火曜日
枕元に置いた携帯電話が振動します。
目覚ましか?
メールが届いてました。
なんだろう? こんな夜中に。
・・・・ ピ
英語の迷惑メール!!
あ、そうだ、せっかく起きたんだから外の様子を見に行きましょうかね。
布団を抜け出し、500円セーターとジャンバーを羽織り、外に出てみます。
氷点下の空気が肌を突き刺します。

快晴です。(右にスクロールすると山小屋が出てきます)
夜中かと思っていましたが、もう太陽が昇ろうとしています。(朝4時)
まだ、誰の足跡もついていなかったので、本日最初に宿を出たのは私だったようです。

満天の星空を期待していましたが、明けの明星がひとつだけ瞬いていました(右上)
わかっては居ましたが、太陽は山(立山)の向こうから登ってくるようです。
ということは日の出は楽しめそうにないですね。
いったん布団に戻って寝ることにします。
朝6時、再び起床しました。 登山客が多いので、その前から相当ドタバタ音が鳴っていて、うつらうつら起きては居たのですが。

朝食です。
さて、腹ごしらえもしたし、ピーカンの室堂を楽しむぞぉ!

くぅぅぅぅ、まぶしい!
(太陽を見てるから当たりまえ)
下界から持ってきた数少ない装備、
sutakoさんからもらった手袋をはめ、PLサングラスをかけます。

サングラス越しに濃紺の空と白い雪山のハイコントラストな世界を眺めながら、冷たい空気で深呼吸。

ちょいと散歩してみますか。
ティンバーランドの靴は普通の登山靴の
ビブラムソールと同じぐらいのグリップ(つまり、革靴よりはマシ)はするようです。

地獄谷です。右へスクロールすると立山が登場します。
なんだかんだで1時間ぐらい歩いたでしょうか。

昨日嵐の中、別れを告げたホテル立山です。
ここから始発のトロリーバスに乗って、黒部アルペンルートを行きます。というのも、室堂から立山の眺めは逆光になっちゃっているので、午前中は黒部ダム側
から立山を見た方が良いんですよね。(そう言う意味で、アルペンルートは朝一に扇沢を出発して昼に室堂に到着するのがお勧めです)
アルペンルートで黒部ダムまで行き、戻ってきた頃には雪も緩んでいるでしょうから、多少はこの辺りを歩いて登ることもできるでしょう。

というわけで、トロリーバスに乗ります。

トロリーバスは地下(標高2400m付近)を走って、3000mある立山をぶち抜いて反対側に出ます。観光用とは言え、すごいところに道を作ったもんです。
大観峰駅に到着しました。

ここからロープウェイに乗り、くだって行きます。

正面に北アルプスの山々、そして、その麓には緑色の黒部ダムが作り出した黒部湖が見えてきます。

ロープウェイの駅から立山を振り返ります。山の中腹をぶち抜いてアルペンルートを作ったことがよくわかります。
ちなみに、黒部ダムの工事の時は左の凹み「一ノ越」を越えてそこから6時間ほどかけて灌木帯をダムの所まで下ったようです。

そこからさらに地下を走るケーブルカーに乗ります。

これだけ乗り継いで、ようやく黒部ダムまでやってきました。

コースはこんな感じになっているのです。左の立山を昨日出発して、黒部湖までやってきたわけです。

黒部湖です。

反対側は
下の廊下方面。去年の11月のことが昨日のように思い出されます。

黒部湖の向こうには赤牛岳。
去年のお盆に赤牛岳の手前から高天原に降りるバリエーションルートでえらい目にあったんだよなぁと、こちらもしみじみと思い出します。

さて、黒部ダムの展望台にでも上がってみますかね。

うぉぉぉ、すごい人が降りてきたぞ。
(ちょうど扇沢(反対側)からトロリーバスが到着して、中国人団体客が大挙して降りてきました)

ようこそ「ダムダムくんのさんぽみちへ」なんて書いてますが、その実態は220段の階段です。
視界が開けていれば気持ちよく登れるんですけどね。
では、おなじみの写真を掲載します。
あ、その前に上の再生ボタンを押してくださいね。
では、黒部ダムをどうぞ。

黒部ダム(写真)はでかいのでスクロールしないと見られないと思います。

いやぁ、大迫力ですね!!
黒部ダム、堪能しました!! (ついでに黒部ダム展みたいな展示(たいした点数では無くて残念でしたが)も見てきました。
では、Uターンして室堂に戻ります。

どこぞの団体さんに紛れて歩いてます

うぉぉぉぉ、だんだん混んできたぞぉ。(扇沢方面からアルペンルートを超える人に合流してしまいました)
ケーブルカー、この時、20分待ちです。

ケーブルカーの待ち時間に、なぜか駅スタッフが観光案内のどさくさに紛れて写真集を売りつけてきます。(なんか定価3000円以上(と聞こえました)のも
のを、特別価格1000円!とか言われちゃったので、急に買う気が無くなりました(笑))
欲しい方は
こちらからどうぞ。

これは山手線か! と言わんばかりの混雑です。

ラッシュアワーの新宿駅じゃありません。黒部平駅です。
ロープウェイの待ち時間が30分以上あるので、今のうちに昼飯を食べておくことにします。

太陽もだいぶん高くなってきて、北アルプス方面の斜面にも太陽光があたるようになりました。
ちなみに昼飯は「串カツカレー」です。
カレーはもちろんレトルトのやつで、具らしきものはいっさい入っておりません。串は余分だと思います。
いいんです、この後歩く分のカロリーが取れれば。

左がスバリ岳、右が針ノ木岳です。
そこら辺のおじさん数名が、案内看板を見ながら
「ズバリダケか!」
と読んで、奥さんに
「スバリダケよ」
とたしなめられておりました。

再びロープウェイに乗って上がっていきます。右の一番高く見えている山が先ほどの針ノ木岳です。(2,821m)

ロープウェイの大観峰駅からの文字通り大観峰です。
ここではそれほど待たずにトロリーバスに乗ることが出来ました。

室堂に戻ってきました。新宿駅じゃないですよ、日本で一番標高の高い鉄道(トロリーバス)駅です。

それでは、ちょいと雪の大谷に行ってみるとしますか。
(ホテル立山、すなわち室堂駅です)

9時30分〜15時まで車道半分が観光客に解放されております。
日本人半分、外国人(主に中国人)半分と言ったところでしょうか。

このあたりが最も雪が深い地点です。深さ16mと案内されていましたが、ここ最近暖かかったのと、昨日は雨が降ったので数メートル溶けてしまったんじゃな
いでしょうか? 目測で12mぐらいといったところです。

朝に日焼け止めは塗っていましたが、さらに塗り足します。

右の一番高く見えるところが雄山(3,003m)で、立山で一番高いのは大汝山(おおなんじやま、3,015m)です。ここからだと見えていないのか、遠くにあって低く見えますね。
そういえば、昨日小屋の主に聞いたのですが、富山県には男子が大人になるための儀式として雄山登山があって、それをこなさないと一人前の男として認められ
ないという風習があったとか。
今でもそれの名残で雄山登山が行事に組み込まれている小学校が多く、室堂山荘が満室近くになるのはゴールデンウィークでもお盆でもなく、小学生の群れが
やってくる夏休み入った直後ぐらいから8月上旬までなんだそうです。
(逆に言えば、いつでも室堂山荘には(相部屋ですが)泊まれるということですね)

こちらは浄土山(2,831 m)
では、そろそろこの人混みから離脱しますよ。

室堂山荘を越えて雄山の方へと歩いていきます

お、リムジン、じゃなかった、雪上車ですよ。
というか、あの雪上車には屋根がちゃんとついてますね。

一ノ越に向かって歩いております。

久しぶりの人間探しです。10名ほど写っているんですが、わかりますでしょうか?
(中央左にパーティーが歩いてます)

一ノ越が見えてきました。最後に登りがあるようです。今なら雪が緩んでいるので大丈夫でしょう。

スキーヤーがえっちらおっちら登ってます。

私は身軽なので、サクサク追い抜きます。(振り返ったところです)

一ノ越小屋です。さすがにこの辺の雪は少し凍っていましたが、問題なく登れました。

おぉぉぉぉ、大パノラマです。(腕を出しているのは体温が上がっているので汗をかかないようにしているためで、気温が高いわけではないです)
さすがに稜線は強風が吹いています。
遠く槍ヶ岳までくっきり見えるぐらい視界は良好でした。大観峰より標高が380m以上高い(2700m)場所に立っているからでしょう。
ここで写真を撮ってくれた人が教えてくれたのですが、ここ1週間で軽く1mは雪が溶けたそうです。これから梅雨に向けて一気に雪が溶けて無くなっていくん
でしょうね。

わかっちゃいますが、やはり雄山方面に登るのは厳しいですね。アイゼン着けているであろう登山者が滑りながらへっぴり腰で下ってきます。(3人写ってま
す、残り2人は雪渓に居る登山者の左上の稜線に居ます)
さて、体が冷えないうちに下りますか!
雪の原を文字通り駆け降ります。(ソリがあればなぁ)

リュックを放り投げてっと

小屋で買っておいた那須高原牛乳パンと水をいただきます。
水は買わなくても、破砕流から引いた水がいくらでも手に入るということは後から知りました。
音のない世界を堪能しました。
風も吹いてないし、すっごい快適でした。

宿泊した室堂山荘です。(右にスクロールで一ノ越です)
そのまま室堂駅には戻らずに、雪の大谷の方へ歩いていきます。

やはり、バス4台分ぐらいですかね。(12m)
ホテル立山に戻ります。

では、そろそろ下界に降りますよ。
(てっきり昨日の夜に室堂山荘で「温泉」に入った物と勘違いしておりましたが、ただのお風呂だと知っていれば、みくりが池温泉に入ったんですけどね)
30分ほど待って、バスに乗り込みます。

車窓から見上げた雪の大谷です。

昨日と違って車窓からの景色を心の底から楽しみます。

ここの七曲がりの写真を撮ろうと思ったら、下りは左側、行きは右側に座る必要があります。お勧めは一番お尻の左側の席ですかね。ただし、この後に停まる称
名滝は逆側になります。
紅葉の時期なんか、かなり綺麗な写真が取れるんじゃないですかね。

ちょっと小さいですが公式ページより。

けっこう後ろの方に座ってしまったので、道の様子はよくわからないのですが

雪融けの八幡平に似た感じの景色が広がっておりました。

美女平に戻ってきました。
ケーブルカーは30分待ちです。

16時30分のケーブルカーに乗り立山駅に戻ってきました。
今回、急に室堂に来たのは
よーのすけさんのページを見てムラっときたからなんですが、本当に来てよかったです。(紹介してくれてありがとうございます!)
次は夏の時期に来て、(ちゃんと装備を持ってきて)剱岳にでも登りますかね。
さて、まだ日没まで時間があるので先ほど反対側に座っていたおかげで見られなかった称名滝をロードスターで見に行ってみることにします。

おぉぉぉ、素敵な道が続いてますよ!

こんな道が人知れず転がっているなんて、富山県恐るべしですな。

正月に見たような景色が広がってます。右側に滝が写っているのがわかるでしょうか?
たぶん落差300m以上あると思います。
(調べてみたら延長約2km、高さ500mの「悪城の壁」という大岩壁でした。こりゃすごい)

雪融けの季節ですね、あちらこちらから水が滝となって降り注いで来ています。

称名滝までは歩いていかなければならないらしいので、駐車場でアイスを買って燃料補給をしながら歩いていくことにします。
ちなみに、駐車場に止まっている車はほぼ富山ナンバー。地元民の観光スポットということでしょうか。
(称名滝は日本最高落差の滝なので、観光地としては全国区のはずです)

滝まで徒歩20分ぐらいです。

おぉぉぉ、すごい落差。大迫力です。

称名滝です。って、なんか2本あるぞ。
あ、そうか、バスの中のガイドテープで言ってたハンノキ滝か!
というか、私が称名滝だと思い込んでいた右側の滝がハンノキ滝(落差500m)で、左側が称名滝のようです。ハンノキ滝は涸れることがあるらしく、日本一として認定されなかったのだそうです。
3枚上の写真で一番右側にいくつかの滝筋が写っていますが、あれはソーメン滝と言って雨の後とかにしか現れない滝なんだそうです。(何気に珍しい光景を見
たようです)
じゃぁ、称名滝の写真をば。
ん?
シャッターが降りないぞ。
げげ! 電池が無いジャン!!
電池を取り出して、両手で温めて見るも撮影できず・・・・。予備の電池は20分歩いたところに置いてきたロードスターの中。
なんと、ここに来てそんな仕打ちが・・・
では、携帯電話で

称名滝、四段の滝だそうです。
しかし、デジイチで撮れないのはもったいないなぁ。
あ! そういえば、さっき追い抜かしたおじさんが肩から「istDL」(私の持っているデジイチの後に出たタイプ)をぶら下げてたっけ。
探してみると、居ました、居ました! 奥さんと仲良く滝の写真を撮ってます。
撮影が終わったタイミングを見計らって声をかけます
「あのぉ、それペンタックスのデジカメですよね?」
「はい、そうですけど?」
「私も同じのを持ってまして」
「はぁ」
「電池が切れちゃったんですよ」
「なるほど」
「申し訳ないんですが、
写真一枚分、電池を貸していただけないでしょうか?」
「あ、あぁ、いいですよ」
というわけで、急なお願いにもかかわらず気前よく (無理矢理?) 電池を貸してくれたおじさんに感謝しつつ、一枚だけ写真を撮らせていただきます。
(おじさんは、「もっと撮っていいですよ」と言ってくれましたが、そこでバシャバシャとる勇気は私には無かったです(笑))

称名滝です。四段の滝だそうです。
え? 知ってる?
お礼を言って電池を返し、駐車場に戻ります。

さて、いよいよ立山とお分かれして東京方面に向かって走りますよ。
道は県道43号線をチョイス。
はたして、絶景ポイントと見込んだ場所はどんな感じになっているのでしょうか。

こんな感じでした。
やはり絶景でした。

いやぁ、すばらしい!!
写真を撮っていると、農作業をしていた地元のおじさんが声をかけてきます。
「車の写真撮ってるの?」
「はい。あまりにもすばらしい景色だったもので」
「だろ? 俺もいろいろな所を旅したけど、自分の住んでる場所が一番何じゃないかって思ってるんだよ」
「たしかに、ここはすばらしいところですよね」 (なんせ昨日から目をつけていた場所ですからね)
「あそこに、ガードレールがあるだろ、あそこに行くと、また違った景色が見られるから行って撮影してみなよ」
「あ、はい、ありがとうございます!」
というわけで、おじさんお勧めのポイントに移動してみます

おじさん、この道は軽トラサイズです!

おぉぉ、なるほど、川の向こうに立山を望むわけですね!
これはすばらしい。

さらに、もう一枚
いやぁ、いい場所に出会えました。

本日はけっこう歩いて汗をかいてしまったので、ちょいと、ひとっ風呂浴びたい気分です。
急いで帰っても渋滞に巻き込まれるだけですしね!
携帯電話で近所の温泉施設を探します。

つるぎふれあい館アルプスの湯です。
体を洗うには十分すぎる温泉でした。
さて、夕日を拝んだら東京に帰りますよ。

綺麗な夕日が落ちて行きます。

ここまで綺麗な夕日はそうそう見れるもんじゃないです。

陽が沈んだ後も、ぼーっと佇んでおりました。
さて、東京に戻りますかね。
携帯で渋滞状況を調べてみると・・・・
なに〜〜〜!! どこも渋滞してないぞ!!
(Uターンラッシュは5月5日だったようです。一瞬ゴールデンウィークは昨日までだったんじゃないかと不安になってカレンダーを確認してしまいました(笑))
渋滞避けようと時間つぶしていたのに、、、(時間つぶしと言ってるわりには、いろいろ堪能しまくりましたが)

東京までは400km強。休憩込で夜1時には着きそうです。

高速走っているうちに4万キロ越えそうです。

途中のサービスエリアでホタルイカのしゃぶしゃぶをいただきました。(美味しかったです!)
レストランから出ると、満月が!!

と思ったら、ガソリン代175円の昭和シェルの看板でした。(値段に気付かず満タンにしてしまいました)
東京までは一回も渋滞に巻き込まれることなく、予定通り1時過ぎに到着しました。
総走行距離2800kmです。
というわけで長文にお付き合いいただきましてありがとうございました!!
おしまい