その40
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この道はタンザニアとの国境(Namanga)へ抜ける幹線道路で片側1車線のとても良い道でした。
しかし、例によって道はすばらしく良いのですが走ってる車に問題があって、この道を走ってるトラックの後部ライト破損&反射板無い率が異様に高いのです。
トラックは時速40kmとかで走ってたりするので、こちらが100kmで走っていると相対速度差はかなりのものになります。
さらにこれまた恒例ではありますが対向車のライトがとても眩しいのです。
何もない直線道路だと思って走っていると、対向車のライトで眩惑されてる最中に突然目の前に先行するトラックが居ることに気がついて急ブレーキというのを何回も経験しま
した。
車の整備って大事だなぁと痛感させられた出来事でした。
幹線道路(A109号線)に出る手前でグリーンバレーエステートという街に入りました。
前を走ってる車がやけに遅かったのですが、私もクレジットカードが使えそうなガソリンスタンド探しながら走っていたので、特に追い抜かすこともなくチンタラとついていきます。
街中には立派なガソ
リンスタンドがいくつかあって、ここならクレジットカードが使えるんじゃないかというスタンドもあったのですが、あいにく満車だったのでとりあえずス
ルーします。
前の車がスーパーの駐車場に入って自分が先頭車両となり(後ろはかなりのトレイン状態)、少しだけ加速しつつ走って行くと、なぜか正面に対向車の大型トラッ
クが居ます。
ライトの光が眩しくて何が起きてるのかわからなかったのですが、そのトラックが自分の車線に戻って自分の視界が確保できた時に目の前に検問用のギザギザ板が
登場してようやく状況を理解、、、、
で、避ける間もなくギザギザ板の上を「ガコン!」と通過!
直後に「シュー!」っと勢い良くタイヤから空気が抜ける音が
聞こえてきます。
やっちまったぁ!
これはまさかの4本同時パンク・・・・
検問地点は街外れで、この先進んでもパンク修理をやってそうなガソリンスタンドも無いだろうと判断して、即Uターン。
再び検問を通過し(特に止められませんでした、というか私のせいでギザギザ板が転がったららしく、警察官がそれを元に戻してました)、最初に目についたガソリンス
タンドに飛び込んだのですが、とてもパンク修理をしてくれる雰囲気じゃなかったので、車を停めずにそのまま道路に戻り、そこから少し走ったところにある先ほ
ど目をつけていた一番大きなガソリンスタンドに飛び込みました。
まず先に状況を確認してみると、なぜか右前の1本しかパンクしてません。
特に避けたつもりは無いのですが、どうやら偶然左のタイヤはギザギザの無いところを通過したらしいのと、右は前輪で板を転がして後輪はセーフだったみた
いです。
なんか、すごく不幸中の幸いだった気がしたのですが、まずはパンクを修理しなければなりません。
若い従業員さんに声をかけ、事情を話してパンク修理をお願いすると、「任せとけ!」と言いつつ、、、
すごい勢いでタイヤ交換を始めてくれました。
いやはや助かったと思いつつ後ろから眺めていると、タイヤ交換を終えたお兄さんが、
「ここでパンク修理はできないから、あそこのスタンドに行くといいよ」
と、アドバイスをくれたわけですが、「あそこのスタンド」というのは私が見落としてなければ、先ほど一度入ってスルーしたスタンドです。
あそこで直せるのか?と、思いつつもお兄さんにお礼を言い、車を走らせます。(お兄さんはすぐに他のお客さんの給油に行ってしまったので、ちゃんとお礼ができませんでした)
再び先ほどのスタンドに入り、スタッフさんにパンク修理の依頼をしてみると、それは隣の店でやってるよとのこと。
なるほど、ガソリンスタン
ドの横にパンク修理店がくっついていたわけですね。
そちらに車を走らせようとした時に迷彩服にライフルを持った軍人(警察官)が2名、まっすぐこちらに向かって歩いてきてるような気がしたのですが、別に声を
かけてくる様子もなかったので、気にせずにパンク修理店に移動します。
パンク修理店に移動すると30代のスタッフさんが一人いたのでパンク修理をお願いすると、さっそく修理に取り掛かってくれました。
しばらくすると、先ほどのライフルを持った迷彩服姿の2名がこちらに歩いてきて、「君、さっき検問で止まらないで通過しなかった?」と尋ねてきます。
あぁ、そういうことだったかと思いつつ「はい」と答えると、「なんで止まらなかったの?」と尋ねてきたので、正面に居たトラックのライトが眩しかった話を正直にしたのですが、「じゃぁ、免許
証出して」と、来たのでこりゃぁ注意じゃ済まないんだなと嫌な予感がし始めます。
車のドアを開けて免許証を取り出すときに助手席に転がっていたデジイチと交換レンズが目に入ったらしく「君はジャーナリストか?」と尋ねられたので、「い
え、ツーリストです」と答えます。
その後は予想通りの展開で、「これから署に行こう」「対応に一晩かかる」「板の修理代も払ってもらう」「どうするか選ぶのは君だ」と来たので
、ライフル持ってる本物か偽物かもわからない人たちとこんなところですったもんだするのも避けたかったのでケニアルールを選びました。
これで二人は居なくなったのですが、代わりにやってきた修理店のスタッフが「ごめん、これだけ大きな穴だと今日は直せないよ。明日の昼に治せる職人が来るから出直してくれないか」と追い打ちを掛けるような宣告をします。
そして、この街にはここ以外にはパンク修理が出来る場所は無いとのこと。
不幸中の幸いから一転して超不幸な展開に頭を抱えつつ、ここで明日の昼まで時間を過ごすわけにもいかないので、ひとまず出発することにしました。
この検問です。
はぁ〜、検問(ギザギザ板)恐怖症になりそうです。
そして、すぐにナイロビとモンバサ(ツァボ)を結ぶA109号線に出てしまったのですが、ここで悩みます。
予備タイヤの無い状態でツァボ国立公園に向かって走ってしまって良いのかどうか。
ナイロビ(首都)とモンバサ(唯一の港)を結ぶ道ですから(日本で言えば東名名神)、ガソリンスタンドが1軒も無いってことは絶対に無いのですが、問
題はパンク修理をこの22時前の時間でも受け付けてくれるかどうかです。
5秒ほど悩んだ後、ハンドルをナイロビ方面に切りました。
この状況で賭けに出るのは危険すぎます。
というわけで、ナイロビに向けて走りはじめたのですが、ここはすでにナイロビの郊外。道路は片側2車線以上のハイウェイになっていて真ん中には立派な中央
分離帯があるので、せっかく反対車線に立派なガソリンスタンドがあっても入ることができません。Uターン箇所も限られているので、どんどん進んでしまいま
す。
反対車線(ナイロビから離れる下り方向)にはポツポツとガソリンスタンドがあるのですが、こちらの車線にはまったく無いので、ついにナイロビ国際空
港前を通過しちゃいました。
ここから先は到着した初日に走った道なので少し記憶が残ってます。
こんなに遅い時間なので渋滞してないのは良いとして、ガソリンスタンドが営業してるんだかしてないんだかわからない感じで不安が募ります。
一軒目のガソリンスタンドには「タイヤ修理」の看板が出てなかったのと、営業すらしてなさそうだったのでそのままスルー。
2件目は「タイヤ修理」の看板が出ていたので入ってみました。
対応にあたってくれたのはこの国では2人目となる白人のおじさん。(一人目は薬局のおばさん)
タイヤ修理をお願いしてみると、「今日はもう担当者が帰っちゃったから、明日の日中じゃないと無理だよ」とのこと。
ナイロビでこの時間(すでに22時過ぎ)でもパンク修理をしてくれそうな場所は無いか尋ねてみたところ、「知らないなぁ。1軒ずつ全部聞いて回る
しか無いん
じゃないかな」とのこと。さらに「西(上り)の方向で探すとナイロビを超えて向こう側まで行かないとガソリンスタンドは無いから、このへんでUターンして
東(下り)方向で探したほうがいいよ。空港付近の大きなガソリンスタンドだったらなんとかなるんじゃないかな」とアドバイスもしてくれました。
確かに初日に西に走った時にナイロビのずっと先の郊外に出てから突然ガソリンスタンドが林立し始めた記憶があるので、そのとおりだと思いました。
お礼を言って車を発進させようとすると「この時間は危ないから窓を閉めて走るんだよ」と、アドバイスしてくれました。
(もちろんレンタカーを借りるときに最初に注意を受けているので、窓を閉めてドアもロックして走っているわけですが)
とても親切なおじさんでした。
さて、ナイロビのガソリンスタンドですらこの状況、こりゃぁ、今晩中の修理は無理なのかなと諦めの気持ちが心の中を占有しはじめます。
オロゲサイリの発掘遺跡やマガディ湖の温泉キャンプを振り切ってまで無理して走った結果がこれです。
泣き言の一つも言いたい気分ですが、まだパンク修理不能が確定したわけじゃないので、とにかく車を走らせます。
大きな地図で見る
記憶のとおりならこの先には1軒もガソリンスタンドは無かったはずですが、もしかしたらということも考えて念のためナイロビのほぼ中心部まで一度走り、その結果マ
ガディ湖からナイロビにつながる道を超えてしまい、「何をやってるんだろうなぁ〜」と一人で笑いつつランナバウトでUターンしてから下り車線1カ所目のガソリ
ンスタンドに入ります。
1軒目はシェル石油のスタンドで「タイヤ修理」の看板は出ていたのと、大手チェーンということもあり少し期待しながら洗車中のスタッフにパンク修理をお願いしてみました。
すると、「ちょっと待ってて」と言い残してど
こかに歩いて行き、祈るような気持ちで帰りを待つこと5分、戻ってきて彼が言うには「担当者が今ナクマット(スーパー)に行っちゃって居ないからできないよ。いつ戻ってくるかもちょっとわからない」とのことで
内心でずっこ
けます。
2軒目、パンク修理の看板なし
3軒目、パンク修理の看板はあるけど、明らかに担当者が居なさそうな雰囲気なのでパス。
あとは空港付近にある大きな2軒(言わば本命)がダメだったらナイロビエリアを飛び出してしまいます。
最悪その2軒でもダメだったら先ほど1軒目のナクマットにスタッフが行っちゃったというシェル石油のスタンドまで戻ろうと決めて、下り車線を走ります。
しかし、よくよく考えてみればシェル石油のナクマットに行っちゃったスタッフも酷い穴をふさぐ能力を持った職人さんだという保証は無いし、これまでの状況を考えると確率は低い気がしてきて、諦め
の気持ちが80%ぐらいになってきました。
しかし、その場合ナイロビのどこで夜を過ごせば良いのでしょう・・・・
そうこうしているうちに、空港近くの大きなガソリンスタンド1軒目に到着。
なんと、立派な「タイヤセンター」なるピットの電気が煌煌と点いていて、中にスタッフが居るじゃないですか!
これは期待大!!
さっそくスタッフに声をかけタイヤ修理をお願いすると、「やるよ〜」と返事をしてすぐに取り掛かってくれました。
これまで見たこともないような立派なタイヤを外したりはめたりするマシンが置いてあって(というか、日本ではこれしか見たこと無いんですが)、心のなかの直せるんじゃないか確率が一気に60%ぐらいに跳ね上がりました。
そして待つこと5分、作業を中断したスタッフさんが申し訳なさそうな顔で歩いてきたので、期待に満ち溢れた気持ちから嫌な予感満点な気持ちに急転
直下です。(確率1%)
「申し訳ないけど、あれだけの大きい穴だとちょっと今は修理できないよ。明日の11時ぐらいに来てくれたら、直せるスタッフが来るんだけど。たぶん2時間
ぐらいで作業は終わると思うよ。」
あぁぁぁ、やはりこの回答ですか!
「今すぐに直して欲しかったんですけが、何とかなりませんか?」と、落胆しつつ懇願する私に、
「あまりおすすめは出来ないんだけど、チューブタイヤにして直すという方法はあるよ。」
と、対応策を提案してくれます。
もともと履いてるタイヤはチューブレスタイヤなのですが、今回の穴は完全に塞ぎきれないので簡単なパッチを仮
当てして塞ぎ、タイヤにチューブを新たに入れて膨らませた状態をキープするとのこと。パッチとチューブが工賃込みでそれぞれ500KShと
1000KSh。ただし、タイヤ本来の性能は出せないし、またすぐにパンクするかもしれないからあくまでも非常手段であって正直オススメできない、と。
どうしようか悩んでいると、
「もしよかったら、中古で同じサイズのタイヤがあるから、それを買ったらどう?」
と、勧められたので、それを見せてもらったところ、同じ日本製ではありますが銘柄違い、すり減り具合は同じぐらい(4分山)なので交換対象としては問題無し
です。値段は
3000KSh。(負けて!ってお願いしたのですが、全然びくともせず。まぁ、立場の強い弱いで言ったら勝てる交渉では無いわけですが)
これで今すぐ解決できるんなら3000KShは安いと判断して交換をお願いしました。
いやぁ〜、これでようやく解決です。
そして、もう23時回ってますよ!
ツァボ国立公園まで残り300kmちょい。
到着は3時ぐらいでしょうか。。。
こうなったら意地でも今晩中にたどり着いてみせると固く決意します。
(というか、このへんで車中泊したり、ホテルに転がり込む方法を思いつかなかっただけなんですが)
まずはガソリンを満タンにするためにクレジットカードが使えるか確認すると、それだったらガソリンスタンド内にATMがあるよと言うので今日予定外に使っ
た分も含めて今後必要になりそうな現金を一気に下ろし、ガソリンスタンド併設の売店で夕飯と明日の朝食を購入し(営業していてくれて助かりました。さすが
大型店、660KSh分)、ガソリンも満タンにして準備完了。
もう、今度こそ完璧です。
さーて、行きますよ!
って、張り切って走りはじめたのですが、間違えて空港に向かうレーンに乗ってしまい、A109号線を離れて空港方面へ。
Uターンできる場所がないので為す術なく走って行くと、ゲートと検問が登場し、そこには迷彩服にライフルを持った先程とまったく同じ格好をした警察官が数
名立ってます。
ゲートの手前で車を停め、ドキドキしながら警察官に事情を話すと「ここでUターンして良いよ」と凹地形になった未舗装の中央分離帯を通るように指示をされました。
内心でまた
理不尽な展開になるんじゃないかと身構えていたので、そんな当たり前の対応にもひと安心しつつUターンしてA109号線に戻ります。
さて、109号線をモンバサ(ツァボ国立公園)方面に向けて走りはじめたわけですが、心理的にどうしても先頭だけは走りたくありません。
そんな時に私の車を追い抜かしていった車と同じペースで走ってみると、これが私と同じRAV4でペースも私よりちょっと速いぐらい。
これ幸いとくっついて
走ります。(0:30)
さすがの幹線道路ということで営業中のガソリンスタンドに「タイヤ修理」の看板が出ているところもあったので、わざわざナイロ
ビに戻らなくてもよかったのかもしれませんがそれは結果論です。(直せる職人さん、居ない可能性もありますしね)
先ほど買った夕食(相変わらず美味しいサモサやソーセージ揚)をパクつきコーラを飲みつつ、次々に登場するバスやトラックを前のRAV4に続いて追い抜き
ながら走っていきます。
ようやくまともなドライブになりました。
先行車は検問やハンプを知り尽くしているらしく、かなり手前からきっちりスピードを落とし、私がオカマを掘らないように減速する前にハザードまで炊いてくれるという
先導車としては理想的な車です。
しかし、これで万々歳といかないところがケニアの道路。
問題は恒例の眩しすぎる対向車のライトと、直線区間が長いので遥か彼方から走ってくる対向車のライトがすれ違う随分前から見えていて距離が掴みづらく、今抜いて良いのかどうか
判断しにくいということです。
さらに遅いトラックを先頭に数台が数珠つなぎになって走っているときに、先頭のトラックよりも少し早いペースで走っているバスが追い越
しをかけるので、そのバスが抜ききるまでは我々もそのバスを追い越すことができません。
バスは加速力が弱く、トラックとの相対速度差も少ないのでチャレンジして反対車線に出るものの結局抜けないで諦めることが多く、一旦この状態になると5分ぐらいど
うにもならないことがザラにあります。
バスが追い越し車線に出たら、前が見えなかろうが何だろうがとにかくこちらも右ウインカー出して対向車線に出ておかないと、今度は後ろに並んでるバスが追い越しをかけてきます。
なので、追い越し中のバスで前が見えないまま対向車線を延々走り続けることになるのです。
バスが走行車線に戻るということは対向車が来たということですから、左ウインカーが出たら、こちらも慌てて列の中に潜り込ませてもらいます。
それを何台もの抜きたい車が一斉にやり続けるわけです。
時速100km以上で走る乗用車や乱暴な運転のバス、テールランプが切れて反射板も付いてない40kmでのろのろ走るトラックなどが混在している状況でバンプや検問の急減速もあり、両車線とも交通量が多いので直線が多くて追
い越しできると言ってもストレスフルったらありゃしない状態です。
極めつけは追い越し中で戻るに戻れないまま突っ込んでくる大型トラック。
カカメガに向かった時にも出会いましたが、こちらはさらに酷いです。
手前から走行車線に戻れなさそうだという状況がわかっていればこちらが先にブレーキを踏みますし、路肩が広ければ避けようもあるのですが、丘を超えた所でその状態に鉢合わ
せし、しかも路肩が砂利だったりすると砂利に片輪落として避けることになるのですが、こちらも時速100kmで走ってますから生きた心地がしません。
ナイロビへの帰りもこの道を走るのかと思うと憂鬱で仕方がないぐらい走りにくい道です。
唯一の救いが前を行くRAV4の存在だったのですが、長いトラックトレインの追い抜きで私が抜くタイミングを逸したせいで車間が
開きすぎてしまい、ついに見失ってしまいました。
ちょうど良い先導車が見当たらなかったので、その後は速いペースで走っていたバスの後ろにくっついて走っていきます。
バスは昼間に見ても派手でしたが、夜中はネオンサインが光ってさらに派手になります。(2:30)
(写真は途中で見かけたバスの休憩所か運転手の宿泊場所のようです)
そして、派手なバスの後ろにくっついて、ツァボ国立公園入り口まであと30分ぐらいというところで道路脇に「前方検問」看板が登場
し、前のバスが反対車線に移動したので「ギザギザ板でもあるのかな?」と思いつつバスに続いて反対車線に移ると、走行車線にトラックが一台停められているのが
バスの影から見えて来ました。
このトラックが警察官に停められたのでバスはそれをパスしたんだろうと思いつつバスの後ろを走って行くと、前のバス
が警察官に止められ、運転手と警察官が何やら話をしてます。
バスやマタツ、トラックが検問で止められることはよくあることなので特に気にしてなかったのですが、両車線とも塞がれてるのでそのまま待っていると、警察官が
こちらに歩いてきて私の車も路肩に停めて待ってるように指示をされます。
特に交通違反をした自覚も無いですし、これまでにも通常の検問で引っかかって質問を受けて通されたことは数回あったので、これもそうだろうと思いつつ、指示通り
車を道路脇に寄せて停めて待ちます。
私と同じように停められていたバスは走り去り、私と同じ歳ぐらいの小柄で小太りの警察官がこちらに歩いてきて免許証を出すように指示を出したので言われたとおり警察官に渡すと、
「これは偽物の免許証じゃないか」
と、言い出します。
内心で「またか!」と思いつつ、「それよりもあなたが本物の警察官かどうか証拠を見せてください」と聞き返したいのを、ここは日本じゃないケニアだ、最
悪の展開もあり得ると堪え、「いえいえ、それは間違いなく本物の免許証です。よく見てください」と丁寧に説明すると、
「君はどうして検問で反対車線を走ったんだ?危ないじゃないか」
と、尋問してきたので、
「前を走るバスが反対車線に移ったのは車輪止めの板があるからかと思いました」
と、正直に答えると、今度は、
「じゃぁ、君はなんで前の車と70mの車間距離をとらなかったんだ?」
と、来たので、さすがにこれには返し用がなく、
「その交通ルールは知りませんでした」
と、答えたところで警察官はまるで漫画のキャラクターみたいにほっぺたをふくらませ、
「ダメじゃないか! サインしちゃうぞ!、サイン! いいのかそれで!?」
と、言いながら書類にサインをするジェスチャーを何度もします。
その表情とジェスチャーに内心で笑いつつ(もしかしたら隠しきれずに表情に出てたかもしれません)、本日3度めのケニアルールで対応しました。
もう、今日は2013年を代表する厄日としか思えません。
ほんと、欲張るとろくな目に遭わないように世の中できてるもんなんですね〜。
これが本日最後の検問ポイントだったということもあり、その後はトラブルに巻き込まれることもなくツァボ国立公園入り口となるボイの街に到着しま
した。
もう、やれやれです。(3:45)
ボイの街はナイロビーモンバサ間では最大規模ということもあって立派なガソリンスタンドがまだ営業していたので給油していくことにしました。
気の良さそうなスタッフのお兄さんが、「窓、洗ってあげようか」と言うので「ぜひ!」と、お願いしました。
こんなちょっとした親切な対応が心に染みる夜です。
ガソリンスタンドの営業案内看板に「ホテル」の文字があったので、ホテルがまだ営業しているのか尋ねてみたところ、「営業してるけど、ホテルとい
うのはケニアでは宿泊施設ではなくて軽食を食べるレストランのことなんだよ」と教えてくれ、これで今日までいろいろ疑問だったことが一気に解決しました。
どおりで小さな村のホテルが泊まれそうな雰囲気じゃなかったわけです。
チョゴリア手前のメルの街で昼食を買ったホテルも、宿泊棟が別にあるわけじゃなかったんですね。
ガソリンを入れた後は早速ツァボイースト国立公園のゲートに向かいます。
A109号線を挟んで西と東に国立公園は分かれていて、東側のツァボイースト国立公園はケニア最大の面積を誇る国立公園です。(東西あわせると、なんでも四国より広いと
か)
ケニア山でエリックにツァボは西と東、どちらがオススメ?と尋ねてみたところ、動物を見るんなら東ということだったので、ここは迷わずツァボイースト国立公園に目的地を決めてました。
途中、ボイの街を抜けていくんですが(中心エリアで人口2万人弱ぐらいの規模)、こんな「ホテル」の看板が眩しく光ってました。
なるほどね〜って感じです。
国立公園に向かう道を一度見逃して少し迷ったりもしましたが、スマホナビのお陰で無事にゲート前に到着。
ゲート脇にちょっとした空き地があったので、そこに車を停めて寝ることにしました。(4:15)
カカメガフォレストみたいにレンジャーさんが巡回に来るのを内心少し期待していたのですが、ここではそんなことは起こりませんでした。
ゲートのオープンは朝6時でしょうから2時間弱は寝られます。
いやぁ、今日はいろいろありすぎて疲れました!!
7時半に行動開始して、4時15分着ですから実に21時間行動でした。
というわけで、椅子を倒してからの記憶が全くないまま眠りに落ちました。
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本日の走行&歩行ログです。
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