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まだ寝足りなかったのですが、本日の目的地はまだまだ先なので強引に走り始めます。









相変わらずタラマンカ山脈はガスに隠れて姿を表してくれないみたいです。









かなり下ってきた所で、ようやく前方に山々が広がり、この景色のお陰で一瞬だけ眠気が吹き飛びました。









う〜、トラック。。。

(ウインカーで合図してくれたので途中で抜かさせてもらいました)









そして、さらに濃霧。。。


サンイシドロ通過予定の17時はとっくに過ぎて18時前なわけですが、未だに街明かりが見えて来ません。








とにかく眠たいので眠気覚ましに窓を開けると鬼のように寒いし、閉めると車から漏れ出る熱気で眠たくなってくるし、意識を集中して前を見ないと濃霧で全然前が見えないし、とにかく走り続けるのが厳しい状況です。。。










あ! やっとサンイシドロが見えた!










ふぅ〜、やっと到着です。(18:05)

人口2万人にも満たない都市ですが、なかなか立派です。








明日から大自然のまっただ中へトレッキングに出かける予定なので、小さなスーパーに立ち寄って明日の朝食と昼食用に調理パン4つに水1本を買いました。(合計3100コロン(470円))




そして、車から降りて歩きながら買い物をしたことでようやく眠気が収まりました。




気温は半袖でもちょっと涼しいぐらいです。
いったいさっきまで標高何メートルのところを走ってたんでしょう?(←3300m)








買い物をした直後に立派なスーパーを発見してこちらにしておけばよかったかと思いましたが、もう買っちゃったものは仕方が無いのでそのままスルーします。









サンイシドロを超えるとパンアメリカンハイウェイなのに急に交通量が減ります。







お〜、またもやデルモンテですか。

ということは、周囲はバナナ畑地帯なのでしょうか。

(デルモンテは別にバナナだけの会社ではないんですよね)








サンイシドロから174キロ走ったブエノスアイレス(BuenosAires)というアルゼンチンの首都と同じ名前の小さな街で昨晩立てた計画通り念の為ガソリン給油をしておくことにします。


ここからトレッキング開始ポイントまでが片道240kmぐらいなので、この先にガソリンスタンドが一切なかった(正月前後で営業してなかった)としても一応無給油で行って帰ってこられる計算です。



10リットルで6500コロン(995円)でした。走行中、エアコンを一切つけなかったこともあり、さらに燃費が伸びてリッター17km以上走ったことになります。






韓国KIA製のバンが珍しかったので撮影しました。

私は幼少期から商用バンになぜか心惹かれるのです。というか幼少期に親がライトエースを買って、家族を旅に連れて行ってくれていたからなのでしょうが。







給油後はひたすら南へ南へと走っていきます。










途中、お腹が空いたのでカサードの残りをいただきます。
冷めてても十分美味しくいただけました。(19:45)









しっかし、誰も走ってないですね〜。









わお、道が半分崩落してるじゃないですか!

(対向車がほとんど来ないので、そのまま突入して問題なかったですけど)








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サンイシドロからコルコバード方面に抜けるには2号線(パンアメリカンハイウェイ)だけではなく34号線という道が別に伸びていて、この2本の道はパルマノルテという小さな街で合流します。

パルマノルテのガソリンスタンドは夜間は営業していない可能性が高いと思っていたのですが、実際にはかなり立派なスタンドで24時間営業をしていそうな感じでした。


34号線と合流してからのパンアメリカンハイウェイの交通量がかなり増えたので、どうやらサンイシドロからパルマノルテまでの区間は34号線を使うほうが一般的だったようです。(確かにGoogleMapでルート検索すると普通に距離が少し短い34号線を使用するように案内されるのですが、昨日の夜にわざわざパンアメリカンハイウェイ経由に変更していたのでした)











そして、パルマノルテを過ぎてからのパンアメリカンハイウェイは道の状態があまり良くないです。

道に穴が開いてる箇所は写真の通りちゃんと埋めてはあるのですが、とにかく道路の起伏が多くて車が激しくて揺さぶられます。



しかも道路に白線(コスタリカでは黄色線)が無いので、対向車とのすれ違いがちょっと怖いです。(日本の高速道路並みのスピードで皆さん走っているので)


制限速度で走っていたら、後ろからバスが煽ってくるので(バスに煽られるなんて人生初体験です)、そのバスを抜かさせてあげたところ、今度はさらに前方を走っていたトレーラーを短い直線区間でバスが強引に追い抜いていこうとする様がまるでハリウッド映画のワンシーンのようで、「対向車が来ませんように」と祈りながら運転しておりました。










チャカリタ(Chacarita)の交差点にガソリンスタンドがあって、ここがコルコバード方面への入口となるわけですが、ここもまだ営業していたので給油しておくことにしました。(21:20)
ここも24時間営業っぽい雰囲気です。


このページを参考に計画を立てながら昨日の夜に給油のことであれこれ悩んでいましたが、全て杞憂のようでした。


ブエノスアイレスから92.8キロ走行で3600コロン(550円、6リットルぐらいでしょうか)。給油開始してすぐに満タンになってしまったので、店員さんも「何故?」という顔をしておりました。









さて、ここからいよいよダート区間が始まるわけですが、道路の状態は想像していたより良いです。


先ほどのパンアメリカンハイウェイよりもスムーズなぐらいです。




この状態はどこまで続くんだろう?と思っていたら、最初の村を通過した直後に洗濯板状態&穴ぼこだらけになり、ついでにキツいカーブまで登場するという悪路に変身しました。



やはりそうですよね〜・・・・





そして、こんな人気の無いエリアの道端に大きな岩が2つ落ちてるなぁと思ったら、座って話し込んでいる若いカップルでした。


岩が動いたのかと思って、ちょっとびっくりしました。









ん〜、霧まで出てきました。





車内が少し暑く感じて窓を開けると今度は涼しすぎる気がして、やはり閉めておこうかと窓を閉めたり開けたりを繰り返していると、そういえばジムニーには当たり前のようにパワーウインドウが付いていないことに改めて気付かされました。










この穴ぼこが突然登場するのが恐怖です。


深さが大げさじゃなく20cmぐらいあって、ブレーキが間に合わないと酷いことになります。


この穴ぼこ区間と状態の良い舗装区間を交互に繰り返すのが厄介で、舗装区間を順調に流していると、突然登場する穴ぼこ区間の入り口で泣きをみるということを何度も繰り返しました。








わお! 道が崩落してるじゃないですか!


日本だとすぐに工事して直すと思いますが、こちらは基本放置のようです。(それともしょっちゅう崩落して、補修が追いつかないのでしょうか?)


パンアメリカンハイウェイとかだと崩落箇所を示すサインやロープが出ていましたが、このぐらいマイナーな道になると、何の前触れもなく崩落区間が登場してびっくりします。








いやぁ〜、とにかく走りにくい!!













リンコン(Rincon)という小さな町を抜けて、ようやく綺麗に整備された道路に切り替わりました。

いつ穴ぼこが登場しても良いように警戒はしていましたが、舗装状態も抜群に良く、とても走りやすい道が続きました。

帰りは明るい時間帯にここを通過する予定なので、どんな景色が広がっているのか楽しみです。




コルコバードの観光の拠点となるプエルトヒメネス(Puerto Jimenez)の手前で警察が検問をやっていました。警察官に行き先やコルコバードでの滞在期間の質問をされてそれに答えた後、「宿泊中は車の中に荷物を残さないように」と注意を受けました。


こんな田舎にある観光用の小さな村ですが、やはり治安はあまり良くないみたいです。
一応トランクの荷物は持参した黒い布で隠せるようにしてあるので、トレッキング中はそれで凌ぐしかありません。









プエルトヒメネスも中に入るとなかなか立派な村でした。(市街地人口はたったの2000人ですが、コルコバード観光の拠点となる村なので、さすがに宿やレストランがたくさんあって賑やかに感じました)(23:00)







メインストリートから間違えて一本奥に入ると穴ぼこ地帯。

街中を四駆のパトカーが巡回していたりしていたので、こんなところをうろついていたらすぐに職質されそうだったので、挙動不審にならないようにUターンして正しい道にリカバリーしました。








チャイパッドのルートに従い、トレッキングのスタートポイントになるカラテ(Carate)方面に向かう道に入ります。











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そして、ここから本当の悪路が始まります。



もう23時を過ぎているので、カラテまで辿りつけずとも、休めるところがあったらそこらで車中泊でもと思っていたのですが、道が牧場地帯のど真ん中を走っていくので、どうもそんな雰囲気じゃないみたいです。



一台、ハイペースで走る四駆が後ろから抜かして行ったので頑張ってそれに付いて行こうとしたのですが、余裕で振り切られました。


(地元の人でしょうか? 穴ぼこや洗濯板状態の箇所を避けるのが非常にうまかったです。あと、車のサスペンションが全然違うというのもあると思います。(向こうは大型四駆でした))









しまいには川越え箇所まで登場しました。。。









一箇所、二箇所どころじゃなく、何本も川を超えていきます。

深さがわからないので、毎回おっかなびっくりです。








いや、しっかしジムニーでよかったです。

ちょっと登りがきつくて後輪が滑り気味でも四駆モードにすればグイグイと登っていきます。

特に川の前後は激しい勾配になっているので助かりました。








プエルトヒメネスから悪路を1時間以上走ったところで、ようやくカラテ周辺で営業している宿の「看板」が登場し始めました。


(看板のちょっと向こうが川というのがシュールですが、カラテ周辺の宿はどれもこれもけっこうなお値段がするリゾートコテージです)








道路脇にでかい生き物が蠢いていると思ったら馬でした。


柵があるからその向こう側に居るはずなのですが、なぜが道路側に居ました。









え!? 行き止まり!?

と、思ったら道路崩落箇所を示す柵でした。


実際、ここは柵が無いと崩落箇所がわかりにくく、うかつに近づくとかなり危険な感じでした。


そして、崩落箇所の先に流れていた川もなかなかの深さで、さらに加えて下りと登りの方角が違ったので、一瞬川の真ん中で行き止まりの川に突っ込んだかと思って焦りました。




そして、空港らしき場所の横を通過し、高級リゾートコテージ横に続いていた下り坂を下っていった所で、、、、







海に出てしまいました。。。。(0:50)

(写真は手前の川だけ写っていて、その奥に砂浜があります)


下手に突き進んで砂浜でスタックしたらシャレにならないので、そのままバックします。



てっきり、トレッキング客用の駐車場でもあるのかと思って探しながら走ってきたのですが、そんなものはどこにも見当たりませんでした。




どうしたものかと少し悩んだ後、高級コテージのところから内陸側に道が一本伸びていたので、ひとまずそちらに進んでみることにしました。



走っていくと次第に道幅が細くなり、しまいにはすれ違いが不可能な幅になり、超えなければならない川の横幅もこれまでの数倍の広さ(数本の川が束になって横幅20mぐらい)になってきました。


高級コテージではなく、ジャングルの中に半分壊れたバラック小屋みたいな建物まで登場して、ほとんどB級ホラー映画の世界です。



内心で「こりゃ絶対に間違いだ」と思いながら進んでいたのですが、手遅れにならないうちに引き返そうと決心して、来た道を戻ることにしました。
(夜中に狭い林道でUターンするのがこれまた一苦労でした)



先ほどのバラック小屋の前を通過していく時に、車のライトで照らされた建物を何気なく見ていると、なんとこんな時間なのに中から幽霊ではなく生きた人が出てくるではないですか!



というか、ここに人が住んでたんだ!
もしかして、道を教えてもらえるんですかね。




ひとまず車を停めて様子を伺うと、小屋から出てきたのは60歳前後の男性で、上半身は裸、脂肪の付いていない肌は真っ黒に日焼けしていて髪の毛は肩ぐらいまで伸びているという、まるで仙人のような出で立ちです。



何も持っていないことをアピールするかのように両手を広げ、足元がおぼつかない感じでフラフラと歩いてきます。

道を尋ねるという期待は出で立ちを見た瞬間に消えてしまったというか、一瞬ヤバイところで車を止めてしまったんじゃないかぐらいに思ったのですが、顔と表情をよく見ると人の良さそうな感じのお爺さんだったので、改めて尋ねて見ることにしました。


が、しかし、英語は通じません。


お互いジェスチャー交えてコミュニケーションを重ね、なんとか「パルケは川を超えて右だ」ということだけは理解できました。


これ以上の情報交換は無理だと判断して、こんな夜中に親切にしてくれたお爺さんにお礼を行って先に進むことにしました。


走りながら、パルケといえば、同じスペイン語圏のアルゼンチンの空港は「エアロパルケ」だったなと思いだし、パルケは空港という意味だと理解しました。(帰国後に調べてみたらこれは勘違いで、どうやら国立「公園」のことをパルケとおっしゃってたみたいです。川を超えてというのは先程砂浜で見た川のことで、たしかにあの川を渡って砂浜を右に進めば国立公園に入れます。おじいさん、夜中にありがとうございました)



とりあえず空港まで戻ることにして、来た道を走っていきます。


途中、広い川を超える所で車がなんとか走れそうな道が川岸から右方向に続いているのに気がつき、もしかしたらおじいさんはこの道の事を言ってたのかもしれないと思ってジムニーをそちらに進めました。

しかし、道の状態から嫌な予感がして、車を止めて徒歩で先に進み懐中電灯で先を照らしてみたら、案の定ジャングルの中で道が途切れていました。

強引にその道を川から駆け登っていたら、バックで下るのも難儀な場所だったので行かなくてよかったです。

というか、行かなくてよかったはよかったのですが、そこでのUターンが死ぬほど難儀でした、、、



空港の先端から海へ下る道と今走ってきた内陸に続く道との交差点まで戻ってきた所で、もう一度歩いて周辺を確認してみます。







ん? 「i」マーク。informationTurisTicoとか書かれてます。 ここはもしかして旅行者向けのインフォメーションセンターですかね?




こんな時間(午前2時)ですからもちろんオープンしてませんが、明日の朝になったら普通にスタッフさんが来てくれる気がします。




では、この建物の正面で車中泊することにしますか!







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いやぁ〜、今日は走りました。




椅子を倒すと空には満天の星空が葉っぱの間から覗いています。(2:00)




では、おやすみなさい・・・・





つづく