週末雑記 北ア 笠ヶ岳登山 & ドライブ (前編)


金曜日



ロードスターのエアバック警告とサイドブレーキ警告が点いたり消えたりするので、午前中ディーラーで様子を見てもらって来ました。(正確には前回原因を特定し、部品が届いたというので今回交換してもらいに行ってました)
エアバックの方はエアバックアッシーの不良(日本で3台目のレアな故障)とのことでした。当日、部品交換に必要なノートPCの調子が悪く、ソフトの再インストールからやってました。

「昔は部品の交換だけで済んだんですが、今は内部データ(車載コンピューター?)のメモリーバックアップを取って、それを新しい部品をつけてから入れ直さなきゃならないんですよ。便利なんだか面倒なんだか、とにかくお待たせして済みません・・・」
と恐縮されながら部品交換が進みます。(ソフト再インストールの間に手洗い洗車もしてくれました。ラッキー)
ブレーキの方はオイルが減っていたというので足してもらいました。ブレーキパッドが残り3mmとなっておりましたが、5.5万キロ近く走っていることを伝えると



「持ちがいいですね!、早い人だと3万キロ台で交換する人も居ますよ」



との事でしたので、内心ちょっと喜びつつ、逆算して7万キロ前後で交換することにします。(前回のNBの時も、たしか7万キロで交換でしたので、私の運転だとそんなもんなんでしょう)

そして、ちょいと出社が送れた分、きっちり上がりが遅くなってしまい、帰宅したのが早朝4時過ぎ。(修理上がりでそのままロドで会社に行っていて良かったです)








土曜日



天気が悪いのを言い訳に睡眠をしっかり取り、さらに家に篭もり、ここ最近溜まっていたプライベート関連の宿題を終わらせるだけで一日終わってしまいました。
それでも夕方にはどこに行くか検討をはじめ、21時にパッキング開始、22時半に家を飛び出して中央高速を西に車を走らせます。

目指すは新穂高温泉。



今回の目的地は、、、




私が見つめている、あの山。








笠ヶ岳です。(早朝撮影)


前回の大キレットのブログで書いた場所です。


あれこれ検討しましたが、最終的にここに行くことに決めました。



私は、この時に見た山のイメージを



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こんな風に記憶して、最初登ってから平らな尾根(稜線)を気分良く歩き、最後にちょろっと登る、

そんなイメージを持っておりました。



皆さんも、この写真からどんな山容かを想像してみてください。




途中サービスエリアやコンビニで食料を調達します。





さすが深夜の国道 号線。いつもはペースカーだらけで、全然ペースが上がらないのですが、普通の乗用車よりも速いトラックなんかも居たりして、予定より30分早く新穂高に到着しました。


しかし、ろくに下調べもせずに家を飛び出したので、まずは登山口とその側にある駐車場を探すのに手間取ります。


さらに、やっと見つけた登山口近くの無料駐車場はすでに満車。3連休を舐めてました。


あわてて、新穂高の本来の大型無料駐車場に移動しますが、なんとこちらも満車・・・。


入り口で満車を知らせるために立っていたおじさんにどこに停めたら良いか聞くと、2kmほど戻って坂道を上がったところに、まだ満車になっていない駐車場があるから、そこに停めなさいとの事。



なんだかんだで30分以上ロスしてしまい、駐車場に落ち着いたのが午前3時過ぎ。
3時間は寝れると思っていましたが、今回も2時間という中途半端な時間で出発しなければならないようです・・・
とにかく、おやすみなさい・・・








日曜日





携帯電話の目覚ましが5時15分に鳴り、とにかく無理矢理起きる為に外に車の出てみます。






う〜む、天気予報通りではあるけれど、けっこうなガスです。


昨日コンビニで買っておいたおにぎり2個を無理矢理腹に放り込み、最後のパッキングを行います。
ちょうど横に停めていたワゴン車から男性が降りてきたので挨拶し、目的地を訪ねるとロープウェイに乗って稜線まで上がり、西穂高の独標まで行くのだとか。


男性がワゴン車の後ろの扉を開けると、後部はベット状態。いいなぁと思いながら開ける様子を見ていると、中で男性の奥様(彼女?)がちょうど寝起きのパジャマ姿で上半身を起こしているのと思いっ切り目があってしまい、かなり気まずいことに。



あわてて、挨拶をして駐車場を出発します。



さて、こんな早朝(5:30)にタクシーも見当たりませんし、登山口までは歩いていかなければならないようです。






車で走ってはいるので道はわかるのですが、歩くにはけっこうな距離だったと思いますが、仕方がありません。
30分で着けば良しとしましょう。




と、思いましたが、やはり思いのほか遠いようです・・・






これから登るガスった笠ヶ岳を見上げながら歩いていたら、道路に出来ていた段差で足をくじきそうになりました。







足首まで固定されている登山靴で良かったです。



ぎんがめ、笠ヶ岳にチャレンジするも敗退。





原因、登山道入り口に向かう途中で足を挫き捻挫



ではシャレになりませんからね。(笑い話にはなるでしょうが)






一瞬悩みましたが、行き止まりは車用の表示で、この先が登山道のようです。






さて、駐車場を出発して1時間、ようやく出発点である登山道入り口に立ちました。


笠ヶ岳頂上に至る道は3つあります。一つは前回途中で諦めた双六岳方面から稜線伝いに入るコース、それから、新穂高温泉から一気に稜線まで直登する笠新道コース。これが一番メジャーなコースです。

そして、3つめが私が今回選択したクリヤ谷コース。なぜ、このコースを選択したかと言うと、前回お盆の縦走の時にNさんと一緒に歩いていたSさんが、

「私が大好きな山は甲斐駒と笠ヶ岳。笠ヶ岳は向こう(クリヤ谷)に下るのが最高ですよ!」

と教えてくれていたからです。月曜日は山に留まるか、とっとと下山するか決めていなかったので、先にクリヤ谷を登っておいて、明日の行動に選択肢を持たせようという魂胆です。

ちなみに、慌てて家を飛び出し、2時間睡眠でここに立っている私は、当然ろくすっぽ地図も見ていないわけで、なんとなく目的地までのコースタイムが8時間であるということぐらいしか、この時点では分かっていませんでした。(標高960mから2900m弱まで一気に1940mも上がると知っていたら、登る前にゲンナリしていたかも(笑))


ところで、笠ヶ岳、百名山です。なので、この時点では、(紅葉シーズン)百名山なりの混雑と整備された道があるのだろうぐらいの気持ちでいました。


登山口で靴紐を締め直していると、後ろからやってきた4人パーティーが先に登山口に入っていったので、それに続いて私も登り始めます。(6:30)


前を行くパーティーは全員ヘルメットをザックにつけています。明らかに上級者です。
その証拠に、濡れてコケや泥のついた滑りやすい石をもろともせずに安定したペースで登っていきます。決して速くは無いのですが、体のバランスの取り方が明らかに違います。





しっかし、歩きにくい道です。先ほども書いたとおり、石が滑りまくるのです。
下りだったらかなり余計な神経を使わされると思います。


そうこうしていると、4人パーティーの最後尾の人が「お先にどうぞ」と、道を譲ってくれたので、先に行く気はさらさらなかったのですが、流れでついつい前を歩くはめになってしまいました。



せっかく譲ってもらったのに、私がブレーキ役になるわけにもいかないので、本の少しだけペースを上げて歩きにくい道を登っていきます。






なんでしょう、この景観。今まで登った、どの山とも雰囲気が違い独特な感じがします。写真ではただの樹林帯に見えるかもしれませんが、ここに来ればわかります。何か雰囲気が違うのです。(植生でしょうか)



そしてSさんから事前に聞いていた川の徒渉ポイントに到着します。幸い昨日の雨が止んでからかなり時間が経っているので、余裕で渡れそうです。



が、しかし渡った先にあるはずの登山道が見当たりません。


もうちょっと上流で渡るのかと探してみるものの、踏み分け跡すら見当たりません。


どうしたものかと考えていると、先ほどの4人パーティーが追いついてきました。


どうするんだろうと見ていると、迷うことなく石を伝って川の反対側に渡っていきます。
目で追いかけると、先ほどまでまったく目に入っていなかった登山道がちゃんとそこにあるではないですか!



恥ずかしい〜〜〜、やはり前に出るんじゃなかった、と後悔しつつ、再び4人パーティーの後ろを登っていきます。



しばらく登っていくと、4人パーティーは休憩を取るらしく、再び道を譲ってくれました。


挨拶がてら



「バリエーションルートですか?」



と、尋ねてみると



「えぇ、これから錫杖(しゃくじょう)の岩をやるところです」



との返事。


リエーションルートと言うのは一般的な登山道ではないコースの事です。つまり道無き道、もしくは先人がつけた微かな踏み分け跡を辿って目的地を目指すコースです。有名どころから、それはただの藪漕ぎってのまでいろいろありますが、共通して言えるのはケルン(石を積んだもの)やリボンが無ければ、自力で行くしかないという事です。登山道の岩場であればペンキでマークがちゃんと着けられていてどこをつかめば良いかわかりますが、バリエーションルートにそんなものは無く、鎖や梯子があるわけでも無いので、全部自分で判断して登ることになります。いずれにしろ、今の私には縁のない世界ではあります。(唯一可能性があるとすれば、バリエーションルート好きなNさんが誘ってくれることでしょうか)


話を戻します。


錫杖というのがこの近所にある山だと言うこと、そして岩場があることは話でわかったので、「なるほど」と頷きます。


「あなたは笠ヶ岳?」


と4人パーティーのおばさんに尋ねられたので


「はい、そうです」


と答えると


「毎年、この時期にいらっしゃってるの?」


と尋ねられたので、どうやら私が始めての笠ヶ岳で、川の徒渉ポイントもわからず迷っていたことはバレていないんだと内心喜びつつ


「いえ、初めてです」


と答え、「お気をつけて」とお互いの安全を祈り、先に進むことにしました。




先ほどのパーティーは笠ヶ岳では無く、錫杖岩場に向かうわけですから、私以外に笠ヶ岳に向かって登っている人が前後に居ないことになります。出発時間がちょっと遅かったせいかもしれません。



あいかわらず足場が悪いので足元に神経を配りながら登っていきます。


しばらく登ってからふと目を上げると、突然立派な山が目に飛び込んで来ました。







ここで地図を取り出し、その山の名前を確認すると、「錫杖岳」と書いてあり、ようやく4人パーティーがあの山にチャレンジするのだと言うことがわかりました。


そして、錫杖岳の標高が2168mしか無いことに驚きます。それを見上げてるってことは、いったい自分は標高何mに居るんだ?


いや、正確に知ると気分が萎える気がするので、やめておきましょう。





ということで、この先にある水場の位置だけ確認し、自分の標高は2000m以下!ということにして、再び登り始めます。



等高線を読んで頭の中に立体的な山をイメージし、自分が水場にたどり着くまでにこれからどんな景色を見ることになるのかだけは頭に入れておきます。(小学生の時に家族でオリエンテーリングをやっていたので、国土地理院の地形図はよく眺めていました)






いやぁ、しかし錫杖岳、紅葉も相まって見事なもんです。(知っている人からすれば、わざわざクリヤ谷コースを選んでおいて、君は何を言ってるんだという感じでしょうね)






道は悪いけど、景色は良い!  そんな感じの登山道です。







笠ヶ岳は紅葉が綺麗とは聞いてはいましたが、想像以上です。


途中、沢に降りられる場所があったので、降りてみました。




すっごい数のテントが張られています。どうやら、錫杖岳ロッククライミングの方々のベースキャンプのようです。


再び登山道に戻り登り始めます。




その後何回か川を渡り、「これ、本当に登山道か?」と心配になるような獣道っぽい場所や、枯れただけの沢にしか見えない場所を歩きつつ、道はがんがん登っていきます。






相変わらず見事な紅葉の中を道は進んでいきます。





そして、見事な蜘蛛の巣が顔にまとわりつくことしばしば、もしかして、自分より前に誰も歩いてないんじゃないかという疑問が沸いてきます。



そんな疑問の中、笹の原に出ました。





ここも不思議な景観で実に印象的です。








振返れば樹林帯の上に錫杖岳がそびえています。






再びクモの巣と格闘しながら登っていきます。









歩きにくさもあいかわらず。

さて、そろそろ水場がある場所だろうなぁと思っていると、ちょうど下山してきた人が休んでおり、お話をしながら水を汲みます。





案の定、登ってきた人と出会ったのは私が最初とのことですので、私より前に登っている人は居ないようです。(びっくり。百名山なのに・・・)





水を汲み終えると、再び登り始めます。




どうやら、ここから一気に急斜面をジグザグに登っていくようです。(まっすぐ直登ではありません)






あいかわらず道は歩きにくいのですが、笹の原で視界が開けたので、それはそれで楽しく登っていきます。




ぽちぽちと下ってくる人が居るのですが、皆口々に


「この道を登るんですか! 頑張ってくださいね!」


と、驚きながらも、応援してくれます。

何人目かに下ってきた人に



「まだまだ、こんな道が続くんですか?」



と、ついつい尋ねてみると



「えぇ、ずーっと続きますよ(笑)」



という予想通りな返事。


なんか、この時点ではそんなに疲れてもいないのに、すっごいしんどいことをしている気分になってきてしまいました。




向かい側には西穂へと続くロープウェイが見えていて、時々案内放送の音も聞こえてきます。






とりあえず、見上げるとクリヤの頭と呼ばれる場所と、いったん急坂が終わるであろう場所が見えてはいるので、そこまでは黙って登ることに決めます。






ひたすら独特な景観の笹薮道が続きます。


倒木なんかもあって、歩きにくさは相変わらずです。





下界に目を落とすと、先ほど歩いた紅葉地帯を見下ろすことが出来ます。





もうちょっとで急坂は終わりそうです。






途中、ちょっとした岩場もありましたが、鎖をつけるまでもない岩「坂」といった感じです。

どれくらい登ったでしょうか、ようやく急斜面を登りきったところでザックを下ろし、下界を見下ろしながら早め早めの燃料補給を行います。






今回はシャリバテにはならないぞと誓っていたので、食料もたっぷり目にザックに入れてあります。(1泊2日ですからたかが知れています)


そして、大分雲が広がってきてしまったので、回復狙いでゆっくりと休憩を取ります。(午後に晴れるという予報でしたので)



しっかりと休みをとった所で、再び歩き始めます。



ちょうどそこへ、一人の若者が下ってきました。挨拶をすると



「この道を登ってきたんですか!!」



と、興奮気味に話しかけてきます。



「え、えぇ」



と、返事をすると



「すげぇ、よく登りましたね!」


と、なおも目を輝かせてしゃべる青年。



鼻の下が伸びないよう、冷静さを保ちつつ



「いえいえ、そんなにたいしたもんじゃ無いですよ」



と返事。



「この先もまだまだ長いですけど、頑張ってくださいね!」



と、爽やかに去っていく若者を見送ってから気分良く歩き始めます。

(ちなみに、私自身はクリヤ谷を登るのはそこまでハードでは無いと思いますし、また、珍しいことではな無いと思っております。ただ、北アに入るのに標高1000mを切っている登山口をわざわざ選ぶ人がマイナーだというだけの話だと思います。お盆に登った早月尾根もそうですね)



道は急坂から山の反対側へと回り込むようです。



急に景色が変りました。(Sさんが好きだという理由がよくわかりました。登っている途中でどんどん景色が変って行く山が好きだと言っていたので)





低木の針葉樹と巨石の組み合わせ。これまた独特の景色です。

そして、またもや道は歩きにくい!
どうしても足元に意識を集中しなければならないので、なかなか景色を楽しみながら歩けません。






たぶん地図に載っていた雷鳥岩というのがあれでしょう。
(帰宅してからほかの人が横から写した写真で、ようやくわかりました。横から見ると鳥の形をしているのです。ちなみに、私は雷鳥が住んでいるのかと探してしまいました)




さらに道が山腹を回り込んで右に折れたところで、










突然笠ヶ岳が全容を現しました。(右にスクロール出来ます。登山道が細く写ってます)



う〜ん、さきほどの若者が言うとおり頂上までは、まだまだありそうだなぁ。





ひたすら大きめの石が転がる道と格闘しながら歩いていきます。







足元の沢に沿って綺麗な紅葉が続いています。







もし、あそこに見えているのが山頂なら、6時間半で着くことになります。(コースタイム8時間)
ところが、下ってきた2人組の若者の話によると、この先はザレ場になって歩きにくさ倍増なのだとか。

ザレというのは小石が転がる場所。ガレというのは中くらいの浮き石が転がる箇所。いずれにしろ、急な坂道の浮き石に不用意に足を乗せると、スリップ、転倒、運が悪ければ骨折、最悪滑落なんてことになります。


しっかし、泥コケ石、泥、川の徒渉、わかりにくい道、倒木、ゴロタ石、蜘蛛の巣(先頭切って歩いた私だけへの自然からのプレゼント)、岩場に加えて、ザレ場。歩きやすい区間はほとんど無し。



まるで悪路の総合デパートみたいな道です。






歩いてきた道を振返ります。(すれ違った夫婦が、登山道の一番手前に小さく写っています)


こうやって遠くから眺める分には普通の道なんですけどねぇ。




きました、ザレ場です。さきほどの若者は何度も滑ったと言っていましたが、私は登りなので、さすがにそれは無かったです。ただ歩き無いことには変わりなし。

そして、登りきったところで






遠くに頂上が・・・。


6時間半で到着というのはやはり無理。もう30分必要そうです。





最後の仕上げは、板状の石が転がる悪路 (それほど歩きにくくは無いですが、ペンキをよく見ていないと道がわかりにくい)





いよいよ頂上です。






もしかして、頂上独り占めか! と思っていたら、全然そんなことはありませんでした。

どうやら反対側の笠新道と呼ばれるコースからは百名山目指してそこそこ登って来ているようです。(当たり前か)







登り始めてから7時間、13時30分に頂上に到着。



途中にエスケープできる山小屋もありませんし、標高差も長さもあるコース(しかも悪路)なので、初心者の方に勧められる道ではありませんが、この独特の景観はそれを補って余りある魅力でした。


そして、頂上に着くなり質問攻めに遭います。



「どんなコースなんですか?」



「辛くないですか?」



「誰も歩かないから道が荒れ放題って聞いたんですけど」

などなど。


皆さん興味はあるけど、登りでは使いたくない、もし可能なら下りに使ってみようかと悩んでいる様子でした。
自分の印象として下りでは滑りやすく、道の状態が良くないことをお伝えしておきました。








山頂から高山方面に居るなーちゃんに手を振っておきます。







さらに、中央アルプス方面で先導しているくりのすけさんの後ろをバテながら歩いているであろうTABさんにハンドパワーを送っておきます。
(※11日(土)は雨だったので、てっきり本日(日)登っているものだと思い込んでおりました)






さすが信仰の山。

無事に登れたことに感謝しつつ、1時間ほど山頂から北アルプスの山々を眺め(登山を始めて3年目なので、登った山のレパートリーも増え、だんだん山の名前がわかるようになってから、山を眺めるのが楽しくなってきました)、山頂直下の山小屋に下ります。







小屋でテン泊の手続きを行い、水を調達して、さらに標高100mほど下のテン場に移動し、テントを張ります。


時間はちょいと早いですが夕飯の支度を始めます。(16:00)

これは、前回のNさんとの登山で気がついた、ほんの少しだけ凝った食事をするだけで気分が全然違うという気づきを実践しているわけです。





まずは、揃えてきた材料を並べます。途中の双葉SAで購入したウインナーもあります。
山頂付近に転がっていた薄く平な岩はテン場にも山ほどあるので、テント前に調理場を拵えています。
これで、テントの中に体を入れたまま料理が出来ます。(外はけっこう寒くなっています)





まずはウインナーをボイルします。






茹でるのに使ったお湯にそのままじゃがりこを入れて煮込むと、マッシュルームが出来上がります。


それを先ほどのウインナーと混ぜて塩こしょうをして、マッシュポテトウインナー(そんな料理あるのか?)





それをいただきつつ、お湯をさらに沸かしてアルファ米を準備し、カレーのレトルトを温めて







カレーライス(こちらは工夫無し)





最後に残ったお湯でココアをいただきます。かなり気温は低いのですが、体も暖まり、かつ満腹です。(クラムチャウダーはお腹一杯だったので明日の朝にまわします)








テントから出て空を見上げると、うろこ雲にふたをされたような空が広がっていました。自分自身が標高3000m弱に居るので、うろこ雲に手が届きそうな感じに見えます。


ところで、皆さん、食事の間、背景に写っていた岩山に気づかれましたでしょうか?






実は、一番穂高に近い場所にテントを張って、それを眺めながら食事をしていたのです。









目の前には穂高の山々、特に正面は先週歩いた大キレットを眺めながらの贅沢な食事だったわけです。
(左から南岳、大キレット(長谷川ピークも見えますね)、北穂、涸沢岳、奥穂です。大キレットの真下に私のテントが写っています)





さらにテン場を引きで撮影すると、こんな感じで、槍ヶ岳から西穂高までの稜線が全部見えています。


最初、なんで山小屋から100mも下るんだよ! って思っていましたが、小屋に泊まる団体さんの喧噪から離れて、こんな景色を独り占めできるということに気づき、実は一線級のテン場なのだと理解しました。テントの出入り口を穂高方面にして、一番穂高側にテントを張れば、完全に誰にも邪魔されずに景色を楽しめます。


ここは、本当におすすめ! テント買ったら、ぜひここに来ましょう。








再び山小屋へと登っていきます。



なぜなら、今日の夕日はどう考えてもすばらしいものになりそうだからです。



山小屋に着いたので、夕日が沈む飛騨側を覗いてみます。












すっごい雲海です。(雲海の向こうに見えているのは白山)



本日の夕日のすばらしさを確信し、さらに360度の視界が利く山頂へと登っていきます。







三脚組がカメラを並べています。







コンデジの人ももちろん居ます。



そして、私もカメラを構えます。






穂高とこちらの稜線の間に広がる蒲田川が流れる谷に幻想的な雲が流れ込んで来ています。

いよいよショータイムの始まりです。




ちょうど、そこへクリヤ谷方面から4人パーティーが登ってきました。先頭のおじいさん(写真には写っていません)はシャキッと歩いていますが、残りの3人は疲れ果てて今にも倒れ込みそうな様子で登ってきます。


たぶんどこぞのショップのガイドとお客さんのパーティーなのでしょう。



そして、私がそうであったように、おじいさんも質問攻めにあっています。


その受け答えでなんとなく様子が分かったのですが、なんと私とほぼ同時刻の朝6時30分に登山口を出発して、途中トラブルもあったりして着いたのが今(17時)なのだとか。
いやはやお疲れさまです。
ただ、夕日に間に合って良かったと思います。


彼ら(男性2名、女性2名、うち1名は若い女性)は意外なことにテント泊、ですのですぐに小屋には向かわずに、しばらく夕日を堪能するようです。



逆に、小屋泊の人で食事時間が今に指定されている人は実にもったいないことをしています。



皆さんご想像の通り、







雲海を照らしながら、白山の方へ神々しく沈む太陽、








足元で生き物のようにうねる雲海








そして、こんなにすばらしい光景が視界一杯に広がる瞬間に立ち会えないのですから。(横長画像です)



実際、この瞬間山頂に立っていたのは、私含め10数人ぐらいしか居なかったと思います。









雲の切れ目に沈むときって、上方向にも光線が伸びるんですね。初めて見ました。






赤く染まる、槍ヶ岳。(アーベントグリューエン)







さて、ショータイムも終わったことですし、テントに戻りますか!!(大満足)







テントに戻ると、猛烈な眠気に襲われたのですが(なんせ年甲斐も無く2時間睡眠ですしね)、そこは頑張って耐えつつ小説(「孤高の人」)を読み、20時をまわったところでシュラフに潜り込み、一気に眠りました。




つづく