-------------インドネシア ドライブ旅行記(目次)
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9日目(1月4日(日))

朝食もやっぱり2人分出された。
というか、わざわざ部屋まで運んできてくれた。
なんて居心地の良い宿なんだろう。
もし暇だったらここで数泊してもよかったなぁ。
(って、この辺りになんか観光できる場所でもあるんだろうか?)
ナシゴレンのお味は残念ながら、、、という感じではあったが、貧乏性なのでついつい1.5人前食べてしまった。
そして、いよいよもう少しでジャワ島ともお別れなので、後部座席に広げっぱなしにしていた登山道具なんかを畳んで、旅行カバンにパッキングしておいた。

朝は空いてるから快適!って思っていたら、思わぬところで工事をしていて迂回を強いられた。

左折しようとしたら大量のバイクが対向車線まではみ出して走ってくるので出るに出られず、えらい苦労した。

インドネシアでの運転には大分慣れたし流れに乗れていると思うけど、たまに若い女の子が運転するバイクとかが周囲を確認せずに突っ込んでくるのは相変わらず怖い。

ハミタイのマーチ。(メモ撮影)

メモ撮影といえば、そう言えばこれまであまり撮影してなかったけど、こちらのバスは1台1台の塗装が個性的で見ていて面白いんだった。

思わず感心してしまうペインティングから笑ってしまうようなものまで様々で見ていて飽きない。

うーむ、今日も天気悪いのかな?

と、思ったら、すぐに晴れてきた。
ラッキー。
というか、雨期の空は相変わらず安定しないなぁ。

これはレストランの看板なのだが、56km先というのがなかなか豪快である。
これが平均時速80kmの国ならまだわかるが、こちらは平均時速30kmなので、軽く2時間はかかる距離のはず。

これだけの交通量で峠道に入ると、遅いバスに速いバス、遅い車に速い車、遅いバイクに速いバイクが組み合わさって、追い越し追い越されをブラインドコー
ナーでそれぞれ繰り広げるので、かなりカオスな状態になる。
もう、慣れたけど。

久しぶりに登場したタモ網おじさん。
未だにお金を払ったほうが良いのかどうなのか迷ってしまう。
(払ってないけど)

キャノン屋さん、ランドリー屋さんなんかに並んで、街でよく見かけるのがトイレ屋さん。
1回80円なり。

トイレだけで商売してるところもあるけど、それとは別にレストランなんかでトイレを使うと、たまに入り口付近にチップ回収のおじさんやおばさんが立っていてお金を請求
されることがある。

これが先ほど看板を出していた店だが、ここはトイレだけじゃなくて商店も経営してるっぽい。

80円で値段競争をしているエリアを通過した後に90円の店が登場して笑ってしまった。
皆さん商魂たくましいねぇ。

高校生の列。

再び峠道に突入。

ナビの指示に従い国道を外れてショートカット用の細い道へ侵入。

未舗装路になり、ゲートなんかも登場。

ゲートが閉じられていて一瞬どうなることかと思ったが、どうやら通過できるっぽい。

その後も、裏道沿いの小さな村をいくつも通過して行く。

馬車を見かけると、すでに何度も撮影しているのに、つい条件反射でメモ撮影してしまう。

田んぼ地帯に突入。

道路上に何気なく盛ってある工事用の土。
インドネシアではよくある事である。

交通量の少ない田んぼ地帯で車から降りて記念撮影。

機械化されてない農作業は、見ていて和むなぁ。(写真は休憩中のシーンではあるけど)

ほいじゃ、行きますかね。

林業地帯を通過。

大規模田植え地帯を通過。

再び峠道に入った。

峠道なんかで晴れ間が広がると、やっぱり気分が良い!

ここで満タン給油。
計算上
この辺りで満タンにしておけば、ジャカルタで(借りた時と同じぐらいの)残りメモリ1になるはず。
500Km走行、38リットル給油で2870円。
リッターあたり13.5km走行。

本日の目的地であるパンガンダラン(Pangandaran)に到着。
インドネシア人にとっては有名な観光地らしいのだが、日本人にはマイナーな観光地らしい。
インドネシアの湘南・熱海といったところでサーフィンのメッカだそうな。(とは言え、ジャカルタから車で7〜8時間かかる距離なので、そこまで近くはないのだが)
今回の旅で東ジャワの端っこまで行かずに戻ってきた上に、火山見物も諦めたおかげで急遽ここに立ち寄ることになったので、サンギラン同様事前情報無しで来てしまった。
Booking.comでやたらと評価の良かった宿(Bale'ku)を予約してあったのだが、対応が良いという評判に違わず昨日の夜から携帯にSMSでウェル
カムメッセージが届いており、返信ついでに「コウモリの群れが夕方に飛び立つところを見せてくれるガイドを紹介してほしい」というマニアックな要件を書いて返事を
返しておいたのだが、さて、そんな要望を聞いてくれるのかどうか。
なぜコウモリの群れかと言うと、「地球の歩き方」のパンガンダランのコーナーに「洞窟があってコウモリがたくさん住んでい居る」という文章が書かれており、それならきっと夕方
にコウモリが一斉に洞窟から飛び出すだろうと予測してネットでそういった情報を探してみたところ、日本人で一組だけ夕方にたくさんのコウモリが空を舞って
いたということを書いてあったのを発見し、コウモリ見学専門のサービスは無いかもしれないが、きっと見られるだろうと予測して頼んでみたのだ。

さて、その宿は海がメインの観光地なのに内陸部に
あるらしく、さらにGoogleMapによると狭い未舗装路に入らなきゃならないらしく「本当にここであってるのか?」と不安になりながら走っていたら、バイクのお兄さんからすれ違いざまに
私の名前で突然声をかけられ、面食らいながら「そうです」と答えると、「バレク(宿)はこの先なんだ。僕がオーナーのスタール(Sutar)。よろしく」と自己紹
介された。

というわけで、宿主のスタールさんの先導でバレクに到着した。
ぱっと見、宿には見えない普通の農家である。
チェックイン可能時間よりも遥かに早く到着してしまったのだが、「全然問題ないよ」と中に案内してくれた。

案内されて中に入ってみると、これがまた素敵なロケーションで驚いてしまった。

なるほど、田んぼの貯水池に水上コテージ風に宿泊小屋を建てたのか。
こりゃ良いアイデアだ。

そして、これが本日泊まる小屋。
テラスにはハンモックが吊るされてある。

中はインドネシアンテイストを残しつつもシンプルでモダンな内装。
う〜ん、おしゃれ。

バス・トイレもいいじゃん!

寝室、ベッドは蚊帳付き。
(壁は隙間だらけ)

テラスからの景色。
こりゃ、(Booking.com上で)ヨーロピアンに人気が高いのも納得。
これで朝食込みで2000円は安い!
後でスタールさんに聞いたら、商売を始めるにあたって海沿いみたいな土地の値段が高いところを避けて、田んぼの真中に友人の大工にスタールさんのアイデアを伝えて客数にあわせて小屋を1つずつ作ったから宿代を安く済ませられたんだとか。
海が遠いことで逆に静かだし、池と椰子の木の向こうには田んぼが広がっていてアジアンな風景に心癒やされる。
そして、この宿の評価を高くしているのは立地もさることながらスタール夫妻の対応の良さ。
コウモリ見物リクエストのことはちゃんと伝わっていて、彼の友人で信頼できるガイドを手配済みとのことだった。
さらに昼飯をここで食べてから出発するか、それとも今すぐガイドを呼びつけて出発するか尋ねられたので、ひとまず昼飯を食べることにした。
この辺りの配慮も実に気が利いている。
あまりに至れり尽くせりな対応だったので、ついでに明日のスケジュール相談もさせてもらい、ジャカルタに帰る前にグリーンキャニオンに立ち寄って、さらに
温泉に入ってから帰ることに決めると同時に、グリーンキャニオンのガイド手配も頼んでおいた。(この時はグリーンキャニオンがどういう場所かよく知らず、
ガイドが必要だと勝手に思い込んでいた)

昼飯が出来るまでの間、敷地内をうろうろしていたらスタールさんが何やら鳩の世話をしているのが目に入ったので見せてもらった。
この写真の鳥かご以外にも敷地内に20組ぐらいはペアごとに分けて飼うことが出来る大きな団地型のケージがあり、食用の鳥でも飼ってるのかなと思っていたのだが、競
技用の鳩とのことだった。
食用かと思ったよという話をしたら、「競技用の鳩で優秀な奴はものすごい高いんだ。食べるなんてとんでもない」という返事だった。
彼いわく、たくさんの鳩を雛の状態から丹精込めて育て上げて訓練し、才能のある鳩だけを選抜していくのだそうだ。
スタールさんが「ちょっと見てて」と言いながら、ペアで入ってる籠の1つを開け、「メスは大人しくて逃げないんだ。そしてオスは必ずメスの側に寄る習性があるか
ら・・・」
と、言いながらメスを手で掴んでオスから離すと、あっという間にオスの鳩がメスを掴んだ腕に飛び移ってきた。
「ほら、やってみてごらん」
と、雌の鳩を手渡してもらうと、、、

あっという間にオスが飛び移ってきた。

なるほど、この習性を利用して競技をするのか。
ちなみにメスの鳩はおとなしいらしく、手で掴んでいると逃げようともしない。

こちらは先ほどとは別のペアで、ちょいと気の強すぎる雄が何故か雌を突きまくっていた。

そして、こちらがつい先日のレースで2位になったスタールさんお気に入りの鳩。
もう、この鳩だけは触り方からして違っていて、恍惚とした表情で鳩を眺めて大事そうに撫でているのが本当に印象的だった。
この時スタールさんからも軽く話は聞いたのだが帰国後に改めて調べてみたところ、インドネシアで鳩の競技はものすごく人気があるらしく、merpati
kolongan とか merpati balapなどのレース系、それ以外にも鳴く声の美しさを競う競技など(参
考:インドネシア映画「ManDove」)、鳩に関する競技がテレビ番組が普通に流れているぐらいの国民的競技なんだそうな。
レース競技は聞いた通りのルールで、雄の入った檻から数百m〜数kmぐらい離れた場所で競技者2人が雌を掴ん左右に並んで立ち、2匹の雄を放つと同時にそれぞれが雌を掴んだまま上
下に振って(笑)「たすけてー!」と鳴かせて、早く雄がたどり着いたほうが勝ちとなる。(興味のある方はyoutube等でどうぞ)

そんな感じで鳩と戯れたり、スタールさんの話を聞いていたら奥さん(Lisさん)お手製の焼きそばが出来上がった。

それをロケーションの良いテラスで頂いた。
いやぁ、旨い!
先日食べた屋台のミーアヤムと偉い違いだ。
しかもお茶は砂糖が入ってないし熱々の状態。日本人の好みをよくわかってらっしゃる!
「美味しいですよ!」
と、味を褒めたら、片言の日本語で
「アリガト」
と、返してくれたのだが、この言い方、青森のIさんの奥さんにそっくりで、インドネシアの赤道直下で顔を思い出してしまった。
ちなみに、この宿にはたまに日本人が来るということで二人共日本語を勉強中との事だったが、奥さんは単語を片言話せるぐらい、旦那さんは難しすぎて未だ全く話せないと言って
笑っていた。
つづく