その20
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1月2日(水)(6日目)
夜中に暑くて起き、ブランケットをベッドの脇に寄せてスコーロンの上着を一度脱いでから前後逆さまに着て掛け布団代わりにして再び寝ました。
4時ぐらいに起きてなるべく早くサンブル国立保護区のゲートに行こうと思ってたんですが、実際に4時前に起きて真っ暗な部屋の中でよくよく考えたら、この
辺りは夜間走行が危ないんだったと気が付き、再び少し寝て5時すぎに起床。
昨日の夜とうってかわってシーンと静まりかえっています。
ということは私が発した物音が周囲の部屋に鳴り響くことになるので、できるだけ音を立てないように行動します。
スパゲティを「多めの湯」で茹でて作り(おかげで昨日より多少マシな味になりました)、パッキングをしつつ外が明るくなってきたのを確認してからチェッ
クアウトしました。(6:40)
ガードマンさんに駐車場の鉄扉を開けてもらい、この時間に営業しているガソリンの場所も尋ねてから出発します。
ナクルからナニュキまで170km走ったので1500KSh分給油。
良い感じで満タンになりました。
お〜、今日はケニア山が見えてますよ。
左の山裾から太陽光線が出てますが、その束の細さから逆に山容がむちゃくちゃでかいことがわかります。
ここは標高2000mを超えているので、山頂までの標高差は3000mぐらい。ちょうど海から南アルプスや立山を見上げるぐらいの感覚です。
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しかし、山頂までの距離が遠いらしく、それほど高い山がそびえ立っているという風には見えません。
朝っぱらからバスが故障して路肩に停まってました。
お疲れ様です。
アカシアの木のトンネルがアフリカっぽくて雰囲気満点ですね〜。
今走ってる道はA2号線、すばらしい整備具合です。
窓を開けて走るとまだ肌寒く、外気温計を見ると14度。
ホテルの中はなんであんなに暑かったんでしょう。
なんか自転車が延々と列を成して走っています。
あ〜、なるほど、右の巨大なビニールハウス群で務める方々でしたか。
というわけで、ビニールハウス地帯を超えると、歩いている人の向きがこっち向きに変わります。
(こちら側は自転車ではなく徒歩でした。街からの距離の違いかもしれません)
そして、いつの間にやら標高2400mを超えて外気温は13度まで下がって来ました。
さすがに寒いからか、皆さん厚着です。
この辺りは大牧場地帯となっていて、ケニア山の山裾を徐々に標高を上げながら走っているみたいです。
標高は2500mを超え、気温も11度になりました。
火山地帯だからか、小さな噴火口が見えてますね。
阿蘇みたいな景観です。
いやぁ〜、ドライブコースとしても絶品。
ロードスターでぜひ走ってみたい道です。
黄色い絨毯は菜の花だと思います。
面積が巨大なので、ものすごい風景になってます。
写真だとわかりにくいですが、一気に下りはじめました。
エンジンブレーキを使うようにという注意看板も出てます。
ありゃりゃ、畑に突っ込んでますね。
注意書き通りエンジンブレーキを使わなかったのでしょうか?
(帰国後に知ったのですが、ケニアで免許証は金で買えます。なので運転する上での最低限の知識の無いドライバーも多いのかもしれません。交通マナーに関しては言わ
ずもがなです)
長い長い下り坂を下り、B2号線との分岐を左折します。
一気に1000m以上下って標高は1400mを切り、気温は15度に戻りました。
引き続きA2号線なのですが、これまでよりもさらに整備が行き届いた道になりました。
ネットの情報でエチオピアに続くこの道はかなり劣悪だと書かれていて身構えていたのですが、えらい拍子抜けです。
いや〜、道も景色もすばらしい。
道路標識もちゃんと出てます。
これまでに無かったことです。
しかもハンプが無いので走っていて超快適です。
これで治安の問題がなければパーフェクトなんですけどね。
(ここがまさに観光客が強盗にあって一時封鎖された区間です)
小さな集落をいくつか越えていきます。
お〜、トゲトゲ検問です。
(肝心の警察官はいませんでしたが)
イシオロの街に入りました。
お、モスクがあります。
(ケニアはキリスト教とイスラム教の両方が定着しています。御多分にもれず宗教争いがあって治安が悪化しているのです。しかし、この辺りの場合は宗教がらみではなく部族間抗争です )
お〜、ロードサインもありますね!(そんなことで感動するようになってしまいました)
エチオピアとの国境の街モヤレまであと500kmあるんですね。
(ナイロビからモヤレに行くのにバスやトラックの荷台で片道2日〜4日だそうですが、道路のぬかるみ状況次第らしいので今もそうなのかはわかりません)
トラックに何か飾りがついてると思ったら実は人だったというケニアの日常。
まぁ、乗車スペース(荷台)は満席ですからね。
お、ミニハンプ。
これは「ちょっとスピード落としてね」って意味でしょうか。
道が良いからといって、牛が道路を渡らないわけではないのでした。
道路の状況が良くても日本の高速道路感覚で走るわけにはいかないですね。
ん? ハンプ注意の看板にミニハンプ。
お〜、なるほど、先程のが減速用でこちらが本体ですね。
ハンプに縞々ペンキが塗ってあるし、事前の看板あるし、減速用のミニハンプもあるし至れりつくせりです。
これまでの道路がなんだったんだというぐらい、手前から余裕をもって減速させてくれました。
(他の国はだいたいこうなのですが)
道幅もあるので、ロバの追い越しも安心。
そう言えば、道路の整備状況も他と雲泥の差でしたが、この道にはヒッチハイクの人がチラホラと居ました。
文化圏(主だった種族)が違うからかもしれません。
お、バッファロースプリングス国立保護区の入り口まで来ました。
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ここにはサンブル、シャバ、バッファロースプリングスと3つの国立保護区があってそれぞれ隣接しています。
三箇所が一体管理されていて、どこかの入園手続きを行えば他の2つの国立保護区も同じチケットで入れるというルールです。
こちらが道路挟んで反対側にあるシャバ国立保護区。
ちなみに、シャバ国立保護区は我々の世代には懐かしい「野生のエルザ」(BornFree)の著者であるジョイ・アダムソンがその晩年を過ごした場所なんだそうです。
(映画自体は見たことが無いのですが、小学校の時の学級通信のタイトルが「エルザ」で名前だけは強烈に覚えています。せっかくなので映画もいつか観てみます)
なんともアフリカらしい「象飛び出し注意」の看板。
まぁ、たしかにA2号線に隣接するサンブルとバファロースプリングスの両国立保護区に象が900頭いるらしいので、飛び出しても不思議ではないですね!
さて、標高は1000mを切り、気温も24度まで上がって来ました。
こりゃぁ、日中の気温は30度に達しそうです。
すでにあまりにも暑いので上着は脱いでしまったのですが、蚊よけと日焼け対策でスコーロンの上着は着っぱなしでも良かったかもしれません。
とりあえず日焼け止めは一応塗っておきました。
象の看板から少し走った所でサンブル国立保護区の入り口に当たる村に到着したのですが、保護区に入る前にコーラでも買っておくことにしました。
こんな建物はこれまで何度も道路脇に見て来ましたが、実際に立ち寄るのは初めてで、最初はちょっと緊張しました。
実際に近寄ると早速数人に取り囲まれますが、特に襲われるというわけでもなく皆さん私の購買をなぜか手伝ってくれます。
ちなみに近寄ってきた一人はガイドさらしく「ガイドをするよ」と申し出てくれたんですが、今回は自力で動物を探しながら走ってみたかったので丁重にお断りいたし
ました。
こんな建物なのでてっきり冷えてない温いコーラが出てくるのかとおもいきや、ちゃんと中に冷蔵庫が中に置いてあって冷えたコーラが出て来ました。
こんなことなら、今までも喉が渇いた状態で走ることはしょっちゅうあったので、道路脇の売店に気軽に立ち寄って買えばよかったです。
コーラは瓶入りだったんですが、一人が気を利かせて店員さんに栓抜きで栓を抜くようにお願いしてくれ、店員さんが栓を抜いてから私に渡してくれました。
デポジット込みの料金で瓶を戻せば15KSh返してもらえるということだったので、車内のゴミ袋の中から昨日飲んだコーラのペットボトルを取り出し、中身を
そちらに移しました。
「ポレポレ」(ゆっくり)
と、声をかけられて慎重に移し替えていたのですが、ちょっと油断した所でこぼしてしまったところ、
「ハクナマタタ」(気にするな)
と、言われて、両方知ってる数少ないスワヒリ語でどちらも理解できたので、こぼしたのにもかかわらずちょっと可笑しかったです。
まぁ、15KShぐらいいいやと、ずーっと面倒見てくれてた若い子に瓶をあげ、サンブル国立保護区へと続く道に車を走らせました。
さて、ここからは未舗装路になるようです。
お〜、真っ白でなめらかな道ですね。
これならパンクはしなさそうです。
写真には写ってませんが道端にいる人達が手を振ってくれるので手を振り替えしつつ走っていきます。
ちょっと小石の多い所では対向車も来ないので状態の良い場所優先で走っていきます。
外気温は24度のままですが、数字表示以上に照りつける日差しが暑いです。
コーラが実にうまい!
国立保護区内の道路を調べておこうと思い、車を道端に停めてスマホを眺めていたところ、子どもたち数人が駆け寄ってきて、「スイーツ、スイーツ!」と言いな
がら手を差し出して来ました。
チョコレートでもあげようかと助手席の足元においてあるビニール袋の中を探します。
最初に駆け寄ってきたのは3人ぐらいだったのですが、気がつくと倍の6人ぐらいに増えていて、助手席に体を倒してチョコレートを探している私のズボンの前
と後ろのポケットに同時に手を突っ込まれてびっくり仰天。
なんせそれぞれのポケットには携帯(IDEOS)やらクレジットカード入りの財布が入ってます。
慌てて手を払いのけつつその時手に持っていたキットカットを一人の子に渡すと、道路上で子どもたち同士の壮絶な奪い合いが始まりました。
これは思っていた展開と違うことになりそうだと判断し、そのまま車を発進させました。
正直、牧歌的な光景を想像していたので、ちょっと面食らいました。
A2号線から10分ぐらい未舗装路を走った所でサンブル国立保護区のゲートに到着。(8:50)
受付で2泊3日でキャンプ泊をしたいと伝えると、キャンプ場利用料が1日30us$、入園料70us$が2日分で合計200us$とのこと。2泊3日で合計270us$
になるのかと思っていたので、ちょっと得した気分。
あと、車の持ち込み料も追加になり400KSh2日分で800KSh。
英語が頼りなさげな私のために、ちゃんと料金を紙に書いて説明してくれました。
非常に親切丁寧な対応です。
そして、写真にも写っている巨大な台帳に必要事項を書き込み入園手続きを行います。
事務所の壁面に描かれていた大きな地図の近くにレンジャーさんが立っていたので「トイレとシャワーがついてるキャンプ場があるって聞いたんだけど、ど
こですか?」と質問すると、「サンブルロッジの横にある白い丸印のキャンプサイトだよ」とのこと。
レンジャーさん曰くキャンプサイトはサンブルロッジのすぐ隣との事だったのですが、念のためにサンブルロッジからテントサイトまでの距離を確認すると
1kmぐらいかなとのこと。
隣だという話を単純に鵜呑みにしなくてよかったです。
ケニア基準ですぐ隣には1kmぐらいまで含まれるのだと覚えておくことにします。
あと、今のうちに地図も買っておこうと思って注文したら、ここには置いてないからサンブルロッジで購入してくれとのこと。
そう言えば、 さっきから腕に冷たい水が落ちてくるなと上を見てみると、、、
そこには大量のアマツバメの巣が・・・
なるほど、ここでモタモタしていてはダメですね。
トイレを済ませてから、早速出発です!
オーノー! 腕時計もやられてましたか!
軽く拭ったのですが、気づくのが遅れて乾いて固まってしまっていたので諦めて放っておきました。
ん? 人が歩いてる。
園内では指定エリア以外では車から降りちゃダメなはずですが、と、思ったら巡回中のレンジャーさんでした。
すれ違いざまにレンジャーさんにどこに行ったら動物がたくさん見られるか尋ねてみたところ、この先の分岐で左に曲がって川の方に行ったらいいよとアドバイスしてくれました。
ありがとうございます!
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