
しかし、マテウスくんが言うとおりで宿の近くにしかレストランはなかったので、結局先ほど確認はしたけどオープンしてなかったレストランに入りました。
テーブルはほぼ満席状態だったのですが、離れがあって、そこのテーブルには誰も座ってなかったので、スタッフに声をかけてそちらに座らせてもらうことにしました。
メニューを見ると、実はここもピザ屋さんでした。
うーむ、本当にピザ屋が多いですね、、、
髭もじゃの男性スタッフにおすすめのピザを質問したら2つほど教えてくれたので、そのうちの一つと、あとはドリンクを1つ適当に頼みました。
(人様のことを髭もじゃなんて書いてますが、私も髭を剃ってないので、相当髭面になってます)
そして、旅の余韻に浸りながら一人静かに料理を待ちます。
と、そこにメインの部屋からお子様が駆け込んできました。

なぜか部屋の中で踊りだすお子様たち。
これが日本のファミレスだったら、「お父さん、ちゃんと躾けてよ」と思っちゃうところなのですが、外国に居たからか、この時はまったく気になりませんでした。

それよりも、適当に頼んだココナッツミルクシェーキがめちゃくちゃ美味しくて驚きました。
日本人の舌に合う味です。(お値段はちょいと高くて12レアル(540円))

店が混んでることもあって、なかなか注文したピザが出てこないので、本日の日記を書きながらのんびり待つことにします。
最初は私一人で静かだった離れでは相変わらずお子様が暴れ回っており、他のテーブルにもお客さんがボチボチと座り始めました。
私自身もそうなのですが、誰も子どもを叱ったりしません。
(あとで本を読んだら、ブラジルはそういう文化なんだとか)
というわけで、髭もじゃ男性スタッフお勧めのピザが出てきました。

いやぁ、びっくり! こんなにオシャレで美味しそうなピザだったとは・・・
てっきり、大晦日に食べたような、量が多くて大味なピザが出てくるんだろうと予想してました。
乗っているチーズも絶品で(日本ではあまりお目にかからない酸味の強いクリーミーなチーズです)量も少なく余裕で完食できました。
美味しかったので、むしろ量が足りなく感じたぐらいです。
ちなみにピザもココナッツミルクシェーキと同じ12レアル(540円)です。
そのココナッツミルクシェーキの量が多かったので、両方足してちょうど良いぐらいでした。
後でマテウスくんに聞いたら、このレストランがアルトパライーゾで一番オススメの店だったとか。
適当に入ったのですが、我ながらナイスチョイスでした。
クレジットカードで精算し、髭もじゃの店員さんに親指を立てながら「おすすめのピザ、とても美味しかったです」と伝えてから、宿に戻りました。
部屋の中だとWifiの電波が入りにくいので、少し寒いですが外のテラスでタブレットを使って明日以降の情報を集めました。
今のところの計画では、明日トレッキングをした後は2日かけてサルバドールに移動してダイビングを楽しみ、同じく2日かけてオウロプレット経由でサンパウロに戻るという行程になっているのですが、Googlemapで走る予定のコースを眺めながら、いよいよ旅の後半戦に入ってきたんだなぁと感じるとともに、事故にだけは気をつけて旅を無事に終わらせようと改めて心に誓ったのでした。
そうこうしているうちに良い時間になったので肌寒いのにもかかわらずシャワーを浴びたのですが、シャワーからお湯が出てきて驚きました。
というのも、今までこのタイプの電気シャワーでは必ずと言って良いほど水しか出てこず、まぁ電気式はこんなもんかと諦めていたからです。
シャワーを使用すると部屋の電気が少し暗くなるぐらいだったので、このタイプの電気シャワーはかなりパワーを食うんだということが改めてよくわかりました。
(なので、下手したら今までの宿は元電源を切っていたのかもしれませんし、ただ単に壊れていただけかもしれません)
ちなみに、ここの宿もトイレに中東方式のシャワーが付いてるタイプでした。
ゴイアス州ではこれが標準なんでしょうね。
改めて思い返してみると、この宿はスタッフの人数も多く、どこも清潔に保たれてるし、シャワーはお湯が出るし、何もかもがまともでした。
近所のレストランのピザも美味しかったし、ここは良い街だなぁと思った次第です。
まだ肝心の国立公園をトレッキングしてないのですが、きっとここは観光地としてそのうち世界的にメジャーになるんだろうなぁと、この時点で思いました。

ヴェアデイロスにはこのアルトパライーゾ村(2)以外にも、国立公園の玄関口(3)にサン・ジョルジェ(Sao Jorge)という小さな村があって、むしろそちらのほうが観光客の宿泊利用が多いらしく、私が最初に予約を取って「銀行から24時間以内にデポジットを振り込んで」と言ってきた宿はそちらにありました。
セラードの手付かずの自然として保護されている世界遺産エリアとしてヴェアデイロスとエマス、2つの国立公園があるわけですが、こちらの発展具合を見るにつけ、もう一方のエマス国立公園の何も無い具合はいったい何だったんだろうと改めて思うのでした。
まぁ、2箇所とも日本人がほとんど行かない、日本語の情報がほとんど無いという意味では同じなのですが。
(試しに日本語でヴェアデイロス平原国立公園を検索しても、日本語で書かれた旅行記なんてまったく出てこないんです。逆にエマスは光る蟻塚がテレビ番組で紹介されたこともあって、それに関する情報や湯川さんHPなどが少しだけ出てきます。とは言え、エマス国立公園の入口がどこにあるのかわからなかったのは、この旅行記に書いたとおりです)
それはともかく、明日のトレッキングが楽しみです。
さて、そろそろ寝ますか。
※帰国後に旅行記を書くためにあれこれ調べていたら、実はセラードの開梱に日本が関わっただけでなく、ヴェアデイロス平原国立公園の環境保護にもJICAが深く関わっていたのでした。
ほとんどの日本人が知らない歴史の一コマといったところでしょうか。
大きな地図で見る
本日の走行ログ 総走行距離 546km
1月7日(火)11日目
5時半ごろに目がさめたので、タブレットを使って今後の計画を練ったりして時間を過ごします。

次第に外が明るくなってきました。(6:45)
そういえば、そろそろ洗濯をしなきゃダメだったんだと、こんなタイミングで思い出しました。
今回、下着類を全日程分は持ってきて無くて、そろそろ着るものがなくなってきていたのですが、幸いこの宿にはランドリーが併設されているので、そこを使わせてもらうことにしました。
ランドリー小屋には洗濯機が5台ぐらいあって、サイズもメーカーも違うタイプが置いてあったのですが、とりあえず目についたGE製の15kgタイプの巨大な奴に下着類やTシャツを放り込み、持参した洗剤を入れて適当にスタートスイッチを押しました。
早めに洗濯が終わるようにつまみは「TURBO」と書かれている場所にあわせておきました。
動かしてみると思いの外作動音がうるさくて、いくら離れに設置されているとは言ってもまだ他の宿泊者は寝てる時間ですし迷惑かな〜と思ったのですが、まぁ、洗濯そのものは数分で終わるだろうと、そのまま続行させました。
しかし自分の部屋に戻ってみたら、余裕で「ゴオオオオ、ゴオオオオオ」、っと低い音が聞こえてきたので気が変わり、一旦洗濯を中断することにしました。
ところが、一度動き始めた洗濯機は何をどう弄っても、洗う動作が止まりません。
コンセントを抜けばさすがに止まるのですが、コンセントを挿すと洗う動作を再開してしまいます。
結局何を試してもダメだったので、一旦コンセントを抜いて洗面所で自力でゆすいでから絞り、中庭のロープに干しておくことにしました。
海外製の洗濯機って直感で操作できないもんなんですね。
そんなことをしていたら微かに腹痛を感じたのでトイレに行くと、便がすこし緩くなってました。
しまった、腹を壊しましたかね・・・
よりによって、こんなトレッキングの日に・・・
気休めにしかなりませんが「下痢止めストッパ」を飲んでおきました。
しばらくすると、宿の女性スタッフが中庭を歩いていたので呼び止めて、洗濯機の止め方がわからずにコードを抜いて止めたことをジェスチャーで伝えました。
あれこれしているうちに、朝食の時間になりました。

メニューはいつものスタイルです。
パンやハムを頬ぼっていたら、背後からマテウス君が本日のランチボックスを持ってやって来て「一緒に食べてもいい?」と言いながら、テーブルの向かいに立ちました。
「もちろん」と答えて着席を促します。
ランチボックスを受け取り、あれこれ日常会話をしている時に、なんとなく気になってマテウス君の年齢を尋ねたら、なんと20歳とのこと。
若い!!
白人って大人びて見えるのと、マテウス君はヒッピー風な風貌で年齢不詳な感じなので、もうちょっと上の年齢かと思ってました。
マテウス君が慣れた手つきでパンにナイフを入れ、端まで切らずに少し残して半分に開き、ジャムとバターを塗ってからチーズとハムを挟んでサンドイッチを作っているのを見て、「そうか、そうやって食べるんだ!」と、今頃わかりました。
今までハムとパンを別々に食べて、口の中でサンドイッチにしてました(笑)。
「もう出発の準備は出来た?」
と、尋ねられたので時計を見ると、あと15分で9時になるところでした。
洗濯機止められない騒ぎやら何やらで全然出発の準備をしていなかったので、食べ終わるとすぐに部屋に戻って準備を済ませ、Voyage号にマテウス君を乗せて慌ただしく出発しました。

(1)のアルトパライーゾ村から(2)のサン・ジョルジェ村に向かってGO-239号線を西に走っていきます。

天気が景色も良いので気分よく走っていると、目の前を飛んでいった小鳥がなぜか目の前で急にUターン!
避ける間もなくフロントバンパーに「コン!」と、当たります。。。
マテウス君はこの時、明後日の方向を見ていて気がついてなかったみたいだったので、あえて知らせず、一人でブルーな気分になってました。
野生動物の多い国をドライブをしていると、たいてい一回は起こるんですよね、こういうことが。。。

道路沿いにカメラマークの看板が立っていて、マテウス君が「ここで停めて」というので、車を停めました。
どうやら撮影ポイントのようです。

この辺りを構成する特徴的な「シャパーダ(chapada卓状地、オーストラリアやアフリカなんかでもよく見かけた台形型の台地)」という地形についてマテウス君がいろいろ教えてくれました。
そういえば国立公園の正式名称はシャパーダ・ドス・ヴェアデイロス平原国立公園(Chapada dos Veadeiros National Park)でした。
この地形のことを言っていたわけですね。
そしてマテウス君、二十歳の非公式ガイドにしてはえらい堂に入った説明です。
マテウス君自身もシャパーダの景色に魅せられて、こちらに働きに来たのだとか。
納得の眺めです。
このエリアで動物はたくさん見られるのか尋ねてみたら、「滅多に見られない」とのこと。
Wikipediaにはいろいろ動物が居るって書いてはありましたが、トレッキングコース周辺には生息してないんでしょうね。
では、動物との遭遇は期待しないことにしましょう。

引き続きシャパーダの絶景を眺めながら快調に走っていきます。

久しぶりに平らじゃない地形が続いてます。
360度の地平線もいいですけど、見上げる景色も良いですね〜。

マテウス君が紹介してくれた2つ目の展望ポイント。
写真の右側の岩山、全部写ってませんが「Whale Hill」(鯨丘)だそうです。
生えてる椰子の木は「Buriti Tree」という名前です。
写真では捉えきれないスケールの大きな眺めです。
5分間ぐらい2人でボーっと眺めてました。

そして、未舗装路になりました。

マテウス君が「未舗装路は60km以下で走ってね」と言うので、きっちりそれを守って走ります。
(普段は制限速度の70〜80kmぐらいで走ってます)
サン・ジョルジェ村に近づいたところで、マテウス君が右折のハンドサインを出したので脇道に入りました。

すると、いきなり巨大な水たまりが登場!
まぁ、マテウス君が走れって言った道なんだし大丈夫だろうと思いつつ、念のため片輪は路側帯に残して慎重に進んでいきます。
幸い水たまりの底はぬかるんでなかったので、難なく通過出来ました。

次の交差点でマテウス君がどちらに進むのか指示を出してくれなかったので、「どっち?」と尋ねたら、
「たぶん左」
と、言ったので、ここでマテウス君が実は道をよく知らないんだということに気が付きました。
(先ほどの脇道にしても、地図で見たところ明らかに一本手前で入ってましたし)
つづいて「ウーーーーーン・・・・・・・、右!」という感じの指示だったので、「大丈夫かいな」と内心で思いつつ、言われたとおりに右に曲がって進んでいくと、「国立公園」の案内看板が登場したので、ようやくこれで正しい道に乗ったんだと確信して二人して胸をなでおろしたのでした。
(まぁ、改めて見れば迷うほど複雑な場所じゃないですが、私はよくわかってなかったもので)

サン・ジョルジェ村の中を進んでいきます。
観光客がたくさん訪れる村ですから、だいたいが宿や土産屋さんなのでしょう。

あ、あの宿、booking.comで写真を見たことがある、と内心で思いながら進んでいきます。

村を越えてからもしばらく未舗装路を進んでいきます。

その後何回か分岐が登場しますが、ちゃんと案内看板が出ているので迷うことなく進んで行けます。
昨晩泊まった宿の受付に貼ってあったコース紹介のポスターに、本日行くコースの欄に「23km」という数字が書いてあったので、てっきりサン・ジョルジェ村から悪路を23km走るのかと思っていたのですが、、、

村から5分ほど走った道路脇に車がたくさん停まっていて、マテウス君から「ここだよ」と言われて初めて自分が国立公園ゲートの駐車場に着いていたことがわかりました。(9:45)
トレッキングを開始する心の準備がまったくできていなかったのと、宿を慌てて出発した時にちゃんとパッキングができていなかったので、あたふたと荷物を背負って出発しました。

駐車場の奥に建物が見えてきました。
どうやらここが国立公園の管理事務所のようです。
中はブリーフィングルームのようになっていて、他の団体さんが壁に貼られた地図や案内資料を使ってガイドさんから説明を受けてました。

団体さんが移動すると、マテウス君が同じように国立公園について説明してくれました。
なんでも、ここ数年の農地開拓や火事でシャパーダ周辺の原生林の面積が一気に10分の1にまで減ってしまったのだとか。
逆に言えば、誰かが「保護しなきゃ!」って気が付いて行動を起こさなかったら、その10分の1の面積すら残らなかったってことですよね。
その27へつづく