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もう一台のジムニーの方はまだ出かけているみたいです。(16:45)



部屋に戻ると、先程この宿に到着したばかりだというカリフォルニアから来たマイク君が居たので少し話をしました。


その後、アニヤさんが部屋に入ってきて、


「今日はこのナイトウォークに参加するの!」


と、シルベストーレナイトウォークと書かれたパンフレットを見せてくれたので、昨日から気になっていたことをもう一度確認してみます。


「アニヤさん、昨日参加したナイトウォークのパンフレットって持ってますか?」


「うん、持ってるよ」


と、言いながら取り出したものを確認してみると、案の定「サンタエレナ」ではなく「サンタマリアナイトウォーク」のパンフレットでした。


あぁ〜、やっぱり!!
昨日デジカメで見せてもらった動物たちは全てネタバレだったか!!



しかも、万が一今日は見られなかったら、人しれず残念な気分になるんだと思いつつ、アニヤさんにお礼を言ってパンフレットを返しました。



その後、昨日は一言も会話をしなかった同室の若い白人男性に


「何か顔に塗るクリームって持ってませんか?」


と、尋ねられたのですが、内心で「40超えたおっちゃんがそんなもん塗るわけ無いじゃん」と、思いつつ、


「いや、持ってないよ」


と、返事をしました。


彼もアメリカから来た若者のようです。顔にクリーム塗るなんて肌がデリケートなんですね〜。




そろそろピックアップ時間になったので、宿の受付に移動します。






観光客が集まるような所のバックパッカーズハウスは大抵こんな感じなのですが、改めて見るとすごい数のアクティビティがあるんですね〜。



受付では30歳前後のカップルが怒涛の勢いで値段交渉をしていて、特に女性の方が紙に値段を書きながら激しく値下げ交渉をしていました。


私は何も考えずに言い値を払っちゃいましたが、普通はこうやって頑張るもんなんでしょうね。



普通1泊10ドルだったはずですが彼女のすごい頑張りがあって、2人で3泊で40ドルまで値切ったみたいです。

あっぱれ! (男性の方は私が見ていた限りでは一言も喋ってませんでした)



台風のようなカップル(というか女性)が受付を去り、一気に静かになった所でお兄さんが私の存在に気がついたらしく、


「あれ、君は何のツアーだっけ?」


と、確認してくれたので、


「サンタマリアのナイトウォークです」


と、答えると、


「オッケー」


と、言いながらすぐにピックアップの運転手さんに電話で確認してくれ


「あと、ちょっとで到着するみたい。もうちょっと待っててね」


と、状況を教えてくれました。


安宿なのに素晴らしい対応です。





しばらくすると、受付のお兄さんがジェスチャーで合図をしてくれ、ピックアップの車が来たことがわかりました。(17:45)







今日はヒュンダイグレースに乗れるかと期待していたのですが、やって来たのはハイエースでした。(そんな期待をしている人は世界広しといえどもそんなに居ないと思いますが)







私がピックアップ最後だった関係で助手席になりました。


いや〜、ハイエースって(ジムニーと比べて)乗り心地が良いですね〜!

未舗装路を滑るように走っていきます。









夕焼けが綺麗だったのでカメラを向けたら、運転手さんがわざわざ車を停めて体を引いて撮影させてくれました。
(停めてくれたのが申し訳なくて慌てて写したので、結局こんな写真になってしまいました)




サンタエレナの街を抜け、牧場地帯に入った所で「サンタマリア」と看板が出ている建物の前に車が止まりました。


どうやらここが私設の保護区(というか民間ナイトサファリパーク)のようです。







ナイトウォークの受付用建物に移動し、さっそく懐中電灯をもらったり申し込み手続きをしたりします。

ドイツ人2人にスイス人4人に加えて私と、7人のチームになるみたいです。(私以外皆さん見るからに20代)



「ベルナルドです」と名乗った50歳ぐらいの小柄な運転手のおじさんが実は我々チームのガイドさんでした。


ベルナルドさんは簡単な自己紹介の後、ものすごい早口で注意事項を説明し(ネイティブじゃない方の発音の関係でなんとか聞き取れましたが)、「では、レッツゴー!」と声高らかに宣言して先頭切って歩き始めました。




森林地帯に入る手前の高さ2mほどの土手のところで突然ベルナルドさんが四つん這いになり、拾ってきた細い枝を土手の中ほどにある穴に突っ込んで、何やら引っ張り出そうとしてます。

特に解説がなかったので、何してるんだろうなぁ〜と待つこと5分、、、


「今日はダメだ! ごめん、このまま見てくれる?」


と、言いながら穴の中に向けて懐中電灯の灯を照らすので、ひとりずつ穴の中を覗きこみます。

穴の中に何が居るのか(アニヤさんのおかげで何となく想像が着いていたりするのですが)覗いてみると、、、








穴の奥1mぐらいのところに綺麗な模様のタランチュラが居ました。



「コスタリカにはタランチュラ6種類居て、メスの方が大きく、寿命は20年、、、」



というような解説をベルナルドさんがマシンガンのように説明してくれます。




そして、いよいよ林の中へと入っていきます。

(サンタエレナやモンテベルデほどの熱帯雲霧林系ジャングルでは無い、普通の防風林みたいな所です)



トレイルはちゃんと整備されていて、小さな懐中電灯ひとつあれば、特に問題なく歩ける感じです。(そりゃぁ、観光客が気楽に夜歩きに来る場所ですからね)



なんか前方で懐中電灯が光っているのと人の話し声が聞こえるなぁと思っていたら、どうやら別グループが前方にいて、木の上に居る何かを観察しているようでした。


ベルナルドさんは歩くのを止め、彼らが去るのをしばらく待ちます。


そして、彼らが歩き去った後に同じ木の下に我々も移動し、ベルナルドさんが木の枝を懐中電灯で照らすと、そこには、、、、












フタユビナマケモノ(Choloepus didactylus)が居ました。

発見する歓びも何もあったもんじゃありません(笑)


ただ、ちょっと驚いたのがナマケモノが(昼間と比較して)すごいスピードで動いていたことです。


これは、百聞は一見にしかず、見られてよかったです。








こちらはナマケモノの親子。(こちらも前のグループのおかげで、発見もへったくれも無い感じで登場しました)


もうちょっと低い木の枝に居てくれたらちゃんと観察できたんですけどね〜。



途中から複数のチームがトレイルで交錯するようになり、お互い無線機でどのタイミングでどの動物を見に行くのかを連絡取り合っているみたいでした。








手のひらサイズのナナフシです。
アニヤさんの写真では大きさがわかっていなかったので、これは感動しました。


ナナフシは普段いる場所から移動していたからか、ベルナルドさんが木の下を靴で軽く掘って木の枝を刺し、後続のガイドに場所がわかるように目印をつけていました。
(さすがでございます(笑))







寝ている鳥。
(なんという名前の鳥か名前を聞きそびれました。色からしてインコの仲間ですかね?)









なんか珍しそうなの居た! と、思ったら、コルコバードでさんざん出会ってきたハナジロハナグマ君でした。(White-nosed Coati(Nasua narica))




そして、ベルナルドさんが「こいつだけはヤバイから絶対に近寄らないで欲しい」と、発見する5分前から念を押された本日の真打、、、、








 side-striped palm viper (Bothriechis lateralis)が登場。

蛇から私達が居る場所まで軽く10mは離れていますから、危険もへったくれもないわけですが。


Wikipediaによると、噛まれても死に至ることは稀だそうなのですが、ベルナルドさんいわく、血清の手に入る病院に行くまでに時間がかかるので万が一の時に危ないのだとか。。

(こんな調子で動物探しとしては大変興ざめなツアーですが、ベルナルドさんの大げさで早口のトークが面白く、途中からそちらを楽しむようになってました)





そして、タランチュラ穴出しチャレンジパート2




格闘を始めてから5分後、、、





「あ〜、今日はダメだ! 穴の中に居るのを見てくれる?」




と、先ほどと同じセリフだったので、








同じ様な写真をもう一枚撮っておきました。



しっかし、タランチュラって美しいんですね〜。



きっと彼女たちは一日に何回も枝でつつかれるので、だんだん無反応になってしまったのでしょう。









とても小さなカエル。
pygmy rain frog
Eleutherodactylusridensあたりでしょうか?










指と比べるとこんなサイズの可愛いアマガエルの仲間です。








毎度おなじみ、ハキリアリの大行進です。

ベルナルドさんの説明で彼らがマッシュルームの栽培をするために葉を切って運んでいることを今更思い出しました。巣が2年ぐらいの年月をかけてフルサイズになると働き蟻の数は700万匹になるのだそうです。
そして、クイーンは1匹。そのクイーンが死ぬとコロニーごと全滅するんだとか。(そう言えばヘイナ君もあまりハキリアリの生態を解説してなかったので、ベルナルドさんのお陰でいろいろわかり、とても興味深く観察できました)
そして、ラ・セルバでも見かけた高さ1mぐらいの土の山が何だったのか、ようやくわかりました。ハキリアリの蟻塚だったのです。

あの中でキノコを栽培してるんですね〜。







というわけで、ナイトウォークツアーも終了となりました。(月と月の輪とガスにも負けずに明るく輝いている星は金星でしょうか)

アニヤさんに事前に見せてもらった種類はすべてコンプリートしてるはずなので、無駄に落ち込まなくて済みました。
(というか、商売としてきっちりと見せられるように管理されているみたいでしたが)








ジャングルの夜を何に出会えるのかドキドキしながら歩くという感じは皆無ですが、(ベルナルドさんの)動物生態解説ツアーとしてなかなか面白かったです。











帰りもベルナルドさんに送ってもらいます。










宿に戻ると、すぐに夕食の準備に取り掛かります。


アニヤさん(写真中央)は今日はマイク君に「見せて見せて!」攻撃をしておりました。







本日はタイカレースープスパゲティです。

う〜ん、美味しい!!







荷物を整理していたらナインさん(写真奥)に、


「君は荷物がでかいね〜」


と、声をかけられたので、


「レンタカーの旅なので荷物をコンパクトにする必要が無いんですよ」


と、答えたら


「そうか。なるほど」


と、納得したみたいでした。


「明日はどうするの?」


と、聞かれたので、


「5時半にここを出発してテノリオ火山に行って近くの温泉に浸かってからパロベルデに向かいます」


と、答えたら、



「5時半!早いねぇ。 アレナル火山かぁ」



と、返されたので



「いえいえ、テノリオ火山です」



と、訂正したのですが、テノリオ火山は名前すら知らないみたいでした。

壁に貼ってあった地図で「ここですよ」と指し示しても「ふぅーん」という感じみたいです。

ナインさんが言うアレナル火山とタバコン温泉のセットは観光客(特に日本人)には超有名なのと、火山の溶岩が今の時期は見られないこともあって今回の旅の行程からは当初から外れてました。

ちなみにテノリオ火山麓の温泉に行こうと決めたのはラ・セルバに宿泊していた夜のことで、先日ゴジツアーズさんからもらったメールで「パロベルデに14時までに着いてください」と言われた時点で時間が足りないと判断して半分諦めていたのですが、今日一日の行程を通じてサンタエレナにこれ以上留まっても仕方が無いと判断して、早朝に出発してでも立ち寄ることについ先程決めたのでした。


テノリオ火山国立公園のゲートの開く時間やパロベルデに14時に到着しなければならないなど、いろいろ逆算して決めた出発時間が5時半だったというわけです。

というわけで、テノリオ火山に関する出来る限りの情報を入手して(って、テノリオ火山関係の情報は日本語のものはほとんど無かったのですが)、なんとかテノリオ火山経由でパロベルデに14時までに到着してガイドツアーも楽しめるような算段をつけるべくネットであれこれ調べてから眠りにつきました。




つづく