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と、本格的に不安になってきたところで機長からアナウンスが入り、丁寧な謝罪の後にようやくトラブル復旧が完了してこれからサンホセに向かうことが告げられました。
アナウンスが終わると同時に機内に盛大な拍手が巻き起こりました。もちろん私も手を叩きました。(18:40)
その後、事あるごとに「拍手を機長に送る文化」が出来上がったAA2167便は、もちろん離陸成功でも拍手が送られつつダラスの空へと旅立ったのでした。パチパチパチ(19:00)

アメリカ南部の都市を眼下に見下ろしつつ飛行機は南へと飛んでいきます。

夕食、期待していませんでしたが、なかなかイケてました。

ダラスを飛び立ってから約3時間ちょいでサンホセ周辺の街明かりが見えてきました。
盆地にある都市だと知ってはいましたが、周囲の山間部に街明かりがまったく無いんですね〜。

そして、何度目かわからない拍手を受けつつサンホセ国際空港に着陸。
(22:35)
拍子抜けするぐらいあっさりとした入国審査を通過し、手荷物受取り所に移動します。

預入荷物を受け取ると、このページを参考にして手荷物受取り所の脇にあるice(日本で言うところの旧電電公社)のカウンターに顔を出し、プリペイドSIM($20分)を購入して写真の手前にボケボケで写っているアンドロイド端末「IDEOS」のセッティングまで全部やってもらいました。
これでメールぐらいは常時確認できるようになりました。
(ところが、なぜかIDEOSでWebブラウジングは最終日までできませんでした)
税関検査は「何か持ち込み禁止物持ってる?」「持ってません」の会話のみで終了し、すぐその脇にあったレンタカーオフィスに顔を出しました。
まだオープンしていてくれてほっと一安心です。

スタッフさんにバウチャーを見せると、「君の受付はここじゃ出来ないから彼について行って」と言われ、言われるがまま、指名された若い男性の後ろについて歩いて行きます。
そのまま空港から外に出てロータリーに駐車されていたバンに乗せられたので、どうやら離れた場所にあるオフィスまで送迎してくれるみたいです。

そのまま空港の外(と、言っても空港入り口のすぐ近く)のレンタカーオフィスまで連れて行かれました。
さすがに夜遅いからか受付のスタッフさんも眠たそうです。(23時15分)
出発寸前にイギリスの代理店経由で申し込んだのでちゃんと申し込まれているか心配だったのですが、ちゃんと予約は入ってました。(実は代理店にメールでわざわざ確認までしたのですが、大丈夫という返事をもらってもなお心配でした。その昔オーストラリアで代理店経由で申し込んで予約が入ってなかった経験があったもので・・・)
例の「ガソリン満タン返ししなくてもOK契約」を勧められて今回は断ろうと思ったのですが、「周辺のガソリンスタンドの価格よりは安いよ」の一言で、今回は「空っぽ返し」も可能かと思って、そのまま契約を受け入れてしまいました。
さて、コスタリカでの旅の相棒とのご対面です。

お〜、渋い色ですね〜。

というわけで、日本で言うところのジムニーシエラです。
もし、ロードスターのサブで車を買う可能性があるとしたら、現状唯一候補に上がるぐらい欲しい車なのですが(正確にはシエラではなく軽規格の方、あとは軽トラ改造したキャンピングカーぐらいですかね)、まさかコスタリカで乗る日が来るとは思っておりませんでした。
出発10日前に突然キャンセル食らった時に予約していた車もジムニーシエラで、キャンセル食らった後も同じカテゴリーの車を探したのですが、大手レンタカー会社の公式ページでは当然のごとく空きがなかったわけです。
繁忙期に12日間もよく予約が取れたなぁと感慨にふけっていたのですが、実はジムニー(シエラ)って、こちらでは日本のカローラ、今で言うところのプリウスぐらいの大衆車なんですよね。(あと、ダイハツテリオスも)。なので、各レンタカー会社ともにかなりの台数を保有しているみたいです。これは、数日間走って気が付きました。

私が確認するまでもなくスタッフさんがエマージェンシーキットの在り処と中身を説明してくれました。
(ブースターケーブルとか反射テープ付き上着とかえらい充実してますが、法律で携行が決まってるんでしょうか?)
リアにつけられているスペアタイヤの空気圧ももちろん確認しましたが、それよりも盗難防止の南京錠のほうが気になりました。
中米のスイスとか言われている国ですが、やはり治安が良いとは言えないんですね。

メーターはこんな感じです。
さすが日本車。実用一点張りです。
この写真を撮ったときには気がついていなかったのですが、実はガソリンが最初からえらい減ってるんですよね。
おおらかと言うか何と言うか・・・

今度はチャイパッドをダッシュボードに取り付けます。
ダラスで練習しただけあってスムーズに現在地測位をスタートさせることが出来ました。
レンタカーオフィスまで迷うこと無く戻ってこれるように、念のためスマホの方でGPSログを残しておきます。(これはオフィスの場所だけわかればよいのですぐに止めました)
左ハンドルのマニュアル車ですから最初こそギクシャク走り始めましたが、すぐに慣れて、あとはチャイパッドが指し示すルートに乗って走り始めました。
さすがにチャイパッドの7インチディスプレイは見やすくて良いです。

サンホセは標高1000m前後ということもあって赤道に近いコスタリカではありますが、夜は程良い気温です。
飛行機のエアコン対策で着ていた長袖そのままで調度良いぐらいです。
これなら快適に車中泊できそうです。
気温はともかく、もし街の雰囲気が車中泊を許さない感じだったら、ホテルか安宿に逃げ込む作戦です。(って、もう0時近いので無理ですね)

実際のところ、危険な香りも何も街中には人が全く歩いていないのでした。
とは言え、街中で車中泊するのもなんだったので、もう少し郊外へ進むことにします。

ガソリンがかなり減っていることにようやく気が付き、夜中も営業していたガソリンスタンドに立ち寄りました。
コスタリカはフルサービスのようです。(日本みたいに窓拭きサービスとかはありませんが)
対応してくれたおじさんにカメラを向けたらピシっとポーズを取ってくれました。
(8500コロン 1300円)

ほぉ〜、タコベルじゃないですか。
コスタリカはアメリカ文化の影響が強いのですかね。

もちろんマクドナルドもあります。

赤信号で止まったのですが、対向車が一時停止してから左右を確認する感じで赤信号を渡って来たので、日本で言うところの「赤点滅」扱いなのかなぁと想像しつつ、そろりそろりと進みます。
しかし、信号無視ではないという確証が持てなかったので、その後は赤信号では素直に止まっておりました。(車が沢山走っていればどちらが正解かわかったのですが)

チャイパッド、現在地がわかるだけでなく今回はルートが常に表示されているのでかなり便利です。
サンホセ郊外を走っていると、たまに反対車線側に路駐している車が居て(日本で言うなら対向車が左側に駐車している感覚)、場所が場所だけに自分が一方通行を逆走してるんじゃないかと発見する度に焦らされました。
(そのうち、そういうもんなんだと見慣れました)
あと、街中の中心部、特にスクールゾーンの前後にはバンプ(かまぼこ型のスピードを落とさせる凸状の盛り上がり)があります。これに出会うと「海外ドライブだなぁ」って感じがします。
日本だと大型ショッピングセンターの駐車場なんかにたまに小さいのがあるぐらいですよね。
海外のやつはかなりでかいので、十分に減速しないとスムーズに超えられない仕組みです。

盆地の周辺にある山岳地帯に入ったからか、道が登りになりました。
舗装はされているのですがそれなりの悪路です。
車の振動でチャイパッドの吸盤が外れて床に転がり落ち、最装着した直後に再び落下するということを数回繰り返した後、諦めて助手席に放り投げました。
まぁ、今回のコースではそれほど頻繁に右左折させられるわけではないのでこれでも大丈夫でしょう。

ほぉ〜、街明かりを見下ろすぐらいまで登って来ましたか。
素晴らしい眺めです。

いよいよ民家も少なくなり、対向車もまったく走ってこない山岳道路っぽい道をガンガン登って行きます。
そろそろ車中泊場所を決めなければならないのですが、ダラスからサンホセまでの機内で寝過ぎました。時差ボケも相まって全然眠気を感じないのです。
さらに道路に路側帯が無く、車を停められそうな場所がまったく見当たりません。
最初の目的地のサラピキエリアまでは空港から2時間(と、この時は思ってましたが実はもっと時間がかかる道を走ってました)、今の疲れ具合と眠気の無さなら2時間ぐらいは余裕で走れちゃいそうなのですが、どうせなら日中に景色を楽しみながら走りたいところです。

周囲はいったいどんな景色なんだろうと思いつつ、寝場所が見つけられずにどんどん進んで行ってしまいます。

お〜、これはスゴイ。
思わず車を停めて見入ってしまいました。
が、かなり標高が上がったからか、けっこう風が強くて寒いです。

光っている電飾はクリスマスのものです。クリスマス(12月25日)過ぎても装飾し続ける文化にも慣れてきました。
こっちがキリスト教の国の常識なんですね。

お〜い、レストスペース無しの道はどこまで続くんだ〜。

そして、ようやく路駐できる場所を見つけました。(0:45)
ここは展望台か何かでしょうか?
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本日のGPSログです。
車から降りて空を見上げてみると、多少街明かりに多少邪魔されていると思うのですが、たくさんの星が瞬いていました。
ジムニーの運転席シートを倒してみたところ、飛行機で言えばビジネスクラスぐらい倒れてくれます。これなら快適に寝られそうです。
相変わらず眠くない状態が続いているのですが、ひとまず目を瞑って眠りに落ちるのを待ちます。
すると後方からディーゼルのエンジン音が聞こえてきて、社内に射しこむライトの光がだんだん強くなり、追い抜かしていくのかなぁと思っていたところ、ジムニーの後方に停めたみたいだったので体を起こして様子を伺ってみます。
やってきたのは大型のトラックで、どうやらあちらさんもここで車中泊か休憩するようです。
これでさらに安心して寝ることができます。
もうしばらくすると、今度は「ゴォォォォォ〜〜〜」というすごい音が前方から聞こえてきたので、またトラックでも走ってきたのかと思ったら、突風が吹いて車が激しく揺らされたのには驚きました。
前方の様子を確認すると、先程までは空が晴れていてたのですが、どうやら進行方向には厚いガスが発生して天候が急変しているようです。
明日の天気はどんなかんじなんだろうなぁと思いつつ、気がついたら眠りに落ちて行ました。
つづく