ブラジルドライブ旅行記 11

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幸せいっぱいな気分のまま、頂きます。(17:40)


見た目から「ちょっとくどいかな」と思ったのですが、溶けたチーズの中に大きな鶏肉が埋まっていて、かなり美味しかったです。


ご飯もバターで味付けがしてあって良い味です。


さすが、お兄さんおすすめメニュー。


せっかくコップを持ってきてもらったので、冷蔵庫に入っていたコーラも頂きました。(こちらは後精算で2レアル、88円)


これでも量少なめなのかもしれませんが、かなり多くて全部は食べきれませんでした。


もう、お腹いっぱいです。



東京オリンピック招致運動で滝川クリステルが日本人の「おもてなしの精神」を売り込んでましたが、ブラジル人のそれもなかなかのもんだと思いました。

そんなサービスが5つ星ホテルとかではなくて、こんな「外から見たら廃業してるんじゃないか」って面構えのホテルの若い従業員から受けられるとは思いもよりませんでした。


食後に日本人としてぜひお礼をしておかなければと思い、アンパン(小倉パン)をロビーに持って行き、お兄さんにプレゼントしました。


喜んでくれたみたいで何よりです。



部屋に戻ると、まずはbooking.comで明後日クイアバに戻ってきた時用の宿を予約しました。


あと、ボニートをすっ飛ばしたことで狂った今後のおおまかな予定をあれこれ考え、日程に余裕ができた分で明日から訪れるボンジャルジンに加えて、さらにサルバドールまで足を伸ばしてダイビングをすることにしました。


ちょうど私が訪れる予定の日(1月9日、10日あたり)はお祭りの日(ボンフィン祭り)と重なるみたいなので早め早めの予約が必要そうです。


しかし、この後の行程次第で「やっぱりサルバドールには行く時間的な余裕が無い!」って、なることも十分に有りえるので、無料でキャンセル可能という条件の安宿を探して予約しておきました。


あと、なんでさっきはスマホから電話がかけられなかったんだろうと思って調べてみたところ、長距離電話をかける時はなにやら指定された番号みたいなものを最初の数字に加える必要があるというところまではわかったのですが、ではそれが何番なのかという肝心な部分がわからないままでした。

しかし、今すぐ電話をかける喫緊な要件もありませんし、「まぁ、いいか」と、流して、とりあえず寝ることにしました。

(帰国後に調べてみたら、このサイトなんかがわかりやすく書いてるので今ならかけられそうな気がするんですけどね)




1月2日(木)6日目




朝6時頃起床。



この旅が始まってからずっと快便なのですが(わりと旅先では便秘になることが多い私ですが)、今日も朝から自然にお呼ばれです。



シャワーも浴びてリフレッシュ。


さすが、値段の高いホテルだけあって、電気式湯沸し器でなく専用の蛇口がついており、ちゃんとお湯が出ました。







7時になったので1階のロビーに降りてみると、だいぶん西に移動してきたからか、外はまだ真っ暗です。



ロビーのソファーでスタッフのお兄さんが仮眠を取っていたのですが、顔を見ると昨日の親切なお兄さんとシフトチェンジしてしまったみたいで、ちょっと残念でした。



ふと、受付の壁に付けられていた時計に目をやると、6時を指しています。


あれ? と、思いつつ自分の腕時計を見ると、こちらはちゃんと7時になってます。


受付の時計が間違ってるってことも無いでしょうから、こりゃぁ時差があるってことなんでしょう。



部屋に戻ってブラジル国内での時差についてネットで調べてみたところ、今いるマッドグロッソ州やボニートのあるマットグロッソドスル州はサンパウロと1時間の時差があることが判明しました。


いや〜、今まで気が付きませんでした!

誰かと待ち合わせとかしてなくて、よかったです。




というわけで、改めて正しい7時まで部屋で待機してから食堂に顔を出してみました。







なるほど、昨日の夜にお兄さんが持ってきてくれたフォークやナイフはここのものだったのですね。


一旦部屋に戻って、昨日借りたフォークやらナイフを食堂に返しておきました。










ハムはちょいと塩っぱかったんですが、味と品揃えは値段を考えれば及第点です。

とりあえずお腹は満たされました。




受付のお兄さんに車の修理の件を尋ねてみたところ、ちゃんと引き継がれていました。


パソコンの翻訳サイトを画面に出してもらい、修理店のオープン時間を尋ねると「朝8時から」ということだったので、もう一度部屋に戻ってネットで今後の予定なんかを調べながら時間を過ごしました。


昨日からあれこれ調べていたおかげで今後の予定もだんだん決まってきたので、取れる宿は先回りして取っておこうと宿を探し始めたところで8時になってしまったので、ひとまず予約は後回しにして修理を先に済ませることにしました。



ロビーに顔を出したところ、別段修理店のスタッフが来ている雰囲気は無かったので、修理店の雰囲気を見ておこうと考え、自ら訪問してみることにしました。


ホテルから1分ほど歩いたところにそれっぽい店があったので、中に入ってみました。


車の修理店というよりはカーオーディオなどの電装部品取り付け専門店に見えたのですが、対応してくれたおじさんに状況をジェスチャーで話すと、「じゃぁ、君の車を見てみよう」という話になり、おじさんと二人でホテルに向かいます。
(英語は通じないので、互いにジェスチャーで会話)




ホテルの前に停めてあるVoyage号のバンパーを見せると、「うん、これなら直せるよ」という話になり、、、








おじさんを助手席に乗せて修理店に移動しました。

(写真はホテルの前の道は一方通行でまっすぐ行けなかったので、市街地をぐるっと遠回りして向かってるところです)



車を修理店に入れると、すぐにバンパーの下を懐中電灯で照らしながら覗きこんで詳しく状態を確認し、店の奥から何かを持ってきたなと思ったら、なんと割れて外れかかっていたパーツの交換部品(たぶん中古)でした。(それも左前用を2枚。もちろん使ったのは割れた分の1枚)


ありとあらゆる部品が置いてあるような大きな店じゃないですし、(むしろ小さくて、ここで直せるんだろうか?と思ったぐらいの規模です)まるで私がこのパーツを割って修理を頼むことを前もって予測していたかのような話で驚きました。






ジャッキアップしてから角材を使ってバンパーの骨組みの曲がりをテコの原理を使って「グイ、グイ!」っと手際よく直していきます。


修理の様子を眺めていると、別のおじさんが砂糖入りのレギュラーコーヒーを出してくれ、横に停めてあった車の車載DVDデッキを使って音楽を聞かせてくれました。


そして、


「ぜひ、運転席で聞いてくれ」


と、薦められたので無下に断るわけにも行かず、その車の運転席に座り、大音量で流れるラテン系アーティストのコンサートDVD映像を一人で鑑賞します。
(横で自分の車が修理されてるので、なんともシュールな光景でした)







ちなみにこんな感じです。



しかし、音楽そのものはなかなか良い曲だったのと(私はラテン系の音楽が大好きです)、これも何かの縁かと思い、鑑賞を薦めてくれたおじさんにアーティストの名前を教えてもらい(DVDのジャケットを見せてもらいました)、後で購入することにしました。



修理の方は30分強で完了。



バンパー本体の割れた部分はどうにもなりませんが、必要なパーツは交換されましたし、歪みもなくなり、ぱっと見は壊したことがわからないぐらいの状況まで戻りました。


これで十分です。


個人的な予想としてはバンパーの目立たないところの割れで修理代を請求されるってことは無いはずという読みです。



料金はパーツ代40レアル、修理代60レアルで合計100レアル。(4400円)



まぁ、パンクの修理代から考えれば、そんなもんでしょう。







支払いが終わると、おじさんが「これを君に」というジェスチャーとともに先ほどのDVDをプレゼントしてくれました。


いやぁ〜、驚くと同時に嬉しかったです!



アンパンを持ってきていれば即お返ししたかったのですが、持っていなかったので精一杯のお礼を言って受け取りました。



帰国後に聞いてみたんですが、なかなか良い曲がたくさん入ってました。

Henrique, Claudinho and Pescumaらによるトリオがクイアバで2007年9月にクイアバで開催した「Rasqueia Brasil」というコンサートのDVDでした。


Youtubeに上がってるものでおすすめをいくつか。






É bem Mato grosso タイトルを日本語に直訳すると、「すばらしきマットグロッソ」






Yasmin Lucasの「Pantanal」 

最初「パンタナール」というド直球なタイトルを見た時は吹き出してしまったのですが、突然おじさんが舞台から消えて若い女の子が出てきて曲を歌い始めたら、そのまま黙って聞きいってしまいました。

この曲は普通に日本でも好まれる曲だと思います。

ちなみに、クイアバ出身の彼女はこの時17歳ぐらいで、レコーディングしたのは7歳の時。元曲を探したら、全然キーと声色の違う曲が出てきたので驚きました。(導入部が長いので50秒ぐらい飛ばして大丈夫です)

Wikipediaみたら映画ポケモンの主題歌(たぶんブラジル版)なんかも歌ってて、今では世界的に知られたアーティストみたいですよ。










パンタナールつながりで、「Trem do Pantanal」 (パンタナール列車ってところでしょうか)
YoutubueにDVDバージョンが上がってなかったので、別のAlmir Saterというアーティストのバージョンですが、これまた良い曲です。






あとは、女性客が舞台前に押し寄せたイケメンアーティスト、Zezé Di CamargoのアコーディオンによるインストゥルメンタルのRiozinhoという曲も良かったのですが、こちらはYoutubeに上がってなかったので、こちらのサンプル集のトラック2の8番目の曲を聞いてみてください。






Riozinho自体はこんな曲です。Jorge Luiz E Fernando

心に染み入るメロディで、Riozinhoの自然と友を想って歌った歌のようです。


好きな曲が増えました。


おじさん、ありがとう!



さて、クイアバでの話に戻します。








というわけで、ぱっと見わからないところまで直りました。



一旦部屋に戻って朝の続きで宿の予約を取ろうかと思ったのですが、それは今晩宿ですればいいかと判断して、昨晩飲んだコーラを精算してチェックアウトを済ませ、ボンジャルジンに向けて出発しました。









ボンジャルジンに行くためには、クイアバの中心街を反対側に抜けていかなければならないのですが、肝心の立体交差点が工事中になっており、これがまたGoogleMapナビがそのことを認識してないので、何度リルートさせてもその交差点を通過させようとしてしまいます。(最初、そのことに気が付いておらず、指示されるままに走っていたら、再び同じ工事中の立体交差点に出てきてしまいました)


とくに立体交差するような場所は他の交差点では代替できなかったりするので、えらい遠回りしないとならないのが困りモノです。

その、遠回りする道も一方通行で進めなかったり、右左折禁止のオンパレードで、なかなか思い通りに走れません。


そんなこんなで、あちらこちらで工事箇所に遭遇する度に迷走しながら、最後はGoogleMapナビは諦めてOruxmapsで現在地だけ表示させながら方向感覚のみで走って、なんとかクイアバの街の外れまでやって来ました。


クイアバ市街を出る前に給油を済ませようと思っていたのですが、迷いながら走っている最中にちらっと見かけたスタンドより高い料金の店ばかりが登場するので決断できないまま走っていたら、本当の街外れまで来てしまったので、観念して最初に目に入ったガソリンスタンドに入りました。


すると、今度はエタノールが売り切れだと言うので、次のスタンドで入れようと思って走っていたら、そのまま街を出てしまいました。



燃料メーターの針はすでに「E」の文字の真ん中らへんまで来ていて、Voyage号がここからどのぐらい走れるのか想像がつかず、一瞬街に戻ろうかと思ったのですが、「まぁ、すぐに次のスタンドが登場するでしょうし、普通はここから50kmから100kmぐらいは走れるでしょう!」と考えて、そのまま走り続けました。










景色はなかなか良いのですが、燃料の件があって今ひとつ楽しめません。



一瞬、このまま果てしなくガソリンスタンドが登場しなかったらどうしようという恐怖感に襲われたのですが、50万都市の近郊部で当然そんなことは無く、あっけなく次のガソリンスタンドが登場して一安心です。



しかし、料金はこれまでの経験でちょっと高めだと感じている「BP」の店



まぁ、選択の余地なしなので仕方ありません。



安いガソリンスタンドを探して走ったのが完全に裏目に出ました。



543km、51リットル、107レアル。(4710円)


ちなみにVoyage号のガソリンタンク容量は後で調べたら55リットルだったので、50kmは走れるだろうと思って走っていたら危ないところでした。



トイレを借りたら水が床に溢れていてひどいことになってました。

まぁ、海外ですしこういうのは仕方がないですね。



朝飯をしっかり食べたにも関わらず、何故か口寂しく感じたので売店で半月型の調理パンを買ってしまいました。(2.5レアル、110円)

これはツナチーズ味でミートパイに近い感じで、なかなか美味しかったです。

久しぶりの当たりでした。



その後、スピードの遅いトラックの後ろを走っていて思ったのですが、バンプでトラックが何の前触れもなく急減速するのがえらいおっかなかったです。(トラックが邪魔で私からはバンプの存在が見えてないので)

なので、雪道走行並に車間距離を取りつつ走って行きます。



あと、日本車ではトヨタとホンダの比率が高かったのですが、よくよく観察してみると三菱の車もそこそこ走ってました。

パジェロとかアウトランダーなどのRV系ばかりですが。









チョイスした道はMT-010号線という州道なのですが整備状況はとても良く、クイアバ近郊から離れると交通量も減ってきて、景色も良くて快調に走って行けます。









ロザリオ・ウェステ(Rosario Oeste)の街でBR163・364号線に入ってノーブレス方面に向かいます。










さすが幹線道路、片側2車線です。



あっという間にノーブレス(Nobres)に到着し、ここからボンジャルジンに向かうためにMT-241号線に入るわけですが、、、









ありゃりゃ、未舗装路になっちゃいました。



ノーブレスで昼食を調達してからボンジャルジンに行こうかと思っていたのですが、ノーブレスは想像以上に小さな村なのでした。

(帰国後に調べたら、ただ単に私が街の中心部を外して走っていただけでしたが)










一応スーパーがあったので立ち寄ってみることにしました。(11:00)




生肉やら生鮮食品などは扱ってましたが、ファストフード的なものはなかったので、まぁ、ボンジャルジンで食べればよいかと考えて、先に進むことにしました。










ノブレスからボンジャルジンまで60kmほどあるのですが、この調子だとたぶん全線未舗装路なのでしょう。

とは言え、泥状態から乾いて洗濯板状態になってる所以外は、基本的に走りやすかったので、これなら大きな問題は無さそうです。



後は石に注意してタイヤをパンクさせなければOKです。










この辺りは農地の開梱がそれほど進んでないらしく、樹木も多くて独特の景観が広がっていました。

ちょうどセラードとアマゾンの境界近くなので、植生も変わってきているような気がします。


そして、車のすぐ上をコンゴウインコのペアが飛んで行くのに見とれてしまいました。








ありゃ、大丈夫ですかね?これ。



そろそろっと侵入してみます。



、、、、




底は硬くて大丈夫でした。








その後もジャングルっぽい景色が続き、探検気分になってテンションが上ります。

ブラジルをドライブすると言われて真っ先に想像するのは、こういう光景ですよね。









エマス国立公園でも渡った木製の橋です。


車の車重に耐えられるのかどうか自信が持てず、進入するときはちょっと緊張しました。









ノーブレスからしばらく走ったところで分岐が登場しました。


とりあえず看板に書かれている通りボンジャルジン方面に進みます。









未舗装路ながらもなかなかの快走路が続きます。











と、調子に乗ってスピードを出しているとカーブで四輪ドリフト状態になったりするので、ここは慎重に走ります。











その12へつづく