2013年スイストレッキング&ドライブ旅行記
その14
その13へ戻る

峠を下ってからは人気のない山間部を少し走り、、、

アイロロの街から石畳の旧道に入っていきます。
目指すは ゴッタルド峠 Passo del San Gottardo/ Gotthardpass(2108m)。
かつてのイタリアとスイスを結ぶ交通の要衝だった歴史ある峠道です。

が、しかし途中で間違えて(知らなくて)新道のゴッタルド峠に入ってしまいました。

こんな立派な橋を渡ってグングンと高度を稼いでいきます。
(この時点では新道を走ってることに気がついてません)

これまでの大自然まっただ中の道と違って幹線国道のような感じで上がってきてしまいました。

コーラとホットドックを買おうと立ち寄ったドライブインで見かけたスイスのパトカー。
スイスはそれほどパトカーがたくさん走ってるわけじゃないんですが、たまに取り締まりをやってました。
これまでに見たのはアニヴィエ谷からグリンデルワルトに向かう途中のカートレイン手前、反対車線側でトンネル抜けたところでやってました。
制限速度が高い国(80km制限とかアウトバーン120km制限とか)は得てして厳密に取り締まるので速度オーバーに注意が必要です。

ドライブインから見下ろしたゴッタルド峠の新道。(15:20)

大分ガスってきたなぁと思いつつ、走っていきます。

雪崩、落石対策用の覆道。
そして、頂上付近の展望台で気が付きました。

自分が途中から間違えて新道を上がってきてしまったことを。(こちらが旧道)

そうとなれば、旧道を走らねばなりません。

ここも石畳の道です。
新道は単純に移動目的で使われているのでしょうが、旧道を走ってる人は好きで走ってるんだと思います。

ん? あれは?

お〜、馬車が走ってる!(笑)

当時の格好をしたお姫様たち(?)が笑顔で手を降ってくれたので私も振り返します。
昔はこうやって峠を越えてたんでしょうね〜。

クネクネと下っていきます。

峠を下から見上げるとこんな感じです。

さらにもう一台の馬車を先ほどと同じように手を振り合いながら追い抜きます。

登りは(だんだん空が曇ってきて急ぎたかったので)新道を使いました。
改めてスイスがすごいと思ったのは、ここを抜けるのに今走ってる新道や信号渋滞するアウトバーンのトンネルがあるのに旧道が荒れ放題にならず普通に使えることです。
歴史的遺産として残してあるんですね。
あと、ここ(アンデルマット)の近くには悪魔の橋という観光名所があるのは知っていたのですが、少し歩かないとダメだと聞いていたので立ち寄らずパスしてしまいました。

大分雲が増えてきてしまったのと、そろそろ良い時間になってしまったので本日の宿(サンモリッツ)に向けて走り始めます。
大きな地図で見る
こんな感じでCの字状に走ってきました。

アンデルマットから東に進路を取り、アルプ地帯を駆け上がってオーバーアルプ峠(オーベラルパスOberalppass)に向かいます。

アルプのまっただ中を走るのも気持ち良いですね〜。

アルプの谷が続いています。

オーバーアルプ峠にて。(16:30)

遅いバスが前に居るのでゆっくりと下っていきます。
(バスも直線ではきっちり80km出してくれますがカーブではぐっとスピードを落とします)

前を行く年配の夫婦が乗ったベンツ、かっちょいいんですけどオイルが燃えていて臭いんですよね(笑)

写真に写ってるのはただの普通列車だと思いますが、この辺りは氷河特急が走るコースのはずです。

田舎の村は道路も狭いですね〜。

あ、911。

いくつもの村を越えていきます。

あ、ロードスター。(値札が付いていたのでたぶん中古屋さんです。これ、レンタカー代わりに買って乗って売って差額いくらぐらいになるんでしょうね)
軽く調べてみたらミュンヘンで91年式ロードスターを借りられるので(クラシックカー専門店(笑))、それをスイスに持ち込むという手はありますね。

場所によっては天気がまだまだ晴れていて、とても気持ち良いドライブが続いています。

自分で弄ったわけじゃないんですがメーター横のインフォメーションはタイヤの空気圧と残り走行可能距離、時間と気温になってます。

引き続きスイス南部の幹線道路を流していきます。

この看板、前から気になってたんですが、ちょいと不気味なんですよね。

いろいろなカラーのバージョンが有ります。
帰国後に調べたらバイク事故を減らすプロジェクトでした。
(スイスはスポーツカーも多いですが、バイク、自転車もものすごい数が走ってます)
峠道なんかで流れに任せて走ってるとけっこう抜かされますし、たまにヘアピンでバイクがセンターライン越えそうになって突っ込んでくるのでびっくりさせられます。

途中一度アウトバーンに乗ったので、そのままサンモリッツまで行けるのかと思いきや再び下道に降りました。
アウトバーンはイタリア方面に続いているようです。

まだまだ小さな村をいくつも越えていきます。

休憩がてら道路脇に車を停めて降りると、ズボンのポケットから何かが地面に落ちました。
何だろうと思って見てみると、そこにはホテルの鍵が・・・・
しまった、チューリッヒのホテルでチェックアウトする時、返却するの忘れてた!
探しているかもと思い、すぐにホテルに電話を入れて不始末を詫びつつ郵送で送ることを伝えると、「はいはい、わかりましたよ〜」ぐらいの気の抜けた返事が返って来て拍子抜けしました。

さて、サンモリッツに向かいますか。

へぇ〜、サンモリッツ手前でまだ峠を超えるんですね〜。(18:45)
(ユリア峠 Julierpass(2284m))

なかなか景色がよさそうなのですが、かなりガスってるのが残念。

でも、こんな時間だからかとても空いていて、ポルシェらしい走りを楽しめます。

ヤッホーその36
本日最後のヤッホーでした。
ちなみにロードスター乗りの私は明日の早朝に朝練でここに再訪しようと心に誓っております。

峠を下ってから少し走ったところでサンモリッツに到着。
ちなみにサンモリッツを選んだ理由は、明日走る峠道の起点として良い場所にあったのと、なんとなく名前を聞いたことがあったからです。
ここがスイスの保養地(温泉もあるそうな)で、金持ちが集まるがゆえに何もかもがバカ高だということはこの時点では知りませんでした。

予約を入れていたホテルに到着。(19:10)
サンモリッツにしては安かった(朝食付き8400円)ので選びました。
大きな地図で見る
本日の走行ログです。
受付のお姉さんに前の晩に泊まったホテルの鍵を送り返したいということを申し出たら、無料で封筒をくれた上に住所まで代わりに書いてくれ、切手はもちろんお金を払いましたが、ポストに投函しておいてくれるという親切対応フルコースでございました。

夕飯は付いてなかったんですが、街に食べに行くのが面倒くさく頼んじゃいました。(2600円ぐらい)
そう言えばスイスで何が良いって、どこで食べても野菜満載でヘルシーなんですよね。

肉料理。
日本のファミレスぐらいの味でございました。(期待してなかったので十分に満足)

一緒のテーブルだったのはドイツ人でボートガイドをされている方。
私がいちいち料理の写真を撮ってるのを「さすが日本人だねぇ」と笑われているところです。
彼と話している時にスイスの料理の話になり、「スイスのデザートは美味しいよね」と同意を求めたら、「いや、牧がドイツに住んでるからってのはあるけど、ドイツのほうが美味しいよ」と返されました。
なるほど、ドイツはデザート(スイーツ)のレベルが高いんですね。覚えておきます。
(でも、確かに写真に写ってるここのホテルのデザートは今二つだったので、これより美味しいというのなら分からないでもないです)
あと、いつもの様に炭酸水を頼んだら、写真に写ってる巨大な瓶が登場し、当然飲みきれずに持ち帰ったのですが、あっという間に気が抜けてしまい、、、、気が抜けるとすごく美味しくないんですね、炭酸水って。。。
そう言えば、ガソリンが空になってたんだと思いだしてガソリンを入れに行こうとすると、ドイツ人の彼が「先に地元の人間として謝っておくけど、ここはすごい高いよ」と脅されたのですが、残量メーターを見る限りここで入れるしか無いので「わかりましたよ」と笑顔で返事して外に出ました。

ガソリンスタンドを探して夜のサンモリッツ市街へ。(私が泊まってるホテルはかなり街外れにあります)

普通に停まってる車がフェラーリ。

結局街中には無く、幹線道路沿いでガソリンスタンドを発見。

ハイオクリッター200円、、、、みるみるガソリンを飲み込んでいくポルシェに「やめてくれ〜!」と絶叫もんです。(サンモリッツ価格。スイスの安いところだと180円ぐらいですかね)
だいたい400km強走って、リッター8km、ガソリン代1万円なり。(新欧州ドライビング・サイクル(NEDC)に基づく数値でリッター約12.2kmだそうなので、それだけスポーツモードで踏んでいたんでしょう)
踏まなきゃ燃費が伸びるのはわかってますが、それは無理な相談です。
というか、さすがアイドリングストップ機構まで付いてるだけあって思っていたよりは燃費が良かったです。

ホテルに戻ってから、自室には残念ながらWiFiの電波が届かないので、階段の踊り場に置かれたソファーに座って明日の行動計画を練ってました。
そこで衝撃の事実が判明します。
実は以前東京オフ会をした時にThreetroyさんから「スイスに行くんならここを走ったらいいよ」という峠を3つほど紹介されていて、天気予報を見つつ明日全て走る気満々でいたわけですが、改めて送られてきたメールで場所を調べなおしてみると、3箇所のうち2箇所の場所を勘違いしてることが判明しました。(天気予報も関係ない場所のものを一生懸命調べてました)
1箇所は本日の午後に曇りがちだからという理由で行かなかった峠道で、もう一箇所も行くのであればサンモリッツでは無くダボスに泊まらなければならなかったのでした。
幸い、両峠道とも午後にガスっちゃうことを無視すれば明日中に走れそうなのでよかったのですが、いやぁ、今まで気が付きませんでした。
さらに明後日の天気予報がここに来てがらりと変わって悪化してしまったので、最初はハイジの故郷にある藁ベッドの宿に泊まろうと思って予約を入れていたのですが(地球の歩き方のコラムに出てるやつです)、結局キャンセルしてチューリッヒ空港からそれほど遠くない場所に変更してしまいました。
ここに来てチューリッヒ近郊のまったく進まない渋滞を思い出し、最終日にうろうろするんなら空港近郊の田園地帯(着陸寸前に見とれてました)にしようという作戦です。どうせ明後日はスイス中で雨が降りそうですし。
そういうわけで実質まるまる一日遊べるのは明日がラスト。
とても名残惜しくは有りますが、そろそろ寝ますか。
その15へつづく