ブラジルドライブ旅行記 32

目次









轍でスタックしたのかと思いきや、車がまったく動かなくなっちゃったんだとか。(説明に来てくれた女性のジェスチャーでそう理解しました)


見たところそんなに古い車じゃないからエンジントラブルなんて起こりそうに思えないのですが、実際止まっちゃってますね。


トラクターが呼び出されているということは、この後けん引して道を開けてくれるんだろうと思いますが、こちらは急いでいるので、いつ終わるかわからない作業をのんびり待つわけにもいきません。


というわけで、VoyageはFFなので行けるだろうと判断し、躊躇せずに右側の深い砂地に突っ込んでパスしようとしたら、のっけからスタックしそうになって焦りました。




同乗者たちが見守る中、お腹を擦りながら速度を保ちつつグイグイ進ませて行きます。



「止まるなよぉ、止まらないでくれよぉ、、、、、、止まっちゃっても助けてくれそうな人たちいっぱい居るから大丈夫かもしれないけど・・・・」



なんて、ことを考えつつ砂の抵抗を感じながらアクセルを調整します。





何度か止まりそうになりつつもなんとか故障車をやり過ごし、皆さんに手を振ってそのまま先に進みました。



まぁ、すでにトラクターが来てましたし、ポルトガル語の話せない私が手伝えることなんて無いですしね。




いやぁ、冷や汗が出ました。








しばらく走ると、道の状態が幾分マシになりました。


トラクターが牽引してるのはガソリンですかね?




さらに走ると、前方の道路の色が変わってるように見えたので、「やっと未舗装区間が終わる!」と喜びながら走っていったら、ただ単に土の質が変わっただけで、完全にぬか喜びでした。










よくもまぁこんな悪路を大きなトレーラーで走っていくなぁと感心します。











いやはや、でかい水溜りですね〜。

迂回路があって助かります。



未舗装区間に入ってからすれ違ったのは自動車が4台、トラックが2台だけです。


先ほどトラブルで道のど真ん中で止まってた車以外は車高の高い車ばかりでした。


まぁ、そりゃそうだという感じではありますが。








あと1.5kmでルイス・エドゥアルド・マガリャエンイス( Luís Eduardo Magalhães)(3)という看板が出たんですが、遥か彼方から走ってくる対向車が砂煙をあげているのが見えます。



そろそろ舗装路に戻ってくださいな、本当に。








番で歌を歌う鳥達。

ジェイゴーさんがシリアーマ(Seriema)と呼んでいた鳥ですね。Red-legged Seriema (Cariama cristata)




街に近づいて携帯の電波が入るようになったからか、携帯に突然電話がかかってきました。


ダイビングショップからかかって来たのかと思って取ってみたら、自動音声みたいなメッセージが聞こえてきます。


雰囲気からしてキャリアーからお知らせメッセージのようです。


そう言えば今まで全部無視してたんですが、キャリアーからSMSでいろんなメッセージが来てたんでした。


まさか、もう少しでプリペイドチャージが切れるとかですかね?


20レアル(900円)分購入しましたから、そんなに簡単に無くなるはずは無いと思うのですが・・・




そんな事を考えながら走っていたら、フィアットミッレが対向車線を走ってきたのですが、轍が深くて走れる車線は1本分しかありません。

お互い片輪を深い砂の中に落としながらすれ違いました。

先方のドライバーもさすがに慣れてらっしゃる。(お互い時速60kmぐらい出してました)





そして、待ちに待った瞬間がようやく来ました。








やったーーー舗装路だぁ!




と、ここで対向車からパッシングされました。



ブラジルでのパッシングは「故障車注意(たいてい道を塞いでるトレーラー)」ってことなんですが、結局この後故障車も取り締まりも見かけなかったんですが、なんだったのでしょう?



とりあえず、取り締まりを警戒して制限速度を1kmたりとも超えないように注意して走って行きました。



しばらく走って行くとスマホにメールが届きました。



車を路肩に寄せて確認してみると、差出人はダイビングショップのマルシオさんという方です。



メールを開いてみると、のっけから「 I so sorry but I don't understanding your mail.」(文法ミスがありますが原文まま、「君のメールを理解できんかったよ、すまん」という感じ)で始まってて吹き出してしまいました。


エキサイト翻訳、ダメだったか!


それでも、私が書いた内容はある程度伝わっていたらしく、「9日に潜るのでもOKだし、それ以外の日でも大丈夫だよ。とりあえず、今日電話してくれる?」


と、英語で書かれてました。


なんだ、英語通じるじゃん!


というわけで、早速電話をかけてみました。


幸い、昨日マテウス君に私の携帯からダイビングショップに電話をかけてもらったので通話履歴が残ってます。
これをリダイアルすればOKなので、長距離電話特有の番号を調べる手間が省けました。


呼び出し音が数回鳴ったあと、メールをくれたマルシオさんが出てくれました。


声の感じからして中年の男性のようです。


こちらが名乗ると、


「Google翻訳使ったんでしょ? 何が書いてあるか、さっぱりわからなかったよ」と、笑いながら挨拶してくれました。


電話であれこれ話して明日9日に潜ることとショップの集合時間の確認が取れたところで、突然「プーーーー」と警報音が鳴り、通話が切れてしまいました。


すぐにかけなおしてみたのですがつながりません。


アンテナは立ってるのに。。。


ということは、やっぱりプリペイドチャージが切れちゃったってことですかね?



なんてこったい!




まぁ、いいや。


だいたい確認したいことは全部確認できましたし、後は集合時間にショップに顔を出せれば問題ないでしょう。




なんてことを思っていたら、マルシオさんから追加でメールが届きました。


そこには先ほど電話で話した内容の確認に加えて、本日宿泊する宿の場所を教えてほしいと書かれていたので、宿の名前と住所をbooking.comの予約完了メールからコピペして返信しておきました。


メールは無事に送れたみたいなので、プリペイドチャージが空っぽになったってことも無いみたいです。


なんだかよくわからない仕様です。







さて、ルイス・エドゥアルド・マガリャエンイスという町ですが、なんかやたらと精製工場っぽい建物が多い気がします。


これまで延々と地平線と大豆畑しか見えないところを走ってきたので、畑の中に突然工業都市が登場したような錯覚を覚えます。









工場の規模や数からして、これまでのどの町とも違う雰囲気を感じます。











どこまでも続く工場地帯。


気になったので帰国後に調べてみました。


なるほど、ブラジルで一番伸びてるアグリ関連企業都市だったのですね。

ここ数年で人口が倍に(2万人規模から4万人)に増えたんだとか。


米国、カナダ、中国、アルゼンチン、インド、イギリス、ニュージーランド、オランダ、ドイツ、アイルランドなどの企業や個人が農業関連ビジネスに多大な投資を行っているんだそうです。










たまに見かけるこの車、現金輸送車ですかね?





そういえば、腹痛が続いてたので朝食をたくさん食べないで宿を出ちゃったせいで、まだ10時半過ぎなのにお腹が減ってきました。


腹痛もだんだん治まってきたし、こんなことならしっかり食べておけばよかったです。









工場地帯を抜けました。

道の状態が良くなったのは嬉しいのですが、今度は交通量が増えました。


前を走る遅い車を抜かそうにも、後ろの車が次々にゴボウ抜きで追い越しをかけてくるので左車線に入れません。


前の車から順番に抜かすみたいなマナーはこのエリアには無いようで、気のせいか、これまでよりも交通マナーが悪くなってきた気がします。


ちなみに写真で追い越しかけてる三菱製のピックアップトラック、Mitsubishi c200 outdoor と書いてありますが、日本では見たこともないモデルです。


他にも日産フロンティアXE6MTとか日本では見かけない日本の会社の四駆がこちらではいろいろ走ってます。




その後、街に入ったところで、空腹を満たすために適当なガソリンスタンドの売店に立ち寄りました。








いつもの揚げ物系です。(11:30)










さすがに学習したので、小さく見えましたが1つだけ購入しました。


そして手にしてみると、案の定ずっしりと重たいのでした。(笑)


伝票代わりに最初に渡される紙の記入方法は店によってマチマチで、ここは値段の数字が縦に書かれていて、購入した金額のところにバッテンを1つずつ付けていくタイプでした。


今回の場合だと揚げ物も水も両方共2.5レアルだったので、2.5の欄にバッテンが2つ書かれています。(5レアル、225円)


水は「ノンガス」と言ったつもりが「コンガス」(炭酸水)が出てきてしまったので、これでまたしばらく魔法瓶の蓋が「ポン!」っと、音を立てて開くことになりそうです。


炭酸水自体は好きなので良いのですが。



さて、お腹も満たされたし行きますか。




そういえばこの街、エタノールの値段がやたらと高いんですよね。


だいたい普段はレギュラーの7掛けぐらいの値段で売ってるんですが、ここは8割以上の値段がついてました。


これじゃぁエタノールはバカバカしくて買えません。







街の楽器屋さんです。









珍しくVivo(私が使ってるスマホのプリペイドチップキャリアー)のショップがありました。


あちらこちらにこんな店があったらチップの入手にあんなに苦労しなかったんですけどねぇ。


なぜかブラジルではほとんど見かけないんですよ、これが。


キャリアショップが送金の役割を果たしていて大人気だったケニアとえらい違いです。
(参考:ケニアではじまった携帯送金サーヴィス、欧州で展開を開始








さて、街の中心部に入る手前で国道20号線(BR20)と合流したわけですが、、、


「なんじゃこりゃ!」ってぐらいの交通量に増えました。


街の発展具合もすごいですねぇ。


さきほどまでは未舗装路ゆえにペースが上がらなかったんですが、今度は混雑のせいでちっともペースが上がりません。


困ったもんです。








バス停の行列もご覧のとおり。











先ほどギリギリですれ違ったフィアット・ミッレ(ウーノ)です。(右側に停車中)










街中がすごい交通量だったので、どうなることかと思っていたのですが、街を抜けたらかなり空いていて一安心です。


なんて、走っていたら警察が取り締まりをやってました。(警戒していたので大丈夫でしたが)


やはり、こんな道でボケっと先頭を走るのは危なすぎです。








というわけで、どこまでもまっすぐな道を他の車の後ろについて走っていきます。


あまりにまっすぐなので、GoogleMapナビで次の指示を確認したら「473km先左折」となってました。


相変わらずスケールがでかい世界です。








朝、(1)のカンポスベーロスの街を出発し、(2)から(3)の地点までが未舗装路区間でした。


今(3)のルイス・エドゥアルド・マガリャエンイスを抜けたところなのですが、(4)のサルバドールはまだまだ先になります。








そして、さっきから、やたらとたくさん蝶が飛んでいて、すごい勢いでフロントガラスが汚れていきます。


(ちょっと蝶には申し訳ないのですが、避けるのも無理な話なので)









やたらと走ってるピックアップトラックも、あんな感じで荷台にバイクでも積んでくれれば人気の理由がわかるんですが、大抵、空なんですよね。











この砂の山、延々と続いていますが何なのでしょう?


人為的に穴を掘ったように見えます。鉱物でも採れるんですかね?




さて、昨日の給油地点から470kmほど走って燃料がそろそろ空になりそうなんですが、次の街(イボティラマ)は地図上の目測で50kmほど先のようです。


スマホのGoogleMapナビだと縮尺ゲージが出てこないので現在地からの距離がさっぱりわからないんですよね。


エタノールを入れた時の燃費はリッター10km前後です。


Voyage号の燃料タンクは55リットルだったはずなので、ギリギリ持つといえば持つのですが、もし、、、万が一持たなかったら、、、




というわけで、安全策を取って場末の小さなガソリンスタンドに入りました。(13:30)



しかし、ここはエタノールが品切れとのこと。



仕方なしにガソリンを入れることにしました。


472.5km、49.17リットル、144レアル。(6480円)


リッター10km切ってたので、早めに入れて正解でしたかね?









しかし、なんで従業員さんは毒ガスマスクをしてるんでしょう?


気になる・・・






その33へつづく