ゴールデンウィーク後半
隠岐諸島の旅
その2
その1へ戻る
ものの10分で西ノ島に到着。

本日レンタカーが借りられるのは午後からだったので、先に遊覧船にでも乗って時間を過ごすことにしました。

鳥取県の境港(から隠岐諸島にフェリーが出ています)出身の水木しげるにちなんでってわけじゃないんでしょうが、ねずみ男にぬりかべだそうです。

西ノ島の外海側(西側)の断崖絶壁地帯。
左下に写ってるもう一隻の観光遊覧船と大きさを比べると大きさがよくわかります。

う〜む、晴れてる時に見てみたかったですね〜。

こんな感じで穴にも入ってくれます。

事前の案内で「壁にぶつかります」と言ってはいましたが、本当に派手にぶつかるんですね〜。
クライマックスは日本版の青の洞窟と言われている「明暗の岩屋くぐり」なのですが、この日は波が高くて断念。(ベタ凪じゃないと船が天井に当たるので無理なんだそうです。確率は1/5ぐらいだとか)
外洋の波は想像以上に高く、私はある程度船に慣れているので平気だったのですが、かなりの数の人が酔って具合が悪そうでした。

2時間半のコースで2時間近くかけて遊覧してたので、どうやって港まで戻るんだろうと思っていたら、帰りは運河をショートカットするのでした。
なるほど。

港でシロイカ丼(私の分は料理が遅れたとのことでいろいろおまけを付けてくれたんだそうです)を頂いていたらレンタカー会社から「お車の準備、出来ましたよ」と連絡が入ったので、早めに食べきって外に出ます。(これ、美味しかったです)
しかし、何か違和感が・・・
遊覧船に乗る前に一度顔を出して確認していたレンタカー会社がどこにもありません。
それほど大きな港でも無いですし、迷子になるわけはないのですが・・・

もしかしてと思ってタクシーの運転手に確認すると、遊覧船に乗ったことでレンタカー会社がある別府港とは違う浦郷港(こちらに町役場があります)に降ろされていたのでした。
別府港までの距離を確認すると6kmあるということなので、そのままタクシーに乗せてもらいました。
(1700円なり、とほほ)

ようやくレンタカーをゲット。(写真右は高速船のレインボー2)(13:45)
料金はかなりお高くて24時間で8000円+1キロあたり20円のガソリン代がかかります。
(なので、西ノ島や知夫里島などの島前を数日ドライブするんだったら、ロードスターを持ち込んでも良いかなぁという感じです。島後でのレンタカーは車種にもよりますが、それなりにお安いです)
ただし、西ノ島にせよ知夫里島にせよ、見どころを見て回るだけなら数時間で完了しますので、時間単位で借りてもっと安く済ますことはできます。あくまでも、ドライブ好きな方向けの話です。

さて、晴れて来ましたし、張り切って行きましょうか!

西ノ島も道路を牛が闊歩してますね〜。

天気予報的には明日が本番と睨んで、今日はマイナーな場所から巡っていくことにします。

道路脇に居た若猫。
普通の野良猫なら車から人が降りた時点で飛んで逃げていくところですが、そういう素振りを見せなかったので呼び寄せてみます。

途中で伸びをしたりしてこちらの様子をうかがいつつ、徐々に近づいてきます。
(というか私が近寄りました)

そして、お戯れの時間と相成りました。
いや〜、かわいいですね〜。

海沿いで見かけたアオサギ。

大山の漁港から少し入ったところにある小さなダム。

ちょうど山桜が散り始めたタイミングでした。

道路脇にはたくさんシャガの花が咲いていて綺麗です。
大きな地図で見る
島前カルデラの中心部、焼火(たくひ)山周辺を周回していきます。

雰囲気満点の良い景色です。

だんだん道がハードになって来ました。

途中まではちゃんと舗装されていたのですが、、、

南側半分は未舗装路のようです。

途中、雉のペアなんかを眺めながら南側を周遊。

再び舗装路に切り替わった焼火神社のところで、お客さんの帰りを待っていたタクシーの女性運転手に「神社まで見に行ったほうが良いか」尋ねてみたところ、寺社仏閣に興味がなくても是非行った方が良いということだったので、車を停めて山道に分け入ります。
タクシーをチャーターしていたお客さんは若い女性3人組で、途中ですれ違いました。

おおお!、これはすごい!
確かに見ておくべき場所です。

本殿(左側)は岩壁の洞穴にめり込むように建てられてますね。
焼火神社について詳しくはこちらからどうぞ
旅の安全を祈願しておきました。

再び山深い道を走っていきます。

美田ダムにて。
このあと予約していた旅館に立ち寄って「夕日を見てから戻ります」と申告してから再びドライブに出かけます。(16:00)

ここからメジャー観光地帯の北西の断崖絶壁方面に向かいます。
大きな地図で見る
遊覧船で巡ったエリアです。

馬が放牧されていたので、今度は試しにブラシを振ってみたところ数頭が喜んで寄って来ました。

やはりブラシは気持ちが良いようです。

こちらは順番待ちの様子。

さて、行きますか!

西ノ島にも標高の高いエリアに牧場地帯が広がっています。

いや〜、素晴らしい眺め!

今日はペダルを一生懸命漕がなくて良いので、純粋に景色を楽しめます。
なんか虫がたくさん舞ってるなぁと思ってよく見たら、すべて蛾でした。大量発生したんですかね?
そうそう、このダイハツタントですが、軽自動車のクオリティもここまで来たのかって感じです。(内装、走りともに)
島内を軽くドライブする分にはこれで十分です。

午前中に遊覧船から眺めていた摩天崖という高さ257mある崖の上に来ました。
先ほど焼火神社を紹介してくれたタクシーの女性運転手さんが走り去ろうとしていたので、「焼火神社、行ってよかったです!」という気持ちを込めて表情で挨拶しました。
お客さんの女性三人組が乗ってないってことは、ここの遊歩道を歩いているということでしょうか?

うわ〜、すごい!!
ここは一生に一度級の場所だと思いますよ〜。
本当に素晴らしい眺めです。

ドライブ好きにはたまらない道もたくさんありますし。

国賀海岸の方へ降りてみることにしました。(17:30)

途中に居た馬の親子。
このぐらいの子は親のところに飛んで逃げて行くもんなんですが、珍しく遊びに来てくれました。

やって来ました国賀海岸。
尖った「観音岩」の先っちょに太陽が来るように眺めるのが定番なのですが、日没まで1時間あるので、周囲を散策することにします。

まずは通天橋から。
思わず声が出てしまうぐらいの迫力です。(コブ2つの大きさを人との比較で覚えておいてください)

写真で全景を写しちゃうとただの奇岩なんですが、とにかくデカイんですよ。

日没までの時間を逆算しつつ登っていきます。(18:00)
(ここは摩天崖遊歩道と言って遊歩百選にも選ばれている素晴らしい道で、晴天予報の出ている明日歩こうと思ってました)
タクシーの3人組女性グループとここですれ違いました。
彼女たちは下でタクシーにピックアップしてもらえるので、下りだけってことになりますね。
(個人的には下から一往復したほうが良いと思いますよ)

通天橋展望台から摩天崖を見渡します。
摩天崖はここからの眺めが一番迫力満点だと思います。(右上の小屋や崖のヘリの柵と見比べてみてください)

結局摩天崖の上まで登り切ってしまいました。(距離1km、標高差250m、20分弱のちょっとした登山気分)

さて、日没までに下りますか。
(ここの下りは走り出したら止まらないぐらいの急坂なので高所恐怖症の方は足がすくむと思います)

ちょうど通天橋のあたりで夕日が霞の中に沈んでしまい、観音岩とのセットの光景は眺められず。(18:48)
しかし、夕日の本番は明日なのでこれは気にしません。

旅館に戻って来ました。
この旅館は観光協会に予約を入れてもらったんですが、普段は観光客相手ではなく仕事で西ノ島に来ている方(つまり長期滞在のリピーター)を中心に利用されてるんだそうです。
どおりでわかりにくい場所にあって宣伝もしてなかったわけです。
ゴールデンウィークなんかは女将さんが休みたいということで、それほど宿泊客も入れてなかったので、空いていたんだそうな。

本日の夕食。
鯛の塩焼きが絶品でした。
ブリの名前を小さい順にワカシ、ワラサ、イナダ、ブリって覚えていたんですが、イナダとブリの間にメジロってのがあるんですね(60〜70cm)。初めて知りました。
というわけで、刺身はメジロだそうです。(あと、マダイ)
夕
飯を食べていると、後から食堂に50代ぐらいのおじさんと高校生ぐらいの息子さんが入ってきて、私の顔を見るなり「お〜、また会ったな!」と声をかけられ
たのですが、私には二人と出会った記憶がなくきょとんとしていると、どうやら午前中の遊覧船の時に同じ船に乗っていたんだそうです。(私は前から2番目の
席に陣取って外の景色ばかり眺めていたので、後ろの席に誰が乗っていたかは全然気にしていませんでした)
言われてみれば息子さんの方は見かけた記憶がかすかにあります。

二人は今日は岩ガキを食べ過ぎたということで分けてもらっちゃいました。
(この宿の新参者の私はサザエのみ、昔島に住んでて島民紹介でここに来たおじさん親子は岩牡蠣、他のテーブルに座っていた身内常連さんのテーブルには岩牡蠣に加えてアワビも載ってました。私も通えば常連料理に昇格出来ますかね)
食事をしながらあれこれと話が盛り上がり、その勢いのまま港のスナックに行ってカラオケ大会をすることになりました。
というわけで、ハイヤーを呼んで25年ぶりに再会した※というおじさんのお友達含めて土建業の男性達に囲まれ、西ノ島のスナックでお姉さんとデュエット歌ったりしたりしました。
(※おじさんは25年前に一度西ノ島で暮らしていて、その時の同僚との再会を果たすために、そして息子さんに西ノ島を見せるために一念発起してやって来ていたのでした)
カラオケなんて久しぶりに歌いましたよ。
あと、地元の年配の方の話は方言がきつくて半分ぐらいしか聞き取れませんでした。
スナックには向かいの海士町から船で来たなんて人がいたり、本土から最近移り住んで「よそ者」からスタートして島のコミュニティに馴染んでいくス
トーリーや、おじさんの子育て論なんかを聞かせてもらったり、高校生の息子さんが歌う最近の曲(まったく知らない曲ばかり)を聞きつつ楽しい時間を過ごし
最終のハイヤー(11:30)で宿に戻って来ました。
5月5日(日)

これまた、なかなか美味しい朝食。

食べ終わったらすぐに出発します。(7:20)
(昨日遊覧の最後に通った運河。誰かテント張ってますね)

天気予報通り本日は快晴、やはり昨日とは景色の明るさが違います。

珍しく子牛だけが道路に出てきていました。
とうぜんのことながら、このあと必死で逃げて行きました。

再び稜線沿いに伸びる牧場道路へ上がります。
この道は何度走っても最高です。

西ノ島には「スカイライン」と名がつく道が2本あって普通はそちらに行くと思うのですが、ここは「スカイライン」には指定されていないので地元の人ぐらいしか通りません。
(なので、私はここを2日間行ったり来たりしましたが、1台ぐらいしか他の車を見かけませんでした)
摩天崖方面に行くときは、時間に少し余裕があるなら先に外海側に出たほうが良いと思います。

そのまま摩天崖の上までやって来たのですが、放牧されている馬が前足で地面を引っ掻きながら外に出る気満々だったので、今回はパスしました。
左にもう一箇所入り口があるので、そちらを使えば良いわけですが、後で国賀海岸から遊歩道を歩いて摩天崖の上まで来る気で居たってのもあります。

相変わらず表情から感情が読み取れない牛達。

一旦内海側に下ります。

再び西側に登り返して赤尾展望台へ続く赤尾スカイラインを走ります。
片側1車線の走りやすい道です。

頭上を舞うイワツバメ達。

赤尾展望台から国賀海岸、通天橋、摩天崖を望みます。
この日は快晴では有りましたが冷たい風が吹いていて、盛大に靄がかっていたのが残念。

正面方向には馬の放牧地。
まるで絵葉書みたいな光景です。

西側の集落(三度)に伸びるマイナーな道も一応探検しておきます。

途中で見かけた大型のカタツムリ。
たぶんイズモマイマイです。
Euhadra idzumonis
絶滅危惧II類

続いて鬼舞スカイラインへ。

こちらもスカイラインと名付けられるだけあってなかなか景色の良い道ですが、私としては無も無き摩天崖へ続く牧場道路のほうが実はお気に入りだったりします。

鬼舞展望所から知夫里島を眺めます。
昨日、牛の糞の上に荷物をぶちまけた辺りを逆側から見渡しているわけです。
空を舞っているのは島にたくさん居たカラスたちです。

再びスカイラインを戻ります。

未走で残っていた珍崎方面に続く道を走ります。

その道中で見かけた馬の親子。

たまに登場するこじんまりとした集落。

空き家を利用したと思われる談話室。
いいですね〜、こういうの。
大きな地図で見る
というわけで、島内のだいたいすべての道を走ったので、、、

フェリーの出発時間まで国賀海岸で時間を過ごすことにしました。(10:15)
右上が摩天崖、左中央が国賀海岸です。

何度見ても良いところですね〜、国賀海岸は。

摩天崖遊歩道は昨日往復したので今日は歩かなくて良いかなと一瞬思ったんですが、フェリーの出発時刻まで中途半端に時間があるので結局歩くことにしました。

お、今日はコース上で馬が草を食んでますね!

通天橋展望台まで登って来ました。
さっそくコース上に馬がいます。

なんともまぁ、絵になる光景です。

この2頭はかなり人懐っこく、腕や足を甘咬みされたり、「じゃ〜ね〜」と声をかけて歩き始めても、しばらくついてきていました。

再び馬の群れに遭遇。

またもや近寄ってきた馬と戯れていると、横から別の馬に体を押しつけられます。

先ほどの黒い馬がここまでついてきていたのでした。
いやぁ〜、みんなかわいいね〜。

こちらは馬の親子に牛の親子。子どもは両方共寝転んでます。

お母さん牛がこちらに睨みをきかせているので、わざわざ私がコースを外れて通過せねばならないのでした。(写真はしばらく登ってから振り返ったところ。まさにコースの上で子牛が寝てます)
顔を見るなり自ら寄ってくる馬はいいんですが、明らかに警戒している馬や牛にはこちらからはまったく近づけません。

元気よく遊歩道を駆け下っていく子どもたち。
後ろから親御さんが必死に「止まって〜!」と、呼び止めていたんですが、どうやら元々ここを下る予定はなかったみたいで、お父さんが「俺嫌だよ、ここ下ってから登り返すの・・・」と、ぼやきながら子どもを追いかけて下っていったのには笑ってしまいました。

一度摩天崖の上まで登ってから再び下ります。

ちゃんと顔を覚えていたのか、すぐに歩み寄ってくる馬たち。(写真の奥にはまだ遊歩道上で寝ていた子牛と睨みをきかせる母牛。もちろん避けて通りましたよ)

続いて最初に遊んでくれた2頭もやって来ました。
特に黒い子は終始人懐っこく、フェリーの時間が迫ってきているのに、なかなか行かせてくれませんでした。
実に名残惜しい別れでありました。

さて、そろそろ港へと急ぎます。
(急いでなかったら日向ぼっこ中のシマヘビと戯れていたと思います)
レンタカー会社に到着した所で走行距離は124km、4km分はおまけしてくれて支払いは10400円でした。
(島内観光の走行距離としては長いらしく、少し驚かれました)

出港まで10分だけ時間があったので、港の食堂で日替わりランチ(ラッキーな事にメジナの煮魚定食)を食べていたらフェリーの乗船手続きが始まってしまったので、ちょっと焦りました。(12:00)

さよーなら〜、西ノ島!
その3へ