k4火曜日(4日目)例によって2時頃目が覚めます。やはり満点の星空です。予報通り本日も快晴のようです。

再び一眠りし、4時前に起きました。(白い点は他の登山者のヘッドランプです)
昨日、なぜ無理をしてスゴ乗越まで歩いたかというと、本日の朝早い時間、すなわちガスの上がる前に薬師岳の山頂に立つためなのです。
ですので、とっととテントを畳み、カロリーメイトを噛ってから4時30分に出発します。
なお、スゴ乗越小屋から薬師岳山頂までのコースタイムは4時間30分、ですので9時前には着く計算です。

これまでの鞭入れでだいぶん山足が出来上がってきたせいか、足取りも軽くスイスイと登っていけます。

そして、昨日に比べると比較にならないぐらい歩きやすい道が続いています。

黒部川(上の廊下)を見下ろしていると、太陽が昇ってきました。

いやぁ、気分の良い道です。稜線歩きはこうでなくっちゃ!

振返ると、越中沢岳(奥)とスゴの頭(左手前)が見えています。

前方正面に見えているのが薬師岳の手前にある間山です。

スケール感の記録のため、先行する登山者と一緒に写しておきます
(頂上に一人と、雪渓の左側の道に一人)

この辺りは花も綺麗で、本当に気持ちよく登れます

間山の頂上に着いたところで、昨日注文した弁当を取り出し、北薬師岳方面を眺めながら朝食にします。
ちなみに薬師岳は百名山です。まだ山頂に立ってませんが納得です。

あともうひと登りで北薬師岳!

こんな標高でもキアゲハが居るんですね。

凸の尾根やら、

凹の尾根を気分良く登ります。

そして、まずは薬師岳手前の「北薬師岳」の山頂に立つことになります。

薬師岳の頂上が見えてきました

お、北薬師岳山頂付近に昨日に引き続き雷鳥の親子がいますよ。今回は子だくさんです。
雷鳥は人を怖がらない鳥ではありますが、撮影にはルールがあって、追いかけまわしてはいけないことになっています。(追いかけまわして親子がはぐれると、子どもに待っているのは死のみですからね)

カメラを目一杯望遠にして見守っていると、親子は登山道に出てきました。

そして、登山道を向こう側に向かって歩いていくのですが、そちらからは登山者が歩いて来ています。

その登山者もすぐに雷鳥の存在に気づき、足を止めます。

雷鳥の親子、気にせずその登山者に向かって歩いていきます。

結局、登山者の目の前まで歩いて行き
「グヮ!」 (邪魔だよと言ったように聞こえました)
と一鳴きした後、ハイマツの中に入っていきました。
なんともまぁ、微笑ましい光景です。

さて、薬師岳に向けて再び登りますか!

最後はこんな大きな石の地帯を越えていきます。

薬師岳を遠くから見たときは、頂上付近がこんな風になっているとは夢にも思わないわけですが、山って不思議なもんです。
(中央登山者)

いよいよ頂上です。コースタイム4時間30分のところを3時間で歩いちゃいました。快調とは言え、我ながらこれはスゴイ!
長い山頂をあまり奥に進んでしまうと登ってきた道を振返られなくなってしまうので、頂上付近の岩場をよじ登り、見晴らしの良いところに立ってみます。

おぉぉぉ、絶景です!中央で一番尖っているのが剱岳、その右が立山です。

剱岳をアップにしてみます。一昨日あそこの頂上で仁王立ちしていたのですから、けっこう歩いて来たもんです。

それでは奥にある薬師岳の頂上に行きますか

長野側を眺めると、槍ヶ岳(右)と写真中央に小さく富士山が見えています

富士山に乾杯!

富山県方面です。なんか平らな台地があるなぁと思っていたら

室堂平なんですね!(手前からちらちら見えていたのですが、こちらの標高が上がったことで、つづら折れのバスの道が見えて、ようやく気が付きました。浄土山とかが邪魔してこちら側からは見えないもんだと思ってました)

富山市街もうっすらと見えています。

しっかし百名山のわりには空いてますね〜
ん?
なんか向こうにもう一山あるような・・・
あわてて山頂の標識を見ると
「北薬師岳」
うわ、薬師岳と間違えた!
先ほど雷鳥を見かけたコブが北薬師岳だと勘違いしてました。

しかも意外に遠い!
いやぁ、恐るべし薬師岳。
(というか、私の早とちり)
というわけで、やはりコースタイムは4時間半であってます(笑)

たどり着くまでに、ちょいと下ってから登るみたいですね

というわけで、これでガスが上がってきたら洒落にならないので、あわてて本物の薬師岳を目指して歩き始めます

前方に見えるのは白山です。
(前を歩くおじさん、首にタオルを巻いてるもんだから、せっかくの景観が山菜取りの風景に見えちゃいます。私が写真を撮るときだけでも首のタオルを外してもらえると大変助かるのですが・・・例えばカメラのピントが合う「ピピ」って音が聞こえたらタオルを颯爽と取るとか)

なかなか迫力満点の稜線歩きです

まだ体も軽いのでガンガン行きますよ〜
(タオルおじさん、へっぴり腰にならず、私の写真撮影の為に、もうちょっと颯爽と登って、できれば腰に手をあてていただけると助かるのですが)

おじさんがへっぴり腰だったところを振返ったところです。写真ではわかりにくいかもしれませんが痩せた尾根で、左右が切れ落ちています。

あとちょっとで山頂です。(タオルおじさん、右の稜線に写ってます)

今度こそホンモノの頂上です

薬師岳に到着!
(登るのなら太郎平方面から登った方がドラマチックかもしれません。というのも北薬師岳の山頂と展望はそれほど差が無いです)
そして剱岳ほどではないにせよ、そこは百名山、それなりに登山者が上がって来ています。
ここから2時間ほど下ったところで本日の行程を終える予定なので、頂上で再びのんびりと時間を過ごします。(これが標準的な一日の行程です)
風は全く無く、温い太陽光が降り注ぎ、真夏だと言うのにTシャツ1枚が心地よい空間。
360度のパノラマと真上には視界一杯の青い空。
そして、登山を成し終えた笑顔のタオルおじさん達。
(なぜか薬師岳にはタオルを帽子に挟んで首を冷しているおじさんが多かったんですよ!)
そんなところで、一時間程ボーっとしていました。
(「昼寝しているうちに天候急変するぞ」みたいな看板があったので、ここで昼寝する人、しかも雷雨に巻き込まれたり遭難する人が多いのでしょうか)

さて、ぼちぼち下るとしますかね。

登ってきたスゴ乗越側とは全然雰囲気の違う下り坂です(超パノラマ写真)

ガレた下り坂の先に、薬師小屋が見えてきました。

ここは本日の宿泊場所では無いのですが、昼飯を食べる予定の場所です。

こんなメニューが並んでいることは、たまたま読んだ他の方のブログで知っていたからです。

というわけで、カレーライス卵付き!!

燃料満タン、あとは一時間ほど下るだけ。
食事もタイミング良く食べられて、景色もいいし、道も楽だし、なんともまぁ、パーフェクトな一日です。
上の写真中央やや左寄りにあるのが、今回の行程でもどうしても外すことの出来なかった、大のお気に入りの場所、黒部五郎岳です。
明
日の参考に何時にガスがあがるのか注目していたのですが、11時すぎになってようやくガスが上がり始めました。どうも今日は風の吹き方が(太平洋高気圧が張り出す夏の日と)逆で変です。登る前に天気図での予報を頭に叩き込んで来たのですが、それとは違う感じに大気が動いている気がして胸騒ぎがします。(今年は夏の太平洋高気圧が弱くて変な天気ですね)

途中で大学生か高校生と思わしきグループとすれ違いました。
若い人が山を登っているのを見ると、ホッとします。

こちら側も綺麗な景色の稜線の道ですね。ザ、日本百名山です。
時々振返っては写真を撮ります。(この後の写真もほとんどは振返って撮影したショットです)
小さなザックを背負った若い男性が後ろからすごいスピードで下ってきたので道を譲りました。きっと、景色よりもスピード勝負なのでしょう。(そういう人、けっこういらっしゃいます)

薬師岳にもようやくガスが上がってきました。

平野部方面では入道雲が沸き上がって来ています

こんな木道の道もあります。(ちょうど正面に槍ヶ岳が見えてますね)

いやぁ、気持ちの良い道です

頭の上を飛んでいる猛禽類、たぶんイヌワシだと思うのですが、悠然と空を舞っています。

ガレた道になってきました。
しばらく歩いていくとお腹に違和感を感じます。
カレーを食べたからか、ちょいと大きいのがしたくなってきたのですが、まぁ太郎平の小屋も見えて来ているので間に合うでしょう。
と思っていましたが、どうも固いのじゃなく、柔かちゃん(オリンピック期間ですからね)みたいです。
などと暢気に歩いていたら、さらに、事態が急変!

やばい、こんなところでお腹壊しました!

しかも、そんな時にかぎって樹林帯に突入し、ゴロタ石を飛び移るような道になります。
一回飛ぶ毎に肛門をノックされる気分です
大分標高も下がってきて、たしかに暑いのですが、かいている汗は間違いなく冷や汗です。
さらに、時折内股小股でしか歩けないぐらいの勢いで脱出を試みてきます。
読者の皆さんは
「男なんだし、その辺ですればいいじゃん」
って思うかもしれませんが、高い山では基本的に野っぱらで用を足してはいけないのです。高山には十分な分解用微生物も棲んでおらず、旅の記念に放出したブツはいつまでもそこに存在して生態系に影響を与え続けてしまうからです。
まぁ、そうは言っても、人間、私のようにせっぱ詰まってしまうこともあるわけで、急峻な岩場の続く道のやっと見つけた休憩スペースなんかで休んでいると、どなたかが数年前に置いていったブツがほのかに風にのって匂ってくることはよく有る話し。(そんな場所はたいていアブじゃなくてハエが飛んでいるので、気付いたら即立ち去るようにしているのですが)
しかも、ここは百名山、昨日とうってかわって、それなりのペースで下から人が登ってきます。

などと解説している場合じゃ有りません。一刻も早くトイレに入らないとヤバイのです。
2年前に黒部五郎岳側から歩いてきたときに薬師沢テントサイトに泊まったので、この坂を下りきったところに「テン場 with 便所」があることは知っています。
今は、とにもかくにもそのテン場に一刻も早く到着することを祈るのみです。
脂汗をかきながら一歩ずつ(漏れる事故を起こさないよう)慎重に下っていたのですが、途中道悪で慌てて下ってしまったところで偶然気がつきました。
全速力で下ると気が紛れる! (気がする!)
そうと分かれば、あとは肛門に力を入れるのを怠らず、ダッシュで下るのみ!

子どもの頃、河原で遊んだのを思い出しながら、ゴロタ岩の転がる枯れ沢を一気に駆け降りていきます。
ほとんど走るようなスピードです。
途中、大分前に道を譲った若者を抜き返したときは、彼も驚いていましたが、私も驚きました(笑)
まさか、そんな理由で私が駆け降りているとは想像だにしていないでしょう。(もしかしたら彼はショックを受けたかもしれません、、、それは無いか(笑))

写真を撮ってはいますが、ぎりぎりの戦いを繰り広げています
自称ウサイン・ボルト並の超特急走りなのですが、お腹も負けずに超特急です。(オリンピック期間ですからね)

沢の音が聞こえてきました。たぶんテントサイトそばの薬師沢の音です!(と信じたい)
木々の間から人工的な色のものが見えてきました!太郎平へ登り返す道が見えているのであと少しです。
せっかく全速力で下って気を紛らわせているのに、トイレが近いという意識からか肛門の筋肉が劣性になります。(皆さん、そういう経験無いですか?)
頑張れ、俺の筋肉!(オリンピックのテーマソングを頭の中で流してください)
覚えていない方はこちらをどうぞ。
あとは、私の筋肉が勝つか、すっごい柔らかちゃんが勝つかの一騎討ちです。

さきほどから聞こえていた薬師沢かと思っていた音は、小さな別の支流(写真右側)の音でした。
でも、もう少しのはずです!
あぁ、もう少しと思ってはいけない!
でも、着いて欲しい・・・・

やったぁ、テン場に着いたぁ!

すぐにザックを放り投げ、トイレットペーパーを握り締めてトイレに走っていきます。
超気持ちいい!!(オリンピック期間中ですからね)
食事中の方(居ないとは思いますが)、失礼いたしました。
水があたったのか、朝食弁当であたったのか、カレーの卵であたったのか・・・
いずれにしろ間に合ってよかったです。
私は今後、百名山である薬師岳のこのすばらしい坂道を行き来する度に、この時のことを思い出し、一人苦笑いしながら登り降りするのでしょう。
(もしかしたら、皆さんもニヤニヤするのかもしれません)

さて、テン場からひと登りすれば太郎平の山小屋に到着です。
(ようやく景色を楽しんでおります)

太郎平は湿原で登山者の歩行で痛みやすいので木道や石畳の道が整備されています。
(BGMを流している方はそろそろ止めた方がよろしいかと思います)

もうすでに散ってしまったようですが、チングルマが満開の時だとけっこう綺麗なんですよ。(2年前はそうでした)
今日はテン場に宿泊しないのか? と思うかもしれませんが、これにはとある思惑が絡んでおります。
というのも、明日はここからコースタイムで約5時間歩いたところにある黒部五郎岳にガスがあがる10時よりは前にどうしても到着したかったのです。
1時間早くガスが上がってしまったり、現地で楽しむことまで考えれば、4時には出発してコースタイムを1時間短縮するペースで歩いて、8時すぎには到着しておきたいところです。
というわけで、ほんの少しでも黒部五郎岳に近く、出発や食料補給がスムーズな山小屋泊にしたわけです。
問題は混み具合。北アルプスの主要登山口である折立(富山)からの最初の宿泊拠点で、すぐ側には百名山の薬師岳や大人気の雲の平、高天原への拠点として利用される山小屋です。

さて、到着しました。混雑具合はどんなもんでしょうか。
「今日は布団一枚に一人は大丈夫だと思いますよ」
よかったぁ。これで、心置きなく宿泊することが出来ます。(布団1枚2人体制だったらテン場に逃げ込むことも考えてました)

昼過ぎに到着してしまったので、8時には寝ると言っても、まだけっこう時間があります。

ガスった薬師岳を眺めながらのんびりしていたのですが、だんだん雲ってきたので、一旦小屋に戻り、談話室にたくさんある雑誌やら本を適当に選んで読み始めます。(下界から持ってきた本もあったのですが、この時は読む気分になれませんでした。なんせ総会屋の本だったもので)

今から20年前の山岳写真雑誌です。(マニアック!)

黒部上の廊下の写真の横にはタムロンが
「山男、良く聞けよ」
と、今ではあり得ないような上から目線のキャッチコピーが力強く打たれています。

興味深くめくっていると、雪をかぶった涸沢の写真が出てきました。
2年前の秋に紅葉目指して涸沢に行った時も、ここまでじゃないけど雪景色だったなぁ、そして20年間、混雑具合含めて変ってないんだなぁと思いながら写真を見ていると、ちょっと違和感のある「もの」が目につきました。
皆さん、気づかれましたでしょうか?
中央右の青いテントです。
そうなんです、なぜか若い(と思われる)女性が上半身裸で写ってるんです!
渋い山岳写真でこんなものが出てくるとは思わなかったので、えらいびっくりしました。やらせなのか本人写されていることを気づいてなかなかったのか・・・。あえて解像度は落としてますので、はっきりとは見えないと思いますが、実物をどうしてもご覧になりたい方は、太郎平小屋の談話室までどうぞ(笑)

そんな事をしていると、空が急に暗くなり(14時頃)、大雨が降ってきました。

今日は早めに小屋に入っていて良かったです。
雷こそ鳴らなかったですが、山の14時付近の時間帯は急に雨雲が沸き上がるので要注意ですね。
しばらくすると雨が止んだので、また外に出てみました。

中高年団体さんがストレッチ体操をしています。今から薬師小屋まで歩くのでしょうか?
すると、その団体さんが突然奇声を上げ始めます。
何だろうと思って注目すると
「北島、金メダル!、ばんざ〜い!」
と叫んでます。
せっかく、オリンピックニュースは下山時のお楽しみに取っていたのに、まさかこんなストレッチ団体の雄叫びで知らされることになるとは夢にも思いませんでした。
超きもちいい!とか柔らかちゃんとか言っていた罰でしょうか・・・
さて、小屋に戻りますか。
談話室で「
山で死なないために」とかタイトルがついている本を読んでいるうちに17時になり、楽しみにしていた夕飯の時間がやってきました。

なかなかの味で大満足です。
(たぶん何を食べても私の反応は同じでしょうが)
となりに座ったおばさん(50代後半ぐらい?)と仲良くなり話していたのですが、その方も明日は黒部五郎岳方面に単独で向かうとのことでした。4時30分頃出発するということだったので、ガスが上がる時間のことが気になり
「コースタイムよりは早く歩ける感じですか?」
と(年齢のことも有り、ちょいと偉そうに)質問してみたところ
「え、えぇ、まぁ、、、」
という返事。
何かひっかかるものを感じたのですが、深くは探らないことにしておきました。
「ガスが9時にはあがるかもしれないんで、私は4時出発です。黒部五郎カールではのんびりするつもりなので、そこで会えそうですね」
と、遠回しにガスが上がる時間のこと、ゆえに急いだ方が良いことを伝えておきます。

日が落ちてきて、大分晴れてきたのでダウンを着込んで(そのぐらい寒いです)、外に出てみました。

幻想的な日没です。
う〜ん、すばら、、、ん?
お腹の調子が・・・・
どうも出すもんを出したので落ち着いていたのですが、下痢そのものはまだ治っていなかったようです。夕飯を食べたら再び腹痛が復活してきました。
すぐにトイレに駆け込むと、やはりお腹を壊しているようでした。
こりゃ、明日の行程に影響が出てしまうかもしれません・・・
しかし、あいにく下痢止めは持って来ていません。
駄目元で小屋の受付に行って下痢止薬は無いか尋ねてみました。
「正露丸か何か、下痢止めを譲ってもらえませんか?」
と聞いてみると
「あったかなぁ」
と言いながら薬箱を取り出し、中を探し始めます。
そりゃぁ、薬売りの本拠地、富山なんだから(太郎平は富山県にあります)常備してるでしょうと勝手に思っていたのですが、なかなか出てこないので不安になってきます。
従業員よりも意識を集中して探す指先を睨んでいると、下痢の文字発見!!
「ありました、それです、それ!」
と、図々しくもこちらから申告。
お金払いますと申し出たのですが、いいよと言ってもらえたので、ありがたく頂戴。

下痢止め薬、ゲット!!
赤玉、名前は聞いたことがあるような、、、飲むのは初めてです。まぁ、胃腸薬ですから、成分は似たようなもんでしょう。
どれどれ
ゲンノショウコ、
オウバク、
センブリ、、、、
き、効くのか、これ?(ちなみに、配置期限←富山っぽい表現ですね!を2年も振り切っていることは、帰ってきてから写真を見て気づきました)
いや、今はこれを信じるしかないです。
頼む、効いてくれ〜
祈りながら、20発(仁丹サイズ)を飲み干しました。
小屋に戻ると、受付横のホワイトボードにスタッフが明日の天気予報を書き込んでいます。
「曇り、時々霧」
げげげ、明後日までは天気が持つと思っていましたが、やはり天気予報がどんどん変って来ているようです。
明後日以降の天気については「高山市」の天気予報が書かれているのですが、こちらは雨模様。盆地や平野が雨でも山頂が晴れていることはよくあるので、まだ何とも言えないのですが、移動性の高気圧が張り出すと思っていた気圧配置が想定と全然違って来ていることだけは確かです。
明日の黒部五郎カール、一番楽しみにしていただけに、ガスってたらショックだなぁ。
談話室に戻ると、先ほどのおばさんが50代ぐらいの中年のおじさんと話し込んでいたので、本を片手にその横に座りました。
おはさんが
「こちらの方も明日黒部五郎岳方面に向かわれるのよ」
と、おじさんに私を紹介すると
「あぁ、君もかい、皆一緒だねぇ」
と会話がすぐに始まります。
おじさんが、
「こちらの方(おばさん)がここまで登ってくる時の話し、聞いた?」
と、尋ねてくるので
「いえ、まだ伺ってないです」
と答えると、おじさんが興奮気味に
「折立から3時間で登ってきたんだって!」
と、衝撃的なことをのたまいます。
折立から3時間って・・・・、たしかコースタイム5時間だったはず。(と、その時は思っていましたが、帰ってきてから調べたら4時間30分でした。にしてもバカっ速です)
このおばさん、何者?
「8時に出発して11時過ぎには着いちゃったから、3時間ちょっとかしら、おほほほ」
と、笑顔のおばさん。
先ほどの偉そうな発言を悔い、血の気が引く私。
「実は私、下痢でして・・・」
と、言い訳をしようかと思いましたが、
「3時間ですか! それなら私よりずいぶん速いですね。黒部五郎カールで待っているどころか、途中で追い抜かされちゃいますね!(笑)」
と、あっさり白旗を上げておくことにしておきました。
いやぁ、とんでも無い人がいるもんです。
このおばさん、明日は双六小屋まで歩くのだとか。(一般人コースの2日分の距離。私も2年前にこのコースを逆走したときは、双六小屋のもうちょい先の鏡平から2日かけて太郎平まで歩きました)
スピードと言い、歩く予定の距離と言い、ほんと、恐れ入りました。
明日こそはきっちり4時には出発したかったので、8時前には布団に潜り込みました。
空、晴れて欲しいなぁ。
下痢、治って欲しいなぁ。
おばさん、速いんだろうなぁ。
距離 8971m 登り 862m 下り 810m