-------------インドネシア ドライブ旅行記(目次)
旅のきっかけ
まずは年末大ジャンプに向けて南米やアフリカ以外でどこか行きたい場所はないかと物色を開始し、ターゲットをアジアに絞り込んだ。
アジアの中で今回インドネシアに決めた理由は経済成長著しい国として前々から行きたいと思っていたからで、特に観光地として見たい場所があったわけではな
かった。
インドネシアと言えばバックパッカー御用達の国だし、日本からの距離も近くて今後何回も行けるだろうから公共交通機関を利用した適当な
旅で良いかと考えて
いた。
12月に入っても「地球の歩き方」だけ購入したぐらいで、ろくに旅の計画も立てていなかったのだが、出発寸前になって
「やっぱりレンタカー借りて走り回ろう」と決めてから慌ててレンタカーの予約を取り(それが間に合うぐらいインドネシアのレンタカーは会社も少ないし人気
も無いマイナーな存在)、、行きたい場所リストを作り始めて、大体の計画を立てた。
初日(12月27日(土))
行きたい場所に関する調べ物が全然完了していなかったので、とにかくタブレット端末に関連しそうな情報を放り込んでから家を出発した。
インドネシアに関する本も「地球の歩き方」を除いてすべてキンドル版で入手(前日購入したのでキンドル版じゃないと間に合わなかったという話もある)。
これで、ほとんどの用事がタブレットで用が済むようになった。
そして、とりあえず今回も空港までは順調に移動完了。
最近の旅は出足絶好調!(超自慢)

つい先日のシンガポール出張に引き続き、飛行機は最新型のボーイング787。
乗り込むとすぐにシンガポールからの帰路でエンディングまで見られなかったグラン・トリノの続きを見て時間を過ごすことにした。
監督クリント・イーストウッドなのである程度予想はしていたのだが、なんとも言えないエンディング。。。
でも、心に残る良い映画だった。
タブレットに放り込んだホームページを見たり、インドネシア関連の本(キンドル)を読んだりしてるうちにジャカルタに到着した。
実は出発寸前まで知らなかったのだが、インドネシアの入国にはビザが必要だったらしく空港内にて取得することになった。
(これは空港内取得でまったく問題なしなので助かった)

ホテルまでの移動は安心安全と言われているシルバーバードタクシーを利用。
今写真を見て気がついたけど車はベンツだったらしい。(通りで値段が高かったわけだ)
ホテルは空港出てすぐのところに予約を取っていたのであっという間に着くかと思いきや、右折不可能な対向車線側に立地しており、さらに一方通行による遠回りをさ
せられてなんだかんだで800円もかかった。
(10ルピア=1円で計算。為替レート的には10ルピア=0.9円だったけど、ATMの引き落とし手数料などを勘案すると1円弱ぐらいなので、今後も10ルピア1円で記載)

さらに運転手の勘違いで手前の違うホテルに下ろされ、レセプションで予約が入ってない騒ぎを起こしてから自分が違うホテルに来ていると気が付き、重い荷物
抱えて歩くはめになった。
間違えて入ったホテル、そして正しいホテル両方共レセプションの対応が丁寧で、インドネシアもなかなか良い国だと感じたのが第一印象。
(もちろん、ある程度値段がするホテルだからだが)
エレベーターのボタンが見たことも無いタイプでよくわからなくて他のお客さんに押し方を教えてもらって部屋に移動した。
2日目(12月28日(日))
朝、まずはシャワーを浴びて目覚まし。
湯量豊富で気持ちよし。
ボディ&頭のシャンプーの入った袋に切れ目がなくて開けられない。
こういうところに日本流の気遣いがない。(というか、日本だけが異常なのだと最近知った)

朝食は普通の洋食スタイル。
レセプションでタクシーを呼ぶのに15分かかると言われ運転手付きレンタカーを借りたら10分弱で到着する空港まで1000円もした。
せっかく空港から頑張れば歩けるぐらいの近いホテルを使ったのに、往復で金がえらいかかってしまった。
レンタカー会社のオフィスを探していたらインドネシア最大キャリアのテレコムセルのオフィスを見つけたので、先にプリペイドSIMカードを購入するために
立ち寄った。

2.5GBのプリペイド分が含まれていて2300円。(細かい利用条件等はこちらを参照)
APN設定などネット接続はおじさんに全てお任せした。

おじさんは快く引き受けてくれ、対応がとても親切で助かった。
空港勤めの方なので当然英語も話せてコミュニケーションも楽ちん。
さらにテレコムセルのメモ帳セット(ノベルティグッズ)までプレゼントしてくれて、至れり尽くせりである。
これで万事OKかと思いきや、APN設定に思いの外手間取り、その間も私以外の追加チャージのお客さんがひっきりなしに来ていて、その都度対応に追われて
いて申し訳なかった。
追加チャージ作業はチープなアンドロイド端末を使用していたが、ブラジルとかではキャリア会社が提供してるであろう専用端末を使っていたのでそんなもんだ
と思っていたけど、インドネシアではアンドロイド端末一台あれば個人でも公式キャリアの商売できるってことなのだろうか?
結局おじさんがキャリア会社のサポセンに電話してくれて設定の仕方を調べたり、あれこれ試してくれたおかげで、なんとかAPN設定も完了した。(SMSで「internet」ってメッ
セージを送らないと開通しなかった模様)
開通ついでにおじさんにレンタカー会社のオフィスの場所をたずねてみると、空港内にオフィスは無いらしく、おじさんにレンタカー会社(AVIS)に電話をかけてもらってスタッフを呼び
出してもらった。
待ち合わせ場所はA&Wバーガー前とのこと。
おじさん、何からなにまでありがとう!!
A&Wバーガー、どこかで聞いた名前だと思ったら、カナダでハマって何度も食べていたハンバーガーチェーンの名前だった。
おじさんにお礼を言ってからハンバーガーショップの前へ移動して待つこと10分、背後から歩いてきたおじさんにのんびりとした口調で声をかけられた。
どうやら、この人がAVISのスタッフで事務所までのピックアップに来てくれたらしい。

と、思ったら違った。
なんと私が借りる車が豪快に横断歩道の真上に停められていて、ここで借り出し手続きをするみたいだった。
何というか、さすがインドネシア。
車はインドネシアトヨタが開発した国民車のアバンザ。
ベースになってるのはダイハツのテリオス。それを7人乗りのMPV(Multi Purpose Vehicle)に改造した車で、もちろんMT車。
実は帰国してスペック見るまで気がついていなかったんだけど駆動方式はFR。(世の中のコンパクトカーは全てFF車だと思い込んでいたので、当然アバンザ
もFFだと思っていた)
どおりで悪路や雨の峠で後輪が滑るわけだ。
そして後輪が滑ってるのに、なおFFだと思っていた自分の思い込みの強さにもびっくりした(笑)
というわけで、先ほどの写真の通り、机の代わりに車のボンネットを使って契約手続き開始。
すごい国に来たなぁな
んて感心してる場合ではなくて、途中で空港職員の乗った車がやって来て(見た目はパトカー)拡声器で「そこのアバンザ、そこは横断歩道ですよ、早くどきなさ
い」と(インドネシア語で)注意されてるのに我関せずでおじさんは車を動かさないのだが、私は焦ってしまった。なんせ、この後のドライバーは私なのだから。
そんな私の焦りの気持ちも拡声器からの呼びかけにもおじさんは意に介す様子はなく、相変わらずのんびりとした口調で契約手続きに関して説明してくれて、ひ
と通りの契約手続き完了。
(空港職員の車は、気が付いたら居なくなっていた)
そう言えば免許証を見せてって言われなかったので、見せなかったけど大丈夫だったんだろうか?
まぁ、いいや。インドネシアだし。
あと、当初の予定ではこの車を1月5日に返したあとに昨日泊まったホテルに再度宿泊して翌朝5時の国内線に乗って別の島へ移動する計画だったの
だけど、空港ホテル間の送迎サービスやタクシーを使うとえらい金がかかるのが嫌だったので、試しにおじさんに「1月6日の朝4時に返すってのは駄目?」と
頼んでみた。(車自体はそんな交渉も出来るように最初から1月6日の朝9時(営業開始時間)まで借りる契約にしてあった。前日の夜に返すのも、6日朝に返
すのも同じ
値段なので)
当然それを聞いたおじさんはドン引きしていたのだが、なんとか強引にお願いして、「ちゃんとこちらからモーニングコールするから」と謎の条件を付けて渋々引き受けても
らった。
あとはちゃんとおじさんの携帯に電話がかけられるように、先ほどセットしたばかりのテレコムセルのSIMカードを入れたスマホから電話をかける実験をして返却の段取り確
認は完了。
よし、これで、ホテルからの送迎サービスとかに頼らないで済む。
完璧!(と、このときは思っていた)
車に乗り込み、メーターパネルを改めて確認してみたところ、走行距離の最初の「12」という数字を見て1万キロちょいしか走ってない低走行車かと思ったら一桁違って
て12万キロオーバーのご老体だった。
まぁ、すでにボディ全体が傷だらけで気軽に扱えて助かるけど、旅の途中でどこかが壊れそうでちょっと怖いな。
いや、天下のトヨタ車だし、大丈夫だよね?
大丈夫でしょう、きっと!
そして、よくよく見てみると、案の定というかなんというか、ガソリンが最初から全然入ってない状態だった。
走り始めたら、どこかですぐに給油しなきゃ。
後はいつもどおりGPSロガーの電源を入れ、スマホナビをダッシュボードに吸盤で固定。
今回はすでにスマホのネットがつながる状態なので、Googleナビの目的地を本日の宿泊先(ジョグジャカルタ)にセットした。

さらに今回はドライブレコーダーも装着した。
交通事故対策というよりもケニアやブラジル同様、日本人からしたらあり得ない道路状況満載であろうインドネシアのドライブ風景を全部記録しておこうと考えた次第。
(値段もずいぶん安くなったしね)

オーディオ機器はなんとカセットデッキが備え付けられていた。
その下に入ってる100円ショップで買った財布は強盗に絡まれた時用(後、賄賂要求警察対策用)の大してお金の入ってないダミー財布である。
さらにその下の空調つまみは風の強さ(左)とエアコンのオンオフ(右のハンドルつまみがエアコンの風と外気の風の混ぜ具合を調整するもので、冷たさの調整
用)しか付いていなかった。
つまり、冷房か送風しか出来ないのである。(外気を混ぜることで冷たさのコントロールだけは出来る)
まぁ、赤道直下のこの国に暖房は必要無いからコストダウンのために省かれてるんだろう。
こういうコストカットの仕方は、さすがトヨタだと思う。
では、570kmほど離れた場所にあるジョグジャカルタに向けて、いざ出発。
おじさん、1月6日の朝4時の待ち合わせ、よろしくね!

日曜日ということもあって、ジャカルタ名物の交通渋滞に巻き込まれるということもなさそうで、順調な出だしだった。
ちなみにここは有料の高速道路。

お〜、早速捕まってるね〜。
知らず知らずのうちにスピード出しちゃって違反にならないように慎重に行かなくては。

あ〜、インドネシアは関所のように何度も何度も料金所が登場するパターンかぁ。
長距離走るときは面倒なんだよね、これ。

プリペイドSIMのおかげで最初からGoogleナビゲーションが大活躍した。
こんな分岐(右に行くのに左へ行くというフェイントパターン)でも迷うこと無くチョイス出来て快適!

アテンザのパトカー。
ちょっとかっこいい。
日本もクラウンとかレガシーだけじゃなくて、アテンザとかも採用すればいいのに。

さすが大都市ジャカルタ、高層ビルが乱立状態である。

海外ドライブでは恒例のパンク修理風景。
というか、高速道路脇でよくタイヤ交換するなぁ。
まぁ、いずれにせよ出発前に忠告されていた「インドネシアでの運転は日本人には危険すぎる」というほどでも無いかんじで、ここまでは順調に走行出来た。
ブラジルなんかに比べたらはるかにマシな状況に感じる。
さて、そろそろ本格的にガソリンが空になってきたので、ジャカルタの中心街を少し過ぎたあたりで高速を降りることにした。

下道に降りたとたん大渋滞にハマるの巻き。(写真は渋滞につきものの路上物売り)
郊外まで来たのにこんなに混雑しているのかと面食らった。
そして、混雑具合もそうだが、下道は運転の荒さも高速道路とは段違いだった。

対向車、そのタイミングで右折するのか!

そしてマナーの悪い乗合バス(アンコット)も登場した。
この辺りはアフリカやブラジルで鍛えられているので慣れてはいるけど。

インドネシアの特徴としては、マナーの悪い車にバイクの大群が加わってくること。
そして方々から鳴り響くクラクションの多さもケニアやブラジルとは違う。

道路の真ん中になぜ着ぐるみが居るのだ?

悠々と飛び出してくる歩行者。(これは発展途上国はどこも同じ現象)

そして、車線を無視してはみ出して突っ込んでくるバイクの群れ。

手で「スピード控えてね」というジェスチャーをしながら飛び出してくる親子連れ。

その2

この手を上下にゆっくり振るジェスチャーはインドネシアの道路上のありとあらゆるところで使われる。
ちなみに手を振るのは助手席なりバスの車掌なりバイクの後ろの席に座ってる人の役割のようだ。

いやぁ、こりゃぁ大変だ。

おっちゃんが道路の真ん中を悠々と二輪運搬車で荷物運んでるし・・・

と、まぁ、こんな感じで噂に聞いてた通りのカオスっぷり。

あとは噂に聞いていた右折屋さんがあちらこちらに立っていた。
右折屋さんというのは私が勝手に命名した呼び名だけど、信号の無い交差点で途切れない対向車線のバイクや車を体を張って止めてくれるおじさんのことである。
あとは脇道から本線に出るところとか、レストランの駐車場の出入口とかにも、ほぼ必ず脱出屋さんのおじさんが立っている。
ウインカーを出して右折待ちをすると、目ざとく見つけてホイッスル鳴らしながら赤い棒を振りつつ道路に飛び出し、対向車線のバイクを命を張って止めてくれる。(車もたまに止まるけ
ど、大抵無視するのでバイク止め専門みたいな感じ。それでもバイクの途切れなさ具合を考えれば、それでも十分に役に立つ)
バイクを止めてもらったあとは窓を開けておじさんにチップ(10円とか20円)を払いながら右折するという段取りになる。
この文化に気がついてからは、ありとあらゆるところでチップが必要になるので車の小物入れに小銭(と、言ってもお札)をたくさん入れておくようになった。
それはともかく肝心のガソリンスタンドがさっぱり見当たらないわけだが・・・。
こんなに車やバイクがたくさん走ってるのに、ガソリンスタンドがあちらこちらに営業してなくて足りるんかね?
それとも、ガソリンスタンド銀座みたいな場所がどこかにあるのだろうか?
そんな感じで渋滞で走行スピードが遅かったことも有り、高速を降りてから30分近く彷徨ってやっとガソリンスタンドを発見した。
しかし、発見
したのが対向車線側だったので、Uターンしてそこにたどり着くのも一苦労だった。
この時は右折屋さんの文化に慣れておらずチップ用の小銭を持ってなかったので、わざわざ右折屋のおじさん
が居ない場所を探してU
ターンしたのも原因だった。

そして、ようやくたどり着いた数少ないガソリンスタンドは、案の定大混雑で順番待ち状態なのだった。
でも、さすが産油国、ガソリン代が安い!(リッター70円〜80円、後で調べたら政府が補助金を出して政策的に安くしてるらしい)
予想外だったのは現金支払いのみの対応でクレジットカードが使えなかったことである。
こんな大規模チェーン店風のガソリンスタンドですらクレジットカードが使えないんだから、田舎に行ったらどうにもならないだろうと予想し、早めにお金をたくさん
下ろしておくことに決定した。
大分後に気が付いたのだが、このプルタミナという国営のガソリンスタンドがほぼ100%ぐらいのシェアらしく、街に1軒とか2軒とかしかスタンドが無いのもそれが原因だった。
競い合ってないのでサービスレベルも高くは無く、どこに行っても現金で
支払うはめになった。
さて、ガソリンも満タンになったし、宿に向けて走るか!

あれ、こんなところにガソリンスタンドあったっけ?
(行きは対向車線側にあったのと、バイクや車の群れに囲まれて必死に走ってたので気が付かなかったらしい)
というわけで、渋滞の下道をえっちらおっちら移動して再び高速道路に戻り、東へ進んだ。

ありゃ、高速道路に立派なSAがあるじゃないか。
しかも、ガソリンスタンド付きだし。
わざわざ下道に降りる必要なかったかぁ。
まぁ、いいや、下道の混雑を経験出来たし。(この頃は田舎に行けば道が空いてると思っていたので、渋滞を一回でも経験できたことが良い思い出になると勘違いしていた)

乗用車は100km制限、最低でも60kmは出せよ(もしくはトラックは60km)ってことかな?
さて、予想通り何度も料金所が登場するのだが、これが本当に面倒くさいのだ。

さらに一度間違えてプリペイドカード専用出入口に迷い込んでしまい、そこに立っていたスタッフからカードを買うはめになってしまった。(確か1000円ぐらいのチャージ分込み)
これ、日本のETCとは違う方式みたいだし、どうやって使うんだろう?

お〜、スタバかぁ。
インドネシアは日本の田舎よりもよっぽど都会だねぇ〜。

ブリジストン?
私が愛してやまないインドネシアンタイヤメーカーがシェアを取りまくってるのかと思ってたんだけど。

ジャカルタから100km弱走ったところで高速区間が唐突に終了した。
というわけで、プリペイドカード払いにチャレンジ!
が、しかし、なぜかエラーが出てしまい、対応にあたったスタッフに「インドネシア語がわからないんだけど!」と、アピールしたら諦め顔で「そのまま行って
いいよ」というジェスチャーをされた。
なので、(たぶん)支払いをせずに高速を降りてしまった。
うーむ、何が何だかよくわからんぞ。
つづく