げ!!
京成スカイライナーはこれまでに数回使用しているにも関わらず乗り込む車両を間違えていてプラットフォームの端から端までかなり長い距離を早足で歩くはめ
にな
り、いよいよ乗り換え余裕時間が無くなって来ました。
切符売り場で特急券を買おうとすると「イブニングライナーは中の券売機で特急券を買ってください」と駅員に言われ、何が何だからわからな
いまま言われたとおり京成乗り換えの改札に向かいます。(イブニングライナーは自由席特急券だそうです)
でかいスーツケースを引っ張り、背中に登山用のザックを背負ったまま改札を通りすぎようとすると、2名通過と勘違いされたのかブザー音とともに改札ゲートが閉まって太ももが
挟まります。
よくあることなのか事情を察した駅員が「そのままで少々お待ちください」と落ち着いた口調で声をかけてきますが、こちらは落ち着いてなんか居られません!
やって来た駅員にエラー扱いのSuicaカードを渡してリセット処理をしてもらいつつ、イブニングライナーの券売機の場所を尋ねてそちらに目をやると、これが信じられないことに長蛇
の列になってます。(自由席特急券でリーズナブルなので会社帰りのサラリーマンやOLに大人気っぽいです)
もう心のなかで半泣きになりながら列に並び、自分の番まで後数人というところでイブニングライナー到着のアナウンスが流れ始め、駅員が「イブニングライ
ナーもう間もなく
到着します!切符の購入をお急ぎください!」と叫び始めたのでさらに焦ります。
ようやく自分の番が回ってきたので前の人の動作をよく観て予習済みの最速方法でチケットを購入し、お釣りを財布にしまうことすらせずに手で握りしめてプ
ラットフォー
ムに全速力で駆け下ります。
そこで入線済みのイブニングライナーを目の当たりにした所で、ようやく「間に合った!」という実感が湧いて来ました。
セーフ!!!!
とりあえず指定された車両(車両番号だけ指定されます)に移動し、スーツケースをドア付近の専用棚に置いた所で列車が走り始めました。
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