週末の天気予報を見たら台風が接近しているものの、北東北の天気は良さそうだったので金曜日の夜に出発。
白神爺。さんに
「今東北を目指して走っていて、土曜日に秋田か岩手、日曜日に青森の予定です。遊んでください」と、メールを送ったところ、
「土曜日のほうが都合が良いので、土曜日にドライブしましょう」と、返事が来たので、
「了解しました」と、メールを送りつつ日曜日の予定を考えていたら、
「妻と話したんですが、日曜日に八甲田の縦走をされるのであれば一緒に行きたいですし、下山口の酸ヶ湯からロープウェイ乗り口まで送迎もしますので、土曜日の夕方にお越しください」
というメールが送られてきて、私は一言も八甲田を縦走するとは書いてないつもりだったのですが、日曜日に八甲田を歩くことが決定したのでした。
というか、山を歩く装備を何も持ってきてないのですが、どうしたもんですかね。
まぁ、いいや!
10月4日(土)
車中泊をした矢巾PAで朝食。
ここの盛岡冷麺、とても美味しかったです!

軽く天気予報を確認してからすぐに高速を降りて、そのまま早池峰方面へ。

ガスって山頂が見えてなかったので景色は期待してなかったのですが(単純に牧場地帯への移動の途中で通過しただけ)、意外にダイナミックな景色で大満足。
この時期に早池峰山に登る人もけっこういるもんなんですね。

紅葉や黄葉を楽しみながら岩手県の内陸部へと進んでいきます。

お目当ては岩手名物山岳地帯の牧場めぐり。

台風から流れてくる湿った空気で雲は多かったのですが、これはこれで大好きな空模様。

いやぁ〜、素晴らしい!(荒川高原牧場)
しかし馬が居ません。
秘密兵器を持ってきたのに。

馬を探して脇道へと入っていきます。
(牧場巡りのメインの道自体が県道ですら無いので全部脇道みたいなもんですが)

あ、あんなところに居た!

おいで〜、秘密兵器もあるよ〜。
と、15分ぐらい粘ったのですが、今回は距離が遠すぎたのか草に魅力がなかったのか不発でした・・・
というわけで、秘密兵器はまたもや秘密のままなのでした。

荒川高原牧場から遠野村に下ったところにある「名物茶屋 とおの村」に立ち寄り、お話し好きのおばちゃんの勧めであれこれ団子を買ったのですが、「わさび」「ずんだ」「クルミ」あたりは絶品で、私が近年食べたお団子の中ではナンバーワンの美味しさでした。(要は記憶にある中で一番美味しかったということです)
いやぁ〜、久しぶりに美味しい団子を頂きました!
さて、ここから北へ折り返して岩手大規模林道巡りをしますか!
と、タブレットを開いてアメダスの状況でも確認しようと思ったら、タブレットがありません。
もしかして・・・・
矢巾PAに電話をかけると、案の定トイレに忘れていたとのこと。(中国で忘れて今回2回めですが、さすが日本人、ちゃんと届けてくれてました!届けてくれた方、本当にありがとうございます!)
トイレのドアにデカデカと「忘れ物に注意!」という貼り紙がしてあったのですが、どうやら私には効果がなかったようです。
とほほ。
というわけで、なんで岩手まで来て国道だの高速だの走らにゃならんのだと文句を言いつつ(←完全に自分のせい)、いったん矢巾PAまで戻ってタブレットを回収してから、改めてアメダス日照を確認してみました。

うーむ、やはり岩手の内陸部に戻るしかなさそうですね。
というか、せっかくこんなところまで戻されたんですから、前から一度食べてみたかった盛岡ラーメンでも食べに行きましょうか。
というわけで、ネットで高評価の中華そば専門店へ行ってみましたが、残念ながらこちらは私の口に合わず・・・
今日は盛岡冷麺、お団子と美味しいものが続いたので、ここで美味しいラーメンで3連勝と行きたかったのですが残念です。
後でネットで感想を調べてみたら、やはり「化学調味料入り」って書いてる人も居たのですが、私も同感です。
いわゆるシンプルな中華そばだったんですが、私の舌が東京の凝りに凝ったラーメンに毒されてるだけかもしれませんね。

気を取り直して、岩手の大規模林道を紅葉を楽しみながら駆け抜けます。
誰ともすれ違わない快走路で、今のタイヤにも慣れて人馬一体ドライブが出来るようになってきて、すっかり気分が良くなりました。
私の車は車重こそ初代NA相当ですが、乗り味(剛性感、デフ、エンジン制御)はNB基準に仕上げてあり、リアの高すぎも低すぎもしない適度なスタビリティとコントロールのし安さが私のツボに入りまくっているのですが、NDはどんな感じに仕上げてくるんですかね?
楽しみです。
夕方になり東北ならではの気温の低さで体が冷えきったところで白神爺。さんのお宅に到着。
冷えきった体を源泉ドバドバの銭湯で温めなおし、いつもの美味しい料理に舌鼓をうち、ご夫婦との楽しい会話を楽しんでから、明日の予定を確認してみると、、、
「ロープウェイの始発は9時なので、、、」
と、おっしゃるので、
「じゃぁ、7時起きぐらいですかね?」 (※ロープウェイ駅まで車で30分強)
と、確認すると、
「5時起き、5時半出発で!」
と、いつもの返事が返ってきたのでした。
さすがでございます。
では、早めに寝ましょう。
おやすみなさい・・・
10月5日(日)
朝5時に起床。
予定通り5時半出発。

暗門の滝手前の津軽ダム(拡大工事中)を見学しながら朝食。
贅沢なひとときです。

そして、臨時便が出てなお超満員の八甲田山ロープウェイに乗って一気に山頂公園駅へ。
ロードスターに普段からカッパやら防寒具(オープンドライブ用)は積んであるので、それを通勤用のカバンに放り込んで、同じく車に積んであった運動靴を履いて、およそ登山者とは思えないような格好で歩き始めます。

いやぁ、素晴らしい眺め!
笹の原とトドマツのいかにも東北の山という景色が視界いっぱいに広がっています。
このトドマツが「アオモリトドマツ」という名前で、蔵王にも生えているというのは今回初めて知ったのですが、帰宅後に調べたら南アルプスの「オオシラビソ」の別名だということもわかって二度びっくりです。
(ちなみに和名の正式名称は「オオシラビソ」のほうです)

湿原も秋の色に染まり、独特の景観を作り出しています。
気温も低すぎずほとんど無風で絶好のハイキング日和です。
良い日に来たもんです。

八甲田ゴードラインの奥まで歩いたところでご夫妻と別れて、私だけ登山道の方へ行かせてもらいます。
なんか、私一人が楽しむためにいろいろ気を遣ってもらっちゃって申し訳ありません。

早速赤倉岳へ登っていきます。

振り返ればいつでも外界を見通せる素晴らしい登山道です。

山頂手前より振り返ったところです。

ロープウェイを使ってるだけあって、あっという間に登れました。
ここなら初心者でも安心して連れて来られます。
(真冬で爆弾低気圧が来ている日は除く)

そして、ここから縦走路が始まります。

いやぁ〜、こんなにお手軽に日本スタイルの稜線走きが楽しめるなんて、青森県民の皆さんが羨ましい限りです!
(※日本スタイルの稜線歩き:山頂をつなぐ稜線を歩く両側が切れ落ちた道。世界的に見てもこういったタイプの登山道は珍しいんだと最近気が付きました。森林限界を超える山が急峻すぎないからだと思います)

特に北側は切れ落ちていて、なかなかの高度感です。

私の登山経験上「日本で一番お手軽に楽しめる稜線歩き登山道」です。
なんせ、ロープウェイの駅からすぐですからね!

赤倉岳から少し進んで井戸岳を通過してから振り返ったところです。

一旦少し下ります。(青空が後方にあるので振り返った写真ばかりになってます)

続いて火口の脇を歩いていきます。

火口全景。

コースは初心者でも十分走破できるぐらい短いのに変化に富んでいて、言うことなしの稜線をつなぐ道です。

柵も整備されていて安全対策もばっちりです。

正面に大岳が見えてきました。
八甲田の最高峰です。(1585m)

ここでいったん大きく下ります。
鞍部には大岳避難小屋があって、万が一の時には逃げ込めるようになってます。

下りながら振り返ったところですが、けっこう急な坂です。

下りきったところ、避難小屋から振り返ると、ここも火口になってることがわかります。

続いて大岳へと登っていきます。

少し登ってから井戸岳を振り返ったところです。

山頂まであとすこし!
って、思ってからが意外に長い登山道でした。

到着!
というか、これ、青森県在住の全ての登山愛好家がここに来てるんじゃないですかね?
っていうぐらいの混雑具合です。
(ここまで写真には写らないようにしてましたが、特に避難小屋を超えてからは登山道も常に登山者で溢れかえってました)

それはともかく、まずは腹ごしらえ。
山頂は広くてスペースは十分あるので、ここで料理をしてる登山者もたくさん居て羨ましかったです。
幸い、今回は双眼鏡を持ってきていたので、山頂からの眺めを楽しんでみます。
(これ、最近気がついたんですが、登山するんだったら絶対に持っていったほうが良いと思いますよ)

まずはロープウェイ山頂公園駅と青森市街。

続いて青森市街のアップ。
港に停まっている大きな客船はサハリンと結んでいる「ダイヤモンド・プリンセス号」。

左に目を移して黒石、弘前方面。
奥に見えるは岩木山。

北へ戻して横浜町辺りの風力発電所。

その少し左、下北半島、恐山、屏風山。

さらに左、津軽半島、平舘灯台。

反対方向、岩手山に八幡平。
(岩手山と岩木山を同時に眺められます)
こんな感じで、台風の影響で全体的に雲は多かったものの、360度の眺めで予想以上にあれこれ見渡せて最高でございました。
さて、名残惜しいんですが、ぼちぼち行きますかね。
この時点では1時間近く余裕があると思い、白神爺。さんに早く下山できそうだと電話しようと思ったのですが、圏外でよかったです。

というのも、下山道はすごい渋滞。
可能な限り追い越していきますが、抜いても抜いても団体さんが前に居るので埒が明きません。
しかも、手ぶらで着ているような山登りじゃない団体さんもけっこう居て、山のマナーが一切通用しません。
一人が写真を撮り始めると列が止まってしまいますし、疲れた人が居ると10秒休憩とかが頻発します。
北アルプスに来ているようなツアー登山客だとすぐに最後尾の人が「抜かさせますよ〜!」と叫んで抜かさせてくれるのですが、ここではまったくそんな動きも無くて、ひたらすら後方で待たされます。
抜かすチャンスは団体さんが大休止に入った時のみです。

そんなわけで、思いの外ペースが上がらず、時間がどんどん過ぎていきます。

ようやく上毛無岱(けなしたい)に到着しました。

かなりの規模の湿地帯ですが、初夏には花満開になるようです。
ここは初夏にもう一度来てみたいところです。
上毛無岱から中毛無岱へと進み、下毛無岱へと下る階段に到着しました。
さて、本日一番楽しみにしていた場所です。

どれどれ・・・・

おおおお!これは!

すっごーい!
この景色が眼前に広がった時には思わず声が出てしまいました。
このコースを秋に歩くときは、間違いなく上から下ってくるのがお勧めです。
中毛無岱までの景色との切り替わり方、登場の仕方がドラマチックで素晴らしいですよ。

皆さん口々に「綺麗!」「すごーい!」と、大はしゃぎしながら下っていきます。

下りきってから振り返ったところです。
(登山者が途切れるまでけっこう待ちました)

ブラボー!
先々週見た北海道の紅葉と木の種類が違うらしく色合いが異なっていますね。

私だけじゃなくみなさん足を止めてついつい写真を撮ったり眺めたりしてます。

そして紅葉地帯の後方には先ほど登っていた大岳が控えております。
いやぁ、来て良かったです!
うーむ、しかし急がねば・・・

下毛無岱には紅葉した灌木がチラホラと生えておりました。

しっかし、今年は紅葉付いてるなぁ。

下毛無岱はこの辺りで終わりのようです。

その先は灌木地帯を下っていきます。
前を歩くお母さんは青森在住で今年5回目の八甲田だそうで、八甲田の魅力をいろいろ教えてもらいました。
ちなみに息子さんは私と同じ東京暮らしだそうですが、ちっとも青森の山を登らないんだとボヤいておられました。

毛無岱では他の登山者が大量に写真に写らないように工夫して位置取りしてましたが、ここら辺では諦めて団体さんたちと一緒に歩きます。
列はちっとも前に進まないのですが、お母さんが話し相手になってくれたので、楽しい下山道でした。
というわけで、1時間早く着くどころか、予定より20分オーバーで酸ヶ湯に下山。
(白神爺。さん、申し訳ありません!)

あれ?
酸ヶ湯のあたりも紅葉してませんか、これ?

しかも、この時点で晴れ間が見えているのは十和田から北のエリアのみ。
(長崎も少し晴れてますね)

というわけで、白神爺。さんのレガシーで酸ヶ湯から八甲田ロープウェイ駅まで送ってもらい、八甲田紅葉ドライブと相成りました。

酸ヶ湯の地獄沼。

素晴らしい紅葉ドライブ!
八甲田の紅葉は色彩豊かなので大好きです。

赤いのやら、、、

黄色いのやら、いろいろな色が楽しめます。

そう言えばここ数年、毎年八甲田の紅葉を見てるような気がするのですが、気のせいですかね?

そのまま十和田方面へと下っていきます。

青森を代表する奥入瀬ドライブ。
あと何回走れるのやら。

青森の道は視界に道路と木しか入らなくて、究極の森林オープンドライブが楽しめて良いですね!
ここで白神爺。さんご夫妻と別れて、私はもう少し十和田湖畔ドライブを楽しむことにします。
今回もいろいろお世話になり、一緒に遊んでいただき、本当にありがとうございました!

やはり、オープンカーを買ったらここに来なくちゃ、ですね!

再び奥入瀬に戻って蔦温泉を目指していたんですが、ふと気になって「日帰り入浴時間」を確認してみると、16時までとのこと。
しまった、遊びすぎた!(16:20)

というわけで、秋田の大湯温泉の共同浴場に立ち寄って体を温めなおし(温め直すどころか湯温が45度ぐらいあるので、どちらかと言うと我慢大会の領域です)、旅の締めに盛岡冷麺を再び楽しんでから、台風による大雨の中をひたすら走って自宅に午前2時半頃到着しました。

今回の走行ログ。
以上です!