ブラジルドライブ旅行記 28

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滝の右上から滝壺を見下ろしたところです。


滝壺周辺に落ちている岩の大きさがわかりにくいと思いますが、120m下が見えているので、なかなか高度感のある景色です。

(トレッキングルートから少し外れてわざわざ覗きに行って来ました)












ものすごいスピードで行進する蟻の行列。




そして、一旦川から離れてRio Preto Fallsから15分ほど歩いたところで、、、










再びプレト川の畔に出ました。



なんと不思議な色合いなのでしょう。











川の色といい、生えてる植物の種類と言い、本当に独特の景観です。











いやぁ、素晴らしい!











畔に出てから少し進むと、正面に大きな滝が見えてきました。











というわけで、Rio Preto Fallsのひとつ上の滝に到着しました。
(現地の案内ではcachoeira、つまりポルトガル語で単に「滝」と命名されてました)(11:50)









こちらも高さ80mあるそうです。


迫力満点、素晴らしい眺めです。




水着の方がいらっしゃいますが、我々もここでスイミングを楽しむことになりました。


今回はマテウスくんから事前に「海パン履いて来てね」と言われていたので、短パンとTシャツを脱ぐだけでOKな状態です。










浅瀬には小魚がたくさん群れていて、足を突っ込むと一斉に集まってきて皮膚をつついてきます。








岸辺に群れている魚はいわゆるドクターフィッシュなんですが、日本のどこかの温泉で体験したのに比べて、ここの種類は少し噛む力が強いです。


特に足の親指の先っちょばかり狙われてしまい、最初は突かせて喜んでいたのですが、たまに親指の先が痛かったりするので、早々に切り上げて泳ぎを楽しむことにしました。









ヤッホー!(撮影:マテウス君)



このポーズはどうしても溺れてるように見えちゃいますね。。。



奥の滝の手前にロープが張ってあり、事務所のビデオでロープは越えてはならないって言ってたので、どうやら滝には近づけないようです。

(まぁ、あの規模の滝に近づいたらただでは済まないでしょう)








マテウス君に滝を眺めているところを記念撮影してもらおうとしたのですが、終始おじさんがウロウロしていたので、結局こんな写真になってしまいました。


私が立ってる場所は身長よりも深くて、川底に転がっていた大きな石の上に立っているのですが、そんなところにまでドクターフィッシュが次第に集まってきて親指の先っちょを囓るので、内心で「おじさん早くどいてくれ〜、というか、マテウス君、もう撮影粘らくていいよ!、あ! 流れで岩から落ちる!姿勢を保てない! 痛て!親指かじらないで〜!」という感じでしたが、そんな表情は一切写ってないので良しとしましょう。




マテウス君も撮影してくれた後は水着姿になって泳ぎはじめました。



ブラジルの内陸部ではこうやって泳げる場所は貴重ですからね〜。



いや、しっかし、川の水は相変わらず冷たいです。



しばらく泳いで遊んでいたら寒くなってきたので、適当なところであがりました。









泳いだらお腹が空いたので川べりの大きな石に腰掛けて、ランチボックスからサンドイッチを取り出してパクツキました。

写真の他にもりんごとか菓子パン、紙パックのジュースなんかが入ってました。


半分ぐらい食べたところでマテウス君から「雨雲が湧いてきたから早めに出発しよう」と催促され、バタバタと準備を済ませて出発しました。(12:30)








道端に生えてる日本ではお目にかかれない珍しい植物を観察しながら(セラードは固有種の宝庫だそうです)、「大学生の時には植物学を専攻していたんですよ」という話をしつつ、そういえばマテウス君の専門を知らなかったなと思って尋ねてみたら、今現在は心理学を専攻していて、近いうちに音楽科に転向したいと考えてるんだとか。

しかも、専門はギターで。


風貌からしてミュージシャンは似合いまくりなのですが、最初彼と出会った時に「ここの景色が好きで働きに来た」という話を聞いて、大学中退のヒッピーだと予想していたので、心理学専攻というのはちょっと意外な感じもしました。









来た道を少し戻ってから行きとは違う道に入ってゆるい登り坂を登っていきます。










次第に急登に変わってきました。









いや、しっかしマテウス君速い!



これが普通の日程で歩いてる時だったら、「もう少しペースを落としてくれませんか」と言うところですが、本日は1日で2つのコースを回りたいと自分からお願いしちゃったのと雨雲が湧いてきたから急ぎたいのは私も同じなので、黙ってついて行きます。

さらに「私は日本で登山をしてるから1日2コースでも大丈夫!」と大見得をきってしまってるので、「お願い!ペースを落として〜」なんてかっこわるくて口が裂けても言えません。

ここは日本男子代表として踏ん張るしかありません。



しかし、マテウス君もなかなかやるなぁと思います。


私は日本でしょっちゅう登山をしているわけではありませんが(2013年の最終登山は10月ですし)、普段から20kgのザックを背負って片道30分の道のりを歩き、階段も20kgのザックを背負ったまま1段飛ばしで登るという生活を続けているので一般的な人よりは歩けるはずです。

息の上がり具合からすれば私のほうが若干体力があるかなという感じもしますが(だから先に音を上げるのはマテウス君だろうと予想して黙って付いて行っているわけですが)、このペースで標高差200m(50階建てのビルぐらい)を一気に駆け上るのは文系の痩せた風貌の大学生にしてはたいしたもんだと思いました。

確認しませんでしたが、何か運動をしていたのかもしれません。

まぁ、それよりも、これが若さってもんですよね!


いいなぁ、二十歳。







登り切った踊り場に居たトカゲ君。
Tropidurus guarani

たくさん居たんですが、すぐに逃げちゃうのでやっと写真を撮れました。











登り切った後は石英をびっちりと敷き詰めた開けた場所に出ました。


行きのコースと違うところを歩いているので確証は持てないのですが、たぶん急な登りはこれで終わりでしょう。



マテウス君は眼の色が薄いので石英地帯に入ってからサングラスをかけてました。









相変わらずこんな水を2人で飲んでます。

まぁ、含まれてるのはタンニンでしょうからきっと大丈夫なのでしょう。


(って、書きながら改めてタンニンについて調べたら、なんと整腸作用があるのでした。どおりで一時的に腹痛が治まったわけです)











ここまで道幅が広くきちんと整備されてると、アドベンチャー感覚が減ってしまいます。



そう言えばザックの中に冷えた水が入った魔法瓶が入っていたのを思い出して歩きながら飲んでいたら、マテウス君が不思議そうな顔でこちらを見たので、「飲む?」と言いながら差し出しました。


彼の様子から「魔法瓶を知らなかったんだ」と思いつつ飲んだ後の反応を予想してニヤニヤしながら眺めていたら、案の定冷たい水にすごく驚いていたみたいだったので、「ドイツ製の魔法瓶で冷たい温度を長い時間キープできるんだよ」と誇らしげに語りました。

(帰国後にサーモス(登山小説なんかではテルモスって名前で出てきます)について調べてみたら、確かに元はドイツの会社でしたが、今は日本の会社がドイツの会社から商標権から何から取得して純粋な日本企業になっていたのでした。知らなかった!)



その後も私が水を飲む度にマテウス君も欲しそうな顔をするので、二人で分けあって飲みながら歩きました。


この暑さの中でキンキンに冷えた水は強烈な快感をもたらしますからね。









この辺りもあちらこちらに茶色い川が流れていますが、魔法瓶の水を味わったマテウス君は素通りしてました。











おっとっと。











おっとっとっと、


っと、小川を越えていきます。











何かはわかりませんが赤い実がありました。

食べられるんですかね? (食べませんでしたが)









どことなくケニア山を思い出させる景色です。











帰りのコースにはたまに標識のない分岐があったりして、マテウス君が居てくれてよかったと思いました。











また川べりに近づいてきました。


先ほどの分岐はどうやら、この川べりにアプローチするためのものだったようです。









お〜、これまた素晴らしい眺めです!(13:00)









天然の岩なのに階段みたいになってます。









ここでしか見られない独特の景色ですね〜。

素晴らしい!







我々は黙々と歩いてほとんどの人たちを追い抜いてしまったらしく、ここでは先ほどの滝のところよりもはるかに空いていて、静かに景色を楽しむことが出来ました。










写真だとスケール感がわからないと思うので、マテウス君とセットで撮影。


マテウス君が「ここでも泳げるけどどうする?」と尋ねてきたのですが、せっかく急いで歩いてきたし、あちらこちらにスコールを降らせるような積乱雲が湧き始めていたので、ここはパスして次の目的地(vale da lua)に向かうことにしました。


今思えば、5分でも浅い流れのところに腰掛けて、足でも冷やして来ればよかったです。









一度川べりまでの道を分岐まで戻ってから、管理事務所に向かう道に入ります。

こんな水浸しの場所も数カ所ありますが、基本は歩きやすい道が続きます。










行きは黄色い矢印に従って歩いていましたが、帰りは白の矢印に従って歩きます。










さきほどのラダーハットに感じの似た植物です。


ヴェアデイロスに限らずセラード全体だと植物は1万種類生息してるんだとか。


スケールがすご過ぎで理解の範囲を超えてしまいます。










たぶん蟻の巣ですが、巨大な脳みそみたいな見た目です。





魔法瓶の水も二人で飲み始めたらあっという間になくなってしまいました。


マテウス君が最後の一口を飲み干し「これ、良いね」と言いながら魔法瓶をひっくり返して底に書かれている文字を読んで一言、「これ、メイドインマレーシアって書いてあるよ」と言われた時には、恥ずかしくて顔が真っ赤になりました。


サーモスはドイツの会社でこの魔法瓶はドイツ製って思い込んでいたのですが、両方共勘違いだったのでした。









さて、国立公園事務所まで戻ってきました。(14:00)


急いで歩いた甲斐なく、すっかり空は雲に覆われてしまいました。


まぁ、雨が降らなかっただけマシといったところでしょうか。









帰るときに改めて眺めた国立公園内のマップです。


緑が今回歩いた滝めぐりコース、キャニオン1、2に向かうのが赤のコースです。


両方共片道5km前後でコースタイムは2時間、難易度は中程度。


ということで、体力に自信がある人だったら、1日に2つとも歩くことはギリギリ可能だとは思います。
(20km8時間。標高差はそれほどでもないですが、泳ぐ時間すら無いぐらい急ぎ旅になるのでおすすめしませんが)







大きな地図で見る
マテウス君は緑の線を往復せずに黒い線のところも歩いたのだと後でGPSログで確認してわかりました。


看板に掲載されていた地図を携帯してれば、今どこを歩いていてどっちに向かっているのかちゃんとわかったんだけどなぁと思いました。




事務所に入り、マテウス君がスタッフに何やら報告しました。


入退場の管理をしっかりしてるなぁと思うと同時に、ポルトガル語が出来ないとここでは苦労するだろうなぁと痛感した出来事でした。









車に戻るとすぐにダッシュボードにつけっぱなしにしていたスマホが無事かどうか確認し(幸い、盗まれずにそのまま残ってました)、ドアを全部開いて換気をしてから乗り込みました。


確認のためにスマホの電源ボタンを押すと、なぜかいつものロック解除画面が立ち上がりません。


もしやと思いつつ電源ボタンを長押しすると「Google」のロゴが登場したので、スマホの電源が勝手に切れていたことがわかりました。


OSが起動したところでバッテリーの残量を確認してみるとまだ70%ほど残っており、バッテリー切れで落ちたわけではないみたいです。


ということは・・・、CPUの熱暴走ですかね?(もしくは内部温度センサーが高温を検知して自動でシャットダウンさせたか)



とりあえず現在地を把握したいのでGoogleMapを立ち上げたのですが、最新機種のNexus5にしては珍しく現在地をすぐに即位しません。


変だなぁと思いながら車を走らせているうちにサン・ジョルジェ村に到着してしまったので、マテウス君にスーパー(というか小さな商店)の場所を教えてもらって、水を買うために立ち寄りました。


二人で魔法瓶(500ml)の水を飲んだらあっという間に無くなってしまったので、マテウス君にも一本買ってあげました。
(魔法瓶に入れておかないと、すぐに温くなってしまうんですが、それぐらいは我慢してもらいましょう)








その29へつづく