
プリマヴェーラドレステの街を抜けると、再び果てしなくまっすぐな道が続きます。

どこまでも続きます。

上下しようが何しようが、とにかくまっすぐです。

おおお、カーブだ!
と、ゆるいカーブで反応してしまうぐらいまっすぐ進んでいきます。
あれこれ気を使いながら走るのが億劫になってきたので、調度良いペースで走るシボレーピックアップとRAV4みたいな車の後ろにくっついて走ってました。

その2台がガソリンスタンドに入ったので、私も同じタイミングで休憩を入れます。(16:20)
2人のドライバーと同じようにトイレに立ち寄り、さらに三日月型の揚げ物(3レアル(130円)、今までのよりちょっと高め)を購入し、2台が出発するタイミングにあわせて、一緒に出発して再び後ろをついて行きます。

これで、また何も考えずに走って行けます。

お〜、虹だ〜。
と、こんな感じで数時間走り続けた後、ついにガソリンが空に近づいてきたので2台とお別れしてガソリンスタンドに立ち寄ったところ、、、

あれ!? クイアバで新調したバンパーのパーツが吹き飛んでる!!
真ん中のパーツも外れかかってるし、よく見たらバンパーそのものがひん曲がってます。(写真じゃわからないぐらいの微妙なレベルですが)
うーむ、確かにボーっと走ってて、途中の街でバンプの減速が間に合わなくて車をジャンプさせてしまった気はします。
あの時かなぁ・・・・
そういえば、ギマランイス高原付近を走っている時に、他の車種のものですが同じフロントバンパーパーツが地面に落ちてるのを見かけたことがあるので、もしかしたら、バンプで顎を打ってこのパーツが外れる車は多いのかもしれません。
クイアバの小さなショップですら当たり前のように予備の部品を持ってましたし。
まぁ、クイアバで簡単に調達して直せましたし、どこかの町の修理屋にでも立ち寄って、もう一回直せばいいか!
というわけで、エタノール給油。
520km走行、50リットル、108レアル(4750円)なり。

クイアバから515km、バラドガルサス(4)の街に入りました。(18:30)

かなりの規模の街のようです。
体力的にはそろそろ限界が近づいてますし、宿を確保するには困らなさそうな街だったのですが、「バンパーを直す」という新たなイベントが発生してしまいましたし、明日は少しでもブラジリア観光に時間を割きたかったので、気合でもう少し走ることにしました。

GoogleMapで適当な距離にある大きな街を探し、booking.comで2軒ほど宿が登録されていた240kmほど先にある「ゴイアス」という街を目標にすることにしました。
240kmなら、あと3時間頑張れば到着できますが、本当に到着できるかどうかわからなかったので、宿の予約は取りませんでした。
帰国して調べるまで気が付かなかったのですが、ゴイアスは「ゴイアス州」のかつての州都で、旧市街が世界遺産に登録されている観光都市なのでした。

街を出てしばらく走ったところで太陽が沈んで行きました。(20:00)←ゴイアス州に入り時差で1時間進みました

脳が疲れているので、ちょうど良いペースで走っている車の後ろについて走りたかったのですが、夜間は交通量がガクっと減ってしまい、とてつもなくペースが速い車か(時速140km以上で四駆が多い)、遅すぎて話にならないか(時速80km以下のトレーラー)のどちらかの車ばかりで、結局単独で走るはめになりました。
さっきみたいなちょうど良いペースで走り続ける車が居てくれたらなぁ。
あと、ケニアでもそうだったのですが、長い直線って夜間は案外追い越しがしにくいです。
まず、道路が微妙に上下しているので、今自分がどのぐらいの距離を見通せているのかさっぱりわかりません。
また、対向車との距離が近づくまでライトをハイビームにしている車が多く、あとどのぐらいですれ違うのかさっぱりわからず、遅いトレーラーを抜く決心がつかないまま1分間近く走り続けるなんてことも起こります。
いやぁ〜、ストレスが溜まります!
あと、先程から前方に積乱雲が浮かんでるのですが、スコールに突っ込むんでしょうか?
(今日は、突っ込みませんでした)
エアコンをつけると寒いし、切ると暑い・・・、窓を開けても暑いし湿度が高いので窓ガラスが曇り始めるし、、、、
そんな中をアルマジロが道路脇から飛び出すギリギリのところで立ち止まったり(横断してたら間違いなくはねてました)、アグーチが目の前を駆け抜けていったりと、目を覚まさせてくれるようなイベントも定期的に発生します。
さらに、発見が遅れた樹の枝を踏んでしまったりして冷や汗をかかされました。
(幸い、パンクはしませんでした。クワバラクワバラ)
そのうち、蚊に刺された背中や胸、腕が痒くなってきて、不快指数満点です。
目的地のゴイアス1つ手前のイタビラブランの街を超えたあたりから道路に穴が出現し始め、ブラジルでは珍しい急なカーブなんかもあって、そろそろ体力の限界に達したところで、ようやくゴイアスの街に到着しました。(22:00)
いやぁ〜、久しぶりに疲れました!
もう限界です。
どの街でもだいたいそうなのですが、街の入り口付近にロードサイド型の宿があって、迷うこと無くそこに入ろうと思ったのですが、宿の入口に若者がたむろしているのが見えてちょっとおっかなかったので、他の宿を探すことにしました。
ところが、街中にある宿はどれこもこれも駐車場もついてないような小さな建物しか無く、結局最初に見つけた宿に戻ることにしました。

先ほど屯していた若者たちもいなくなってました。
中に入ると受付に年配の女性が立っていて、まずスタッフが女性であることに安心しました。(治安に問題がある場合は、夜に受付女性一人じゃ危ないですからね)(22:20)
宿泊料金は一泊60レアル(2640円)と比較的リーズナブル。クレジットカードは使えなかったので現金払い。
ついでに冷えた水も購入しました。(2レアル、88円)
荷物を取りに駐車場に向かうと、500万円ぐらいしそうな高級なアウディが駐車場に入ってきたので、より一層ホテルの安心感が上がりました。

荷物を部屋に入れてから受付にWifiのパスワードを聞きに行くと、受付が先ほどの女性からガタイの良い男性スタッフに変わっていて、このおじさんの話し方が早朝に聞いたワニの鳴き声(オゥ、オゥという感じ)そっくりでちょっとおもしろかったのですが、いずれにせよポルトガル語はさっぱりわからないので、発音云々関係なく何を言ってるのかさっぱりわからないわけです。
そのおじさんの説明によると、どうやら現在ネットが繋がらないということらしく、受付に置いてあったデスクトップパソコンですらインターネットに繋がってないということを画面をこちらに向けて見せてくれました。
うーむ、それは困る。
しょんぼりしながら一旦部屋に戻り、腹が減ったのでアンパンとプロテインドリンクで本日の夕食を済ませます。
そういえば、早朝にもこの組み合わせを食べたので本日2回目ですが、アンパンは味が飽きないので助かります。(それを狙っていつものバター味から切り替えましたが正解でした)
そのうちネット接続が回復するかもと思い、受付のおじさんにパスワードだけ教えてもらってから部屋に戻って試してみると、案外あっさりと接続出来ました。
よかった、よかった。
というか、おじさんの説明はいったい何だったのでしょう?
まぁ、いいや。
ふと気が付くとベッドの上を蚊が飛んでいました。
まずはそれを叩き殺し、他にも居るかもと部屋中探して2匹始末しました。
パンタナールで叩きまくっていたので、かなり上手くなったかもしれません。
あとは蚊取り線香も焚いておきました。
そういえば、この宿のトイレには中東のトイレみたいにシャワーがついてました。
中東と違うのは、ちゃんとトイレットペーパーと紙を捨てるゴミ箱も設置されていることです。
中東方式とブラジル方式(ゴミ箱付き)のハイブリッドタイプといったところでしょうか。
ちなみに、私は日本からハンディウォシュレットを持ち込んで愛用しております。もう、これ無しでは旅も登山も出来ない体になってしまいました。
その後はタブレットを使って日記を書いたりブラジリアについてあれこれ調べていたらあっという間に12時をまわってしまいました。
今日は一日中走ったので本当に疲れました。
お休みなさい。
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本日の走行ログ 総走行距離 920km
1月6日(月)10日目
4時過ぎに目が覚めたので、ブラジリアの予習をしたりして時間を過ごしました。
お腹が空いたのですが、そろそろアンパンが残り少なくなってきたので、プロテインだけで我慢しました。
6時半になったので受付奥の食堂らしき場所に顔を出してみると、朝食の準備をしている気配すらなかったので、念のため受付のおじさんに朝食について質問したら、街中にあるレストランを紹介されたので、ホテルでは朝食は出ないんだと判断して、朝飯は食べずに出発することにしました。
ホテルを出発してすぐにGooglemapナビがエラーで止まってしまい、あいにくゴイアスの街周辺ではネットに繋がっておらずルートの再検索すら出来なかったので一度ホテルに戻りました。
ホテルのWifi環境でブラジリアを目的地にしなおしてから出発しました。(7:00)
(Googlemapナビって現在地を出発地点に設定しないとカーナビモードにならないんですね。今まで気が付きませんでした)

東に向かって走るので、正面から朝日が昇ってきました。

LANCHONETE(カフェテリア)と書かれた軽食店があったので立ち寄り、調理パンを2つ注文しました。
若い女性店員にジェスチャーで「持ち帰ります!」と何度も伝えたのですが、お皿に乗った状態で出てきてしまったので、もう一度粘り強く伝えてようやく持ち帰り用のケースに入れてもらえました。(6レアル、265円)

これ、専門店だけあって、スパイシーな鳥と大豆がたっぷり入っていてなかなか美味しかったのですが、油がたっぷり含まれていて、気がついたらズボンに油をこぼしていました。
もう1つ買った方はあまり口に合わなかったので、残してしまいました。
2つ買うと量が多すぎるとわかってて気をつけてたのに、油断して2つ頼んじゃったんですよね〜。
失敗しました。

すでに何人目かわからないぐらいたくさん登場しているキリスト様。

フォルクスワーゲンブラジリア。本日訪問するブラジルの首都と同じ名前の車です。
そういえば、フォルクスワーゲンのビートル(こちらではフスカという名前)や、つい最近生産中止がニュースになっていたバン(コンビ)はなんで白が圧倒的に多いんでしょう?

たまに目につく大鍋屋さん。
専門でやって行けるぐらい需要があるんですかね?

GoogleMapナビの指示に従ってGO222号線に入りましたが、意外にも整備具合がよく、北海道みたいに景色の良い道なので気分よく走れます。

(2)ネロポリス(Neropolis)という小さな街に入りました。

地図上では小さく見えていましたがそこそこの規模があり、交通量が多いからか信号では物売りのおじさんが歩いてました。
自動車修理工場もオープンしたみたいだったので、目についたショップに適当に顔を出してみました。
従業員を呼び出して、どうせ英語で説明しても伝わらないのでジェスチャーで車のところまで来てもらい、外れた部品を指さして「この部品を買って取り付けたいんだ」と身振り手振りで伝えてみたところ、「その部品は置いてないよ」との返事。
あらら、簡単に手に入るものと予想してましたが、そう簡単には行きませんか。
ならばと、メモ帳を出して置いてそうな店までの地図を描いてもらい、教えてもらったとおりに走ったのですが、ショップすら見つけられませんでした。
うーむ、この「場所を教えてもらう」作戦、ブラジルでは隣とかの店ならともかく、ちょっと離れた店だとうまくいった試しがないような気がします。
まぁ、いいや、本命は次の街です。

というわけでやって来たのが、車の部品を買うならここだなと目をつけていたアナポリス(Anapolis)の街です。(3)
地図上でもそこそこの規模で、帰国後に調べてみたら人口35万人都市でした。
さすがにここなら手に入るでしょうという算段です。
まずはエタノールが減ってきたので給油を済ませます。
432km走行、42リットル、82レアル。(3700円)なり。

このタイプのピックアップトラックは人気があって本当にたくさん走ってます。
かっこいいけど今の日本では売れないだろうなぁ。
そして、さっそく目についた適当な自動車修理店に立ち寄ってみました。
しかし、ここもダメでした。
クイアバの修理店で部品があっさり出てきたのは何だったのでしょう?
「どこか部品を売ってくれる店はありませんか?」と尋ねてみると、「ここからちょっと行ったところにあるよ」と指差しジェスチャーで教えてくれました。
教えてもらったとおりに50mほど車を走らせると、「これぞまさに探していた店」という各種パーツを売ってるお店がありました。
フォルクスワーゲンのロゴも看板に描かれてますし、店頭にはバンパーのパーツ類も飾られてます。
「ビンゴ!」
と、内心で叫びながら意気揚々と店内に入り、スタッフをジェスチャーで呼び出してVoyage号のバンパーを見てもらいます。
すると、「それは置いて無いよ」というジェスチャーが返ってきてびっくり仰天。
ここなら絶対に置いてあると思ったのに・・・
うーむ、これは困った。
とりあえず街中に自動車修理店はいくらでもありそうなので、手当たり次第に適当に入ってみることにしました。
3軒ぐらいチャレンジしたのですが、答えはどれも同じ。
他の店を紹介してもらったりもしましたが、教えてもらったとおりに走っても、その店を見つけられないというゴールデンパターンも同じ。
そっか、Voyageのバンパーパーツってそんなに簡単に入手できないんだ!
冷静に考えてみれば当たり前ですね。
クイアバであまりにもあっさり手に入ったので「どこでも置いてる」ぐらいに勘違いしてしまいました。
さて、どうしたもんかと考えながら走っていると、右前方にVolkswagenの巨大なディーラーが見えてきました。
ディーラーなら売ってるんじゃないかと車を近くに寄せてみると、なんか変な感じがします。
よく見ると、中の電気は消えていて窓ガラスが何枚か割られ、張り紙に何かメッセージが書かれています。
うーむ、これって、潰れたか移転したってことでしょうか?
ブラジルでのフォルクスワーゲンのシェアは高そうで儲かってそうですし、不調で店仕舞いするってのも考えにくいのですが。。。
廃墟の様子を写真には撮らなかったのですが、帰国後にGoogleストリートビューで見てみるとまだ営業してる状態で写ってますから、最近潰れたんでしょうね。
ならば、ということで、GoogleMapでフォルクスワーゲンの店を検索してみたところ、南のゴイアニア(ちょっと離れたところにあるゴイアス州の州都で100万都市。ボンジャルジンで親切にしてくれたパウロさん一家が住んでる街でもあります)に2軒とブラジリアに1軒あることがわかりました。
(帰国後に改めて調べてみたら、PCのGoogleMapだと、もっとたくさん出てきます。ただ、アナポリスにはまともなショップは登録されてないみたいでしたが)
さすがに首都のブラジリアにフォルクスワーゲンのディーラーが1軒しか無いってのはおかしいと思ったのですが、今はこれ以外に頼るものも無いので、とりあえずそこを目的地にして走ることにしました。
アナポリスの街を出る前に、粘り腰でもう一軒だけ修理店にチャレンジし、そこから別の店を紹介してもらう作戦を実行してゴールデンパターンで失敗し、さらに部品専門店を偶然見つけて「今度こそ!」と訪ねてみたのですが、ここもダメでした。
これでブラジリアの正規ディーラーでも在庫切れで手に入らなかったら、部品無しのまま返却することになりそうです。
まぁ、それでも良いのですが、何か手数料とか上乗せして請求されるのも癪だったので、なんとか自力で見つけて取り付けてしまおうと意地になってました。
しっかし、クイアバではあっさり直せたので、こんなに苦労するとは思わなかったなぁ。
その24へつづく