その25
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オストリッチ。覚えましたよ〜。
警戒中のグラントガゼル。
ちょっとした丘の上に登っていきます。
ここは指定された展望ポイントで車から降りることができます。
ちょっと写真だとわかりにくいんですが、バッファロースプリングスとサンブル両国立保護区を見渡せる場所です。
ちょうど午前中に登った岩の展望台と逆に見渡している格好になります。
展望台からさらに奥(西)へ進みます。
昨日ゲートが閉まっていたキャンプサイトの側にあるサンブルとバッファロースプリングススを結ぶ橋までやって来ました。(16:25)
なるほど、こちら側が崩落してるから通行止めになってたんですね。
2年前の大洪水で流されてしまったんだそうです。
そして、この辺りの枝道は道の状態がかなり悪く、しょっちゅうジョンさんからUターン指示が出されます。
自分だったら無理して行っちゃうようなところでもUターン指示を早めに出してくれるので本当に助かります。
たぶん、一人で走ってたらどこぞの泥沼でスタックして泣
いてたと思います。
お〜、バタフライキャンプサイトだ。
ちゃんとマック君たちが見張りしてますね。(手を振ってくれています)
この写真を撮影したときは運転しながらだったので自分のテントを見つけられなかったのですが、右側に写ってる昨日は無かったはずのテントは目に入ってまし
た。
どうやら昨日のロシア人二人組以外の観光客が来ているみたいです。
さて、もう時間が時間なのでサンブルの方に戻らなければなりません。
ここまで来るのにかかった時間から逆算して2時間近くかかりそうで、どう考えても18時までに戻れないのですが、ジョンさん居るし、まぁいいやと思ってました。
横を見るとキャンプサイトのすぐ向かいで象の群れが水浴び中。
ほんと、動物たちに囲まれたキャンプサイトなんですね〜。
さて、行きますか。
その後は泥濘んで通行不能な小道に何度もUターンを強いられつつゲートを目指します。
走る車が少ないからか、草が伸び放題です。
お、ゲレヌクのオスだ!
初めて見たかもしれません。
なかなか太くて立派なツノを持ってるんですね。
オリックスにもたくさん出会えました。
そして、ようやく脇道からメインロードに戻って来ました。
これで少しはペースを上げられます。
と、思ったらジョンさんの指示で再び枝道に。
ジョンさん、たぶん18時までに戻る気は無いみたいです。
ここでようやく他のサファリカーが一台停まっているのを見かけました。
サファリカーはどうやら象の群れを観察しているようです。
お〜、大きな象が争ってます。
ランキング争いによる力比べでしょうか。
すごい勢いでぶつかり合い、砂煙が舞い上がります。
いやぁ〜、すごい迫力!
決着が着いたらしく1頭が逃げようとしたのですが、勝った方はそれを許さず追いかけます。
逃げる1頭の尻尾を鼻を絡めて捕まえます。
よっぽど怒ってるのか、離そうとしません。
そこへ、別の1頭が仲裁にやって来ました。
そして仲裁役になだめられて掴んでいた尻尾をようやく離しました。(そういう細やかなコミュニケーションの様子が見ていて伝わってくるぐらい象は表情豊かですね)
しかし納得がいかないからか、仲裁役の象に文句を言いつづける勝った方の象。
最後には仲裁役の象がなだめすかし、一件落着と相成りました。
群れ全体の気が立っているからか、1頭がサファリカーに向かって歩いて行き、サファリカーが慌ててバックしてました。
そりゃぁ、あのサイズのが近づいてきたら怖いですよね。
大きなアフリカゾウはこのぐらいのことは平気でやりますから。
あとはこれとか。
別の場所では気持ち良さそうに白い砂をかぶっています。
なので、ここらへんの象は白っぽいのが多いみたいです。
今度は大きな1頭がこちらに向かって歩いて来ました。
表情を見る限り特に怒っている様子もなく、ジョンさんも何も言わないので大丈夫だとは思うのですが、距離が距離だし大きさが大きさなのでかなり緊張します。
うわぁ〜、大きいですね〜!!
特にこちらのことを気にする様子もなく目の前を通過して行きました。
いやはや、一人で緊張してしまいました。
その後、しばらく走った所で見かけたバッファロースプリングス内では2台目のサファリカー。
ゲートを出るまでに合計3台ぐらいしか他のサファリカーを見かけなかったと思います。
ほんと、マイナーな国立保護区だと思いました。
ちなみに、シャバ国立保護区はこちら側よりも動物が少ないらしく(景色は良いそうですが)さらにお客さんが少ないんだとか。
探検気分を味わうのには良いかもしれませんね。
これまで何度も見かけていましたが、ようやく記録写真を撮ったイエローネック。
(和名はハゲノドシャコ、 Yellow-necked Spurfowl (Pternistis leucoscepus))
その名の通り首が黄色い鴨みたいな鳥です。
この飛ばずに必死に走って逃げる姿がとても愛くるしいのです。
しかも、なぜか延々と車の前を逃げ続けるんですよね、これが。
インパラのオスだけのグループ。
このうち最も強い個体がハーレムを築きあげるのでしょう。
というわけで、バッファロースプリング国立保護区でのゲームドライブが終了しました。
再びジャパンクオリティのA2号線を走ります。
(写真は旧道、確かにあんな道だったら走るの大変そうです)
ここで、ジョンさんがペットボトルに入った水を飲み干し、「これ、もういらないんでしょ?」と尋ねてきたので「もう使わないですよ」と答えた次の瞬間、ポイっと窓の外に捨てられてしまい目が点になりました。
習慣の違いとはいえ、なんの躊躇もなくペットボトルを道路に捨てるのにはびっくりしてしまいましたが、よくよく思い出してみればケニアにやって来てこれまでに目の前を走る車がゴミを捨てるシーンを何度も見てきたのでした。
イギリスの道路もゴミだらけでしたし、日本人だけが几帳面なんでしょうね。
よく「日本は清潔だ!」って驚かれますし。
もちろん日本のほうが良い文化だと思うのですが。
帰りもジョンさんのお姉さんの家に立ち寄り、そこでジョンさんは(たぶん先ほど頼んだであろう)ビニール袋に入れられた食料らしきものを受け取ってました。
そういう意味では今回のバッファロースプリングス行きはジョンさんにとっても好都合だったんだとは思います。
ゲートの上空には大量のアマツバメが飛んでます。(18:00)
帰りもジェームスさんを乗せるということで、彼がここに来るのを少し待ちます。
ジョンさんはレンジャー仲間と何やら話が盛り上がってます。
こうやって飛んでる分には糞はポタポタ落ちてこないので、私はリラックスしながら一人でぼーっと眺めてました。
ジェームスさんが到着した所で記念写真を撮らせてもらいました。(ポーズは私が指示)
すでに18時を回ってますが、帰りもジョンさんの計らいでライオンを探して枝道に入りつつ走っていきます。
とある脇道でレンジャーさんが乗った他のサファリカーと情報交換をして別れた直後、二人が何かを見つけたらしく、車の位置を移動させるように指示されますが、どこに何が居るんだかさっぱりわかりません。
でも、二人の声の様子からしてかなりレアな動物であることだけはわかります。
何度も指さされてようやくそこに何やら動物が隠れていることがわかって記録用に撮影した一枚。
後で聞いたらシマハイエナの子どもで、サンブルではものすごく数が少ない動物なんだとか。( striped hyena (Hyaena hyaena) )
正直、二人共よく見つけたなぁって思います。
あっという間に飛ぶように逃げて行きました。
ちょっと離れたところから再びこちらを伺い、その後すぐに遠くへと逃げて行っちゃいました。
そうそう、ハイエナ系ははじめてみました!
「カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす」を読んで以来、なんとしても会いたかった動物なので(ちゃんとは見られませんでしたが)ハイエナだとわかった瞬間、とても嬉しかったです。
お、ヘビクイワシ、サンブル国立保護区にも居たんですね!
Secretary Bird (Sagittarius serpentarius)
カラハリではよく見かけましたが、こちらでは2日間走り回ってはじめて見ました。
というわけで、すっかり日も沈んでしまいました。
象たちもそろそろ寝る時間でしょうか?
バタフライキャンプサイトで二人を降ろし(二人の居住場所まで送りましょうか?と申し出たのですが、キャンプサイトで問題ないよとのことだったので)、ジョンさんに今日のお礼を言いつつ予め決めていたチップを支払い、固く握手をして別れました。(18:45)
大きな地図で見る
本日の走行ログです。
ジョンさんが案内してくれなかったら、絶対にこれだけ走れませんでした。
朝から晩まで付き合ってくれて、本当にありがとうございました。
この旅行記にジョンさんから聞いた話は全て書いてませんが、動物達の生態から保護区の話、周囲の村々の人々の生活までいろいろ興味深い話をたくさん聞け、大変有意義な一日になりました。
我々がキャンプサイトに到着するとマック君達がさっそく火を起こしてくれました。
もうバブーンたちも木の上に移動しちゃったらしく、追い払い業務も必要無さそうです。
ちなみに、新たに設営されたテントに泊まっている白人の50代ぐらいのご夫婦(?)は、マック君曰くこれまたロシアから来た方なんだそうな。
お二人はここで一銭もお金を払わなかったらしく、焚き火の準備もなければ見張りも付いてません。
まぁ、私もそれで良いと思います。
バブーンが周囲に居るときに飯を食べるんだったら車やテントの中で食べるとかすれば良いですし、夜の焚き火ぐらいで野生動物が追い返せるとも思えません。
ただ、個人的にはキャンプサイトでの焚き火は味があって良いと思うのでオススメです。
そんなことを考えていると、マック君が「見張りが600KSh、薪拾いが400KSh」と声をかけてきたので、何を言ってるのか理解できずに「そうなん
だ」と相槌を打つように答えると、同じ台詞を2度繰り返したので、「昨日すでに払ったよ」と言ったのが聞こえなかったのかもう一度繰り返そうとし
たのでそれを遮り、「昨日払ったのはチップじゃなくて、2日分の料金だよ」と説明した所ようやく理解したようで、「・・・おやすみなさい、明日は何時に出
発するの?」と話題を切り替えたので、「6時だよ、おやすみなさい」と答えて握手して別れました。
いくら日本人でもそこまでじゃぶじゃぶ払いませんよ、マック君(笑)
ちなみに海外の観光地で何かの売り込みがあったときは「私は韓国人だ」とか「私はユダヤ人だ」と答えるとすぐに引き下がってくれるという都市伝説があるのですが、私は試したことがありません。
その後は夕飯(もちろんカレー)を食べてからシャワー(もちろん水)を気合で「ダーーー!」っと浴び、歯磨きなんかも済ませた頃にはロシア人夫婦は既にテントの中に消えており声をかける機会すらありませんでした。
昨日の夜と同様に焚き火に枝をくべて本でも読みながらまったりと過ごします。
ロシア人の二人はすでに寝てるらしく、とても静かな夜です。
しかし、明らかに昨日のよりも薪の質が悪く、1本1本がものすごく長くて(2mぐらい)枝分かれまでしていて使いづらいし、太いのばかりで燃やすのが大変でした。
昨日夜更かしをして彼らの想定以上に私が使いすぎて、良い薪が残ってなかったのかもしれません。
今晩の見張りはジェームスさんが担当らしく、30分に1回ぐらいのペースで見回りに来てくれます。
ジェームスさんが「このキャンプサイトにはジェネットがやって来るんだよ」と教えてくれました。
ガイドブックにも書いてあったので知ってはいたので
すが、昨晩はまったく見かけなかったので、そういうこともあるんだなぁぐらいに思ってたんですが、ジェームスさんがその話をした1分後ぐらいに、「ほら、来たよ」
と私を呼ぶのでジェームスさんの側まで歩いて行き、ジェームスさんが懐中電灯を照らす先を見てみると、確かに目らしきものが2つ反射しています。
カメラを持っていなかったので車まで取りに行ってる間にジェネットはキャンプサイトを横切ってどこかに行ってしまいました。
なんちゅうタイミングで登場するんでしょう。
その30分後に背後からなんとなく視線を感じて振り向くと15mぐらいのところに再び来ていたのですが(人間のおこぼれ目当てらしいです)、再び私がカメラを取りに行ってる間にどこかに行ってしまいました。
というわけで、ジェネットは私の脳内記憶にだけ焼き付けられました。
ちなみに、こんな動物でジャコウネコの仲間、肉食動物です。
その後、ジェームスさんの何回目かの見回りの時にちょっと長話をしました。
旅の話やら日本の話しなど。
そして、「ごめん、少しトイレットペーパーを分けてくれないかな」と切り出してきたので、「もちろん」と答えつつ差し上げました。
その後は星を眺めたり、本を読んだり、炎を眺めて思いにふけったりしながら時間を過ごしました。
基本静かではありますが、たまにあちこちから動物が発する音は聞こえてきます。
さらに「パンパーン!」と銃の発砲音まで聞こえてきたのには驚きました。
15分後ぐらいにジェームスさんが巡回してきた時に尋ねてみたんですが、何が起こったのかはよくわからないとのこと。レンジャーさんが威嚇で発砲したんでしょうか?
再び静かに本を読んでいると、割りと近くで動物が争ってる音が聞こえてきたなぁと思った次の瞬間、「ウ”ーーーワンワン!」と大型の犬が唸ったり
吠えたりしながら争う音がどんどんこちらに近づいてきた時にはさすがに焦って、いつでも車の中に飛び込めるように立ち上がって身構えてしまいました。
ここに野犬は居ないと思うのでハイエナかなと思ったんですが、ちょうどその数分後に巡回にやってきたジェームスさんによると、ヒヒの声なんだそうです。
ヒヒって言ってもライオンと喧嘩できるぐらいですから、侮れませんよね。
実際に暗闇のキャンプサイトに一人で居るときにこの声が近くから聞こえてきたらびびりますよ〜。
さらにジェームスさんが「この鳴き声、ライオンなんだよ」と教えてくれた鳴き声の発生源がやはりそんなに遠くない気がして、すごいところに来たもんだと思わずにはいられないのでした。
(フーフゥーフゥーというフクロウみたいな鳴き声でしたから、教えてもらうまでは何とも思わなかったのですが)
日本にこんなキャンプサイトがあったらさぞかし話題になるだろうなぁ(笑)
さて、そろそろ寝ますか!(22時)
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