
道端にあった川の水がとても透き通っていて気分は大盛り上がりです。
ここら辺はパンタナールの水源地帯の1つで、ボニートと同じ石灰質の大地を通過した澄み切った水が湧いてくるのです。そこで川遊びをするのが本日の目的です。

GoogleMapが正しければ、ここの分岐を左に入れば予約していた宿に到着できるはずなのですが、ブラジルではGoogleMapの正確性に今ひとつ信用が置けないので、先にボンジャルジンの中心部に行ってみることにしました。

その分岐(1)から(3)のボンジャルジンに向かって少し進んだところで、(2)のロータリー交差点に到着しました。
右下へ続く道はクイアバからまっすぐボンジャルジンにつながっている州道なのですが、なんとその道は舗装されていたのでした。
とある旅行代理店のホームページに地図が掲載されていて、ノーブレスから来る道もクイアバから来る道も両方ともに未舗装路で、ノーブレス経由のほうが本命っぽかったのでそちらを選択したのですが、なんか、遠回りの上に未舗装の道をチョイスして走っちゃったみたいです。
まぁ、でもジャングル走行気分を味わえたので良しとしましょう!

そして、MT-241号線も(2)の交差点を過ぎた場所から舗装路に切り替わりました。

程なくボンジャルジンと呼ばれる小さな村に到着しました。
地球の歩き方はもちろんのこと、ロンプラにすら載ってないマイナーな観光地です。
湯川さんが紹介してくれなかったら、私も知ることすら無かった場所です。

道端に都合よく地図があったので確認してみたら、縮尺が10km単位のもので、まったく役に立たないものでした。

というわけで、看板のすぐ近くにあった旅行代理店に立ち寄ってみることにしました。(12:30)
対応してくれたおばさんに「Pousada Reino Encantado(今日泊まりたい宿の名前)はどこにありますか?」と尋ねてみたところ、、、

手書きの地図のコピーを出してくれ、行き方を懇切丁寧に教えてくれました。
これを見た感じでは、GoogleMapに登録されていた場所であっていたみたいです。
GoogleMapも9割以上の正確さがあれば十分信用できるんですが、確率的に五分五分なんですよね、今のところ。
おばさんにお礼を言ってから旅行代理店を後にします。

宿に向かう途中で広大な大豆畑地帯があったので、ちょいと立ち寄ってみました。
いやぁ、相変わらずすごいスケールです。
そして、今日は天気が良いので、実に気分が良いです。

さきほどの(1)の交差点から脇道に入ります。

道路は牧場の真ん中を抜けて続いています。

ここの牛は道路が好きなのか(草が豊富?)、やたらと道路際に集まってます。
今までなかった光景なので、ちょっと不思議でした。

先ほどもらった地図に「レストラン」って書いてあった場所に建物があったので、腹ごしらえのために立ち寄ってみることにしました。
中に入ると普通の民家風の建物で、ファミリーがくつろいでいたのでお母さんっぽい人に、「ここはレストランですか?」と尋ねてみると、「違いますよ」とのこと。
ありゃ、そうでしたか。それは失礼いたしました。
なんか、普通の民家に迷い込んじゃったみたいです。
では、先に進みましょう。

うーむ、牛が道路でくつろいでます。
やはり、ここの牛は道路が好きなんですかね?

あ、宿発見!(左奥)

無事に到着しました。 Pousada Reino Encantado Lagoa Azul
さっそく車を停めてレセプションに行き、若い女性スタッフに自分の名前を告げます。
何やらポルトガル語で返事をされてさっぱりわからず困っていると、
「どうしました? お助けしましょうか?」
と、少し離れたところに立って居た50代ぐらいの白人男性が英語で声をかけてくれました。
「ぜひ、お願いします」
と、男性に通訳をお願いし、自分が昨晩ホテルのスタッフにお願いして旅行代理店経由でここに予約を入れたことを女性スタッフに伝えてもらいます。
そして、返ってきた言葉は、
「あなたの予約は入ってないらしいですよ」
という、衝撃的な返事。
さらに男性が気を利かせて、
「あなたが申し込んだのはどこの代理店ですか?」
と、質問されたので、タブレット端末を取り出して確認しようとしたら、こんなことになるとは予想しておらず調べるときに開いたホームページはホテルを出発する前にご丁寧に全部閉じてしまっていたのでした。
慌ててスマホをネットにつないで再検索してページを出そうとしたのですが、アンテナが圏外表示でネットにつながらず、男性に「Wifiは使えますか?」と、質問したところ、「ここはネットどころか携帯の電波も入らないよ」、とのこと。
これはマズイ!
先ほどの私からの質問で状況を察してくれたらしく、
「予約をしてくれたホテルの男性スタッフの名前は?」
と、さらに質問されたのですが、
「わかりません」
としか、答えようがなく、
「では、ホテルの名前は?」
「それもわかりません」(覚えてませんでした)
と、答えたところで、そういえばホテルの外観写真を撮ってたんだと思いだし、デジイチを取り出して撮影した画像を引っ張りだしてホテルの名前だけはわかりました。
しかし、ホテルの名前がわかったところで予約の確認のしようもなく、(たぶん代理店で情報が止まってたんだと思います)、途方に暮れかけていたところに、
「この宿は部屋数が少ないんだよね」
と、男性が追い打ちを掛けるような話をしかけたところで、女性スタッフが男性に何やら話をしはじめました。
それを通訳してもらうと、
「今日、ここの宿空いてるみたいですよ」
との、こと。
いやぁ、よかったよかった(笑)。
というわけで、女性が差し出した紙に申込内容を書き込みます。

料金は一泊2食付きで160レアル(7040円)、今から食べられる昼食が35レアル(1540円)、川でシュノーケリングが70レアル(3080円)とのことで、全部まとめて申し込みました。
料金は後払いで現金のみ、こんなこともあろうかとATMでお金をおろして補充しておいて良かったです。
Androidの標準ブラウザーはたとえタブを閉じていなくても、一度オフラインにしてからネットに繋がらない状態で再起動すると「ページが取得できません」という表示に切り替わってしまう困った仕様なのですが、Chromeブラウザーはキャッシュがちゃんと残っていて、オフライン状態でもある程度はBack機能が使えるので、昨晩調べた内容で残っていた分だけでも再確認できたのは助かりました。
ここで間違えて閉じるアイコンを触ってChromeブラウザーを閉じちゃったらすべてパーになるので、以後は慎重にタブレットの画面を触ることにしました。
先ほど話しかけてくれたおじさんはその後も私のことを気にかけてくれ、ここでの観光について相談に乗ってくれて大変助かりました。
名前はパウロさんという方で、ゴイアニア(ゴイアス州の州都、人口140万人)から家族で900kmほどの道のりを自家用車で走ってやって来たんだとか。
ここには前に一度来て気に入り、今回2回めだそうで、情報をたくさんお持ちで、いろいろ教えてくれました。
パウロさんから「あそこがいいよ」、「ここに行ったほうがいいよ」という話を聞いているうちに昼飯の時間となりました。

昼食を申し込んではいたものの、どんな感じで食べるのかさっぱりわかってなかったので、パウロさんに「カフェテリア形式だよ」と教えてもらって、安心して列に並ぶことが出来ました。

ごはんに大豆をかけて、スパゲティに肉に野菜などを適当に盛りつけます。
ブラジルの食事はヘルシーで良いです。
さて、いただきましょうか! と、フォークを手に持ったところでパウロさんが歩いてきて、「よかったら私達と一緒に食べませんか?」と誘ってくれました。
「ぜひ」と答えて皿を持ってついていくと、テーブルにはパウロさんと奥様、そして20歳ぐらいの若い息子さんが座っていたので、軽く挨拶してそこに加わらせてもらいます。
一瞬ご家族の中に他人が一人交じることで微妙な空気になることを心配したのですが、皆さんフレンドリーに接してくれ、しかも奥様も息子さんも英語が堪能でびっくりしました。
なんでも、5年前まで家族全員でアメリカに住んでいたんだとか。
ご家族同士で話すときも、私に気を使って英語で話をしてくれます。
さらに息子さんはMBA取得のためにこれからアメリカの大学に留学予定なんだそうです。
超エリート一家といったところでしょうか。
はっきり言って英語が一番話せないのは私というお恥ずかしい状態でした。
息子君が「ホンーダ、ナカムーラは知ってる?」と、尋ねてきたので、「もちろん知ってるよ、日本でものすごく有名なサッカー選手だよ」と応じると、「じゃぁ、ジーコは?」と来たので、「もちろん彼も有名人だよ」と答えたら、満足そうな笑みを浮かべていました。
私が首からカメラをぶら下げ、時折ボイスメモをとっていたので、パウロさんは私のことを新聞記者だと思っていたみたいなのですが、私の(ブラジルと無関係な)仕事の話をして、さらに初めて来たブラジルをレンタカーで旅行をしていると伝えたら、えらい驚いていました。
その後、今の私にとっては一番ホットなダイビングの話題になったのですが、やはりサルバドールよりもはるかに北の赤道付近の方が海がクリアーで良いだろうとのこと。
もちろん私もそのことはある程度わかっていて、日程にあと数日余裕があれば行けないわけじゃないのですが、サルバドールに立ち寄るだけでも相当無茶な計画を組んでる状態なので、こればっかりは諦めるよりしかたがないみたいです。
パウロさんはかつてご家族でその赤道付近の海を巡るドライブをした時に「6000kmも走ったんだよ、すごい大変だったよ!」という話を興奮気味にしてくれたのですが、それを聞きながら内心で今回の走行距離を足し算してみると、どう考えても6000kmを超えてしまいそうな気がしたので、こりゃぁ、けっこう無謀なことをしてるんだなぁ、と、改めて思いました。
ちなみに、この宿の昼食ですが、ブラジルに来てから一番美味しかったです。
(はじめて値段の高いまともな宿に泊まったからというだけですが)
パウロさんたちは本日すでにシュノーケリングは体験済みらしく、午後は洞窟探検アクティビティにでかけるということだったので、どのようにシュノーケリングアクティビティに参加するのか説明を先に受けておきました。
会話をしている雰囲気で私がちゃんと話を理解出来てるかどうか不安に感じたのであろうパウロさんは、英語でわかりやすい説明を紙に書いて、私に渡してくれました。
さらにご自身のメールアドレスと電話番号を書き込み、「なにか困ったことがあったら、いつでも電話してくれて良いよ」と言ってくれるのでした。
自分の連絡先もパウロさんに伝えつつ、固く握手をしてパウロ一家が洞窟探検に出かけていくのを見送りました。
なんとまぁ、ホスピタリティあふれる方なんでしょう。
本当に助かりました。
ここでパウロさんが居なかったらと思うと、ちょっとぞっとしました。
さて、これで英語が話せる人が誰もいなくなってしまいました。
私は大丈夫なんでしょうか?
まぁ、ポルトガル語が理解できなくても死ぬことは無いか(笑)
午後になって気温がぐんぐん上昇し、日向には居られないぐらいになりました。
これから川でシュノーケリングをするわけですから、このぐらいで調度良いんでしょうけど、とりあえず今は暑いです。
子ども達がサッカーで遊んでるのかと思ってよく見たら、落ちてくるヤシの実をサッカーボール代わりにして蹴ってました。
さすがブラジルです。

14時半頃、他のお客さん達がシュノーケルの準備をはじめたみたいだったので、自分も車の中で水着に着替えて集団に加わってみると、先ほどの受付の女性スタッフが私のところに来て、「あなたは15時の回に参加してください」ということを、ジェスチャーと表情と、最後は筆談を使って伝えてくれました。
というわけで、なんとなく参加の段取りもわかったので、のんびり15時まで待つことにします。

そして、こんな時に限って、というか、毎日午後は決まってそうなのですが、スコールを降らせる積乱雲が沸き始めました。
「お願いします、シュノーケリングをしている間だけは太陽光線を降り注ぐのを邪魔しないでください!」と、一人で空に向かって祈ります。
しかし、そんな私の祈りは大自然のリズムの前にはまったくもって無力で、結局15時ちょっと前には空一面に雲が広がってしまったのでした。
とほほ。。。
というわけで、持参した度付きの水中メガネ以外のシュノーケルセットとライフジャケットを宿から貸してもらい、ガイドさんかどうかもよくわからない40歳ぐらいの女性の後について皆が歩き始めたので、私もついていきます。

写真は駐車場の奥にある鍵のかかった塀の扉をスタッフのお姉さんが開けてるところです。
こうして閉じておかないと、お金を払わないで勝手に川に入っちゃう人が居るんでしょうかね?
遊歩道を歩いて行くと、突然前を行く男性に、「フォト!、フォト!」と、声をかけられ、何のことかと思ったら、、、

どうやら私のカメラで集合写真を撮れということでした。
私が一番まともなカメラ(ミラーレス一眼)を持っていたからだと思いますが、当然のことながら、ガイドのお姉さん(一番左)含めて皆さん写ってますが、私は写ってません。
なんともまぁ、酷い話です(笑)
そう言えば、今写真を見て気がついたんですが、サンダルも貸してくれたんですね。
たぶん脱げないように専用のものを貸してたんだと思いますが、私はクロックスサンダルを履いてたので、借りなくても問題なしだったので、今の今まで気がついてませんでした。

その後はジャングルのように木々が生い茂る遊歩道を5分ほど皆で歩いていきます。

泉が見えたところでガイド役の女性が立ち止まったので、ここがスタートポイントかと思ったのですが、どうやらここではないみたいです。

少し泉の説明を聞いてから(当然私は理解できません)、再び歩いていきます。
そして、ボンジャルジンについて調べている時に散々写真で見ていた光景が目に飛び込んできました。

おぉ〜、魚がいっぱい泳いでる!
1匹が40cmぐらいある大きな魚がゆったりと泳いでいて、かなり私好みの光景です。
そうそう、ブラジルに来て、(ボニートで)こういう光景を見たかったのですよ!
ここまでは最後尾をのんびりと歩いていたのですが、皆が水に入るのを躊躇している間に一気に先頭に立って迷わず水の中に入りました。
(最後の人が入るまで5分ぐらいかかっていた気がします)
どれどれ、、、、

おおおお、青い! (半水面写真)

そして、すごい透明度!
魚たちは人馴れしてるのか、私のことを気にせず目の前を泳いでいます。
わりとたくさん居るのは熱帯魚屋でよく見かけるカラシン目の仲間でPiraputanga(Brycon microleps)という魚で、たまによく似た魚でドラド(Dorado (Salminus brasiliensis)という釣りに好まれる金色の魚が混じっていたりします。

ありゃ、コロソマですね。日本の熱帯魚売り場でもたまに売ってる魚で、小さいサイズのはピラニアそっくりの魚です。tambaqui (Colossoma macropomum)
天然物は初めて見ました。
一匹一匹が大きいので、なかなか迫力があります。
その13へつづく