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というわけで、途中軽い渋滞に巻き込まれつつ800kmほど走ってバンクーバーに18時頃戻ってきました。
市内でN君(他1名)と合流し、「牡蠣」を食べに行くという約束で私のレンタカーで中心街に繰り出したのですが、駐車場に車を停めた後になぜか「牛角」の看板の方に歩いて行くので、「まさか牛角じゃないよね?」と冗談っぽく確認すると、「すみません、参加者の一人が牡蠣がどうしても駄目だというもんで」ということで、いつのまにやら牡蠣が牛角に変わっていたのでした。
(しかも、その牡蠣が駄目だと言った本人は出発寸前に体調を壊し参加してないというオチです)
バンクーバーに住んでると牛角はコストパフォーマンス的に実に素晴らしいレストランなんだそうですが、個人的にはやはり牡蠣を食べたかった・・・
飛行機の出発時刻が深夜1時半だったので22時半ぐらいまで牛角で過ごし、N君と二人で駐車場に戻るとなぜか停めておいた車が見当たりません。
「そうか、駐車場はプリペイドだった!」
と、いまさら気がついたのですが時既に遅し、どうやらレッカーされてしまったみたいです。。。
カナダ在住(と言っても数ヶ月)の人達と行動を共にしていてすっかり気が抜けていたのですが、よくよく考えてみればこの中でカナダの交通事情(北米とほぼ同じ)に一番詳しいのは私で、駐車場に入るときも「これはプリペイド式だな」と頭の片隅によぎった記憶はあるのですが、車を停めて降りるときにカナダ在住組のメンバーと喋ってるうちにすっかり忘れてしまい、何も考えずに牛角の方へ歩いていってしまっていたのでした。
それはともかく、あと3時間で飛行機が飛ぶというこのタイミングで車をレッカーされたというこの状況は最悪です。
N君が慌てふためいて、
「レンタカーは僕がなんとかしますから、タクシーで先に空港に行っちゃってください!」
と、提案してくれたのですが、
「いや、パスポートも何もかも、車の中に置いてあるんだよね、、、」
と、答えるしか無いのでした。
駐車券販売機のところにトラブルの際の連絡先が書いてあったので英語が堪能なN君が電話をかけてくれたのですが、自動音声案内が流れるだけで人間のオペレーターにはつながらないとのこと。
大慌ての我々の雰囲気を察してくれた近所の年配の女性がベランダに出てきて声をかけてくれ、「バスターの受付に行けばいいのよ」と教えてくれたのですが、「バスター」というのが何かわからない我々は、女性にお礼を言った後に周囲を走り回って「バスター」なるホテル(と予想)を探したのですが、さっぱり見つかりません。
もう一度先ほどの女性に確認しようと駐車場に戻る途中で駐車場を管理しているのがホテルだったということに気が付き、そこのフロントの女性従業員に事の次第と車の行き先を尋ねてみました。
すると、20時に車を停めて22時まで無賃駐車をしていたので警察に連絡して移動してもらったとのこと。
こちらの事情も話して車を返してもらう手続きの方法を教えてもらったところ、車を保管している場所の住所と連絡先を教えてもらうことが出来ました。
念のため、そこに連絡すると、たしかに白のダッジチャージャーをレッカーして預かってるとのこと。
その様子を見ていたホテルのお客さんが、ご自身が呼んだタクシーを「先に使っていいよ」と譲ってくれ、お礼を言って二人でそのタクシーに飛び乗り、車の保管場所へ移動します。
タクシーの運転手さんにこういう時の対応方法を教えてもらったのですが、何やら受付で書類にサインをし、罰金(100ドル)を支払えばすぐに車を返してもらえるとのこと。
英語が堪能なN君がすべて必死に対応してくれているので、私は車を受け取ってから空港までのナビゲーションをすぐ出来るようにスマホに準備をさせたりしていました。
こういうトラブルがあった場合はいつも自分一人で対処しなければならなくて慌てふためいてもがくのですが、今回は英語が話せるN君が必死に頑張ってくれていたので、彼が対応できないんなら自分ではどうすることも出来ないでしょうし、もし、飛行機に間に合わなかったらどうしようかとぼんやり考えながら、ある意味冷静にあれこれ対策を考えてました。
(お化け屋敷で相棒が怖がると、こちらが怖くなくなるのと似た心境です)
タクシーが目的地に到着するとすぐに車を降りて、事務所らしき場所に向かいました。

このレッカーしてきた車を保管してる場所に「バスター(Buster)」という看板がかかってました。
(レッカー移動を民間に委託してるのか、レッカー隊にバスターって名前を付けてるのかはわかりませんが、このブログを見ると施設名というよりは組織名のようです。違法駐車退治ってかんじですかね)
というわけで、事前情報通り身分証明書を出してサインして、罰金+駐車料金を支払ってから車を返してもらいました。
車もけっこうたくさん運び込まれていて、我々と同じようにレッカーを食らった人たちが、次々にここにやってきていました。
車で施設の外に出たところでようやくN君とこれまでの顛末を笑って振り返れました。
あとは車に積みっぱなしだったN君のチャイルドシートをここで返し(本当はN君の家まで運ぶ手はずだったのですが、もうそんな寄り道してる時間はないので)、日本での再会を約束して握手をして別れました。

最後の給油を済ませ、飛行機が飛ぶ1時間半前に空港に戻ってきました。
受付の女性はカローラーからダッジチャージャーに変えてくれた方だったので「良い車でしたよ、ありがとう!」とお礼を言って鍵を返します。
今回の走行距離、約5000kmでした。
バンクーバーからカナディアン・ロッキーをジャスパー、バンフ経由で往復しても2000kmぐらいにしかならないはずなので、晴天を求めていかに右往左往したかがわかる走行距離です。
8月19日(月)
定刻に飛ばないと評判の中国東方航空ですが、この日は予定時刻よりも10分早く離陸しました。(1:20AM)
機内で旅の復習も兼ねて「地球の歩き方」をくまなく読んでみたのですが、旅の途中でも感じてましたが想像以上によくまとまっているガイドブックになってました。
どうやら国(エリア)次第では使える内容になってるみたいです。普段は日本人を避けるために使ったりしているのですが、考えを改めないと駄目なようです。
とは言え、私の旅のスタイルとは本来合わないはずなので、西カナダ編は例外だとは思います。
(今回私が歩いたトレッキングコースはすべて地球の歩き方にも掲載されてますよ。逆に最後のグラッシーレイクスなんかはハイキングガイドのほうには掲載されていません。しかも掲載されている写真がどれもこれも小さくてパッとしないものばかりなので、現地で感動する確率が高いです)
8月20日(火)
飛行機は順調に進み、定刻より1時間ぐらい早く上海国際空港に到着しました。
上海乗り継ぎでは国内線メインの空港(SHA)に移動せねばならず、早朝5時に到着して公共交通機関はすべて動いてなかったので、仕方なしに客引きにやって来た運ちゃんと値引き交渉してタクシーに乗り込みました。
上海のローソンのツナマヨおにぎり、日本と同じ味なんですね!
そして、日本行きの便は上海空港そのものが混雑していて離陸が15分ほど遅れました。

写真は淡路島のあたりですが、まさか広島地方があんなに酷いことになってるとは知らずにのんびりと窓から日本列島を眺めつつ灼熱地獄の羽田に降り立ったのでした。
旅の報告は以上です。
旅の感想など(本文と重服しますが)
カナダの治安は最高です。みなさん優しいですし、ビジターセンターなんかの対応も最高です。安心して旅ができます。
どうやら私は縦方向の視界が180度を切る周囲を見上げるタイプのハイキングスタイルよりも180度を超える(両側が切れ落ちている)稜線歩きのほうが好みのようです。(何をいまさらですが)
やはり日本の縦走登山は気分爽快でいいなぁと再認識。
山岳風景のスイス、湖のカナディアン・ロッキーという感じです。有名ドコロでは何もかもが観光地価格で混んでるのは両方同じ。ちょっと歩けば空いてるのはカナディアンロッキーの良い所。
晴れる日が続くのなら4泊5日とかのバックカントリーキャンピングをやってみたかったです。
しかし、誰もが買うであろうこのガイドブックを参考にして湖を見に行くと、かなりの確率でがっかりすることになるので要注意です。ここに掲載されている写真は、どれもこれも最高のタイミング、良いカメラ、良い構図、良い現像を行った選りすぐりの写真です。一般の旅行者の写真をよく見て、期待値を下げてから行きましょう。そんなにマニアックなコースを歩かないのであれば「地球の歩き方」でも十分なんじゃないかと思います。
カナディアン・ロッキー関連の予約(宿泊、アクティビティ)はお早めに!
人気のロッジなんかは来年分もガンガン埋まってるらしいですよ。(リピーターが多いんだとか)
天気予報で信頼できるのは今回の旅の経験上(少なくとも5サイトぐらい比較しました)、カナダ気象局とウェザーアンダーグラウンド(レーダーや降水確率や気圧推移、雨雲の様子(アニメーション)などいろいろ使えます)、あと、マニアックなところでここも使えます。いろいろパラメーターを弄ってみれば使い方はすぐにわかると思います。
本来夏は晴れる日が続くはずなのですが、日本と同じで今年の天気はあまり良くなかったです。
州立恐竜公園はすごくおすすめです! ドラムヘラーの博物館とセットで訪れ(最低1泊2日必要になりますが)ぜひ皆さんにも足元に恐竜の骨が転がってる荒涼とした大地を自らの足で歩いてみてほしいです。
小学生の頃に夢見た世界が広がってますよ。