上高地ハイキング ちょっと寄り道
3連休の報告です。

前予告通り涸沢へのハイキングを決行すべく金曜の夜22時に東京を出発。

沢渡駐車場(上高地への長野側のシャトルバスの基地)に2時過ぎに到着。そのまま車中泊を決行します。






朝5時30分頃起き、いそいそと準備をして、バス停に向かうとすでにたくさんの登山客が。。。






バスにゆられること30分






上高地に到着します。すでに日本各地から集まってきたたくさんの登山者でごった返しております。






上高地と言えば河童橋、という感じの場所。遠くに穂高の山々が綺麗に見えます。
今回の目的地、涸沢はちょうどあの山の反対側になります。






というわけで、今回は歩く距離が長いので先を急ぎます。


歩いているうちに空が曇ってきました・・・・


車でも走れそうな整備された道をあるくこと2時間、横尾山荘に到着です。





看板によると11km歩いたことになります。
良いペースです。


ところがこの先は普通の登山道。





日本中の登山者で渋滞が発生します。






このまま一日中曇り空だったら涙ちょちょぎれるところでしたが、11時30分頃からようやく晴れ上がってきました。



みなさんのお目当ては。。。





この紅葉が始まった山々なんですね。





もうあと数日したら真っ赤に燃え上がる、といった感じです。(見頃は10/10スタートとか)







本日の目的地、涸沢ヒュッテに到着です。







ちょいと写真がでかいですが、パノラマ(合成)写真です。(マイクロソフトが配ってる無料のソフトを利用しました) 横にスクロールさせて見てみてください。

小屋から360度、すごい景色になってます。
紅葉シーズンの涸沢は布団1枚に3人押し込まれると聞いているので、テント持参でここまで来ております。




肝心のカールはこんな感じになってます。


昨年はほぼ同じ日程でここに来て、強風と雪にぶちあたりました。(北アルプスで多くの人が亡くなられた日です)
ちょうど満月で、オールシーズン用の薄い寝袋で震えながら外を覗いてみると、月明かりに輝くカールの山々が信じられないぐらい輝いていました。






寒さも忘れて夢中でシャッターを切ったのが思い出されます。(2006年)





まぁ、今年は夏並みの陽気の中、のんきにカレーライスを食べてるんですけどね。




というか、まだ12時すぎです。

このまま日が沈むまで涸沢に居るのもどうかと思い、寄り道をすることにします。

地図上でなんとなく目についたのが「奥穂高岳 3190m」の文字。

なんと日本で3番目に高い山が目の前にあるじゃないですか。しかも、コースタイム2時間30分。



石も私を呼んでいます

今からのんびり登って3時すぎには到着できる計算。

これは行くしかないでしょ!




先ほど見上げていた紅葉の中を快適に登って行きます。





これ、もしかして楽勝なんじゃない?

と思ったのもつかのま、後半のザイテングラート(山側面の岩尾根)に取り付いてからは、四つんばい状態の登りが続きます。






まぁ、カールの形を考えれば後半辛いのは予想の範囲内。






なんかすごいところに人が立ってます。





というわけで真似してみました。本邦初公開、私の後ろ姿です(笑)。右下に出発地の涸沢ヒュッテとテン場が小さく写っております。

ちなみに一歩前に進むと死ねます。



後半、いいかんじにバテてしまい、コースタイム通りの2時間30分かかってようやく穂高岳山荘に上がってきました。



ここで標高3000m弱あります。





疲れたのと汗が冷えて寒くなってきたので、ストーブの前から離れられません。
(この日の綺麗な夕日の写真を他の登山者に見せられて、えらい後悔しました)




北アルプスの山小屋はどこもご飯がおいしいです。

さて、寝る時間になったのですが、自分の布団に戻るとすでに他のおじさんが一人寝ています。
そう、ついに恐怖の布団1枚2人体制で寝る日が来たのです。ハイキング感覚で行ける涸沢ヒュッテと違い、ここまで来るにはそれなりに覚悟がいります。なので空いているかと思いましたが甘かったです。(ちなみに後で聞いたところによると涸沢ヒュッテは布団1枚3人体制という信じ難い光景になっていたようです)

あとは合方が寝相が良いことを祈るのみです。

布団を良く見てみると、おじさん、端から太んの真ん中で寝てます。

しかも私の枕がありません。

布団を持ち上げて、枕を探していると、おじさんが目を開けて

「互い違いに寝よう」

と声をかけてきました。

私の枕はおじさんの足元に置いてありました。なるほど、たしかにその方が布団を有効に使えるかもと思い、おじさんの提案通りに互い違いに布団に入りました。

ちなみに布団は1組、毛布2枚を二人で使用します。隣の布団とくっついているので、両サイドおやじ状態です。(運が良い男性は両サイド若い女性になることもあるでしょうが、登山者の顔ぶれを見る限り、100回激混みの山小屋に泊まれば1回ぐらいはあるかもねって感じです)
それはともかく、腕は両脇のおじさんの足の上にのせさせてもらいます。
隣のおじさんも当然私の足に腕を載せてきます。


・・・・・・暑い・・・・・・・


なんだ? この暑さ。


さっきまで、ストーブにかじりついていたのがうそのように暑いです。

もしかして小屋のご主人が気を使って暖房入れた? いや、そんな設備あるはずないし。

特におじさんの腕がのっけられている足の暑さは尋常じゃない。

試しに布団を取ってみます。

まだ暑い。

毛布も無しにしてみます。

全然大丈夫。

部屋のあちらこちらから、いびきに混じって「暑っち〜なぁ」と声が聞こえてきます。暑いのは私だけじゃないようです。

それが狭い部屋に100人近く押し込まれた人間が発する熱によるものだと気付くのは日が開けてからでした

で、となりのおじさんですが

死ぬほど寝相が悪かったです。

体をごそごそ動かすのはしょっちゅうで、頭は蹴飛ばされるは、布団と勘違いして私が来ている服を引っ張られるは、足を握られるは、


こんなんで寝れるか!


という感じでしたが、


私は寝ました。(特技かも)


とはいいつつ、小屋で熟睡計画は完全に吹き飛びました。これなら、せっかく抱えて持ってきたテントで震えながら寝た方が数倍マシでした。

まぁ、こればっかりは両隣のおやじ次第って感じなんですけどね。


朝です。




朝食は意外に質素でした。




綺麗な日の出が上がります。(太陽の下側、雲に光が反射しているのがわかるでしょうか?)




気温が0度付近なので、厚着をして出発です。(去年の経験から、かなりの厚着セットを持って来ておりました)




いきなりハシゴと鎖です。

なんか高所恐怖症の人が居るのか、すっごい渋滞です。

稜線に出たせいか、すっごい風が吹いていて、なかなか進まないのも相まって、体が冷えまくります。耳がちぎれそうに痛いなんて久しぶりの感覚です。



見下ろすと鞍部に小屋が建っているのがわかります。





遠くには前回登った槍ヶ岳が顔を覗かせています。手前の涸沢岳にはすでに登頂者が居ます。(写真に米粒ぐらいに写ってます)





一度上がってしまえば、あとは稜線歩きです。


ただ、ここ穂高は急峻な岩稜の山々です。

奥穂高から西穂高にかけては一般登山道としては最高ランクの難易度を誇る道が続きます。




写真だとわかりにくいてですが、数百m下が見えている世界です。

今回はそこまでの難易度の道ではないですけど、そのうち行ってみたいですね。





さて、奥穂高岳の頂上が見えてきました。

なんか、高いところに立っている人がいます。(皆さん怖がってなかなかここに上がりません。上がっても座ったままの人がほとんどです。なぜなら1000m近く下の涸沢が見えている上に強風が吹いているからです)







というわけで、真似しておきました(笑)
(最初は風にびびって祠から手を離せなかったのは内緒です)







この立ち位置から見えるパノラマ合成写真です。絶景です。




槍ヶ岳へ向かう方面です。3日間とも晴れだったら、こっちに行きたかったです。




で、例の西穂高方面です。正面の一番高いところをジャンダルムって言います。名前だけ覚えておいてください。





遠くには富士山と南アルプスも見えています。

さて、では次の目的地、前穂高岳を目指しますか!



奥穂高から前穂高にかけては吊り尾根と呼ばれる細い尾根地帯が続きます。




キレットと呼ばれるほど両サイドが切れ落ちてはいないですが、迫力満点です。



大人のアスレチックですな



前穂高だけの登り口に荷物を置いてから、手足を使って頂上を目指します。




ようやく着きました。

頂上は割りと広いので、涸沢カール側に向かって進みます。



最後はこんな出っ張った岩のところまで来ます。





その端から見下ろせば涸沢カール




アップ。




反対側には上高地




アップ。河童橋が見えるか見えないか。。。。



昨日早足で駆け抜けた上高地から続く梓川沿いの道も見えております。




楽しかった寄り道登山はここまで。あとは1600m下の上高地まで一気に下るのみ。(ビル350階分ぐらい)




ここから岳沢ヒュッテまでは重太郎新道という急な坂道が続きます。鎖、ハシゴも登場するかなりの急坂です。

下りのブレーキ用の筋肉はまったく鍛えられていないので、早々に根を上げ始めます。(膝が笑う状態) ザックの重さが堪えます。




幸い、穂高の山々を見上げながらの下降なので、休憩を取りつつ下ります。




途中で鳥の群れが頭の上を通りすぎていきました。





小屋で買っておいた朴葉寿司です。昔の保存食は本当に良くできています。山に食料担いで数日登るとそれがよく分かります。



食べ終わったら、後はひたっすら下りです。




岳沢パノラマ




岳沢ヒュッテはまだ米粒。。。登ってきた人には感慨ひとしおでも、下りからすると、まだあんなけあるのか・・・




そして暑い!!


最初厚着だったのを次々に脱ぎ、すでにTシャツ一枚です。




ようやく岳沢ヒュッテ(跡)に到着です。(雪害で倒壊、売店のみ営業)

ポカリを購入したら、まったく冷やしていないのを出してきたので、冷やさないのか尋ねたら

「今の気温だったら必要ないね」とのこと

試しに飲んでみたら、確かに冷たい。どうやら日差しと体温上昇で暑いと勘違いしていたようである。


ここで標高差半分、あと少し!




よくある登山道という感じの森林を抜け





突然観光客の群れの中に躍り出ました。すっごい不思議な感覚です。

田舎から東京に突然放り出されたような感覚です。




上高地ですからね、さすがに綺麗です




下から見上げるのもいいもんです。





良く写真で見る上高地の姿です




お約束の河童橋です




あの頂上から下ってきたわけです。(一番高く見えるのはジャンダルムです。奥穂高岳は右の方で、かなりわかりにくいと思います)
上高地もいいですけど、上の世界も良いと思いませんか?




まぁ、何にせよ3連休晴天の上高地は笑っちゃうぐらいの人の数です





笑い事では済みませんでした。帰りのバスに乗る行列が数百メートル続いています。

係員に聞くと、バスに乗るのに2時間待ちだとか。。。。助けて〜〜〜
周りの登山者と山談義で時間をつぶします。

さらに大学生が卒論用の登山に関するアンケートを頼みに来たので、余裕で協力しておきました。


実際は並ぶこと1時間ちょいで乗れましたが、たちっぱなしはさすがに疲れました。




温泉で汗を流し




渋滞解消を狙って、深夜12時まで待ったにもかかわらず、20kmも渋滞する中央道をチンタラ走って2時過ぎに帰ってきました。



そんな土日のハイキング&寄り道登山でした。