-------------インドネシア ドライブ旅行記(目次)
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4日目(12月30日(火))

良い値段するホテルだけあって、朝食はさすがに旨い。

食堂のテレビを見ると、こんな画面が。
そう言えば知人から飛行機が墜落したとかで安否確認のメールが来てたけど、なるほどインドネシア絡みの飛行機が墜落したのか。

あぁ〜、こんなホテルで過ごすんなら朝ぐらいゆっくりしたかったなぁと、思いつつ出発の準備を開始した。
なんせ、登山口近くの宿まで丸々1日かかりそうだし。
部屋に戻って荷物のパッキングを進めていくと何故か携帯電話用のスマホが見当たらないことに気が付いた。
ブラジルの時みたいに車の中に落としたかと思って確認に行くも見あたらず。
カバンの中の荷物の中身を全部出し、衣服のポケットを全て探すも見つからず・・・・
はぁぁぁぁぁ、まーた、どこかに無くしたか・・・・
ケニアの時はSIMカードだけ無くしたけど、今回はスマホ本体ごと。
まぁ、このスマホ(イデオス)は3年以上使ったし、そろそろ買い換えようと思ってたので、これも良いきっかけか。
と、思いつつもやっぱり諦めきれないので、テレコムセルのSIMが入ったスマホからイデオスに電話をかけてみると、何やらシーツの中から小さな着信音が
聞こえてくるような気がした。。。
まさか・・・

あ!シーツの中に紛れ込んでたか!
どうやら、ズボンのポケットに入れたまま寝てしまい、良い感じにシーツに絡め取られていたらしい。
はぁぁぁ、せっかく美味しい朝食を早めに切り上げて準備開始したのに、こんなことで30分近く浪費しちゃったよ。
と、誰にぶつけることも出来ない文句を心のなかでつぶやきながら、ドタバタとホテルを出発した。

ありゃ、天気予報に反してけっこう晴れてるじゃん。
こんなことなら今日から山に入っておけばよかったと思ったけど、すでに後の祭りである。

どこまで行っても専用レーンに延々と続くバイクの河。

すごい量だねぇ。

天気は良いけど、湿度が高いからか朝っぱらからガスってるなぁ。

早く正月渋滞終わらないかなぁ。

信号待ちのバイクの数が威圧感満点。

信号は赤や青でそれぞれカウントダウンするのがストレス解消に効果的。
ブラジルでも思ったけど、日本も真似すればいいのに。

相変わらず対向車線のバイクがはみ出しとるよ。
もういい加減慣れたけど。

へぇ〜、山間部のワインディングロードか。
植物と空のコントラスト、晴れてるとやっぱり綺麗だなぁ。

これで道が空いてたら東北ドライブ気分なのに。
(まぁ、気温が全然違うんだけど)

カーブが続くなかなか楽しいドライブである。
人口過密地帯のジャワ島と言えども、都市部の少ない東部に行けばこんなかんじが続くのかね?

道路脇で畑の土を耕してる。
トラックなんかが一歩間違えて突っ込んできたら危ないだろうに。

おー、なかなか絵になる景色だ。
ジョグジャカルタの近郊を抜けてからだいぶん道が空いてきたので、国道でようやくこんな写真を撮る余裕が出来た次第。

やっぱり南国の植物は晴天が似合うなぁ。

と、こんな小さな村の中でムービー撮影用のミラーレスカメラのバッテリーが切れてしまったので、仕方なしに道路脇の空き地に車を停めてトランクスペースに積んであった旅行カバンからバッテリーを取り出したところで、ふと「インドネシアではパンク強盗※が流行っている」という注意喚起が出されてい
たことを思い出し、改めてドアの鍵をしっかりとかけた。
(※故意に道路上に釘を撒き、タイヤをパンクさせ、修理中に車内から金品を盗む)
カメラのバッテリーを交換してから後部ドアを閉じるまさにその瞬間、旅行カバンの横に車の鍵がポンと置かれているのが目に入ったのだが時既に遅し。
「バン!」とドアを閉じる音がすると同時に、「やっちまった!」と大声で叫び、慌ててドアを開けようとするも、それが無駄な努力であることは百も
承知である。
なんせ、ついさっき鍵をかけたことを入念に確認したばかりだから。
はぁぁぁぁ、なんてこったい!
レンタカー会社に連絡をして救援を呼ぶにしても、ジャカルタから1日半車を飛ばさないと到着できないぐらい離れちゃってるし、日本みたいにJAFのような
緊急対応サービスがあるわけじゃないだろうし・・・(いや、あるのかもしれないけど)
アジア人のおっさん(私)がカメラのバッテリーを交換してるところを興味津々で眺めていた男の子が居たので、この状況を理解しているかもと期待しつつ近
づいて行ってて英語で「鍵を開けたいんだけど、どこかに良い店無いかな?」と声をかけたら、男の子は困った顔をして首を横に振るばかりだった。
まぁ、そりゃそうか。
不幸中の幸いだったのは小規模とは言え村の中に居たので、まずは車の部品を取り扱っている店を探すことにした。
店はすぐに見つかり、従業員のおじさんに英語とジェスチャーで状況を説明するもほとんど通じず取
り合ってもくれない感じだった。
次にパンク修理屋さんに顔を出したけれども、対応は似たようなもんで断られてしまった。
どこかに助けてくれそうな店は無いかと街中を歩いていると、TOYOTAロゴの野球帽を被って反射板付きのジャケットを着た
(たぶん)右折屋さんのお兄さんが笑顔で挨拶してくれたので返答ついでに声をかけてみたところ、見かけによらず
(失礼)辛うじて英語が通じるではないか。
これ幸いと、お兄さんに状況を伝えて助けを求めると、まずは一緒に車の状況を確認してくれ(たぶんこれで私が説明している状況を確信したのだと思う)、最初に私が訪れたのとは別の車の部品屋に連れて行ってくれた。
この親切なお兄さんがお店に交渉してくれたのだが、結局ここでも「ドアを開けるのは無理だね」という話になったらしく、その代わりに道路挟んで反対側に
ある車の修理屋さんを紹介された。
このまま村のすべての店から断られたらどうしようと思いながら、しかし修理屋だからなんとかなるかもという淡い期待を持ってお兄さんと一緒に建物
の中に入って行った。
修理屋の中で最初に対応してくれた若い男性が奥で車の修理をしていた40〜50歳ぐらいの男性を連れてきてくれ、右折屋のお兄さんが彼に状況を説明して鍵開けを頼ん
でくれた。
おじさんは終始無言で話を聞いていたのだけれど、「アバンザ?」という単語が彼の口から出たところで、この人ならなんとかかしてくれるかもと勝手に思いはじ
めた。
そして、その勝手な予想通り右折屋のお兄さんが急にこちらを振り返り、「この人がなんとかしてくれるって」と、言ったところで、なんかすでに全部解決した気が
して、すっかり安堵してしまった。
その後、おじさんは一旦奥の部屋へと消え、再び現れた時には上半身裸でズボンはそれまで履いていたオイル汚れの激しいベージュのズボンからまっさらな迷彩柄
のズボンに履き変わっていた。
その後、手に持っていた紺色のTシャツを着たのだが、こちらも汚れは全くなし。
どうやら外に出るために、わざわざ着替えてくれたらしい。
そして工場の奥から持ってきたピアノ線をハンマーで叩き、5分ぐらいで鍵開け用のフックを作り上げてしまった。
おじさん、すごい!
こりゃぁ、おじさんの手にかかれば一瞬で鍵も開くはず。
まさに大船に乗った気分で右折屋のお兄さんと車の所に歩いて移動した。(修理工場のおじさんはスクーターで先に移動していた)
おじさんは助手席側の窓ガラスのゴムパーツをめくり上げ、金属定規と針金フックをドアの中へ突っ込んだ。
さぁ、これでドアが開くぞ!
と、思ったのだが、現実はそこまで甘くはなかった。
おじさん持参の懐中電灯で(まったく明るくない。自分のを貸してあげたいのだが、すべて車の中に置いてある)内部の様子を確認しながらこじ開けようと試みてくれるのだ
が、アバンザはそう簡単に鍵が開く仕様では無いらしい。
その後、10分ぐらい格闘するも一向に解錠する様子もなく、こりゃぁ、このおじさんでも駄目かと思った頃、、、

突然ドア鍵が開いた。(ここでようやくカメラを車の中から取り出せた)
おじさん、本当にありがとーーーーーー!!!
2人に握手をしながら、覚えたての「タリマカシ!」(ありがとう)とお礼を伝え、コモパンを車の中から取り出して差し上げた。
(お礼で現金を払うのもなんかなぁと思って、日本のアンパンを渡した次第。口に合えば良いのだが)
いやぁ、一時はどうなることかと思ったが、世の中親切で技術のある人が居てなんとかなるもんである。
しかし、このトラブルのきっかけがパンク強盗を警戒したからというのが、なんとも皮肉というか間抜けな話ではある。

というわけで、カメラが回収できたのでトラブルの舞台となった村の景色を記念撮影。
(小さく写っているのは、立ち去ってゆく親切な右折屋のお兄さん)
ありがとう!
さーて、行くか!
あれ? なんかハザードがつきっぱなしになってる。
しかも、どうやっても解除されない。
そっか、この車、盗難防止装置が付いてるのか!
というわけで、再び車を路側帯に停め、車内のスイッチ類をあれこれ弄ってから最終的にリモコンキーを操作することで、ようやく解除でき
た。
いやぁ、しっかし、さっき針金で鍵をこじ開けてる時に大音量のクラクションが鳴り響かなくてよかったぁ〜。
って、鳴り響かなくて良いのか?
まぁ、いいや。

ありゃ、また渋滞か。
(ここの渋滞はそんなに長い区間ではなくてよかった)

一瞬、日本のなまこ壁かと思った。

棚田がいっぱい。
ここは田植えのタイミングか。

こちらはすでに穂が伸び始めてる。
赤道付近で年3回収穫できるということもあり(生産性は日本の3分の1らしいので、年間の面積あたりの取れ高は一緒らしい)、育ち具合の違う田んぼが同時に見
られるのがインドネシアの面白いところ。

こりゃまた、見事な棚田である。

そう言えば、やたら走ってる三菱のトラックって、なんでほとんど全部ベージュ色なんだろう?
(同様にHINOなら黄緑、いすゞなら赤白みたいな感じでメーカーごとに色が決まっている)
あと、ライトバントラックはメーカー関係なく黒色がほとんど。(大抵三菱、ダイハツ、スズキ)
法律で決まってるからか、メーカーがその色でしか販売してないからか、はたまた人気のカラーだからか。
(誰か知ってたら教えて下さい)

1つの建物を真っ二つに割ったかのような村のゲート。(メモ撮影)

再び山間部のワインディングに突入すると、交通量もかなり減ってきた。
ようやく気分よく走れるよ。
というか、アバンザ、FFなのに素直なハンドリングで運転がそこそこ楽しいじゃん。
(※前にも書いたが私が気がついてなかっただけで、アバンザはFR車)

腹も減ったので、峠道の途中にある適当に目についた食堂に立ち寄ってみた。
一度通りすぎてからUターンして戻ってきたんだけど、よくよく店構えを見てみたらなかなか入るのに勇気の必要な店だった。

中に入ってみると、お客が誰も居ないのと、日本ではありえない店内の雰囲気(主に清潔感)を感じて「これはやっぱりやめといたほうが良いかも」と思ったのだが、「まぁ、
腹をこわすことはあっても死ぬことは無いか」と、思い直して、そのまま着席した。
ナシゴレンと熱い紅茶を注文し(気温は高いけど食中毒対策)、トイレを借りさせてもらった。
もちろん英語なんか通じないので、すべて適当な単語とジェスチャーのみの会話である。

トイレはキッチンの奥だというので入ってみたのだが、清潔感はともかく整理整頓はちゃんとされている様子だった。

しかし、食器は地べたに拵えられた大きな水槽で洗われており、嫌な予感満点である。

トイレから戻ってくると、店の片隅で店主の子どもたち(たぶん)が寝そべってテレビでアニメ番組を見ているのに気がついた。

そのまま着席せずに店の外にでると、隣の店では前々から気になっていた小鳥を売ってる籠が吊るしてあった。
インドネシア(特にジャワ島)では、小鳥を飼って鳴き声を楽しむという習慣があるのだとか。
メジロ等の小鳥がかごの中に入れられていた。
(野生のを捕まえたのか人馴れしてないらしく、籠に近づいたら必死で逃げまわるのでメモ撮影は遠慮しておいた)

お店に戻るときに目に入った大きなハエ取り紙。
これが店頭にドカンと置かれているのはなかなかの演出だが、逆に考えれば、このハエたちが自由に飛び回ってるよりは、こうやって自由を奪われている方が衛生面では
安心である。
と、考えることにした。

というわけで、本日のナシゴレン。
どれどれ。
お、味はなかなかいける!
生野菜も熱い紅茶に放り込み(我ながら気にしすぎ)、食中毒対策もばっちり。
うむ、満足。
ごちそうさま!
つづく