ケニアドライブ旅行記
その5
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レンタカーオフィスで車を借りる手続きをします。







クロスボーダーライセンスフィーのキャンセルの件を念のため確認したところ「聞いている」ということで安心してしまったのですが、実は料金そのものは1円も差っ引かれていなかったことには気がついておりませんでした。



書類にサインをしている時に、


「今日はこれからどこに行くの?」


と、尋ねられ、


「今日は買い物をしてからナイロビのホテルで一泊します」


と、答えたところ、


「そう。マサイ・マラ(国立保護区)は行っちゃだめだよ。ここ最近の雨で道が泥沼状態だから」


と、突然宣告され、実は明日からマサイ・マラ国立保護区で4日間ほどゆっくり動物観察でもしようと思っていた計画がのっけからダメになって頭が真っ白です。



慌てて他の国立公園や国立保護区の状況も確認すると、行っちゃダメなのはマサイマラだけとのこと。(他の国立保護区で治安上の問題からおすすめされなかった場所もありましたが(サンブル)、 夜間に道路を走らなければ大丈夫だろうとのこと)


一応促されるままに事務手続きを進めていたのですが、頭のなかはどう行程を組み直すかでいっぱいです。


ひと通り事務手続きと説明が終わり、空港の出口正面のロータリーに停めてあった今回借りる車を見せてもらい、ジャッキやファーストエイドキット、三角表示板などの置き場所なんかを丁寧にひとつずつ教えて くれたのですが、正直上の空のまま聞いてました。



荷物を車の中に放り込んでいると、荷物を運ぶのを手伝ってくれた若いスタッフに


「Are you alone?」


と、年末大ジャンプ恒例の質問をしょっぱなから受け、


「イエス!アイムアローン!」


と、精一杯の笑顔で返しておきました。



まぁ、今すぐ明日から予定を決めなきゃならないわけじゃないので、一旦それは後で考えることにして、今はレンタカーを借りてナイロビ市内で買い物をすることに集中することにしました。


カーナビの使い方を尋ねようとダッシュパネルに備え付けられていたモニターを確認すると、日本語で「目的地」とか書かれたボタンが付いてま す。


すげー、日本語のカーナビ着いてるよと一瞬喜びかけたのですが、そんなわけは無いと思いつつ、


「これ、使えるの?」


と、スタッフに確認すると、


「地図用のDVD入ってないから使えないよ」


と、若いスタッフはあっけらかんと答えつつ、操作ボタンを押してエラー表示(もちろん日本語)を見せてくれました。


そりゃぁ、日本製のカーナビにケニアのマップのDVDオプションなんてで出てないでしょう・・・・



しまった、騙された!!!(無料のナビが付いてるって話自体がそもそも怪しいわけですが、ユーロカーという大手のレンタカー会社なので素直に信じ ちゃいました。但し申し込みページはイギリスのエージェント会社のものなので、「カーナビ付いてる?」「付いてるよ(使えないけど)」ということだったん だと思います。


幸い、ラフではあるもののスマホに行きたい場所の地図と全行程のナビデータは入れて来てあったので、これを使えば何とかなりそうですが、ナビがついてると信じきって何も持たずに来ていたら酷い目にあう ところでした。


恐るべし、ケニア。



あと、コスタリカでの反省からガソリンの残量も確認すると案の定半分のところを指し示しています。

それを若いスタッフと指さし確認をして書類に記録してもらい、ようやく出発の準備が完了しました。



スタッフが


「ナイロビでは常に車の鍵をかけて走るんだよ。渋滞中や信号待ちの時とかに突然後部のドアを開けられて積んでる荷物を盗まれるよ」



と、注意してくれたので気が引き締まります。

地球の歩き方に大げさに治安状況が書かれててもなんとも思わないのですが、地元の人に言われると信ぴょう性が違います。


車の後部に取り付けられてるはずのスペアタイヤも盗難防止のためトランクスペースに放り込まれてますしね。(これはコスタリカで借りたジムニーと同じでした)




では、行きますか!



最初に登場した無人のゲートで車を借りるときに予め渡されていた磁気カードのチケットを機械に挿入して空港駐車場を出ます。






今回新たに調達したスマホスタンドですが、これが優秀で一度も外れ落ちること無くダッシュボードにスマホを固定し続けて くれました。


画面は小さいですがダッシュボードに置いておけないチャイパッドよりもよっぽどこちらの方が使い勝手が良かったのは嬉しい誤算でした。







雨も止んで少し晴れ間も見えています。

写真では追い越しのために右車線を走ってますがケニアは元イギリス領で左側走行ですから楽ちんです。




幹線道路に出る前に一度車を道路脇に寄せ、買い物をするショッピングモールまでの道順を頭に入れておきます。(スマホが音声ガイドとかをしてくれるわけではないので)



では、ナイロビ市街に入ってみましょう。










時速80km以上で流れる道路に次々と人が飛び出してくるのを見て、「あぁ、アフリカに来た!」という実感が湧いて来ました。



左に写ってるのが荒っぽい運転でその名を轟かすマタツ。

日本のバン(だいたいトヨタのハイエース)を流用した小型の私営路線バスです。


まずはあまり近寄らないようにして、荒っぽい運転が如何程のものか様子見することにします。





う〜む、なるほど・・・


マタツの運転は評判通りなかなかアナーキーです。

お客さんを乗せるために突然停めたりしますし、車掌(コンダクターと呼ぶそうです)のお兄さんが乗り込まないうちに発進するので、車掌さんがウインドサーフィンみたいに身を乗り出 して車にしがみついたまま走ってますし、車線変更もガンガンしますし、巡航スピードが速いのから遅いのまでいろいろで台数もとにかく多いので、常に周囲を囲まれ抜きつ抜 かれつの状態になります。


ただ、この区間は4車線道路で自分からどこかに逃げることが出来たので、注意して走ってればぶつかりそう!ってことは無かったです。




ガソリンが半分しか入ってないので、とりあえず最初に見かけたガソリンスタンドに立ち寄りガソリン満タンにすることにしました。


ガソリンスタンドはセルフ式ではなくスタッフに入れてもらう方式なのですが、入れる量を値段で指定するみたいだったので、半分を指してるメーターをスタッフに見てもらっ てどのぐらいの値段になるか尋ねたら3000KShだろうというので、それで頼みました。







横に停まったサファリカー(サファリ専用に屋根が開くバン)が普通にシュノーケルを着けているのを見てビビリます。

もしかしたらマサイ・マラに行けるんじゃないかと内心で少しだけ思ってたんですが、これを見て完全に諦めました。




3000KSh(リッター120円弱なので25リットルぐらい)入れた所でちょうど満タンになりました。

ガソリンスタンドのスタッフ、さすがですね。




支払いは専用のクレジットカードしか受け付けてもらえず(スタンドによります。トータル(というチェーン店名)ではトータルカードしか使用出来ませんでした)、現金 で3000KSh(ケニアシリング)払いました。

この時は日本円がケニアシリングとほぼ同値だったので3000KSh=3000円なのはわかりやすくて良かったです。











今日は土曜日だからかナイロビ名物だという酷い渋滞に巻き込まれることもなく順調に道路は流れていきます。


元イギリス領特有のランナバウト(写真)なんかもあるのですが、これはすでに慣れてるので問題なく通過。


ナイロビのランナバウトはかなり巨大なので慣れていないと面食らうと思います。皆さんフランスのパリ並みに運転荒いですし、自己主張しつつ突っ込んで行かないと後ろからクラクション鳴らされ て立ち往生するハメになると思います。
郷に入れば郷に従え方式で、私も東京流の気遣いは捨ててどんどん前に進むようにしました。






片側3車線のハイウェイでナイロビ中心部を突っ切っていきます。


想像していたよりも道路が綺麗に整備されていてびっくりです。









ハイウェイからショッピングモールに向かうために裏路地に入った所で一気に雰囲気が変わりました。



道路にはたくさんの売り子さんが立って居て、三角表示板やファーストエイドキットに消火器、あとは新聞やバナナなんかを販売しています。


そして通行人が道路を続々と横断します。

横断しようとしている通行人は車を避けるはずだという確信を持ってノーブレーキで走らないと、下手に減速した日には次から次へと人が道路を横断し始め進めなくなってしまいます。(このへんは南アフリカとかコスタリカで慣れました)


教習所で習う「だろう運転」と「かもしれない運転」で言えば、前者で行かないとダメな世界です。







場所によっては巨大な水たまり状態になってる場所もありました。

つい先程までスコールでも降っていたのでしょうか。



裏路地は入り組んでいましたがスマホの現在地表示のおかげもあり、予め調べておいたナイロビ最大級と言われるショッピングモールに無事到着。



中央分離帯付きのUターン禁止道路だったこともあり、向かいにあった小さなショッピングモールの駐車場に間違えて入ってしまったのですが、警備員に尋ねた所ここに停めておいても問題なしとのことだったので、そのまま車を置かせてもらいました。









改めて、今回借りたトヨタのRAV4です。(14:45)

四駆っぽく見えますがFFです。


もちろん本当は四駆を借りたかったのですが、9月に手配した時点ですでに(安い)四駆は予約が埋まってました。

まぁ、前回のコスタ・リカでもジムニー借りたのに本人の思惑とは関係無くFRモードで走り続けて問題なかったので、この車高があれば大抵の場所は大丈夫でしょう。



後でドアの内側に貼られていたシールやらVICSアンテナの存在で確信したのですが、この車の最初のオーナーは間違いなく日本在住の方です。それが中古市場経由でケニアに運ばれ、ナイロビのユーロカーが買い取ってレンタカーとして使用しているみたいです。

だから日本製の古いDVDナビがそのまま着いてたんですね。ここまで中古だとわかるレンタカーは初めてです。(笑)









ちなみに、私にとってRAV4は未だにキムタクのイメージです。







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