オーストラリア アウトバックドライブ (16) ロンリー ラブリー カルグーリー

kl1
前回のあらすじ



タイヤがパンクした後、無理矢理パーマンゴロード脱出の為に走ったせいでブレーキを壊してしまい、ノーズマンロードハウスまでレッカーしてはもらえたものの、残念ながらブレーキの修理に3日かかるとの宣告を受けました。旅が続けられないとへこんでいるところをノーズマンのスタッフをはじめ、多くの人に親切にしてもらい、元気が出てきたところで、帰国に向けてヒッチハイク開始。開始早々通りかかったカルグーリーを目指すというフォルクスワーゲンに乗せてもらいました。







いやぁ、まさか今じゃクラシックカーになってしまったビートル(フォルクスワーゲン)に乗せてもらえるとは思いませんでした。




「私の名前はぎんがめです」


「エドワードです、よろしく。ぎんがめさんはどこから来たんですか?」


「日本です」


「日本?  え〜っと、北海道島、本州島、九州島、、、あと何でしたっけ?」


「四国?」


「そうそう、四国島」


「よく知ってますね!」


「昔習いましたからね」(笑)



日本の地理で5つの島から構成されているなんてこと教えているんですね。



フォルクスワーゲン・タイプ1は空冷エンジンの軽やかな音を奏でながら、ゆっくりと速度を上げていきます。




「エドワードさんはオーストラリアの人ですか?」


「いえ、私はイギリス生まれです」


「そうなんですか。こちらには何年住んでるんですか?」


「もう20年ぐらいでしょうか」


「へぇ、長いですねぇ」


「はい」(笑)




当然エアコンなんて着いていないので、窓全開ですが、これがまた気持ち良いのです。



メーターを見ると、時速60kmってなってますが、危なくないのでしょうか?

(しばらくしてから、これがマイル表示(時速100km)であることに気がつきましたが、カルグーリーに何時に着くんだろうってしばらく思ってました)



ただ、それでも流れに乗れているとは到底言えないので、後ろから車が来ると、エドワードさんは積極的に車を左に寄せて、窓から手を出して、追い越しての合図を出しています。



よって、ガンガン抜かされていくのですが、この車はそんなスローなドライブが似合います。



ちなみにエドワードさんは今日はカルグーリーに泊まって、明日もカルグーリーでゆっくりしてから、明後日パースで開かれるコンサートに間に合うように帰るのだそうです。




エドワードさんに仕事の内容を聞かれたので、説明しつつ、


「エドワードさんはどんな仕事をしてるんですか?」


と聞くと、


「私はパースでガードナーをやってます」


「ガードナー?」



ガードナー、何だろう。。。ガードマン? ガーディアン?  う〜む、



「ガードナーって何ですか?」


「ガードナーっていうのは、庭の植物を整えたり、」


「あぁ! ガーデニング!  それでガードナー!」


「そうそう!」(笑)


一つ賢くなりました。





エドワードさんは気を遣ってくれているのか、ずーっと何かかしら話しかけてくれます。



そして、時折蓋付の腕時計をかっこよくパチンと開けて時間を確認しています。




「庭師用の腕時計なんですよ。作業中に傷付けないように蓋が着いてるんです」


「かっこいいですね!」



実際、腕時計を見るときの動作は、かっこいいものがあります。







先日、エスペランス目指して走っていった干上がった塩の湖地帯を北上していきます。




「この車、何年式なんですか?」


「1964年式ですよ」


「って、ことは私は○年生まれなので、私より年上ですね」


「え? ○年?  じゃぁ、僕と同い年だ」


「へぇ、そうなんですか!」




これはなんたる偶然。そして、話は車の話しに。




「この車、何年乗ってるんですか?」


「3年ですよ」


「へぇ、最近買ったんですね」


「はい」


「状態、いいですね」


「前の人が大事に乗っていたみたいですからね。あと、車がとてもシンプルだから、なんでも自分で修理できるんですよ」


「なるほど」


自分で修理が出来るメリットに納得しまくります。




「ところで、ちょっと休みたいんですけど、いいですか?」


「どうぞ、どうぞ」




木陰を見つけると、エドワードさんは車を寄せて停めます。



開けられる場所を全部開けて、車とエンジンを冷します。







荷物を積むのは前部にも少しスペースがあるんですね。


ガソリンを入れるというので、それは是非任せてくれと申し出て、私がガソリンを入れます。




車にはガソリンタンク数本と、タイミングベルトなどの部品が修理用の積んでありました。

さすがです。



気になってタイヤもチェックしたのですが、さすがに新しいラジアルタイヤを履いていました。



「これはこの季節はちょっと危ないんだけどね」



と、言いながら、ガソリンタンクを日除けの毛布で覆います。



「ぎんがめさん、珈琲飲みます?」


「あ、はい、是非」



エドワードさんは車から魔法瓶を取り出すと、上下に着いているカップを手慣れた手つきで外します。


それぞれに珈琲を注ぎ込んで、一つをこちらに差し出してくれました。




少しぬるくなったミルクの入った甘い珈琲です。




「美味しいですね」


「朝、ホテルの部屋の奴を入れてきただけなんですけどね」(笑)



かなり気温が上がって来ているのですが、この景色の中で飲んでいるからでしょう。素直に美味しく感じます。








しっかし、ビートルは絵になるなぁ。






「ちょっと自然が呼んでいるので」




と、言いながらエドワードさんが道路脇の方へと入っていくので、てっきり大自然を紹介してくれるのかと思いきや、いわゆる小○タイムでした。







私はロードハウスで済ませてきたところだったので、それには付き合わずに道路の横を走っているパイプをしげしげと眺めます。



地球の歩き方に書いてあった、悲劇の人の名前を忘れてしまい



「えーっと、このパイプを通したのは・・・、名前忘れちゃったんですけど」


「オコーナさんですね」


「そうそう、オコーナさん」



エドワードさんが本州だの北海道だのを知っていたので、自分も知識をひけらかそうとしたのですが、失敗してしまいました。



その後は植物の話で盛り上がりつつ(とは言っても、私がどうのこうの説明は出来ないので、一方的にエドワードさんの解説を聞いているだけなのですが)、走っていきます。
ユーカリの木とかだと、火事を合図に発芽したりするらしいです。火事が生態系のサイクルに入っているんですね。

(この時点では、後にメルボルン近辺で大火災が発生してたくさんの方が亡くなられるなんて夢にも思ってませんでした。逆に言うと山火事の跡はいたる所にあり、日常の景色です)



ふたたび、加速してるのかしてないのかわからないぐらいゆるやかにスピードを上げながら、北に向かってビートルは走っていきます。




交差点の所でカルグーリーと書かれた方では無い方へと曲がっていきます。




私が質問するよりも先に、


「クールガーディ経由で行く方が道がいいんですよ。あちらは距離は近いけど、道が良くないですからね」


なるほど。(ちなみに、私はエスペランスに向かうときはカーナビの指示に従って、ショートカットルートを通っています。ちょうど、雲が正面に広がっているところで左折したのがこの交差点です)



正面からバイクが走ってきました。するとエドワードさんが




「バイキーだ」



と言うので



「オーストラリアって、トラッキーとかバイキーとか、そんな呼び方をするのですか?」


「そうそう、人のことを何でも「イー」で省略して言うんですよ。サーフィンやる人だったらサーフィー、病気の人ならシッキー、オーストラリアの人はオージー」



「あぁ! なるほど!」



日本だとオージーって言ったら、そのままビーフってつなげますよね。


オージーが現地のスラングが語源だとは思いませんでした。






その後も砂漠の気候の話を聞きながら、ビートルはのんびりと、かつてゴールドラッシュで繁栄したクールガーディの街を超えていきます。




この辺は北海道と似ていて(気温は似ても似つかないですが)、かつての鉱山が廃墟となってあちらこちらに点在しています。


街自体も「ゴーストタウン」として宣伝しているようですが、実際は人が住んでいて店も営業しているようです。



そして、クールガーディからカルグーリーまでは40km。



話している間に、あっという間にカルグーリーに到着しました。



一瞬お昼にお誘いしようかと思ったのですが、これ以上エドワードさんを拘束するのもどうかと思い、今朝インフォメーションでおばあさんに印をつけてもらったガイド冊子を取り出し、YHA(ユースホステル)へ連れていってもらいました。



固い握手をしながらお礼を言い、エドワードさんを見送ります。










ちなみにYHAはエクストレイルを洗車をしたガソリンスタンドのすぐ裏にありました。




YHAの受付に行き、チェックイン手続きを済ませて、でかい旅行鞄を部屋に起き、ようやくここ数日抱えていた荷物から解放されました。



車が無いって不便ですよね。まぁ、普通バックパッカーズであれば、バックパックに荷物をまとめるんでしょうけど、私は旅行鞄に肩下げカバンでしたから。



さて、レンタカーが無いと猛暑の中ではどこにも出歩けないので、受付でお願いしてハイヤーに来てもらいます。


昨日、ネットキオスクで調べたところによると、空港のレンタカーの支店がまだ開いているはずなのです。


待つこと数分、ハイヤーがやってきました。


運転手は恰幅の良い南国系の中年のおばさんです。日本のタクシーじゃないので、そのまま助手席に座ります。



「空港までお願いします」


「はいはい、空港ね。」



エアコンの効いたハイヤーは空港に向かって走りはじめます。


陽気な感じのおばさんが気さくに話しかけてきます。



「どこから来たの?」


「あ、日本です」


「まぁ、遠いところから」


「はい。おばさんはどちらから?」


「私はニュージーランド、キウイよ」


「あ!、去年、ニュージーランドに行ったんですよ!」


「あら? どちらへ」


「ほとんど全部です(笑) 車で走りました。」


「それはすごいわね。良い国だったでしょ?」(笑)


「はい、とっても!」



タクシーは空港に向かって快調に走っていきます。




「でも、飛行機が飛ぶ時間までまだ大分あるけどどうするの?」


「あぁ、レンタカーを借りようと思って」


「あら〜、レンタカーの受付に今の時間は誰も居ないわよ〜」


「あれ?  でもネットで調べたら受付は開いてるって」


「飛行機が到着する時間で予約している人がいればスタッフも立つけど、普段は誰も居ないわよ」


「えぇ? そうなんですか?」


「ちょっと聞いてあげよっか?」



言うないなや、無線機を使って空港の営業状況を確かめてくれます。



「誰も居ないって」


「そうですか・・・・」



どうしようかなぁ。



「そこにオフィスあるから見てみる?」



おばさんはそう言うと、ハンドルを切り、「ハーツ」「ユーロカー」「エイビス」と大手のレンタカー会社が並んでる地帯を案内しながら(ちょうど近所を走っていたのですが)、すべてのオフィスが営業していないことを確認させてくれました。



「・・・・・わかりました!  一旦YHAに戻ります!」



「オッケー」




ということで、仕切り直しです。



YHAに戻ってきたのでお金を払おうとすると、おばさんはそれを手で制して首を横に振ります。



「え? でも・・・」


「いいから」


「・・・・、ありがとうございます!」



日本のタクシーじゃ、まずあり得ない話ですよね。メーターはちゃんと回ってましたし。


おばさんにお礼を言い、一旦YHAの中に入ります。



受付横の掲示板を眺めて、何かアトラクションが無いか探してみます。



というか、もう昼もまわってますし、何も無いんですよね。(だいたい朝集合で丸一日〜数日コース)





ここではじめてパーマンゴロードが途中から悪路と書かれていたバラドニアロードに合流していることが判明しました。
あと、パーマンゴロードが「よく利用される」ショートカットルートだということも。



まぁ、それはともかく、お腹も空いたし、街で飯だけでも食べてきますか。カルグーリーの街を全然見てませんしね。




水とカメラだけ持って歩き始めます。






ここはゴーストタウンか?ってぐらい人が居ません。




というか、すべて店が閉まってます。なんでだろう、稼ぎ時の日曜日なのに。




いや、違いますね、キリスト教の国だから、日曜日は仕事しないんでしょうね・・・





う〜ん、なるほど。




って感心している場合じゃありません。




けっこうお腹が空いてきました。


せっかく街をぶらぶらしているのに、ガソリンスタンドのテイクアウェイってのも寂しすぎます。



水で気を紛らわせながら歩いて行きますが、行けども行けども開いてる店がまったくありません。






お〜、やっとあった!






「Open 7 Days」の文字が眩しい陽光の中、燦然と輝いています。




食うぞ〜!








薬局でした・・・・






結局、街外れまで歩いてしまいました。






一軒、途中にこじゃれたカフェが一軒あって、ちょっと入りにくい雰囲気だったのでパスしていたのですが、選ぶ余地も無いので、そこで食べることにしました。




サンドイッチとコーラを注文して、出来上がりを待ちます。



店内に新聞やら雑誌がたくさんあるのですが、雑誌はいわゆるオシャレ系のものばかりです。


男性向けは何か無いかなぁって物色してみると、ありました、「筋トレ専門」の雑誌が。


これだと、世界共通なので英語が読めなくてもなんとなくわかりますね。


3人のイケメン(50代、30半ば、若い子)がいかに自分の生活環境の中で、器具に頼らず肉体を鍛えているかっていう特集をやってました。


なるほど、ビーチで足腰を鍛えるんですね。



なんてのを眺めていたら、ウエイトレスがサンドイッチを持ってきました。






この旅、はじめてのまともな料理(?)かもしれません。








お腹が落ち着いたので、街外れの博物館に行ってみたのですが、本日はもう閉館するとのことでしたので諦めました。(現在16:00、16:30閉館)







街を散策しているときに見つけたネットカフェで(日曜日は客入りが少ないのか半額セールをやってました)、空港のレンタカーに予約を入れておきます。そうすれば従業員が朝一(7時)に来てくれるでしょう。


ついでにYHAへの帰り道で休憩中のタクシーに明日の朝6時50分に迎えに来てくれるようにお願いしておきます。



YHAに戻ると、「剱岳点の記」を一気に読み切ってしまわないよう、大事に大事に読み進みながら時間をつぶし、








お腹が空いたので旅行鞄の中に放り込んでおいたユララリゾートで買ったカップラーメンを作って夕飯代わりにします。




周りは南国系の人半分、白人半分って感じで、アジア人は私一人しか居ません。




あとはシャワーを浴びてから寝るだけです。




とりあえずカルグーリーまでは来ているので、あとは夕方飛行機に乗り遅れさえしなければ無事に日本へ帰国です。



本日の走行距離 0km   総走行距離 5200kmぐらい








12日目 1月5日(月)



6時半に目覚めました。



自分以外に白人の若い男性が2名ほど泊まっていて、二人ともまだ寝ているので、音を立てないように荷物をまとめてロビーに行きます。



そこでパッキングをしていると、南国系の中年夫婦が


「あら、もうお出かけ?」


と、声をかけてきます。


このお二人もニュージーランドから出稼ぎでこちらにいらっしゃってるとのことでした。





オーストラリア西部の鉱山地帯は、太平洋の島々やニュージランドの方の出稼ぎ場所になっているみたいですね。
写真の地図は金をはじめとする鉱山のある場所です。




朝6時50分少し前に鍵を受付の鍵入れに放り込み、旅行鞄を押してYHAの前に立ちますが、まだタクシーが来ていません。



そのまま6時55分まで待ちますが、まったく来る気配が無いので、いったん目の前にあるガソリンスタンドに顔を出し、オレンジジュースだけ買っておきます。



再びYHAに戻ってくると、ちょうどタクシーがやって来ました。ちゃんと連絡ができていたか不安になっていたので、よかったです。



またもや中年の女性ドライバー。(今度は痩せていて優しいかんじのおばさん)



そして、聞いてみると彼女もニュージーランド出身。


まさか、こんなところでキウイの方々とたくさん交流するとは思いもしませんでした。(まぁ、予定通りなら、そんなことはまったく知らないまま今頃メルボルン近辺を走っていたと思うのですが)



ニュージーランドの話で盛り上がり、空港に着いてタクシーを降りるときに



「あなた、ラブリーなお客さんね」



と言われて、ドキッとしたのですが、帰ってきてから調べてみたら、オーストラリアではラブリーは「Good」に近い意味合いで使うみたいですね。




さて、空港の中にずらーっと並んだレンタカー受付の所に行きます。



が、全然誰も居ません・・・



あ、一人居た。



私が予約したところでは無いのですが、一人だけ受付におばさんが立っています。



そこに言って、事情を話すと、あなたが申し込んだ会社の受付は朝のこの時間は大抵来てないわねとの返事。




なんてこったい。




では、ここで借りられないか聞いてみると、今ちょうど一台帰ってきた車があるから、それがそのまま出せれば大丈夫との返事。


すぐにそれをお願いすると、おばさんは「ちょっと待っててね」と言い残して、車のチェックに行きました。


ラッキーなことに車が一台しかなかったおかげで、一番安い料金で、ひとつ上のクラスの車が借りられるみたいです。




待っていると、おばさんが申し訳なさそうな顔をして帰ってきます。



嫌な予感を抱きつつ話を聞くと、どうやら満タン返しの予定のはずが、ガソリンが半分しか入っていない状態で帰ってきてしまったのだとか。この場合、街中の事務所でガソリンを入れなければならず、それにはかなり時間がかかってしまうとのこと。


どうしたもんかと思っていると、他のレンタカー会社の受付にも次々に人が立ち始めます。


ちょうど、パースから飛行機が飛んで来る時間が迫ってきたようです。


ところが、私がネットで予約を入れたところともう一軒だけは立っていません。


先程のおばさんが気を利かせて、他の会社の受付に空き状況を確認してくれました。

というわけで、予約した会社ではないのですが、なんとか借りられるみたいです。


すぐに手続きをして、車を確保します。


これで、夕方までの足を手に入れました。






ワインレッドのオーリスです。


まず、最初にタイヤのチェックからはじめます。



って、なんか左前のタイヤ、空気が少ないような・・・・



一旦受付に戻ってそのことを伝えると、すぐにメカニックを行かせるから、車で待っててくれと言われます。





車の所まで戻ると、すぐにメカニックが車に乗ってやってきました。


メカニックがオーリスの運転席に座り、私は助手席に座って、空港内にあるレンタカー会社の整備工場に連れていかれます。



そこで試しに空気を入れてみると、「シュー」っと音がしてタイヤの空気が抜け始めます。(圧をかけたことで穴が広がったのでしょう。アリススプリングスでこれと同じことをやってしまったのでしょうか・・・)



メカニックは整備場に停めてあった他のオーリスのリペアタイヤを取り出すと、手慣れた手つきでタイヤを交換します。






最後にタイヤキャップをかけて出来上がり。




二人でリペアタイヤも含めて5本のタイヤもチェックし治しました。

旅行鞄にはバラドニアロードハウスで買ったパンク修理剤も入っているので、これでもバッチリです。




しかし、こんなことって、あるんですね。




さて、車は確保しましたが、すぐに郊外に行くわけにもいきません。例のエクストレイルの件で、レンタカー会社のマネージャーと最終確認をしなければならないことになってます。







一応電話がかかってくることになっているので、街をぶらぶらしながら時間をつぶします。

背景に写っているのは郵便局で、ゴールドラッシュ時代に建った歴史的建造物です。







朝飯も街で食べようと思っていたのですが、まだオープンしていないようです。(写真は一応日本料理屋です、食べたかったわけではないのですが、よくある間違った日本の例として撮影しておきました)







昨日入れなかった博物館にも顔を出してみます。(Western Australian Museum)

入場は無料らしいのですが、寄付がいただければとのことでしたので、手持ちの小銭を出しておきました。(適当に渡したのですが、たぶん$1か$2コイン)






こんな金塊が下手すると地表に転がっていたらしいです。


そりゃぁゴールドラッシュ状態になりますよね。







入り口の鉱山現場を思わせる鉄塔はエレベーターになってます。








上がると、カルグーリーの街が見渡せるのですが・・・・、見渡せてもそれほど嬉しくは無いです(笑)







その他、主に開拓期の資料や展示物、






それから西オーストラリアの自然に関する解説








それから過去にあった豪雨による災害などの新聞記事などが展示して有りました。







そう言えば朝飯をまだ食べていないんでした。




博物館を出て、街中に戻ります。







適当に開いている軽食レストランに入り、トーストセットを頼みます。(トースト以外のものがスゴイことになってます)



ちょうど、ここでレンタカー会社のマネージャーと電話がつながり、だいたいの話が出来たので、これで晴れて自由の身になりました。





さ〜て、行きますか!






久しぶりにロードマップを引っ張り出し、目的地を探します。




カルグーリーから南北に続く道は、すでに1回以上走っている道です。


そうすると、残されているのはパースへと続く道。



目で追いかけてみると、「サザンクロス」という今回の旅の締めくくりにふさわしい(と勝手に思っている)名前の街が目に留まったので、ここを最終目的地に決定します。








指で測ってみると、だいたい往復400km強。これなら往復しても夕方の飛行機に十分間に合いそうです。






では、早速出発!!









まずはカルグーリーから40km先のクールガーディを通過し、








おなじみの景色の中をパース方面へひたすらまっすぐ走っていきます。





このフレーズ、久しぶりです。








パースから続くパイプが道路の脇を走っています。








お〜、地平線ですよ。








ゴールドフィールズウッドランド国立公園です。



読んで字のごとく、こちら特有の植物が鬱蒼と生えています。






しばらく走っていると、「オーバーサイズ」と書かれた看板を屋根に掲げたバンが走ってきます。



宣伝でしょうか?   オーバーサイズな女性が働く飲み屋とか。




にしては地味なデザインです。どちらかと言うと注意看板といった感じです。






緩い丘を上がったところで直線の先の視界が抜けました。





ちょうど、そこへ対向車線を大きなトラックが向こうから走ってきたのですが、なんで対向車線まではみ出して走ってるんでしょう?







ん?







お!、、、









オーバーサーイズ!!!




むちゃくちゃ道幅はみ出してるじゃん!!!





慌ててハンドルを切って、路肩に車を落とし撮影したのが上の写真。


(後ろにも看板かかげた車が一台と、その後ろに追い越し待ちの車が写ってます)




いやぁ、びっくりしました。




さすが、オーストラリア。







しばらく走ると、ルックアウト(展望地)の看板が出ていたので、入っていってみます。








大きな岩山があって、そこによじ登ると緑の林の向こうに真っ白な塩水湖が見えました。








再び国道に戻り、サザンクロス目指して走っていきます。








またまた、オーバーサイズですよ。







あ〜、ばっちりはみ出してますね〜








今回は落ち着いて車を左に寄せて撮影出来ました。










再びひたすらまっすぐ続く道を走っていきます。







ん?  なんか土の色がレッドセンターと違って、「黄色」っぽくなってますね。





というわけで、寄り道してみました。








お〜、すっごい色の組み合わせです。









こちらは牧場なのですが、牛などの姿は見当たりません。








気温は37度。乾燥具合は相変わらずです。







再び国道を走っていると、目の前につむじ風が巻き上がります。



最初はかわいらしいサイズだったのですが、急に回転スピードがあがって威力が増し、こちらに方向転換してきます。


♪渦巻く〜胸は風速90メートル〜って、笑ってられないぐらいの威力です。

避けることすら出来ずに突っ込んだのですが、巻き上がっていた旋風が車に「バーン!」って当たり、ボディが揺れます。








これも別のつむじ風なんですが、軽く50mは吹き上がっています。恐っろし〜。









カルグーリーから走ること2時間ちょい、最終目的地、サザンクロスに到着してしまいました。





人口700名、ここも西オーストラリアの小さな街です。







ガソリンスタンドで水を購入するのもこれが最後です。





もちろん、何か感動的なフィナーレがあるわけでも無いのですが、自分としてはいろいろあった今回の旅を締めくくるには良い場所だったと思いました。



思い返せばダーウインからバラドニアロードまではスコールやら果てしなく続くダートやら胃に来る上下やら高い気温やら乾燥やら日本の常識がまったく通用しない大自然に翻弄されまくり、毎晩のように寝床探しで苦労し、エアズロックや野生の花やエスペランスの絶景に感動し、そしてノーズマンやカルグーリーのオーストラリア西部の小さな街では、本当にたくさんの人に親切に接してもらいました。



日本から遥かかなた南の小さな村で大自然の厳しさと、そこに暮らす人々の優しさが見事に交わっている事実に感動しつつ、カルグーリーに向けて再び同じ道を走りはじめます。(違う道があればいいのですが、そうは行きませんね)





オーストラリア、本当に素晴らしい国です!










こんな長いブログにお付き合いいただき、そして暖かいコメントまでいただき、本当にありがとうございます。
次回はいよいよ (ようやく? やや珍道中気味の)最終回になります。



つづく


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