2日目

本日の行程です。(500km強)
初日からハードな日程が組まれていて少し興奮しているらしく、なかなか寝付けなかったので、結局2時間睡眠ぐらいのまま朝9時(日本時間朝5時)にオークランド国際空港に到着。
英語の質問(目的とか主な宿とか)を切り抜け、いよいよニュージーランドに入国。
荷物を受け取り、手荷物検査に向かいます。
ニュージーランドは農作物に影響を与えるようなものの持ち込みを厳しく制限しているらしく、私の持ち物だと食料品とか登山靴がひっかかります。

写真だとわかりにくいかもしれませんが、手荷物のレントゲン1台につき、4人ぐらいの係員がチェックを行っており、絶対に何も見逃さないぞという迫力を感じます。
(ちなみに無申告で持ち込みがバレた場合は罰金もありえるのだとか)
私は正直に食料品と登山靴を申告したので、そちらの列に移り、そこで質問タイムです。
「食料品は何を?」
「えーっと、カップヌードルとかスープとかクッキーとか」
頷きながら、申告書の食料品持ち込み欄のイエスをノーに書き換える係員。
「果物とかは?」
「無いです」
やはりうなずきながら、書き換える係員。
そういえば機内で横に座っていた夫婦が気前よく「みかん」をたくさんくれると思ったら、持ち込めないからだったのか。
(そんなことを言っていたような)
「オッケー、種子は何を?」
「ピーナッツを一袋」
どんどん「no」の方に書き換えます。
「オッケー、キャンプ道具は?」
「これです」
と言いながら登山靴を見せます。こんな検査があると知っていたら靴底洗ってきたのに・・・
前回の下の廊下の泥がばっちりついてます。
「この靴で農場とか畑を歩いた事は?」
「いえ、登山だけです」
「オッケー」

と言いながら、靴を念入りに調べ、バイオなんちゃらと書かれたシールをベターっと張られます。
登山靴を没収されるんじゃないかと、かなりびびりながら次の検査に進みます。
が、次の検査では結局靴を見せるだけでオッケーでした。
手荷物だけでX線、申請書のチェック、質疑応答、さらに最終チェックと4回も受けることになります。
山登りでニュージーランドに行かれる方は、靴やテントをあらかじめ洗っていかれることをおすすめします。
では、いよいよ今回の旅のメインイベント、車旅行のはじまり、はじまり!

って、なぜかいきなり助手席に座っている私。

横には運転手。
そう、今回はタクシーの旅です!
ってわけではなく、実はレンタカーを借りるときにちょいと問題がありまして。。。
さかのぼること2週間前、東京自宅にて。
だいぶん前から今回の旅行の準備を進めていて、日本のAVISページでレンタカーも抑えていたのですが、ニュージーランド本国のAVISの値段が なんとなく気になってしまい、ネットで見積もりを取ってみたら、日本で申し込むよりトータルで1万円ぐらい安いじゃないですか。(しかも、いろんな割引があるので、借りる人は一度チェックされることをおすすめします。乗り捨てをしないのなら、地元の安いレンタカーを借りれば、故障のリスクは上がりますが、値段は半分ぐらいまで下がります)
というわけで、早速日本で借りたレンタカーをキャンセルし、ニュージーランドで申し込みをすることにします。
まずは、日本のページでキャンセルしてっと。
次に、avis.co.nzで申し込みを。
って、なんで車が無いの!!!
(どうやら、私がキャンセルした1台は、キャンセル待ちに流れてしまった様子)
今回は乗り捨てメインなので、大手じゃないとまずいのです。速攻でバジェットなどのレンタカー会社をあたるも、全部空きがない状態。(特に人口の多い北島)
ぎゃーーーーーーー!!!!! 車が借りられない!!!!! (俺のバカ!)
パニックになりつつ、必死に考え、AVISの空港から一番近い街のサービスステーションの空き状況を調べてみると、、、
「あったぁ!」 (しかもいろんな車種)
あれ、このちょっと古い感じのレクサス、RAV4より安いしコンパクトカーと値段そんなに変わらないぞ。
じゃぁ、レクサスにしちゃえ!!
というわけで、ニュージーランドに着くなり、15kmほどの道のりをタクシー飛ばしているのでした。(ニュージーランドのタクシーは安いと聞いていましたが、さすがに3000円前後かかりました)

レンタカー会社に到着し、受付で適当に「イエス」と答えていたら、日本では頼んでなかった保険をいっぱいつけられてしまいました(涙)。
次からはちゃんと聞いて断ろう。
では、早速スタートです。

というか、これ、レクサスの内装と違うぞ。
なんかアメ車っぽいし。
まぁ、いいや。
すぐに南に向かわないと行けないのですが、ハンドルを北に切ります。
というのも、機内の雑誌で「オーストラリアシロカツオドリの群れ」の写真を見てしまったからです。機内に持ち込んでいたガイドブック(ロンリープラネット社のガイドブック、これは超使えます)で調べてみると、カツオドリの群れが簡単に見れる場所が2か所あって、一か所は機内雑誌で紹介されているものの、場所がちょっと遠いうえに、駐車場から歩いて4-5時間とのこと。
さすがに、これは無理。
もう一か所がオークランドのちょい北のムリワイ海岸。これなら、立ち寄れるかもと急遽計画を変更し、何の下調べも無く北へと向かったのでした。
空港はオークランドの南側にあり、空港から北へ向かうということは街中に向かうことになります。
カーナビもついていないので、普通の国道だと思っていた1号線が、インターチェンジ式の高速(国道1号線)道路で、乗るのにまず迷い、さらに地図ではすぐ近くに見えた目的地もけっこう遠いことがだんだんわかってきました。

しかし、ここまで来て戻る気分にもなれず、ひたすら北を目指します。
ってか、ニュージーランドでかすぎ!!
なんで地図でほんのちょっと北で35km、往復70kmになるんじゃ! (下調べしない私が悪い)
ちなみに高速道路は北米とほぼ同じルールです。どのレーンがどういう目的で、どこに向かうか、現在何号線のどっちに向かっているのか、インターチェンジを降りるとどのルート(ニュージーランドではほとんどの道にちゃんと名前がついてます)が示されているので、あらかじめこのことを前提に目的地までの看板をイメージして頭に入れておけば、カーナビ無しで迷わずに行くことが出来ます。
ちなみに掲載したような看板はオークランド周辺のごく一部にしかありませんのでご安心を!
(1号線北方面とかの意味や高速出口のナンバー、降りた先の道路名はわかっていると楽ですよ)

オークランドの中心街を外れると高速道路地帯は終了しました。

さぁ、盛り上がってきましたよ!

さて、紹介が遅れましたが、私が
AVISのページでレクサスだと思い込んでいた今回の相棒のこの車、なんだかわかりますか? (わかったら、相当な車マニアだと思います)

オーストラリア製
ホールデン VE コモドール。(GMグループ)

日本では若者に人気のVIPカーみたいに見えますが、オーストラリアではシェアナンバーワンの車なんだそうです。日本でのカローラ、アメリカのアコードといった感じでしょうか。
ニュージーランドでもとにかくたくさん走ってました。
とりあえずハンドリング、ブレーキング、サスペンション、何もかもがアメリカで以前借りて乗ったアメ車レンタカーそっくりです。
制限速度の100kmでカーブに突入すると、タイヤの状態がまったくわからないので、ラインをトレースするのが大変です。(トヨタの大衆車をさらにフワフワにした感じ)
ただ、オートクルーズが付いているので、スピード違反はしないですみそうです。

このあと、どこまで行っても絶景なんだと気付くまで、延々と写真を撮っていてなかなか進むことが出来ませんでした。
オークランドから走ること1時間弱、ムリワイ海岸に到着しました。

駐車場から歩いて10分。

居ました! オーストラリアシロカツオドリのコロニーです!

このコロニーの規模です。
(今回は諦めたもう一か所の方がコロニーはでかいです)

こういうの一度見てみたかったんですよねぇ。

よく海でみかけるウミネコの倍はあろうかという大きさ。翼を広げると80cmぐらいはありそうで、頭の上を飛んでいくと迫力満点。
う〜ん、満足。

わかりにくいかもしれませんが、お腹の下に雛鳥が居るんですよ。

では、本来の計画に戻りますか!! (なんだかんだですでに予定より2時間遅れ)
ふたたびオークランドの脇を高速(1号線)で突破し、ひたすら南を目指します。

NBがたくさん走っております。たまたまだとは思うのですがNAやNCは見かけませんでした。

あと、日本の古い車もたくさん見かけました。皆さん大事に乗られているようです。(この車、なんでしたっけ?)

1号線は幹線道路ではありますが、両横にはすばらしい景色が広がっており、私を手招きして呼んでいます。
しかし、急がないといけないので、我慢して走ります。
お腹が空いたけど時間は無いので、サービスエリア出てすぐのマックに飛び込みます。

写真ではサブウェイが写ってますが、トッピングを英語で色々指定するのが面倒くさかったので、横のマックに入ったのです。
アメリカもそうですがフリーウェイのインターチェンジ出てすぐのところにはたいていガソリンスタンドとマックがあります。

車雑誌です。写真中央右に今回借りたホールデンVEコモドールをばっちり決めた車が表紙になってますね。実際に弄られた車はたくさん走ってます。車を趣味とする人が多いのか雑誌の数も豊富です。

ローストビーフのサンドイッチを食べながら、しばらく大人しく走っていたのですが、ついに我慢の限界を突破し1号線から降りてしまいました(笑)
すると、、、

こんなのや

こんなの

こんな景色が探すことも無く広がります。

調子に乗ってさらに脇道に入ります。

切りがないですね。

ゆっくり走ってみたかったですねぇ。

1号線に戻る途中でオフロードのレースをやってました。
では、1号線に戻ってふたたび南下します。

フリーウェイっぽい4車線道路はオークランドから50kmぐらいで、あとは普通の国道に突入します。(ここはまだ片側2車線あります)

どうも、ニュージーランド北島は延々とこんな景色が続くようです。数キロなんてレベルじゃなくて、数10km。急いで1号線を南下するのが本当にもったいない感じです。(開拓しすぎで森が丸裸とも言いますが、それでも
北海道の美瑛と一緒で綺麗です)
イメージで言うと、どこまでも阿蘇と言う感じがします。

噂どおり街中50〜80km。
はっきりと表示が出ていて、日本みたいに気付かない内に制限速度が変わっていて、そこでねずみ取りをやっているなんて事も無いので、これなら大丈夫です。

街の規模に応じて、でかい街は信号有りの50km、小さな街は80kmであっと言う間に通りすぎます。

信号よりも多いのがロータリー交差点。
ロータリーも普通の交差点もそうなのですが、右から来る車(右折車)優先なので行かれる方は気をつけてくださいね。

街と街の間は制限速度100kmで快適そのもの。
慣れてくると50km制限で「遅い!」とか感じるのですが、日本で50kmって言ったら一部の国道を除いて一般道のマックススピードですよね。

国道1号線から5号線に曲がると交通量もグンと減り、道の様子も変ります。

と思ったんですが、やはり牧草地帯ですね。

ロトルア周辺に先住民が開拓から守ったという森が一部広がっています

が、やはり牧草地に戻ります。
本日最初の目的地、ロトルア近くのワイオタプサーマルワンダーランドに到着したのが、なぜか16時。(本当は昼過ぎに着く予定だったのですが・・・)
受付に行くと係員に17時には閉めるから、急いで見てきてねと念を押されてからスタート。(1週まわるのにロングコースで1時間です)

硫黄の匂い漂う、日本で言えば「なんたら地獄」なんて名前の付くような場所です。(さすがに地蔵様がいたり(青森)、鬼のオブジェ(別府)は無く、八幡平に近いイメージです)

だいたいはこんな感じの黒い池で、ほとんどの池の写真を撮ってきたのですが、それを皆さんに延々見せるわけにも行かないので割愛します。

ロングコースの一番遠くにあるのがこの池。(Lake Ngakoro)
「これだったら見に行かなくてもいいや」って方は準ロングコースがいろいろな意味でおすすめです。
これはいろいろなトレッキングコースや散策路を歩いてみての結論なのですが、ニュージーランドのこういった遊歩道のコース取りは非常に計算されていると感じました。
見せたいところ見せたい角度から見られるよう計算され尽くしている気がします。山の中を歩くコースでも日本では山頂を結んで行くのに対して、ニュージーランドでは山頂にはまったくこだわらずに景色の良いところを縫っていくイメージです。(山頂を極めるスポーツは道無き道をよじ登る「登山」として区別されています)
今回も歩き疲れた頃にきれいな景色がドラマチックに展開するよう計算されたコースを十分に堪能することが出来ました。ゆえに準ロングコースがおすすめなのです。

ロング、準ロングの帰りに登るのがここ。

温泉に溶けていた成分が結晶化して何とも言えない模様を、ものすごい大きな規模で形作っています。何気にここが一番感動しました。

順番入れ替えましたが、行きの最初のハイライトがこの「画家のパレット」と呼ばれる池です。

そして、どのコースを通ってもハイライトになるのがこの「シャンパンプール」と呼ばれる池。湯気が立っていますが、手を入れてみるとぬるい湯ぐらいの温度でしょうか。

そして、このDevils Bathで締めくくりとなります。
あと、午前中に顔を出すと間欠泉が吹き上がっているところを見ることが出来ます。(まぁ、日本人がわざわざ観に行く必要も無いでしょうけど、ここの近くにあるもうちょっと規模のでかい間欠泉は観光案内には必ずと言っていいほど写真が掲載されています。人気なのでしょう)
サクサク歩くつもりが、一つ一つの池で立ち止まってしまい、きっちり1時間かかって受付に帰ってきました。
次に行きたいエコーレイクがここのすぐそばだったので、ガイドスタッフに尋ねたところ、えらい丁寧に教えてくれ、しかも持っていた紙を破いて地図まで描いてくれました。
それですっかり気分が良くなり、ついつい売店に行き「ニュージーランド」と書かれたタオルを買ってしまいました(笑)。

次にすぐ近くにあるエコーレイクを砂利道走って目指したのですが、スタッフの地図通りに走っていくと、手前のケロセンクリークあたりで通行止め。(残念)

ケロセンクリークは日本で言うところの野湯(滝壷温泉)なのですが、案の定水着を着た方々が入浴されていたので私はパス。お風呂はすっぽんぽんで入らないとね。
では先を急ぎますか。

途中立ち寄ったフカフォール。太陽が高い内に来たかったです。

タウポの湖に到着したのが20時。

安売りのスーパーを発見したので、明日の食料を買い込みます。(アメリカ式の倉庫箱買いタイプです)
夕飯を食べたいのですが、この時間だと飲み屋かマックぐらいしかやっていません。
しかし、さすがに1日2回マックはきつい。

なので、サンドイッチでは無く、チーズバーガーを購入
(結局マックか! なんか負けた気分)
今後の食糧事情が思いやられます。

ニュージーランドは北半球で言うと、日本よりちょい北にあるイメージで(オークランドで福島ぐらい)、さらにサマータイムで1時間前倒しになっているので、陽が沈むのが21時すぎです。写真ではまだ明るいですが、すでに21時前です。

予約を取っていたトンガリロ国立公園の宿を探します。

しかし、ホームページに掲載されていた地図がいいかげんで、なんかよくわかりません。

電話で場所を尋ね、22時前にようやく到着しました。(民家も何も無いところで携帯が使えたので、ソフトバンクの携帯で良かったと思った瞬間です。現地にはvodafoneのショップをけっこう見かけました)
翌日、トンガリロクロッシングというトレッキング(現地ではトランピングと呼びます)をするのですが、いわゆる縦走コースなので送迎を頼まなければなりません。加えてニュージーランドの観光地の駐車場は治安が相当悪く、観光客が金目の物を車に残して去ると、速攻で盗まれるそうです。(そういう警告看板があらゆる外国人が訪れる観光地にあります) なんか治安が良いイメージがあったので意外でした。
シャトルバスによるサービスがたくさんあるのですが、私の無茶な計画にあわせた時刻表では当然組まれておりません(笑)
で、個別送迎サービスを頼んだのですが、こちらの希望は朝5時出発、しかしホテル側は6時以降じゃないと無理と取り付く島もありません。
ホームページにどの時間でも大丈夫って書いてあったじゃんと抗議すると、それはゴール地点でのピックアップサービスのこととの返事。
本当は明日の16時ぐらいまでに350km南のウェリントンという街でレンタカーを返してフェリーに乗らなければならなかったので(計画無茶すぎ)、逆算すると5時間前の11時にはピックアップして欲しかったのです。
トンガリロクロッシングそのものは 全行程17km、高低差1176mのコースなので、平均時速4km弱で歩いても(登りを考えればけっこうなハイペース)、5時間はみておきたいところ。
なので、宿を5時に出て5時30分にトレッキング開始、30分休憩込の11時00分にピックアップしてもらい、11時15分には宿を出発という流れを描いていたのでした。
んが、どうしても6時前は無理との返事。
結局「まぁ、なんとかなるでしょ」ってことで、6時に送迎サービスを頼んでから部屋に入りました。

部屋はこんなかんじで寝袋で寝ます。いわゆるバックパッカーズスタイルの部屋です。(のわりには50$(12月時点で4500円ぐらい)と、けっこうなお値段。
トレッキングのピックアップがフリータイムじゃなければ、ぜったいに頼まなかったと思います。
トレッキング用に荷物をつめかえたりしているうちに12時を過ぎたので、床に入りました。
いつもなら、すぐに眠りに落ちるのに、今回はなかなか寝れません。(機内で2時間しか寝てないし、本日すでに500km走って疲れているはずなんですけど)
原因はわかってます。
明日の計画が無茶すぎて心配で、あれこれ考えてしまうのです(笑)
今時点でどうなっているかと言うと、6時に宿を出発、6時30分にトレッキング開始。30分休憩を諦めて、17kmを5時間で走破。(標準コースタイムは7時間です)
12時に宿を出発し、350km南のウェリントンのフェリーターミナルに16時30分(所要時間4時間半)に到着。AVISの営業時間は17時までなので、最悪泣きの電話を入れる!
いやぁ、無茶すぎる。
問題なのは1号線がどのぐらいのペースで流れるか。下手にトラックなんかが作る長い行列のおけつにくっついちゃったら、抜くに抜けずに、80〜90km巡航、これで街中の50kmなんかも換算すると、350km、4時間半はちょいと厳しい。
うーむ、心配。
まぁベッドで考えても仕方がないので、気を紛らわせるために、日本から持ち込んだ小説を読んだりしているうちに午前3時を回ってしまい、その後ようやくうとうとしはじめたのでした。
つづく
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