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トランジットドライブまだ空港から10kmも走っていなかったので、このままタイヤ交換せずにレンタカーオフィスまで引き返そうかと一瞬だけ思ったのですが、タイヤやホイールが傷んだことで後で揉めるのも嫌だったので、素直にタイヤ交換作業をすることにしました。スペアタイヤとジャッキ本体はすぐに見つかったのですが。ジャッキハンドルがどこにあるのかわかりません。ダッシュボードから取説を取り出してパラパラと眺めてみたのですが、英語で分厚い取説だったので、目的のページを探すのに時間がかかりそうだと判断し、再びトランク内を漁ってみました。もしかしたら、これかな? というパーツがトランクの奥底から出てきたので組んでみたら正解でした。


ジャッキアーム自体は案外しっかりとしたもので、作業はスムーズに進みました。(タイヤが無闇矢鱈とでかくて重たいのは言わずもがなです)しっかし、なんか海外ドライブはパンクに縁があるなぁ〜、こんなタイヤが早く実現して欲しいものです。帰国後に出発前の写真を確認してみたら、空港の駐車場時点でパンクしてました。完全に事前チェックでの見落としです。。。


というわけで、ナビソフトのGPSログ軌跡を頼りにレンタカーオフィスに戻ります。(早速役に立ちました)返却のところに車を停めると、黒人のスタッフさんが事務的に返却手続きをしようとするので、パンクしたタイヤを指さしながら事情を説明します。(オーストラリアではpunctureでしたが、USではFlatなんですね)スタッフさんに「最初からパンクしていたので車を交換して欲しい」という込み入った話を説明することがまったく出来ず、適当な英語で主張を繰り返していたら、契約用紙に「タイヤがパンクしている」ことと、「He didn't speak English.」と書いて渡され、それを持ってオフィスに行くように指示されました。(英語が話せないのは自覚はしてますが、さすがにこれには苦笑してしまいました)


借りるときは並ばずにすぐに受付が始まったのですが、運悪く数名の方が順番待ちで並んでました。あまりにも前に進まないからか、前に並んでいた老夫婦がこちらに話しかけてきたので、返事のついでに事情を話すと、「それなら僕達は急いでいないからお先にどうぞ」と、こんな状況なのに順番を譲ってくれました。(今となっては儒教の国に住む日本男児として固辞すべきだったと思いますが)内心焦っていたこともあって、ありがたく前に行かせてもらってしまいました。ようやく自分の順番が回ってきて、対応してくれたのは借りるときとは違う黒人女性の方だったので、話が通じるかどうか心配だったのですが、「あら、新しい車なのに、それは申し訳有りませんでした。」と、謝りながら即対応してもらえて一安心。すぐに代車貸出の手続きが始まり、改めて好みの色を尋ねられたので、「白で、、、、やっぱり、グレイで!」と、先程駐車場で見た印象で答えたところ、「その選択は正しいと思うわよ」と、笑顔で鍵を渡されました。


というわけで、今度は右に停まっている方の車です。(10:30)(赤とか黄色があったら迷うこと無くそちらを選択していたのですが、地味系カラーしかなかったんですよね)ちゃんとタイヤ4本の状態を確認してから乗り込むと、なんとシートが革張り(本革かフェイクかはわかりませんが)になっていて、えらい座り心地が良いです。どうやらグレード(年式?)が違うみたいです。なるほど、これが「正しい選択」と言っていた理由かと納得。


インパネもメーターパネルが白だったりして微妙に違います。チャイパッドはずっと前から電源を入れっぱなしにしていたのですが、まだ衛星をつかめていません。いくらなんでもこれはおかしすぎるので、ひとまず原因追求は後回しにしてスマホのアプリだけで走りだすことにしました。


やめておけば良いのに、先ほどとちょっと道を変えて走ってみたら、ムスタング方面に出られなかったばかりか、複雑なインターチェンジに迷いこんだ挙句に、あさっての方向に(市街地に向けて)走って行ってしまいました。リカバリーするのに時間がかかってしまい、ここまで時間をロスしてしまうとどう考えても元々計画していたルートを走り切るのは無理なので、フライトの3時間前ぐらいに空港に戻ってこられるように適当に空港の近所を流すような程々ドライブをすることにしました。


ひとまず屋根も空けてみます。(幌のロック以外は電動です)肩ぐらいの高さにドアがあってフロントピラーで頭上まで覆われているので「オープンにしている!」という開放感はまったくありません。(比較対象がユーノスロードスターだからしょうがないですね)そのくせ、豪快に風を巻き込みます。(ポンティアックソルスティスもそうでした)


まだまだ空気は冷たくて痩せ我慢状態ですが、せっかくコンバーチブルを借りたのですから、気分が良いことにしてフリーウェイを走って行きます。試しにアクセルを床まで踏み込んでみると、一瞬だけオートマ特有の間が開いた後に猛然と加速していくのはさすがでした。直進安定性もまったく問題ありません。帰国後にカタログスペックを調べてみたら、2012年のこれに相当するモデルだとV6の3.7リットルエンジン、300馬力でトルクが29kg、車重は1630kg。価格は200万円ちょいです。日本で買うともっと上のグレードしか扱ってなくて400万円以上するみたいですが、こちらでは若者も頑張れば買える大衆スポーティーカーなんですね。


どこかにワインディングでもあればなぁと思うのですが、ナビアプリで探してみても「Rの小さいカーブ」というものがまったく見当たりません。


ハイウェイ区間も終わり、一般道へと入ってきました。


対向車線が遥か彼方左側にあるあたり、さすがアメリカだなぁと感心します。


地平線とまっすぐな道、さらに綿雲がポコポコと浮いていたら最高なんですが、残念ながら快晴なんですよね〜(超贅沢)


空港を出てから走ってばかりだったので側道に入って車を停め、改めて外見を眺めてみました。2005年のモデルチェンジでこの姿になったらしいのですが、なかなかどうして、今見ても古臭くないデザインで素直にかっこいいと思います。かつて人気を博した車をリメイクするなら、こんな感じにして欲しいと思います。(数代前のマスタングのデザインは・・・・)ホイールは控えめに見えますが、これで17インチです。(最上級グレードはたしか19インチ)


現在地と空港への帰り方はスマホのアプリが教えてくれるので、分岐が登場すると気分で方向を決めて行きます。これぞフリーダムドライブ。気温も多少上がってきて、寒さを我慢しなくても良くなって来ました。


これだけ信号すら無いまっすぐな道が続くと、マスタングでもプリウスでもピックアップトラックでもドライブの楽しさに大差は無いんじゃないかと思えてきました。


空港から1時間半ほど走って、ちょいと腹が減ってきたので、フリーウェイのインターチェンジ付近のピザ屋に入ってみました。電動幌は閉めるときも楽チンで良いです。


自分でお皿に盛るスタイルだったのですが、料金システムがわからずに最初はちょっと遠慮がちにしていたのですが、取り放題らしいということに後から気が付き、ついつい食べ過ぎてしまいました。(ジュース飲み放題込みで$5.4(400円ちょい)は安いと思います。いろいろなピザや野菜サラダを食べられるので、日本に同じクオリティ、同じ値段でこの店があったらスゴイことになると思いました)すっかりお腹いっぱいになりました。


その後、試しにメインの道路から外れて脇道に入ってみたのですが、道が真っ直ぐなのは相変わらずでした。


う〜む、まっすぐ。


さて、そろそろタイムリミットです。(13:00)何かトラブルがあって飛行機に間に合わなかったら笑い話にしかならないので空港に戻ることにしました。


ちなみに車内はこんな感じです。そういえばと思いだし、チャイパッドの現在地表示アプリがどうにか使えないかいろいろ触っていたら、GPSの読み込みインターバルの設定を弄ったところでまともに動くことが判明!これでコスタリカではちゃんとチャイパッドが使えそうです。この時点で使えるようにしておけてよかったです。


スマホのアプリに残した走行軌跡を頼りに空港を目指します。オーディオの電源を入れると、誰かが忘れていったのか、それともわざと入れてあるのかロックミュージックが流れてきて、いかにもアメリカーンな気分になってゴキゲンです。これで空港まで楽勝ドライブ! と、思っていたのですが、さすがに複雑に分岐するインターチェンジとかだとカーナビみたいに「次の分岐を右レーンにお進みください」とか音声で教えてもらわないと辛いです。特にスマホの画面だと小さくて全然見てられませんし、ノーズアップにしてあるので南下してる時なんかは左右で一瞬迷いました。なので、「しまった、あっちだった!」みたいなことが数回ありました。


思っていたよりも時間がかかりましたが、なんとかフライトの2時間前に空港に戻って来ました。(13:50)大きな地図で見るGPSログです。適当ドライブでしたが、左上の緑色の地帯ぎりぎり手前まで行ってたんですけどね〜。惜しい。(実はそこまで行っていたことはこのログを見るまで知りませんでした)再びシャトルバスに乗り込み、黒人の運転手さんが他のお客さんと陽気に話をするのを聞きながら空港ロビーに移動し、アメリカン航空の並んでいる列を整理していたスタッフさんに座席番号が印刷されていないチケットを見せると「すでにチェックインは完了しているからそのまま手荷物検査に進んで良い」とのことだったので、そうさせてもらいました。(であれば、もう1時間ほどドライブしていても大丈夫だったかもしれません)そして、さすがアメリカの空港、全身レントゲンみたいなマシンで徹底的に身体検査を受けました。出発ロビーに到着してからカウンターで座席ナンバーを発行してもらいます。(この便では窓側の席でした)その後、ベンチに座ったら猛烈な眠気に襲われ、再び睡魔と戦っておりました。


定刻通り15時半頃に飛行機に搭乗し、お隣は先程のお子様軍団では無く礼儀正しそうな白人の男性の方で一安心。あとはコスタリカの首都サンホセに向かって飛ぶのみとなったわけですが・・・・16時を過ぎても飛行機が動き出す気配がありません。しばらくすると、機長からのアナウンスで「水まわりのトラブル」(たぶん)で、出発が遅れることと、復旧の目処が今は立っていないことが告げられました。まぁ、そうは言っても周囲の方は誰も騒いでいないので、それほど深刻な事態ではないのでしょう。客室乗務員の方々が飲み物を配り始めました。本当にしばらく飛ばないみたいです。お隣の席の方はスマホで本日予約を入れていたであろうホテルに電話をかけて事情を説明していました。私は本日の宿の予約はどこにも入れてません。(こういう事態を想定していたわけではないですが、はなから到着日はレンタカーで車中泊の予定でした)


結局睡魔に負けて眠りに落ちてしまい、ふと目が覚めると日が沈んでました。時計を見ると17時40分、すでに定刻から2時間遅れです。ふと、コスタリカのサンホセ空港のレンタカーオフィスが深夜でもやっていてくれるのかどうか心配になって来ました。心配にはなったのですが、結局電話をかけるわけでもなく睡魔に負けて再び眠りに落ちます。


ふと目が覚めるとすっかり真っ暗になってしまいました。時計を見ると18時半を回っています。レンタカーオフィスうんぬんよりも、そもそも飛ばなかったらどうしよう・・・・


つづく