ちょうど都合よく目の前にガラス張りの高級なレストランがあったので、そこにスマホを持って入っていきました。
中には蝶ネクタイ姿のボーイさんが何人か立っていて、汚い格好の私を怪訝な目つきで見てるように感じましたが、気にせずレジのところに行ってスタッフさんにスマホのメールを見せながら、「ここに行きたいんですけど」と尋ねてみました。
すると、「ポザーダなら、そこにあるよ」と、ゲートの先を指さします。
そっか、Pousadaは「ポウサダ」じゃなくて「ポザーダ」だった!
というわけで、お礼を言って再びゲートの前に車を進め、先ほどのおじさんに「ポザーダ!」と言いながらゲートの先を指さすと、「あぁ、ポザーダね」という感じでゲートを開けてくれました。
さて、おじさんにお礼を言いながら車を前に進めると、GoogleMapナビは「目的地に到着しました。案内を終了します」と、メッセージを発して現在地表示に切り替わってしまったのですが、どれが宿の建物なのでしょう?
塀の高い民家が並んでるだけで、どこにもそれらしき案内看板は出ていません。
どうしたもんかと思っていると、先ほどゲートを開けてくれたおじさんが歩いてきて、「ポザーダはここだよ」と建物の門を指さして教えてくれました。
いやぁ、助かりました。
というわけで、おじさんに再度お礼を言ってから早速中に入ろうと思ったのですが、残念ながら門の鍵が閉まってました。
おじさんに状況を目で訴えたのですが「それは俺にはどうにもできないな」という顔をしてゲートの方に戻っていってしまいました。
まぁ、そりゃぁ、そうですよね。
仕方なしにバッテリー切れ寸前のスマホで電話をかけてみたら、塀の向こう側からも呼び出し音が聞こえてきました。
やはり場所はここであってるみたいです。
もし、おじさんが「ここだよ」と教えてくれなかったら、絶対にこの門が宿の入口だとわかりませんでした。
(治安の悪いエリアでは宿の看板を出してないことはよくあるのですが)
しばらくコールしていたら先ほどの年配の女性が電話に出てくれたので、名前を告げて到着したことを英語で伝えると、なんとか通じたらしく電話が切れた後に門が内側から開きました。

いやぁ、どうなることかと思いましたが、なんとか無事に到着出来ましたよ。
(帰国後に偶然この宿のホームページを発見したんですが、これを見ても辿り着くのは難しいと思います)
大きな地図で見る
本日の走行ログ 総走行距離 1145km
しかし、一日にこれだけの距離を走るのは無茶でした。
どんなに遅い車を追い越しながら走ってもアベレージ70kmぐらいしか出ないですし、思いの外悪路だった区間もあったので、九州から東京まで一気に帰って来るよりもはるかに疲れました。
宿のおばさん(たぶん黒人と白人のハーフ)は英語は話せないのですが、愛想がよくて感じの良い方で、設備の使い方を遅い時間にもかかわらず笑顔で案内してくれました。

しかし、人気の観光地でこれまでで最安値(1泊55レアル、2475円)ということもあり、設備自体は一番チープです。
夜になっても蒸し暑いのに、エアコンは別料金で使えませんでした。
もちろんお金を払えば良いのですが、なんせ現金をたくさん持ち合わせていなかったもので、とりあえず扇風機で我慢することにしました。
部屋にはコンセントがひとつしかなく、冷蔵庫かスマホ・タブレットの充電かの2択になってしまいます。
スマホのバッテリーが切れそうなので充電を優先するしかないな、と思ったら廊下に掃除機用(たぶん)のコンセントと延長コードがあったので、これを拝借して室内で充電と冷蔵の両立を実現させてしまいました。
トイレとシャワーは他の部屋と共用です。
しかも1つずつしか無いので、誰かがどちらかを使っていたら終わるまで待つことになります。
さすがにWifiは使えるので台所に居たおばさんにタブレットの翻訳ソフトを使って今日の分しか現金を持ち合わせていないことを伝えて謝りましたが、「全然問題ないわよ」という反応でした。
そんなことをしていたら、数名の若い女性の宿泊客が台所に入ってきて、その中の一人が「あなた日本人?」と英語で話しかけてきました。
何事かと思ったら、先ほど私が電話をかけた時、たまたまおばさんの近くに居たせいで、電話に出されて私の対応を頼まれてたんだとか。
そっか、あの女性はスタッフじゃなくて、お客さんが駆り出されてたんですね。
どおりで話がなかなか通じなかったわけです(笑)
それはともかく、あの時はたいへん助かったので、彼女にお礼を言いました。
さて、共同便所ではありましたが、腹痛もすっかり収まったみたいで良かったです。
何度も使っていたら、シャワーも何も独り占めするかっこうになってしまうので、迷惑極まりないですからね。
とりあえず空いてるうちにシャワーを使わせてもらいました。
シャワールームの中で蚊が1匹飛んでいたので叩き殺そうとしたのですが、パンタナールの蚊と違って都市部に住んでる蚊はすばしっこくて全然叩き殺せなかったのでした。
(スッポンポンのままジャンプしたり走ったりして追いかけたんですが、ダメでした)
シャワーでさっぱりした後は、とりあえず明日中に銀行に行かなければならないので銀行の場所を調べたり、ダイビングショップの情報を調べたり、本日の日記を書いてから寝ることにしました。
待ち合わせ時間を間違えたらまずいので、念のためネットで正確なサルバドールの現在時刻を調べたら、なぜか一時間ずれてます。
何度も確認したんですが、やはり私の時計が1時間進んでます。
あれ? どういうこと? 経度による時差ってマットグロッソみたいな西側だけじゃなかったっけ?
と、思いながらちゃんと調べてみたら、バイーア州はサマータイムが設定されておらず、夏の間はその他の州と1時間時差があるのでした。
なんだ、午前2時だと思ってたんですが、まだ1時じゃないですか。
ということは宿に23時半に到着したんじゃなくて、22時半到着だったんですね。
これなら常識の範囲内・・・でもないか。(笑)
いやぁ、得した気分です。
というか、それを先に知っていたら、もうちょっと焦らずに行動出来てたんですけどね〜。
とりあえず、1150kmの走行が無事に終わって良かったです。
ブラジルでのこんな長距離走行はもう懲り懲りです。
さて、疲れましたし、寝ますか。
1月9日(木)13日目
目覚ましで朝6時に起きました。
扇風機を首振り状態でつけっぱなしにしてたんですが、さすがに朝は少し寒かったです。
これならエアコンにお金を払わなくて正解でしたね。
朝食はこれまで何度もお世話になったあんパンとプロテインです。
アンパンは日本から10個持ってきましたが、ついにこれがラストです。
都市部の渋滞が怖かったので6時半過ぎには出発するつもりだったんですが、何だかんだと準備で手間取っているうちに7時になってしまったので慌てて出発しました。

屋根だけ少し見えてるのが宿泊していた宿です。
黒い小さな門が宿の入り口で、手前のシルバーのゲートは隣の民家です。
車は路駐でしたが、近くのゲートのところにおじさんが立っていたので治安上の不安はありませんでした。
GoogleMap上ではゲートの反対側にも抜けられそうだったのでチャレンジしてみたのですが、他の道と合流するところに縁石がおいてあって、車は通り抜けできないようになってました。
というわけで、この宿にたどり着くためにはゲートを超えないとダメなようです。
そして、朝もゲートは閉まっていて、脇におじさんが立っていたので、ゲートを開けてもらってから道路に出ます。
さて、早朝のサルバドールドライブです。

なるほど、こんな街だったんですねぇ。

早速激しい交通戦争が始まりました。
目の前のゴミ回収車もそうですし、警察の車ですら目が点になるような荒々しい運転をしています。
ケニアのナイロビやモンバサでも経験があるのですが、こういう場所で大人しく運転してちゃダメです。
面食らっていた昨日の夜と違って、明るい状態で周囲の状態も把握しやすく気持ちの余裕もできていたので、「押しの運転」を心がけました。
だいたい皆さん運転の駆け引きに慣れてらっしゃるので、こちらが押せば譲ってもらえます。
逆に「引きの運転」をしていると、どんどん割り込まれますし、苛ついた後ろの車からも煽られますし、精神衛生上よろしくないです。
あと、1車線の道幅が妙に狭く、車間距離の少なさ含めてなんか圧迫感があります。
逆に、道が混んでるせいで道路は70km制限なのに50〜60kmぐらいの速さで流れています。

カーブの途中からなんの前触れもなく三車線が二車線に減りました。
いや、前触れ(看板)があったのかもしれないけど気が付きませんでした。
都会の運転に普段から慣れてないとサルバドールをレンタカーで走るのは相当厳しいと思います。

押ボタン式の横断歩道で道路側の信号が青に変わった途端、電光掲示板に99の文字が登場しました。
99という数字はカウントダウンしなかったので、横断歩道を渡る場合はボタンを押してから最低99秒は待てってことなんでしょうね。
逆に言うと、そのぐらいの調整じゃないと車の渋滞がとんでもないことになっちゃうんでしょう。

街の中心部には香港みたいに細長い高層マンションがたくさん並んでいるのが見えます。

そして、丘陵に家屋がびっしり建っていて圧倒されます。
昨日は高速からこういう丘の夜景を見て感動していたのでした。

ん? これはなんでしょう?(直径5mぐらいあります)
何かのモニュメントか記念碑みたいで、道路脇に展示してあったのですが、何かはわかりませんでした。

道路を清掃する清掃員さん達。
外国の朝の日常風景です。
この写真のすぐ近くにBanco do Brasilの24時間ATMがあって目視確認もできたのですが、この後交通渋滞に巻き込まれれたりして間に合わない可能性もあったので、いったんここはパスしました。
ダイビングサービスのすぐ近くにもATMがあるはずなので、そこに着いた時に時間に余裕があれば立ち寄る計画です。

海沿いに出ました!
大西洋です。
ブラジルに来て13日目にして初オーシャンドライブです。

右側には世界遺産に登録されている旧市街に登るエレベーターが見えてきました。
特徴ある建物をガイドブック等で何度も写真で見ていたので、すぐにわかりました。
そして、マルシオさんがメールに書いていたとおり、エレベーターの近くにヨットハーバーの入口があって、そこから中に入ればダイビングサービスがあるはずです。
ただし、入り口は左側にあって中央分離帯を超えて右車線から入ることはできないので、一旦そのまま前を通り過ぎます。

なるほど、これが海沿いの旧市街なんですね。
ダイビングが終わったら、あとでゆっくり楽しませて貰う予定です。
さて、この辺りにBanco do BlasilのATMがあるはずなのですが、、、、って、この辺りはバリバリの観光地なので周辺の道路はすべて路駐禁止の看板が立ってました。
それにくわえてBanco do Blasilの看板も見つけられなかったので、時間に余裕はありましたが、お金を下ろすのはダイビングの後でいいやってことにしてしまいました。
ダイビング料金はクレジットカード払いができるでしょうからね。

お〜すごいすごい!
(すでにUターンしているので、左側が旧市街、右側が大西洋になってます)

ヨットハーバーの入り口に到着しました。
ゲートのところにスタッフが立っていて、関係ない人が中に入らないように監視しています。
私は日焼けして髭面でしたが、顔パスで中に入れました。

到着!
こんな金持ちしか使ってなさそうなヨットハーバーの中にある小奇麗なダイビングショップですが、ダイビング料金はいかほどなのでしょうか?
(料金を確認しないまま予約入れちゃいました)
ここに着いたのはマルシオさんに指定された時間の5分前だったのですが、ダイビングショップはまだ開いておらず、周囲に人影も見当たりません。
時間丁度(7:40)にお客さんらしき水着の女性が一人やってきたので会釈で挨拶しました。
今日は平日なので、お客さんはこの女性と自分だけかなぁと思いながらドアの前で立っていたら、スーパーマリオみたいな髭面のおじさんが歩いてきて、すごい勢いで「やぁ、みなさん、おはよう。君が日本から来た人だね! Google翻訳使ったんでしょ、さっぱり何が書いてあるかわからなかったよ!!わっはっは! まぁ、まずは中に入ってよ!」とマシンガンのように大声で話しかけてきながら手を差し出してきたので、「おはようございます」と答えつつ、握手します。
もう、間違いなくこの方がマルシオさんです。
マルシオさんがドアを開けてくれたので中に入り、免責同意書を渡されたのでサインしました。
ここまでの流れは世界各国共通です。

その後、もう一人若い男性スタッフがやってきました。
今日のフルメンバーといったところでしょうか。
この女性はショップの常連さんらしく、マルシオさんと何やら親しげに話をしています。
二人の口調はだんだんヒートアップしていき、何に興奮して話しているのかはさっぱりわからないのですが、「レンタルギアのフィッティングとかしなくていいのかなぁ」と思いつつ、自分が声をかけられるのを待ってました。
さらにスキンヘッドの若い男性が1名入ってきて、この方が会話に入れない私に気を使って「今、2人は前回のダイビングの話で盛り上がってるんだよ」と英語で教えてくれ、「あぁ、名乗り遅れたけど、僕はマルセロ、よろしく」と言いながら右手を差し出したので、私も名乗りながら握手をしました。
話しかけられついでに、マルセロさんに「ダイビングギアを借りたいんですが、フィッティングしなくていいんですかね?」と質問してみたところ、「レンタルギアは船の中だから、今は大丈夫だよ」とのことでした。
あまりに自然な説明だったので、「マルセロさんはここのスタッフなのですか?」と確認したら、笑いながら「いや、違うよ。僕も君と同じお客さんなんだよ」と答えたのでびっくりしました。
なんて気の利くナイスなお客さんなんでしょう。

そして、マルセロさんも2人の話に加わり、3人で話しているのを眺めていて気が付きました。
話が盛り上がってるわけじゃなく、マルシオさんの話し方がものすごく盛り上がってるように見えるのです。
(声が大きい、ジェスチャーがでかい、テンポが早い、話相手との距離が近い)
そして、女性の方がバッグの中から財布を取り出してダイビング料金の支払いをするみたいだったので、私も財布からクレジットカードを取り出して、その後に続きました。
ダイビング料金は2ボートで180レアル(8100円)。
レンタルギアはマスク以外をすべて借りて140レアル(6300円)でした。
もちろんクレジットカードが使えたので、支払いも問題なしです。
料金が高いかもと思いましたが、それほどでもありませんでした。
さて、あとはダイビングを楽しむだけです。

その後、お客さんが1人増え、2人増え、結局私含めて6人になりました。
平日なのにけっこう来るもんなんですねぇ。
そして、みなさんの挨拶の仕方や話しっぷりからして、このショップの常連さんでお互いに顔見知りのようです。
そして、白人だからか体が大きく、腕からはタトゥーが覗いていて、筋肉隆々です。
日本での光景と偉い違いです。(参加者の年齢も体格も)
逆に日本と変わらないのは、皆さんダイビング関連のTシャツを着ているところです。
水着の女性ですら、パンツのお尻には「DIVE GIRL」という文字がプリントされてました。
こういうのは世界共通なんだなぁと思いながらしみじみと眺めます。
私もダイビングにハマってから数年間はダイビングに行くときには必ず沖縄や南の島のダイビングショップで購入したTシャツを着てました。
ちなみに本日は知人の奥様から頂いた黒字にピンクの可愛らしいキャラクターの絵が書かれたTシャツを着てるんですが(当然ダイビングとはまったく関係のない絵柄)、これって今思い返すと白人社会ではヘタすると「ゲイ」と思われる可能性があるんですよね〜。(笑)
まぁ、いずれにせよ、皆さんダイビング関連Tシャツを着て平日の朝から潜りに出かけるぐらいダイビングが好きな方々なんでしょう。
これは期待できそうです。
常連さんが通う店は連れてってくれるポイントが上級者向けの良いポイントに決まってますからね!
その36へつづく