その35
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1月8日(火)(12日目)
夜中に目が覚めたのでテントの外に顔を出してみると、この旅始まって以来の満天の星空が輝いていたので、カメラを持って外に出ました。
いやぁ〜、綺麗な星空を久しぶりに見ました。
地面のところにちょろっと生えている突起がケニア山です。(広角レンズで写していますが、実際に山頂からは20km近く離れているので小さくしか見えませ
ん)
たっぷりと星空を堪能してから再びテントで眠りに就き、6時に起床。
気温は5度。まったく寒くありません。
ただ、昨日にも増して今日は強い風が吹いていてテントが揺れています。
ちょうど朝焼けが始まっていました。
昨日ほどではないですが、少しガスが発生していてそれに太陽光があたって綺麗な朝焼けになってます。
ついにスパゲティに対する許容量をオーバーしてしまい、朝食はパンで済ませました。
というのも、テント泊はあと1泊あるか無いかなのと、下界ではガソリンスタンド等でいくらでも食料が手に入ることがわかっていたので、食料の問題がなくなったからで
す。
スパゲティはあと1食分残ってますが、その他の行動食含めて全部エリックにプレゼントしたら喜ばれるだろうし、私はスパゲティ地獄から開放されるし一石二鳥だろうという作戦を企てました。
ん? 賞味期限切れでしたか。(コモパンは1ヶ月ぐらいは持つので、どうやら賞味期限が短いものを買ってしまったようです)
でも、こんなの全然気になりません。
小屋の西側にアバーディア山脈が見えていて、ちょうどそこに太陽光があたって綺麗でした。
なんか平べったい山脈だなぁぐらいにしか思ってなかったんですが、帰国後に調べてみたら平均標高3300mだとか。けっこう高いんですね〜。
もちろん国立公園に指定されてるエリアです。
そうこうしているうちにジェロームさん達が先に出発して行きました。
それを見送ってテントを片付けるときに、何の気無しにテントの中に入ってる草やら砂を落とそうとフレームを掴んで空高く持ち上げてひっくり返した瞬間に突風が吹き、飛ばされないよう
にフレームを強く握った瞬間に「ボン!!」と音がして、フレームの中に入っているポールを折ってしまいました。。。(テントを逆さまにすると、風がテントの中に入り込んでしなり切ってる
ポールにさらにテンションがかかっちゃうんですよね)
折ってからしばらくして思い出したんですが、数年前に風の強い朝に北岳で同じことをしてポールを折ったことがあり、自分の学習能力の無さ
に愕然としました。
まだ時間に余裕があったので折れたポールを外して予備のポールと交換修理をしようとケースから取り出してみたところ、予備のポールもなぜか折れてま
す。
3秒ぐらい考えてようやく理解しました。
去年コスタリカでポールを折った後、登山道具屋(カモシカスポーツ)に予備のポールを買いに行ったのは間違いないのですが、買ってきたポールと折れたポールを交換してなかっ
たことを・・・・
というわけで、今日まで後生大事に折れたポールを持ち歩いてきたわけです。
いやはや、折ったのが下山の日でよかったです。
ケニア山は小屋で寝泊まりできるので深刻なことにはなりませんが、使えないテントを持ち歩くのは精神的に苦痛ですしね。
さらに予備で折れたポールを強引に直す道具も持って来ていたのですが、そこまでしてこの後もテント泊をしたいわけでもなかったし、キャンプサイトで車中泊でも今後は問題ないので、今日をもって
テントを使うのは終了にすることにしました。
そんなこんなでパッキングも完了。
ジェロームさん達から10分ほど遅れて我々も出発。(7:35)
エリックから1時間半ぐらいで着くと聞いていたので、6kmぐらいかと思っていたら9kmあるとのこと。
さすがにそれを1時間半は無理でしょう(笑)
程なく数百メートル先を歩く彼らが見えてきたのですが、それほどペースに差があるわけでもなく、なかなか差は縮まりません。
整備された林道を時速5kmぐらいのスピードで下っていきます。
花咲く林道を歩きつつ、そういえばエリックと歩くのもこれが最後だと思い、道中度々エリックが一人でハミングしていた歌について質問すると、「僕らが君等のため
に歌う歌はこれだけだよ」と言って、「Jambo Bwana」を歌ってくれました。
普段エリックが口ずさんでる歌は間違いなくそれじゃないんですが、まぁいいやと、エリックが歌う陽気な調子の歌を聞きながら下って行きました。(エ
リックは英語に訳しながら歌ってくれたので歌の意味もわかりました)
先行していたお二人に追いつきました。(ナディアさんとガイドさん)
ちなみにジェロームさんは飛ばし過ぎで疲れ果てたのか、だいぶん前に追い抜いてすでにかなり後方を歩いております。
逆にナディアさんは普段から自転車に乗ってるとのことで、ほぼ全速力の私と同じスピードのまま歩いていました。
(二人はこれまでにも4000m級の山にはいくつか登ったこともあるとおっしゃってました)
ここで、ナディアさんがあれこれ話しかけてくれたのですが、欧米の女性がアフリカ、特にケニアに行くきっかけナンバーワンと言われる小説「Out of Africa」の話から始まって、野球の話やら健康の話、(彼女がトレーダーをしていることも
あり)日本経済の先行きや少子化問題まで次から次へと話題が移っていくのですが、なんせ聞き取りが半分も出来ていない感じなので、生返事をしながら歩いて
いきます。
しかし、日本社会の問題について自分の意見を言えないのはもどかしい限り。
そうこうしているうちに、ようやくシリモンゲートが見えて来ました!
長かったケニア山登山もいよいよ終了です。
到着!(9:10)
ちゃんとRAV4に乗ったトニーも来ていました。よかったよかった。
トニーにはチョゴリアまで帰るマタツ代(エリックに相場を聞いて)とチップを渡しておきました。
すると「駐車代とガソリン代も必要」と言うので、駐車代は事前に一切説明がなかったとはいえまだわかるとして(300KSh×4泊で1200KSh)、ガ
ソリン代(4000KSh、領収証もあり)については、ガソリンメーターを見る限り1リットルも入れた気配が無いので、トニーにそれを説明して支払い
ませんでした。(彼もこの指摘については無言でした) 請求すればなんでもホイホイと払うと思われていたのか、トニーも誰かからの命令でそうしただけなのか・・・・、サンブルのマックもそうでしたし、エリック
も「チップ弾んでね!」と直接言ってきましたし、ケニアではお金の話をするシーンが観光地では特に多いと知ってはいましたが、やはり日本とは全然常識が違うもんです。
もちろん、そういうことを全部受け入れるつもりで個人旅行をしてい
るので、いちいち気にしてちゃダメですね。
下山手続きをする時に公園管理事務所のスタッフさんに「トレッキングはどうだった?」と尋ねられ、「最高でした!」と答えつつ、内心ではレナナ
ピーク登頂は英語では「トレッキング」の範疇なんだよな〜と改めて思いました。(クライミングはロープとか使う登攀の時に使う単語です)
そう言えば、登山証明書をもらえるはずなんですが、もらうのを忘れてました。(まぁ、必要ないですけど)
その後、ジェロームさん達のポーターさんたちが下ってくるのを少し待ち、全て揃った所で荷物を無理やり積み込みました。
さすがに4人分の荷物をスペアタイヤの転がるRAV4のトランクスペースに押しこむのはキツかったです。
というわけで、5名乗車でナニュキの街を目指します。(9:30)
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