オーストラリア アウトバックドライブ (1) プロローグ
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前置き
オーストラリアに決めた理由に興味のない方は読み飛ばしてください
ニュージーランドやフランスで味を占めたこともあって、年末はドライブ主体の旅を外国でしようと計画をはじめました。
そう考えると寒く雪があるであろう北半球は最初っから選択肢から外れ、主に南半球で良い場所が無いかエアチケット手配会社に候補地リストを渡して調査をお願いしました。実際、年末に連休を取っても大丈夫という確信を得たのが12月に入ってからのことでしたので、ほとんどの候補地のチケットを取ることができず、南アフリカがまず最初の候補地となりました。
ただ、ヨハネスブルグをはじめ、都市部の治安が悪すぎるのと、肝心のサファリツアーが雨期で植物が育ってしまい、なかなか動物を発見できないなどのマイナス点があり、他の候補地をあたってもらうことにしました。
次にチケット手配可能場所として浮上したのがオーストラリア。(ブリスベン往復)
オーストラリアでドライブと言っても、あまりピンとこなかったので、他の候補地の調査をお願いしていたのですが、いよいよ、そのオーストラリアでさえ確定させないとどこにも行けないというタイミングになってしまったので、行きと帰りの場所だけなんとかずらしてもらい、行きはブリスベン、帰りはシドニーからということになりました。この間をどうやってつなぐかは、チケットを押さえた後から考え始めました。
地球の歩き方やロンリープラネット(日本語版は入手できなかったので英語版)を購入し、ホームページ上で旅日記なんかを漁りながら、候補地をピックアップしていきます。中にはドライブ日記なんかもあって、だんだん旅のイメージが固まっていきます。(本も一冊読みました。後ほど紹介いたします) また、非常に参考になるページを作成されている方がいたのですが、冒頭でそのページを紹介してしまうと、ほぽ今回のドライブのネタバレになってしまうので、こちらも最後に紹介することにします。
ピンポイントで見てみたい場所(主に国立公園)をピックアップしていくと、行きたい場所は全オーストラリアに跨ってしまい、googleでルートを作成してみると、軽く1万キロを突破するというむちゃくちゃな計画になってしまいます。
さすがにそれは無いだろうと言うことで、オーストラリアで飛行機の国内線を旅の最初と最後で使い(これでブリスベンとシドニーに高い料金払って分けた意味がまったくなくなってしまったのですが)、合計の距離を9.5日間で7500km弱程度に抑えて計画を組みました。オーストラリアの郊外の制限速度は110km〜130kmなので、決して不可能ではないと思っていたのと、実際に走ってみて厳しそうであれば、宿も一切押さえていないので、どんどんルート変更してしまおうと思っておりました。
そうして、スタートポイントはダーウインに決定しました。
ただ、ダーウインは残念ながらご覧の通り雨期に入っているので、早々に退散して次のポイントに向かうことになります。
では、なぜダーウインをスタートポイントにしたかと言うと、単純に乗り捨て可能なレンタカーがある程度の都市じゃないと借りられないのと、ウルル(エアズロック)があるノーザンテリトリー準州以外の車は、ノーザンテリトリー準州への乗り入れを禁止している場合が多かったので、ノーザンテリトリー最大級の街であるダーウインをスタートポイントに設定したのでした。
初日 12月26日(金)
金曜夜の飛行機に乗るために会社を早めに出て、そのまま成田空港に向かいます。
そう言えば、フランス出張の時にも見た景色だなぁと思いつつ、ゲートに向かいます。
出発は夜21時。機内食が出るだろうと思って、夕飯抜きで来ましたが、さすがにお腹が空きました。
飛行機は定刻通りに出発。23時近い時間に夕飯を食べ、狭いエコノミーシートで機中泊とあいなりました。
2日目 12月27日(土)
やはり現地に到着してからのことが気になり、あまり熟睡はできません。どうせならといことでガイドブックを広げて、計画の詳細を検討します。
窓の外を見ると日が昇ってきました。残念ながら反対側のシートに太陽があるらしく見られないのですが、こちら側は雲がオレンジ色に染まって綺麗です。
さらに時間が経つと黄色に変わり、これまた綺麗。
グレートバリアリーフ上と思われる場所で朝食が配られ、とりあえず腹に放り込んでおきます。
なんでしょう? あの煙。 山火事ですかね?
そして、定刻通り朝7時(時差+2時間)にブリスベン空港に到着。
手荷物の受け取りや入国手続きに1時間近くかかってしまい、8時過ぎに空港ロビーにたどり着きました。
ちなみにオーストラリアは食品の持ち込みはかなり厳しく規制されているので、今回は一切持ち込みは行わず、すべて現地調達にすることにしました。テントなんかも持ち込んで申告していたのですが、ニュージーランドの時のように特にチェックは行われなかったので、案外こちらの方が甘いのかもしれません。(印象です)
クレジットカードが使えない場所があると困るので、少しだけ両替をしておき(1$ 71円、この時60円台前半だったので率悪し)、キオスクで道路地図を購入します。
さらに、日本を出発する前に空港などで使えるホットスポットサービスを申し込んでおいたので、ネットから天気予報などの情報を引き落としておくことにします。
ところが、なぜかアクセスポイントが見つけられず、空港ロビーを行ったり来たりする羽目に。(私は到着ロビーにいたのですが、出発ゲートに行けばあっさりと見つかったのかもしれません)
時間に余裕があればブリスベンの街まで出て観光でもしてこようかと思っていたのですが、電車が30分に1本しか無いことや、ホットスポット探しで時間を無駄に浪費してしまったので、あきらめて国内線空港に移動して、そこで時間をつぶすことにします。
成田羽田間に比べればマシなんでしょうが、もうちょっと国際空港から国内空港へ気軽に移動できると良いのですが。
プラットフォームで待つこと10分、ようやく電車が入ってきました。
ドアは自分でボタンを押すタイプです。冷暖房効率を考えれば合理的です。
ブリスベン国内線空港に到着しました。
こちらも立派な空港です。
出発ゲートに到着するとホットスポットが見つかったので、必要な情報を引き出しておきます。この後も何回かネットにつなぎますが、自分ルールとして日本の情勢(ニュースなど)がわかるページは一切見ないということにしてました。
小腹が減ったのでピザを注文。(普通においしかったです)
今回、オーストラリアの国内線はジェットスターで予約を取っています。ネットで現地通貨で購入するとチケットがえらい安いんですよね。
すんごいサービス悪いかと身構えていましたが、機内飲食が有料なだけで、対応はいたってまともでした。ちょっと拍子抜け。
窓からは綿雲の下にオーストラリアのアウトバックの景色が広がっています。
私は今回の旅を計画するまで、アウトバックという単語をスバルが考えた造語ぐらいに思っていたのですが、実はちゃんとした単語で、直訳すると「(未開拓の)奥地」という意味だそうです。オーストラリアの人口はご存じの通り主に東海岸に集中しています。中央部には砂漠を含む広大な乾燥地帯が広がっているらしいのですが、そこら辺を指して「アウトバック」と呼ぶのだそうです。
ですから、ウルル(エアズロック)や世界の中心で愛を叫ぶのロケ地、キングスキャニオンなんかはアウトバックのど真ん中にあることになります。
前置きが長くなりましたが、眼下に広がる干上がった川や干上がった湖なんかを眺めながら、これから走るコースのことを想像して時間を過ごします。
今回、アウトバックドライブというタイトルを付けてますが、アウトバックを走りたかったわけではなく、あっちこっちを移動するためにはどうしてもアウトバック(中心部)を通過しなければならない、むしろそういった意味合いが強いのです。
さて、前にも書きましたが、スタート地点のダーウインは赤道にほど近い熱帯気候で正月は雨期に入っています。
それを示すかのような積乱雲がいくつも浮かぶ中、飛行機は徐々に高度を下げて行きます。
あの積乱雲の下は雷雨になっているのでしょう。
そして、予定通り4時間の飛行でダーウイン空港に到着しました。国内で時差があるので、時計を1時間半ほど戻します。(日本+30分)
予定通り雨です。
荷物を受け取ると、すぐにレンタカーの受付に向かいます。
対応してくれたおばちゃんが、車を帰す場所を知って、
「一日100kmまでの距離制限があるから、すごい超過料金がかかるわよ」
と、言うので、予約時に1日500kmまではオッケーと表示されていたことをプリントアウトした紙で示し、了解してもらいました。
ちなみに、超過料金は1kmあたり0.27$、仮におばちゃんが言うとおり100kmの制限だったとすると、10日で1000kmしか走れないので、残り7000kmが超過料金対象。
7000×0.27×65円= 122,850円。 これはあり得ません(笑)
というか、おばちゃんに100kmまでと言われたときは、まじめに焦りました。
オーストラリアでレンタカーを借りる方、隣町が50km先って世界なので、距離超過料金に気をつけてください。
さて、無事にレンタカーを借りる手続きが完了したので、空港の外に出て駐車場に向かいます。
空港の外に出ると眼鏡やらカメラのレンズが曇ります。
雨は止んでますが、すごい湿気です。
さて、今回のレンタカーですが、アウトバックメインで走ることを予定しているので、
日産エクストレイルをチョイスしました。
道によっては四駆オンリーな場所も通過しなければならないので、良き相棒になってくれることでしょう。
受付で手渡されたガーミンのナビをセットして、いざ出発!!
(日本語モードはありませんでしたが、英語の発音をクイーンズイングリッシュとオーストラリアンイングリッシュのチョイスはできるようでした)
空港はダーウインの中心街から離れたところにあるので、そのまま中心部には立ち寄らず南に向かって走り始めます。すでに17時近くになっているので、今日のところは日没までに300kmぐらいを目標に走ることにします。
ダーウインではもっと雨に降られるかと思っていましたが、意外にも晴天です。これはラッキー。
一瞬、すぐ横に広がっているカカドゥ国立公園(世界遺産)に行こうかと思ったのですが、数百キロの遠回りになるのと、連日の雨で道は水没しているだろうと想像してやめておくことにしました。
しばらくは片側2車線、制限速度100kmの道が続きます。
(反対車線は遠すぎて見えません(笑))
次の大きな街、アリススプリングスまで1459km、やはりオーストラリアはスケールがでかいです。(もちろん辺鄙なところを好きこのんで走っているからですが)
国道ばかり走っているのもなんだったので、カーナビをにらみつつ、適当に脇道に入ってみます。
熱帯雨林をぶち抜いて道を作ったのか、道の脇はうっそうとした林になっています。
すぐに未舗装路になりました。
四駆がどのくらい効くものなのか、急発進させてみたりしてちょいと試してみます。
ただ、本日はあまりゆっくりもしていられないので、再び国道1号線(スチュアートハイウェイ)に戻り、南を目指して走り始めます。
反対車線にロードトレインが写っています。
いよいよ時速130km地帯に入りました。エクストレイルだと無理してアクセルを踏み込まないとなかなか出せないスピードです。
雨が降るほどの雲では無いのですが、どこからか雨粒が飛んできています。
さらに、片側一車線になりました。
対向車とのすれ違いスピードは理論上時速260kmです。
実際、すれ違う時は小さな乗用車でも緊張します。
今頃気がついたのですが、サンルーフ装備車でした。
ロードスター乗りとしては、これはちょっと嬉しいです!
(意識して見上げないと空は感じられないんですけどね)
さ〜て、エクストレイルの運転に慣れてきましたし、気分も盛り上がってきました。
ガンガン行きますよ〜!!
つづく
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