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バッタを観察した後、そのまま部屋には戻らず車に乗って、昨日の湿原桟橋に向かいました。


うわ〜、風が吹いていて寒い!

さすがにTシャツいっちょだと、ちょっと厳しいです。




でも、せっかく来たので、そのまま野鳥観察を始めます。



早朝はカモの仲間が桟橋の近くにたくさん居ました。




そして上を見あげれば、空をたくさん飛んでいます。

それこそ宮城の伊豆沼周辺みたいです。




鳥の飛ぶ姿は美しいですね〜。




あ! サギの仲間が舞い始めた!




しまった、早朝は施設の真ん前に居ればよかったのか!

(超望遠で撮影してこのサイズです)




あ〜、でも、こんな光景が見られたから良しとしましょう!




数回に分けて飛び立ちシーンを見せてくれました。




その後もちょっと肌寒いのを我慢しつつ、あちらこちらで飛び交う鳥を眺めて過ごします。


本当に見ていて飽きません。


特に、カモの仲間は群れて飛んでくれるのが良いですね!



ノバリケン Muscovy Duck (Cairina moschata)









昨日も愛嬌を振りまいていたアメリカムラサキバン。Purple Gallinule (Porphyrio martinica)





先程から周囲を飛び交っていたアカハシリュウキュウガモ。Black-bellied Whistling Duck (Dendrocygna autumnalis)





さて、堪能しましたしそろそろ戻りますか! (6:30)




本日も美味しい朝食。

そして、久しぶりのガジョピントです。

パンがちょっと黒っぽく見えるのは気のせいです。





ジョッシュさんの背中に日の丸が付いているのは気のせいではありませんでした。


声をかけて挨拶すると、


「ぎんちゃん、君たちのことを応援しようと思って着てきたよ。大変だと思うけどがんばってね」


とのこと。


いや、私は何もできていないのですが、、、、しかし、冷静に考えてみても、一度ホームステイした経験があるとは言え、こんなTシャツを買って普段着るために持ち歩いているんだとしたら、本当に日本っていろいろな人に愛され、そして震災のことを心から心配されてるんだなぁって改めて思いました。




ジョッシュさん曰く、学生たちはコンストラクションマネージメント(建築の工程管理)とかインテリアデザインの世界に飛び立っていくのだとか。


この車でボート乗り場に向かうということだったので一足先に乗り込んだ後にラファエルさんが付近を通りかかったので、カメラやレンズを置きっぱなしにしたまま車から降りて挨拶に行ったら、運転手さんが車のドアを全部閉めるので、どうしたんだろうと思いながら見ていたら、なんとびっくりバンが走り去ってしまいました。



慌ててラファエルさんに事情を話すと、


「大丈夫、2〜3分で戻るから」


とのこと。


「それと、ちょっと今日は人数オーバーなのでもしよかったらぎんがめさんの車を出してもらえないかな?」


ということだったので、快諾したら


「アリガトサン」


と、合唱ポーズに加えてこんなところまで「さん付け」になってしまっていたのですが、特に日本語としておかしくはなかったので、私も


「ドウイタシタシマシテ!」


と、言いながら合唱しておきました。


この問題は行きの飛行機で読んだ本に書かれていたので知っていました。
でも、パロベルデみたいなのどかな場所でこんな文章を読むとは思いませんでした。



というわけで、車が戻ってきたので無事にカメラとレンズを回収し、自分の車に移します。

ラファエルさんも私の車に乗るみたいでした。


「水とカメラは持った? 帽子は大丈夫?」


と、おっちょこちょいなのがバレたのか、遠足前の子どものように確認されました。



学生さん達が車に乗り込んでいる間に、今朝撮った写真をラファエルさんに見せて、バッタの名前を聞いたのですが、やはり英名とかは無いようで「グラスホッパーだね」とのことでした。


ちなみに、学生さんたちが乗り込んだ四駆は完全に定員オーバー状態で、中は阿鼻叫喚みたいな感じになってました。(まぁ、彼らはそれで楽しいのでしょうが)

昨日、ここら辺で猿を見かけたことを伝えると、


「この辺にフルーツの木は少ないから、彼らにとってこの木は重要な場所なんだよ」


と、教えてくれました。

なるほど。


「あと、船着場のところに燕がたくさん居たんですけど」


「それは、 Cliff Swallow (Petrochelidon pyrrhonota)サンショクツバメだよ」


と、移動中もあれこれ教えてもらいながら走っていきます。

セルフガイド状態なので、すごい得した気分です。



船着場に日本では見たことがないゴルフが停まってました。

これ、日本で売ればいいのに。
ゴルフ・クロスフォックス、中南米とヨーロッパのみの発売でポロよりもさらに小さいのだとか)




私は制限速度ぴったりで走っていたこともあって、学生さんたちはすでに船に乗ってました。(8:15)




頭上にはトビ柱ができています。(トビかどうかはわかりませんが)


優雅に舞う姿を見て、一気に気分が盛り上がります。




なんと、一番前の2席が空いていたので、先頭の席がラファエルさんで、その後ろが私の席になりました。



そして、乗り込むと同時にさっそく出発したのですが、トイレに行った学生が取り残されているとかで騒ぎになり、一度戻って彼女(女性でした)をピックアップしなおしてから、再度出発です。



お〜、早速メガネカイマンですね〜。(spectacled caiman (Caiman crocodilus))

ペットにもなるワニで、怖いと言うよりは可愛いサイズのワニです。

やはり、プエルトヒメネスで無理に探す必要はありませんでした。




このあと、小さなワには何度も見かけました。



そして、同じく何度も見かけたのがグリーンイグアナ。




見つける度に船を寄せてくれ、船頭さんが、


「ほらほら、あそこ」


と、丁寧に居場所を教えてくれるので、こちらもちゃんと撮影して答えます。




イグアナとワニが出現する度に観察・撮影タイムになるので、なかなか前には進みません。




こちらはすごく大きなワニだったのですが、水中に居て姿は見えず・・・






船の周囲を飛び交っていたミサゴ。Osprey (Pandion haliaetus)。


一度魚を足で捕まえていたシーンもあったのですが、撮り損ねました。

そういえば、オスプレイって単語、どこかで聞き覚えがあるなぁと思ったら、登山グッズのブランド名でした。

最近だと沖縄に配備されるとかで揉めた垂直離着陸機で有名になりましたね。


こちらはラファエルさん達にチャーリーと名付けられた全長4mはあろうかというアメリカワニ。
American crocodile (Crocodylus acutus)



これはさすがに迫力がありました。




たぶん、シロトキだと思います。American White Ibis(Eudocimus albus

後ろの青黒っぽいのはスミレサギ( Little Blue Heron(Egretta caerulea



ちなみに、これらの鳥を教えてくれるのはラファエルさんではなく、船頭さんの方です。

(ラファエルさんは後方に行って学生さんたちにガイドをしていました)



同じく船頭さんが見つけてくれた鳥。
ラ・セルバでヘイナ君に鍛えられたので、これがFlycatcher(タイランチョウ)の仲間だということはすぐにわかったのですが、同時に似たような種類が山ほどいて同定が難しいこともよくわかっているので、正直この鳥は名前がわかりませんでした。そこそこ大きかったので、GreatKiskadeeじゃないかな〜とは思ってますが、どうなんでしょう。


(もしかしたら、船頭さんが正確な名前を知っていたかもしれませんが、なんせ英語は話せないみたいだったので、まったく会話ができませんでした)


たまに、大きなワニが居たりすると、学生が駆け寄るので船が傾きます。




しかし、立派なサイズの川ですね〜。


船のスピードも遅いので、のんびりとした船旅で気分が良いです。




ユキコサギのコロニーです。Snowy Egret (Egretta thula)




あれは民間の宿泊施設ですかね?

クルーズ用のボートも泊まってました。



あそこに泊まって優雅にクルーズに出かける人なんかも居るんでしょうね〜、なんて思っていたら、突然携帯の呼び出し音が鳴り響き、何事かと思ったら船頭さんがポケットから携帯を取り出して大声で何やら話し始めました。


エンジン音がうるさいからか、途中でエンジンを切ってしまったので、船は川の流れに任せて漂います。

川の中に落ちた一枚の葉っぱのように漂う船から、大きな流木を眺めます。


すぐ前からは船頭さんの「アハーン、アハーン、○○○○」と、スペイン語でしゃべる声だけが船内に響いています。





そのまま待つこと5分。




ようやく話し終わったらしく、再び船が進み始めました。




バードアイランドが見えてきました。(Isla Parajos)


この距離からでも島の上空を無数の鳥たちが飛び交っているのが見えます。



突然、全席空席のツアーボートが全速力で追い抜かして行きました。


その船が立てた波のせいで、こちらはしばらく船を停止します。





そして、上空を見上げると、無数の鳥たちがバードアイランドに向かって飛んでいっています。




ちょうど鳥が飛ぶスピードが、我々の船よりちょっと早いぐらいのスピードなので、まるで鳥たちと一緒に島に向かっているみたいで感動しました。



群れて飛んでいる鳥(この写真は単独ですが)、昨日は湿原で見かけて「鶴みたい」って思っていましたが、全然違う鳥のようです。
アメリカトキコウ
(Wood Stork (Mycteria americana))



こちらのピンク色の大きな鳥はフラミンゴではなく、ベニヘラサギ(Roseate Spoonbill(Platalea ajaja))

アジャジャとは、これまた可愛い学名が付けられてますね。
ラテン語で何か意味があるのか、人名なのか地名なのか、、、謎です。



だんだん島に近づいて来ました。





うわ〜、たくさん居る! (白くて大きいのは先程群れて飛んでいたアメリカトキコウ。全長1m近い鳥なので、迫力満点です。









そして、島の近くで船のエンジンを停めてくれたのですが、辺りは凄まじい数の鳥による大合唱状態です。(風の音を拾っちゃってるので鳴き声があまり録音されていませんが)


漂ってくる臭いも獣の匂いそのものです。
八戸の蕪島みたいな感じです。



よく見ると、アメリカトキコウだけじゃなく、いろいろな鳥が混ざってます。
(最初はアメリカトキコウの雛鳥かと思ってました)




ちなみに、ここに居る鳥は、、、


roseate spoonbills
wood storks
cattle egrets,
great egrets,
green backed herons,
black crowned night herons
great eggrets
glossy ibis,
white ibis,
snail kite,
american widgeon,
black necked stilt,
black bellied whistling duck,
blue winged teal and northern shoveler….


などなどだそうです。





いずれにしろ、壮観としか言いようがない光景です。




自然科学系の番組で鳥の営巣地の映像はよく見ますが、やはり生で見るのは格別です。








アメリカトキコウをアップで撮影。







それらの生態を解説中のラファエルさん。

図鑑は使い込まれていて、質問するとすぐに関連ページを開いて答えてくれます。




いや〜、楽しかったです!





というわけで、ここで全ての観察が終了し、船は先ほどの船着場に戻るようです。






そして、しばらく走った所で聞き覚えのある携帯の呼び出し音が・・・・


船を停めて話し始める船頭さん。



風の音が邪魔なのか、身を屈める船頭さん。






というわけで、今回も5分ほど電話してから船は出発。



相変わらず大きなチャーリー。




何やらラファエルさんと相談。




運転手交代。




学生さんはお疲れモード。




と、そこへ携帯の呼び出し音。。。



風を避けつつ携帯でお話する船頭さん。


もちろん、ラファエルさんは船のエンジンを停めてます。




というわけで、ようやく船着場まで戻って来ました。(10:40)




船から土手に上がる階段は急な上に揺れるのでなかなかスリリングです。



車に戻るときに朝から気になっていたフロントバンパーを改めて見てみると、やはり右前のメッシュパーツが無くなってました。(写真は別の場所で撮影したものです)



実は帰国後に気がついたのですが、最初からこのパーツは着いていなかったのですがそれを知らなかったので、てっきり自分がコルコバードの川越えか何かで無くしたのかと思ってしまいました。一応フルカバーの保険に入ってるから変な免責とか無ければ大丈夫だろうと思いつつも、ちょっと気にはなりました。




再びラファエルさんを助手席に乗せて施設まで戻り、次の目的地に向けての出発の準備を整えてから、最後に受付に顔を出してラファエルさんに挨拶します。


船代を払おうとしたら、それは必要ないとの事だったので不思議に思っていたら、帰国後にゴジツアーズさん経由でちゃんと請求がありました。なるほど。(この時は大勢の学生さんと一緒だったので、それが理由か何かで無料になったのかとぬか喜びしてましたが、あとで事前にもらっていたメールを読んだらちゃんとそのことが書かれてました)


ラファエルさんに次にどこに向かうのか尋ねられたので、「グアナカステの木」を見にサンタロサ国立公園方面に行きますよと答えたら、「グアナカステの木だったら、この辺にもあるよ」という返事が帰って来ました。


そっか、ここもグアナカステ州ですもんね。


ちなみに「グアナカステの木」(Enterolobium cyclocarpum)というのは、コスタリカ北西部に分布する木でコスタリカの「国の木」です。


この時は誰かのブログを読んで日立のCMに出てくる「♪この〜木なんの木〜」の木だと勘違いしていたのですが、あちらはハワイに生えているAlbizia samanという植物で、マメ科に属しているところが共通ぐらいということで、まったくの別物だということは帰国後に判明しました。



ラファエルさんにこれまでのお礼を言い、再会を期して握手をして別れてからパロベルデを出発しました。(11:30)





つづく