ゴールデンウィーク後半  隠岐諸島の旅
その1

ゴールデンウィーク後半も西日本が晴れそうな天気予報になっていた(※)ので、西日本のどこに行こうかと考えていたところ、先日のドライブで「いつか隠岐 諸島に行きたい」と思ったことを思い出し、さっそくネットであれこれ調べて即決し、5月1日に一気に予約を取ってしまいました。


ゴールデンウィーク寸前だとキャンセルが出ていたりして、案外なんとかなるもんです。

(※4月30日時点での天気予報では九州はぱっとしない予報でした。九州が晴天続きの予報になっていたら迷わずそちらに行っていたと思います)





5月2日(木)







まずは東京駅から夜行バス(JRが運行しているスサノオ号)に乗って松江を目指します。(19:00)









デラックス3列シートということで快適な旅を期待していたのですが、なんと目の前に階段の仕切り板があってまったく足が伸ばせません。

これなら飛行機のエコノミー席のほうが全然マシでした。

(椅子はかなり倒せるんですが、運の悪いことに私の後ろに座っている方はまったく倒さないで寝る方だったので、私も倒すことができませんでした)



とは言え、私自身がどこでも寝られる性格なので足柄SAでの休憩の後の記憶は一切無く・・・・





5月3日(金)







気がついたら蒜山高原に到着してました。(6:15)


左奥はつい先日走り回った大山です。

まさかこんなにすぐにここに戻ってくるとは思ってませんでした。









途中で渋滞があったらしく1時間遅れで松江駅に到着。(7:20)


そういえば、このスターバックスって・・・







うわ、すごい行列!

(駅前には人影がないのにもかかわらず)


スタッフさんに確認したら、やはり最近(3/27)「国内店舗の初日売上ナンバーワンを叩きだした」スターバックスでした。

そのことについて話を聞いたら、タンブラーなどのグッズがすごい売れて売上に貢献したとのこと。


オープンから日が浅いこともあってスタッフさんのテンションも全体的に高めで笑顔も眩しく、朝から癒されました。







カフェラテのグランデサイズと「42年ぶりに油や味付けを変えた」というミスドとローソンのからあげクンレッドという組み合わせで朝食の調達が完了。
(全て一緒に口に入れるわけではありません、念の為。辛いの食べて甘いの食べる(飲む)。タイ流の食事術です)



松江駅から七類港まではバスで移動します。

バスを並ぶ列ではゴールデンウィークで島に帰省する大学生ぐらいの若者たちが久しぶりの再会を果たして盛り上がっていて、都会暮らしのことを興奮気味に話している様子を微笑ましく眺めます。


私には出来なかった体験です。







七類港から隠岐諸島に向かうフェリー(くにが)の行列がすごいことになっていたのですが、とりあえず予約なしで乗ることは出来ました。


雑魚寝スペースは余裕で埋まっていたので(出港後にゴザの貸し出しサービスがありますが一人で借りるには大きすぎでした)、デッキの椅子に座って船旅を楽しむことにします。









定刻通り七類港を出発。(9:30)









お〜、赤潮ですね〜。

久しぶりに見ました。


とにかく事前調査が足りない状態でここまで来てしまったので、船で入手したパンフレットを食い入るように読みながら本日の行動計画を立てます。








そんな感じで2時間ほど船に揺られ、最初の上陸地の知夫里島に到着。(11:30)









知夫里島は今回訪問する島の中でもっとも小さな島です。(面積は13.7km2)

港にも最低限の設備しか見当たりません。

人口は約650人らしいのでトカラに比べれば、これでもまだまだ人はたくさん住んではいます。




港まで送迎に来てくれた予約済みのホテルのミニバスに乗せてもらって一度ホテルまで出向いてから、そこで足となる移動手段を借ります。








というわけで、今回の移動手段です。


知夫里島は電動アシスト自転車をホテルから借りました。

宿泊するだけなら民宿クラスで十分だったのですが、(キャンプ場もありますが、 せっかくなので海の幸を堪能したいですしね)、寸前の予約ではレンタカーが借りられず、観光協会からこのホテルにレンタサイクルがあると聞いて、このホテ ルにレンタサイクルとセットで予約を入れたのでした。


電動アシスト自転車は世の中に出始めの頃にヤマハのやつに少しだけ乗ったことがあるのですが、あの時と比べて大分アシストの効きがマイルドになってます。(昔のやつは思いっきり漕いだらウイリーしそうな勢いでしたが・・)


ホテルの従業員さんに「島一周分バッテリー持ちますかね?」と確認したところ、赤ハゲ山(島の最高峰でビューポイント)往復ぐらいが精々で、島一周は厳しいんじゃないかとのこと。


なので、エコノミーモードを選択し、さらに普段はアシストを切って可能な限りの低燃費運転を心がけることにします。

もし、従業員さんが言うとおりにバッテリーが無くなってしまったら、一旦ホテルに戻って別のバッテリーを借り直す約束をしておきました。








では、行ってみましょう!









最初に訪れたのがタブの巨木


タブの木でここまでの巨木は珍しいらしく、島の天然記念物に指定されております。

(と、言いつつタブノキを見るのが初めてなので、まったく実感がわかなかったわけですが)








島の南側は海沿いを走る区間はほとんど無く、すぐに山側に回りこんでアップダウンが始まります。



登り坂で試しにアシストを切ってみたところ、立ち漕ぎしても進まないぐらいペダルが重く、実は壊れてるかパンクしてるんじゃないかと思ったほどでした。

しかし、アシストを入れてもたいして効きが強くなく※、案外疲れるもんだというのが正直な感想です。


(※漕ぎ出し初めやゆっくり進んでる時はがっつりアシストしてくれるんですが、一生懸命漕ぎ始めると「なんだ、自力で行けるんじゃん」って感じでアシストを抑えられてしまうんですよね)








ありゃ、牛達が道路を塞いでますよ。

ケニアの道路を思い出しました。







ミラーに映る黒い物体。


カーブの先に何が待ってるのか一目瞭然です。

(まぁ、こちらはえっちらおっちら登ってるだけなので、出会い頭で急ブレーキなんてあり得ない世界なのですが)







というわけで、カーブを抜けた所でウシ君とご対面。


なんかものすごく警戒されているのと、自動車と違ってツノで突っ込まれたら防ぎ用もないので、横を抜けるときは少し緊張しました。








かなり登った所で後ろを振り返ったところです。


素晴らしい眺めです。







その後も牧場地帯のど真ん中を登っていきます。



あぁ〜、こんなことならロードスターを持って来ればよかった!








はいはい、ちょっと失礼しますよ〜。









せっかく登ったのに、いったん下ってしまいます。


気分爽快ではあるのですが、再び登り返すことを考えると本心では喜べません。

(車ならそんなこと気にもしないのに)









なぜかやたらと道路上に出ているウシ君達。









やはり下った後にはきつい登りが待ってるのでした。


しかし、素晴らしい景色ですね〜!









目的地に向かう駐車場に自転車を置いて遊歩道を歩いていきます。









やって来ました、知夫赤壁です!(12:50)


観光パンフレットなんかに必ず掲載されているので写真では何度も見ていましたが、実物は本当にすごかったです。


隠岐諸島の中でも知夫里島を目的地に選ぶ人は少ないらしく、こんなに素晴らしい場所なのに貸切状態でした。

(ちょうど私が到着したときに、スクーターに乗った男性が帰ろうとしてる所ですれ違いましたが)








嬉しいことに柵などは設置されてないので、崖の縁まで行くことができます。










なので、崖に腰掛けてローソンで買ったお弁当を頂きます。



なんと贅沢な昼飯!


(しかし、これ、ちょっと難点があって、食べるのに集中してる時は良いのですが、ふと足元に目線を移すと、毎回その瞬間に股間がヒュっと寒くなるんですよね)











さて、お次は知夫里島最高峰の赤ハゲ山を目指します(標高325m)









いやぁ〜、電動アシスト自転車と言えども、これは本当に辛い!









しかし、景色は最高です。



なんて、喜んでいたらバッテリーの残量表示が満タンからいきなり2/3表示に減ってびっくり。

いっぱいLEDが光っていたので、もっと細かく刻んでくれるのかと思っていたら、1/3ずつの大雑把表示でした。

というわけで、体力の続く限り細かくアシストを切りつつ登っていきます。








ようやく山頂近くまで登って来ました。










登ってきた道を振り返ればご覧の景色。


ここまでの辛さも含めて感慨ひとしおです。





そして、やっとこさ山頂の展望台に到着しました。(13:35)


さすがにここには数組の観光客が来ていました。
(皆さんレンタカーやタクシーなどの車で)


展望台に居たおじさんに「おりんこで来たのかね?」と尋ねられたので、「おりんこってなんですか?」と尋ね返したら、車から降りてっていうような説明をされたような気がするのですが、よくわからないまま生返事をしてしまいました。










展望台からの眺め。

後から登ってくる車も見えています。


石垣(名垣)が見えていますが、これは隠岐諸島で当時は高度だった牧畑が行われていた時の名残だそうです。









島前(※)の内海を進む海上保安庁の巡視船。

最近のテレビニュースのお陰ですっかり見慣れた船体です。








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※島前(どうぜん)、隠岐諸島の左下半分のことです。右上側にある隠岐の島は島後(どうご)と呼ばれていて、現地の方は皆さん普通に「島後」という単語を使ってまし た。
さらに、島民の方がどこから来たのか語るときに島の名前を言うことはめったになく、島前の中ノ島出身の人なら「海士町(あま)」から来ました!って村名を言ってました。


島前の内海は見た目の通りカルデラになります。








山頂からの景色をしばし楽しみます。




そう言えば、ゴールデンウィークのタイミングで山頂近くに野大根の花がたくさん咲いてるって観光情報に出ていたのですが、ちょろちょろとしか見当たりません。


(後で聞いたら今年はハズレ年だったようです)








さて、ここから島の北側に向かって駆け下りていきます。


バッテリーがまだ2/3残っている状態で最高峰まで登ってきたのだから、このぐらいの低燃費運転を続ければ島を一周できるだろうという判断です。









絶景下り、やっほーーーー!









牛だけじゃなく馬も放牧されてるんですね〜。









どんどん下っていきます。


内心では急な下りは そろそろこのぐらいにして、ホテルまでゆるやかに下りが続いて欲しいと願い始めているのですが、そんなわけはありません。







正面に見えているのは明日から訪問する西ノ島です。









念の為、島の北端のウグイガ崎周辺まで散策してみましたが、特にこれといった見どころがあるわけでもないので戻ります。









すると、停めていた自転車が風か下り坂のせいで倒れていて、あろうことかジャンバーや荷物が牛の糞の上に投げ出されていました。(写真は狼狽えてかごの中に戻したあとです)









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引き続き島の北側を時計回りに回っていきます。










ちょうど新緑真っ盛り、若葉色に覆われた木々が眩しく輝いています。










ココら辺は南側の牧場地帯とはまた違った景色ですね〜。









だいぶん海面が近づいてきてしまいました。



この後、漁村で標高0m付近まで下ってしまい、そこから再びえっちらおっちら登るはめに。










途中から道が県道322号線に切り替わり、えらい整備された道になりました。


ここから役場のある大江地区まではこんな道が続いています。









一旦港に立ち寄り、観光協会でレンタカーの空きが出ていないか確認してみたのですが、残念ながら無いとのこと。


ここで先ほど赤壁ですれ違ったスクーターの男性と再会し、軽く情報交換。


彼は神戸から50ccのスクーターでここまで来て、キャンプをしながら島巡りをしてるんだとか。

そういう旅も良いですね〜。

(でも、何気に神戸から松江までが大変だと思いますが)

知夫里島はもう周ったので今からフェリーで中ノ島に向かうとのことで、ここでお別れ。


私は島の南東方面を目指します。








河井地蔵さんの湧き水で喉を潤します。

(小さな島ですが、湧き水は豊富なようです。暖流の対馬海流が周囲を流れ、大陸からの冷たい風がぶち当たる関係で霧や雨は多いらしいですし)








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役場付近の小さな商店で粉末ココアと水を購入し(先ほどの湧き水を汲んでおけばよかったのですが、思いつきませんでした)、島の南東部へと進みます。









こちらも、また違った景色が広がってます。









高平山にある知夫里島灯台を目指します。


当然のことながら登りになります。








到着!(15:30)










遊歩道に居たカナヘビ君。









先ほど購入した水をアルコールストーブで沸かしてココアを頂きます。

ついでに家から持ってきたコモパンも焼きます。


小さな島だし時間を持て余すかと思ってこんなものまで持ってきてたんですが、案外忙しくて「腹が減ったから食う!」という感じなりました。


あと、旅の暇つぶし用に本2冊と2kg以上もあるフルサイズのノートPCまで持ってきたのですが、この調子だと無駄になる予感満点です。









灯台からの下り道、車を見ても逃げない牛達も自転車に乗ったむき出しの人間は怖いらしく、必死で道路上を逃げていきます。


最初1匹だったのが、次々に他の牛を巻き込んで逃げていくので、数がどんどん増えます。








前の集団とは別の集団です。









反撃を食らうのが怖いので距離を置いて後ろを走っていきます。








いやはや、驚かせてしまって申し訳ないですね〜。









島の南端、獅子鼻付近です。









馬が放牧されていたので、試しにその辺の草をむしって差し出してみたところ・・・・









「どれどれ」と匂いをかぎに寄ってきて、、、









食べてくれました。




そして食べた直後に体をこちらに寄せてせがんできたので、、、









首のあたりを掻いてあげました。


実に気持ちよさそうです。




さて、だいたい島を一周回ったのでそろそろホテルに戻りますか!



この時点でも温存していたバッテリーの残量表示が2/3だったので、平地や下り坂でもアシストをつけっぱなしにしました。



さすがに平地は楽ちんですね〜。








ホテルに到着しました。(17:00)

一応オーシャンビューの部屋です。



バッテリーが1/3残っているのを見て、スタッフさんが「もっと使えばよかったのに」とおっしゃってましたが、携帯なんかでもそうですが後半の減りが速かったりするかもしれないので、安心して使い切れなかったんですよね〜。










ホテルには餌を求めて狸がやって来ています。


餌の得にくい冬場は10匹近くやってくるとか。









あと、島中に鳶がたくさん生息しています。


かなり数が多いので、こんな感じでたまに近い距離で眺めることもできます。(近いと言っても警戒心の強い鳥なので、この写真でもサブ望遠で写してトリミングしてますが)




露天風呂に浸かって汗を流してから、再び電動アシスト自転車を借りて外出。
(露天風呂は男女交代制で夕方に入るしか無かったのです)







夕日目的だったんですが、えらい遠く(赤壁かアカハゲ山付近)まで行かないと水平線に沈む夕日は拝めないのと、今にも霞の中に沈みそうだったので途中で諦めて戻ってきてしまいました。(18:30)


途中で狸を3回ほど、イタチを1回見かけました。


実に動物の多い島です。








とても豪勢な夕食。

特に岩牡蠣が最高でした。







まだありました。(カサゴの煮つけ)

もう、お腹いっぱいです!



出雲市から来られた夫婦とお話させてもらったんですが、島根県民にとっても松江に住んでるのでなければ、隠岐諸島は遠い場所なんだとか。

都民にとっての初島とか伊豆七島みたいなもんでしょうか。(さすがに小笠原とは言いませんが)



自転車で走り回っていた私は相当目立っていたらしく、「あのスピードで駆けまわってよくやるわ」ということでガイドさん含めて話題になっていたそうです。




食後は翌日からの行動計画を自室で立てつつのんびり過ごしてから眠りに就きました。

(というか、余裕で寝落ちしました)





5月4日(土)






日の出時間(5時前)に起きたらまさかの大雨。


諦めて寝ました。







朝から美味しい料理を頂きます。









雨は止んでいたものの、午前中いっぱいは天気が良くなさそうなので、先に西ノ島に移動してしまうことにします。(9:00)


こちらに着いてから知ったんですが、島前だけを結ぶ船(いそかぜ�U)と小さなフェリー(どうぜん)があったんですね。


料金はバス並みの300円です。



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