-------------インドネシア ドライブ旅行記(目次)
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10日目(1月5日(月))
朝4時に目が覚めた。
部屋の外に出ると遠くから大音量で鳴らされているコーランが聞こえてきていて、朝日すら昇ってきてないのに鶏が「コケコッコー!」と頻繁に鳴いていた。
昨日の夜、奥さんから「鶏がうるさいわよ〜」と言われてたけど、まぁ、このぐらいだったら気にならないで寝てられるかな。
その後は外で月夜を眺めて涼んでみたり、再びベットでうとうとしながら時間を過ごした。
そして朝日が昇ってきたところで外に出てみた。

お!、今日も良い天気!

車に荷物を積んでいたら興味津々に近寄ってきたスタールさん夫妻のお子さん達。
カメラを向けたらちゃんとポーズを決めてくれるところはさすが現代っ子。(たぶん、弟くんは写真を撮られているということを理解しておらず、単純にお姉さ
んの真似をしているだけっぽい)
宿を営む家に生まれただけあって上の娘さんはちゃんと配膳を手伝ってたりする。
最初の頃はアジア人のおっさん相手におっかなびっくりお茶を持ってき
てたりしていたが、次第に慣れてようやく写真が取れるぐらいの仲になった次第である。

本日も朝っぱらからハンモックでのんびり。
はぁ〜、幸せ。
こういう旅もいいもんだねぇ。
とは言え、今日は観光地に行って、温泉入ってからジャカルタまで戻らなきゃならないので、この後もハードなスケジュールなんだよね。
我ながら貧乏症なスケジュールになっちゃうなぁ。
さて、今日は川で泳いだり温泉に入ったりする予定なので、先日屋台で250円で購入した短パンを履いておくか。
さっそく部屋に戻ってビニール袋から取り出して履いてみた。
うむ、何も問題なし。
これで十分。
ビリビリッ!!!!
え?
今、しゃがんだ時に股間でおもいっきりパンツが裂けた音がしたけど・・・
恐る恐る短パンの上に履いていたズボンを脱いで確認してみたのだが、特に裂けた様子は無かったので、さきほどの音は聞かなかったことにしておいた。

朝食はパンケーキだった。
まさかこの宿で洋風の朝ごはんが出るとは思わなかった。
しかし、これまた焼きたてで美味しい!

ちょうど朝ごはんを食べ終わったタイミングでイワンくんが迎えに来てくれた。
予め出発の準備は済ませてあったので、手をあげて挨拶をしながら歩き始めたら、手に持っていた車の鍵を落としてしまった。
って、ここは池の桟橋の上だった!
そして、狙ったかのように池の方へと転がっていく車のキー。
池ポチャだけは勘弁してくれ!!

セーーーーーーーーーーーーフ!!!!
あと1cmでも向こうに転がってたら池に落ちるところだった!
いやぁ、今日はツイてる!
イワンくん曰く、もし池に落ちても僕が潜って拾いに行くよと言ってたけど、朝っぱらからそんなことを頼むはめにならなくてよかった。

というわけで、スタールさん夫妻に見送られて何事もなかったかのように7時に宿を出発した。

本日もイワンくんのバイクを使用。
昨日ガイドを頼んだ時点でネタバレしないようにグリーンキャニオンについては一切何も調べていなかったんだけど、そう言えばグリーンキャニオンって車(自
分
のレンタカー)で行けない場所にあるんだっけ?
というか、そもそもガイドが必要だったんだっけ?
まぁ、いいや。

道中に長い区間工事中の場所があって、車だとここを通過するのに10分ぐらい待たされたかなぁというところをバイクの身軽さを使って止まらずにすり抜けで
きたのはラッキーだった。

おーーー、綺麗な川が見えてきた!

というわけで、宿から20分ほどでグリーンキャニオンのボート乗り場らしき場所に到着した。
うーむ、これはガイドを頼まなくても自分一人で来れた場所だな。

ボート代は一人1500円。
イワン君いわく、船に載ってる若いスタッフのお兄さんに1500円追加で払うことで、川で泳ぐことが出来るんだとか。
というか、こちらは昨日イワンくんから泳ぐように勧められていたのでその気まんまんで短パンまで履いて来てるので、迷わずお願いしておいた。
船は私とイワン君、そして若い茶髪の男性スタッフと船頭のおじさんの4人が乗った状態で出港した。
お、これは貸し切りだね!

おーーーーーーーーー、綺麗!!
グリーンキャニオンってこんな場所だったのか!
すごいなぁ。

息を呑むような景色が延々と続く。
下調べ無しで来ちゃったけど、ここは来て大正解だった。

両サイドから水が滴り落ちてきていて、虹ができてる。
素晴らしい!

すっごいなぁ。

あぁ、なるほど、グリーンキャニオンって元々は鍾乳洞だったんだ。
あそこは巨大なトンネルみたいになってるけど、それ以外の場所は空が開いていて、深い渓谷みたいになっている。
渓谷の中へはあちらこちらから水が滴り落ちていて、鍾乳石がいっぱ
い連なってるのが見える。
ちょうどトンネルの下にある滝のところで私と若いガイドの子だけが船から降りた。
川で泳ぐというのは、この辺りを少し泳ぐだけかと思っていたのだが、ここから数百メートル泳いだり歩いたりして遡っていくらしい。
イワン君は付き合ってくれないみたいで、どうやら今回はバイクで送迎のみ担当の様子。
だからコミコミで5000円だったのかと納得。
あ〜、でも、しまったな、そんなに本格的に泳いで移動するんならダイビング用のミラーレスとハウジングを持って来れば良かったよ。
普通の一眼レフしか持って来なかったので、それをガイド君の防水袋に入れさせてもらい、ライフジャケットを着て川に飛び込んだ。

ヤッホーーーー!
(ガイド君が防水袋からカメラを取り出して撮影してくれた。両腕を上げているのは喜びのポーズをとっているだけで、溺れているわけではない)
というか、けっこう冷たいな、ここの水。
あと、流れが速いので、泳いで遡るのはかなり厳しい状況。
先行するガイド君が自分が着ていたライフジャケットを脱いで片手に持ち、それを下流に居る私の方に流してガイドロープ代わりにしてくれたのだが、それを掴
んで引っ
張ってもらうのは大人の男としてちょっと情けない気がして、意地でも掴まないで自力で遡っていった。(我ながら大人げないとは思う)
ガイド君が「ジャンプする?」と尋ねてきたので、何も考えずに「するよ」と、答えたら、、、、

高さ4mの岩からジャンプすることになった。

45歳のおじさんジャーンプ!
バッチャーーーーーーン!!
着水と同時に思いっきし鼻に水が入ったのだった。
深い所に飛び込んだので、そのまま泳いで上流の岩に辿り着いたら、ガイド君に驚かれた。
(昔から泳ぎは少し自信あり)
とまぁ、年甲斐もないことをしていたら想像以上に体が疲れてしまっていて、なれない裸足歩きで高さ2mぐらいある岩の上に立って写真を撮ろうとしたら突然
足が滑って
あっという間に1m下に滑落した。
幸い体は川に落ちずに下の岩にひっかかり、すんでのところでデジイチを川に落とすのは免れたけど、足は数カ所出血して数時間後には腰も痛くなってくるし、
い
やぁ、これには参った。(寄る年波には勝てぬ)
それはともかく、ここは本当に綺麗だなぁ。

幸いここに来てるのは我々2人と100mほど先に家族連れが1組のみ。

水の音で彼らが発する声はほとんど聞こえないので、近寄らなければ実質貸切状態である。

素晴らしい!

同じ場所だけど、天井の様子を記録するために縦構図で撮影。

上を見上げると鍾乳石がいくつも連なっているのが見える。
いやぁ、神秘的な場所だなぁ。

ガイド君はカメラ撮影が気に入ったのか、「写させて」と頼まれてカメラを貸したら、何枚も何枚も撮影していた。
(これはそのうちの1枚。私ならこんな構図では写さないけど、妙に迫力が出ていて気に入っている1枚)

写真だと水が滴り落ちてきているのがわかりにくいのでGIF画像にて。
そのまま上流の家族連れが居る場所まで行けるのかと思っていたが、どうやら私が払った料金ではここで引き返さないとならないらしく、名残惜しく感じなが
らガイド君の後に続いて川の流れに体を任せた。
(ここ、半日ぐらい居ても飽きないと思う)
この時、岩にぶつからないように注意しつつもライフジャケットに頼って上を見上げて流されていたのだが、過ぎ去っていく眺めが本当に幻想的だった。
意図していたわけじゃないんだけど、日程の関係で朝早い時間に来たので、家族連れ以外誰も居なかったのは本当にラッキーだった。

スタート地点のトンネルに戻ってから5分後、イワンくんが乗った船がピックアップに来た。

ここからの帰りの行程も本当に楽しかった。(もちろん行きと同じ景色だが)

いやぁ、気分爽快だなぁ。
ちなみに帰りはイワン君が船の先頭(一番良い場所)に座って、スマホで撮影しまくってはしゃいでいた。
あんまりここには来ないのかね?(まぁ、ぶっちゃけここならガイドは必要ないしね)

無事に乗船口に到着した。
グリーンキャニオン動画編 (幻想的な雰囲気は動画編のほうが伝わりやすい)
さて、あとはバイクで宿に戻るだけ。
これなら当初の予定より30分早く出発できそう。

と、思ったら、なんと駐車場に停めていたイワンくんのスクーターがパンクしていた。
どうやら先程工事現場の砂利道を走った時に尖った石を踏んだらしい。

すぐ近くにあったバイク屋さんに行ってパンク修理するはめに。
なるほど、インドネシアにはやたらとパンク修理屋さんがあるなとは思っていたけど、パンクしたらバイクを押して歩いて行かなきゃならないから、このぐらい
の密度であったほうが便利だ。

こちらはレストア中のバイク。

車と違ってチューブタイヤなので、まずはコテに灯油(たぶん)を入れて、火を点けて温めるところからスタート。
(写真は若いスタッフがライターを持っていなかったので、イワンくんが火を点けたところ)

パッチを当てて温めたコテを上から押さえつけてしばらく待つ。

火が消えたらもう一度灯油を足して火を付け直し。

待っている間暇だったので店主の作業を眺めていたのだが、どうやら彼はエンジンのレストアをしているようだった。
ガソリンを使って指でエンジンの部品を丁寧に洗い、慎重に組み上げ作業している様子からマシンに対する愛を感じるとともに、インドネシアにはこういう人が
たくさん居るから古い
日本の車やバイクが元気に走ってるんだろうなぁと思った次第である。
彼は私やイワンくんの方には一度も顔を向けることもなく作業に集中していて、若いスタッフが質問に来た時に一言二言アドバイスするだけの渋いおじさんだっ
た。
かっちょいい〜。
さて、15分ほど待って修理したのだが、改めて空気を入れてみたところ穴が塞がっておらず、イワンくんは結局新しいチューブを購入していた。
(チューブが寿命を迎えていたんだと思うけど、もしかしたら私の出発時間を気にして修理を諦めたのかも)

というわけで、ようやく宿に向けて出発した。(写真は工事中の片側交互通行区間をすり抜けているところ)
バイクで上下に激しく揺られるのだが、この辺でだんだん腰が痛くなってきた。
そして、帰りも20分ほどで宿に到着した。
バイクから降りるときに腰に激痛が走り、どうやら相当腰を痛めたことが判明した。
しまったなぁ、明日からダイビングなのに・・・
着替えるのもつらい状況だったのだが、幸いパンク騒ぎと帰りの道中で短パンが乾いたのと、この後温泉に入る予定なので、着替えないでそのまま履いておくことにした。
イワンくんに3500円とチップを支払い(笑顔で受け取ってくれたので、たぶんこれで合ってたと思うけど、もしかしたら負けてくれたのかも)、スタールさ
んには宿代2000円と追加で2食(昨日の昼と夜)を足したので2900円とチップを支払い、腰の激痛に耐えながら車に乗り込んで宿を出発した。
スタールさん曰く、パンガンダランからジャカルタまでは7時間ほどとのこと。
ジャワ島ドライブもこれが最後、頑張って運転するぞ〜。
つづく